2024-03-17 04:51

2023.03.17

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石黒圭『段落論』(光文社新書)

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石黒経断絡論という本が公文写真書から出ているんですけれども、これは断絡というものについて、
あれこれと考えていくという本になっていて、真書なのでかなり読みやすいですし、論理も非常に明快な本になっています。
簡単に言えば、断絡というのはすごい大事だよという本なんですけど、僕はこの本を先日出た文化系トークラジオライフに出たことによって読み始めた本の一冊になっています。
どういうことかというと、基本的に地上派の、きちんと資本が入ったら、おしゃべりの場で何かお話をする人たちというのは、非常に喋るのが上手なんですね。
喋るのが上手というのはどういうことかというと、今の僕のように滑舌が怪しかったりとか、あのーとかえーとかフィラーが多いというような、そんな基礎的なところではなく、
そもそもその文章の組み立て方というものが、その語りにおいてもかなり整理整頓されているというところが何よりもすごいところだなというのを痛感したんですね。
僕はここまでの日記の中でも、だらだら喋って脱線したり、話が飛んだりするところにこそ面白さを求めているんだという話をしましたが、
それで言うならば、ある意味、段落がめっちゃかめっちゃかな語りをこそ、自分は好んでいるということでもあるわけです。
この段落論という本の中で石黒慶さんというこの著者の方は、段落というものを一つ引っ越しにおける段ボールの箱のようなものとして例えているんですね。
これどういうことかというと、文章というのは、書いた誰かAという人の頭の中から、読む誰かBという人の頭の中に情報を引っ越しをするような試みなんだということを言うわけです。
この情報を文章の形で引っ越しをする際に、しちゃかめっちゃかに情報を流れに任せてワーワーワーワー書いていくだけでは、なかなか上手い具合に引っ越しというのは終わらない。
重たいものはきちんと小さい箱にまとめて、軽いものは大きな箱に一挙にまとめることによって、情報の引っ越しというものをより相手に成功しやすいようなものとして捉えていく。
情報を詰める箱のようなものとして段落というものを考えていくと、その箱同士の関係がどのようなものであるかであるとか、そもそもその箱の中にどんな順番でどんなものを詰めていけば、情報の引っ越しが簡単にいくものであるかというところを考えていくような本になっていて、
ラジオに出ている皆さんというのは、情報のパッキングが非常に上手なんですね。この1つの段ボールの中で自分が話している間にどれだけの情報をどのような順番で、どのような密度を持ってお話しすれば、それが相手に伝わりやすいものであるのかというところを非常に計算されて話をされている。
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僕はそこに非常に素朴に憧れたんですよね。僕は基本的にダラダラと喋ってしまうので、自分の中でも自分が喋っている中で考えながら、どちらかというと情報を伝達するというよりも情報を練り上げている。
自分の中で情報を練り上げた上で、最終的に情報というものが何者かの形で立ち上がっていくような、そのような喋り方をどうしてもしてしまうので、情報を伝達することに特化したような、ご整理整頓された引っ越し上手なお喋りの仕方というものを、なかなか自分にないものだったので、かっこいいなって素朴に思いまして。
それをどうにか自分もあのような情報をきちんと相手に丁寧に漏れやこぼしをなるべく少ない形で受け渡せるような丁寧な喋り方というものがやれるようになりたいなっていうような気持ちもあって、今この5分にすべてを収めるというようなことも試してみているわけですが、そのような本としてこの石黒計算の段落論も読みました。
この石黒計算の段落論において、その段落、要するに構えというものと実際に文章を書いていく中での流れというものについての対比が面白くてですね、要するにこの箱としての構造というものと中で喋っている間に起こる流れというものが常に緊張関係にあるんだっていうようなことが段落論の中では提示されているんですが、お時間になってしまったので、一旦今日のところはここまでにいたします。
それでは、ごきげんよう。
04:51
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