AIが完璧な声を出しても、あなたの体は絶対にととのわない
「声がいい」って何が起きてるのか。倍音とか周波数とか、そういう話じゃなかった。
声帯を動かす神経と心臓を動かす神経は、同じ迷走神経の枝です。つまり、体がゆるんでいる人の声には、そのゆるみが物理的に刻印されている。で、聴いた側の神経系は、言葉の意味を理解する前にそれに反応している。
今回は、この現象を以下の研究・理論から横断的に解説しました。
◆ スティーヴン・ポージェス(イリノイ大学)── ポリヴェーガル理論(2011)、ニューロセプション概念(2004)◆ スティーヴン・ウィルソン(UCLA)──「発話を聴くだけで発話運動野が活性化する」(Nature Neuroscience, 2004)◆ ルチアーノ・ファディーガ──「声を聴くだけで舌の筋電位が上がる」(European Journal of Neuroscience, 2002)◆ J.J.ギブソン ── アフォーダンス理論(『生態学的視覚論』1979)◆ メルロ=ポンティ ──間身体性(『知覚の現象学』1945/『見えるものと見えないもの』1964)◆ 市川浩 ──〈身〉の構造(講談社学術文庫, 1992)
ゆるんだ声は、聴く人に「ゆるむこと」をアフォードする。椅子が「座ること」を誘うのと同じ構造で。
じゃあAIが同じ倍音を完璧に再現したら?生きた体の呼吸のゆらぎ、心拍変動に連動した微細な周波数の揺れ。これはテクニックでは作れません。
ポッドキャストは情報を届けるメディアじゃなくて、身体が身体に触れるメディアだった、という話です。
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鍼灸師・大沼竜也臨床17年。Instagram 45,000人に「身体の教養」を届けています。https://www.somaticstudiojapan.com/tatsuyaonuma
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