kai3
ネタバレはもう、なのでネタバレ気になる人は一旦ストップして読み終わってから聞いていただきたいと思うんですけど。
久保田からいきましょうか。久保田っていうのがレコード会社で働いている人で、もともとは昔若い頃に一回ヒットさせてるんですよね。海外の。
もともと洋楽がすごい好きで、洋楽のアーティストをうまくヒットさせたんだけど、今は経理でしたっけ。別の部署にいるんですよね。
そんなような内勤の部署に移動していて。
もともと洋楽はすごい好きだったから、ちょっと今の邦楽ブーム、推し活みたいなのはちょっと距離を置いて見て
だけどある時、昔一緒に洋楽のブームを立ち上げた同僚が推し活ブームをすごい引っ張って牽引していて、ちょっと眩しく見えた後に、
kai3
その眩しく見えてきた同僚からちょっと一緒に新しいアイドルグループ売り出そうぜと声をかけられて、そこからね。
推し活のファン側じゃないですよね。この人はどちらかというとレコード会社の立場で、推し活を売り出す側から入ってきているんだけど、いつの間にかそれがね、ちょっと気持ちが入りすぎてしまうという。
いやー、これもう、さっきも追い込まれていましたけど、この人が今もう離婚して7年ぐらい経つのかな。
娘とは定期的にビデオ通話するけど、娘も興味もないような、ちょっと冷めた感じになっているので心移しもいないし、職場の若手はすごい自分を舐め切ったような態度をしていて、もう心を許す相手がいない。
あの頃よかったよな、若い頃楽しかったなって思い出から、まさに楽しかった頃の同僚本人から連絡が来るという。思わずやっぱりそこに熱量がこもるというね。
で、そのまま、本当は最初は運営としてアイドルグループを応援させていたんですけど、いつしかそのアイドルグループのメンバーと仲良くなって、ちょっと気持ちが入り込みすぎてしまい、仲良かったボーイズグループの子がちょっと体調不良で休んじゃうんですよね。
お休みのときに心配すぎて家に突撃してしまい、それでもう謹慎処分を喰らいプロジェクトが外されるという。だからもう家族にも職場にも友達がいなくて、でもこの若いボーイズグループの子と仲良くすることでちょっと心が通じた相手がやっとできたし、その子から年を取ったって化粧した方がいいと思いますよとか、
ビデオ会議のときにちゃんとライトを使った方がいいですみたいなことをして、ちょっとずつそういうことをし始めていくんですよね。そのおかげで現場の若手とも話せるようになってくる、職場の若手とも。職場の若手とも音楽の話で会うようになるから話ができるようになってくるということで、やっと心が通じ始めてきた。
kai3
ところで心が通じたはずの相手が病気で休んじゃうから、思わず心配して差し入れを持っていこうとしたんだけど、本来は知らないはずの相手の住所までアクセスして調べてしまうという。
うすだ
そんな終盤まで行っちゃう。
やっぱりこの久保田が面白かったですね。
娘とのビデオ通話のときにもちゃんとライトをつけるとか、アイドルの人にこれから化粧品買いに行きませんって言われて、最初はなんだよそんなの馬鹿みたいだろうみたいなこと言うけど、ちょっと間を置いてやっぱ行くってなるのもリアル。
kai3
絶妙にリアルですよね。
僕は正直この後の女子大生の話が一番面白かったんですけど、僕は気持ちはわかるというよりは気をつけなきゃいけないなって思ったというか、
やっぱり今時の40代50代の働き方って昔と時代が違うから何をやってもハラスメントと言われるとか、気を使いながらコミュニケーションするようになっているじゃないですか。
その中で若手と仲良い方がこれからの社会良いんだけど、仲良いを勘違いするとこうなってしまうんだというこの一線を超える怖さ。
本人は仲良くなれたと思っているだけじゃないですか、彼と。
でも彼からしたらそうではなかったという、彼は彼で実はすごい人見知りで人と喋るのを頑張っていろんな大人とも喋っていたのを勘違いして踏み込んでしまった。
これはむちゃくちゃ怖いなと思いましたね、立ち位置からすると。
あと僕が意外に面白かったのが、レコード会社でこの新しいグループを応援するときに、一人じゃないんですよ。
実は他にもいろんなメンバーがいてチームで取り掛かるんだけど、その中に国見っていう人がいて、この人がむちゃくちゃ名プロデューサーなんですよね。
うすだ
ソシャゲ会社から来た。
kai3
もともとソシャゲ会社が来たんで、そのソシャゲ的な気持ちの盛り上げ方っていうのをものすごい掴んでいて、それをうまくアイドルに持ってきて、確かにこの人の言うとおりに進んでいくんですよね。
具体的に言うとアイドルが何人かいるんだけど、今回我々を押すのは一番投票の低かった、ランキングで言うとギリギリ入れた子を一番押していきます、みたいな。
なぜかというと、その子のキャラクターが一番みんなから共感を持たれるからっていう。
なんだっけ、MBTI、今若者流行りの。
kai3
ちょっと内向的で、みんなと心を開けないみたいな、そういう子の方がむしろみんなから共感がいるんだみたいなので、戦略的にはむちゃくちゃすごいんですけど、でもこの人はストーリーを描けないんですよね。
それがむちゃくちゃ面白くて。
ストーリーを描く係として、この主人公の久保田が呼ばれるんです。
うすだ
久保田はもともと小説か何かを描きたい、脚本か何かを描きたいみたいなところがあって、そういう役割で入ったんですよ。
kai3
だから作戦は立てられるんだけど、でも人の心を打つシナリオはこの人には描けなくて、久保田を呼んできたっていうところが。
久保田はむしろそういう脚本を描けちゃうからこそハマるんですよね。
で、実際にハマって、謹慎処分をも受けた後に、国見と久保田が喋るんですけど、久美が、「視野を狭めるって楽しいんですか?」っていうすごい冷淡な質問をするんだけど、
この人は、国見さんは詩を狭めること自体に全く興味が持てないし、バカにしてると思うのではなく、そういうことの感覚値がないから全然わからない。
ソシャゲの文脈で戦略は立てられるんだけど、心打つシナリオが描けない人。
kai3
で、それを描けるのはやっぱり別の人で、その人こそこういうストーリー、ハマってしまいやすいミイラというかミイラになるみたいな。
ここの使い分けはむちゃくちゃ面白かったですね。
ちなみにこの国見って男だと思います? 女だと思います?
うすだ
え、男なんじゃないの?
kai3
これね、インタビューにいるんですけど、あえてどっちかわからない表現してる。
うすだ
なるほど。
kai3
僕も男だと思ってるんですけど、確かに名前がわざとらしく国見まことで「まこと」平仮名なんですよ。
読み返して気づいたけど。
うすだ
そうなんだ。
kai3
で、化粧っ気のない顔とか、体型がわからない服装で、一見すると男女どちらかわからないみたいなのがご丁寧に書いてあって。
うすだ
なるほど。
kai3
これをまた男性向けか女性向けでまたちょっと違ってきて、またちょっと面白いんですけどね。
うすだ
それ今全然知らなかった。
kai3
仕込んでますね。
仕込みだらけなのが面白い。そういう意味では次の仕込みが一番仕込みがでかいと思うんですけど、
kai3
もう一人の女子大生の主人公。
この子はもともとアイドルが全然興味なかったんだけど、ちょっと大学で仲間とうまくいかなくなっちゃうんですよね、友達達と。
ちょっとしたボタンの掛け違いで。
それできっかけで自分でMBTIを調べた時に自分のMBTIと同じアイドルの子がちょうどたまたま番組になってて、
すごい自分と同じキャラクターになっているので、そこにものすごい共感してそこから一気に推し活にのめり込んでいくっていう子なんですけど、
これがね、久保田の娘だったっていうすごいオチなんですけど、
いやー僕はねここが一番熱かったです。
うすだ
本当ですか。
なぜかというとですね、めちゃくちゃリアルなんですよ。
kai3
この推し活にハマっていくというよりは、推し活する人の行動がリアルで。
要はCDを何枚買ってランキング何位に行かせましょうみたいな行動があるじゃないですか。
そのうちの一個が具体的に出てくるんですけど、好きなアーティストの音楽をひたすら聞くんだけど、
この時のちゃんとコツが書いてあって、音楽をただ聞くんじゃなくて、曲名かアーティスト名を検索して聞く。
音量は0じゃなくて50倍以上にしよう。
スキップはしない、リピートはしない、必ず別のアーティストを入れる。
終わる時、聞くのやめる時は別のアーティストで終わらせるみたいな。
これ本当かどうかわかんないんですけど、確かに言われてるんですよね。
うすだ
ちょっと前に言ったチャートハック的なやつ。
kai3
音量が0だとカウントされないみたいな話とか、
同じ曲をずっとリピートしてるとそれは連続の再生数でカウントされないみたいな話があって、
そういうところまですごい丁寧に取材してるんですよね。
これがすごい恐ろしいなと思った。
kai3
この子はもともとこのグループ自体がオーディションから出てきてる。
投票型のオーディション。ファンが投票して上位何人がデビューできるっていうオーディションで、
それを応援せた友達に勧められて知ったんですよね、このグループをね。
一方で勧めてきた友達はもう次のグループを見てる。
その子は別にそのグループが好きじゃなくてオーディション番組が好きだったってこれまたリアルでこれもあるんですよね。
オーディション番組がすごい好きで淡々といろいろオーディション見ていくタイプと
一個のオーディションにガッツリハマってそのグループだけ追っかけてみればめちゃめちゃリアルだなと思う。
とはいえリアルを描いてるだけですごい誇張表現がすごいわけですよ。
誇張しすぎた古畑任三郎みたいになってるわけですよ。
なのでその誇張が現場感がある人からするとちょっとイラつくというかそんなことないでしょみたいな。
ごく一部の人はこうかもしれないけどみんなをこう見ないでみたいな。
まあそこはね架空なんでこれでいいと思うんですけど。
そこのねでもね僕からするといやこのぐらいの温度感が一番伝わるというか。
確かにこういう世界だよなあと思いながらめちゃくちゃ面白かったですね。
うすだ
これもちゃんとブックマークしていて再生回数とかもちろん毎回検索から動画にたどり着くこと。
再生リストの自動ループは使わず手動で繰り返し見ること。
音量は50%以上保つこと。
うすだ
720p以上の画質で再生すること。
一時停止はせずに広告も含めて全部見ること。
その動画を単体で繰り返し見るのではなく合間に全く関係のない動画を挟むこと。
定期的に再生利益を削除すること。
kai3
すごいんですよ。
うすだ
面白い。
こういうのをちゃんといれてくるから変なリアリティがすごい刺さるんですよね。
kai3
さらに言うとタイミング的にこれがねたぶんそのもしかしたら一部のそういう推し活している人からすると
ちょっとイラッとさせる部分かもしれないですけど
これテーマとなっているグループ「Bloome」というグループはオーディションの2回目でデビューする子たちで
その前にWAPというグループがいての弟グループで
かつ両方ともオーディションの人気投票で上がってくるというグループなんですよね。
このご時世からいくとこれはもう状況的にどう見ても JO1とINIだと思っちゃうわけですよ。
kai3
他にボーイズグループで出てきてその投票型のアイドルってこの時点ではそこまでいなかったし
しかも弟グループみたいな。BMSGも同じことやってたけどBMSGはどっちかというとプロデューサーが決めるタイプで
なのでこれたぶん一部のINIとかのファンからするとちょっとどう見てもそう見えちゃうから
kai3
あくまでそれをテーマにした架空の話なんだけど
そう見えすぎちゃうところが結構ねあるんだろうなっていう
さらに言うとこのこれもちょっとどこまでかわかんないんですけど
いわゆるメンカラっていうのがありましてメンバーカラーですね
今のアイドルみんなあるんですけどだいたいメンバーごとに色が決まっているんですよね
その色のグッズとかがあったりするという中で
この女子大生すみかちゃんが好きになるアーティストは紫色なんですけど
ここからちょっとねセンシティブな話なんであんまり深掘りせずに行くんですけど
とあるグループの熱量高すぎて事件を起こした追っかけの人が
界隈で紫色で呼ばれてました
紫と紫でそこは朝井リョウがわざとやってるのかわからないですけど
こんだけ調べてるんだったら多分そのトラブルメーカーと
カラーが紫ってのを多分知ってそうだからそこもつなげてるのかなっていう
それも含めてわりと界隈から結構センシティブなその話って
そういうのを含めて突っ込んでくるなっていうところも恐ろしいなと思いましたね
僕はこの女子大生すみかちゃんの話が気持ちも分かるし
kai3
ザ・朝井リョウな感じがしてる
それであの15周年作家生活の記念書ってのは
すげーわかるんですけど
うすだ
終わらせ方よくなかったですか?
kai3
いやーすばらしかった
うすだ
これしかないよなっていう感じ
kai3
うんすばらしい終わらせ方ですよ
いやーでもちょっと僕はあの後ページめくっちゃいましたもん
あれないの?続きないの?ってちょっと見ちゃったぐらい
すげーいい終わり方だったんですけど
いやーあのこれですよね
ごん狐じゃないけど
描かないことによるストーリー
描かないことによってその後むちゃくちゃ想像しちゃうじゃないですか
あれは素晴らしかった
うすだ
さっき描けなさそうだしな
kai3
やっぱり描いたらちょっともっとよくないですよね
うん陳腐になっちゃうというか
そんな気しますよね
kai3
なので朝井リョウの話が今まで読んだことがあって
嫌いでなければすごいハマるだろうし
あと推し活のなんか熱量みたいなのを感じるには面白い
ただやっぱりすごい誇張してるので
これだけを全てと思わない程度にしていただきたいというのは
僕だけの考えですけどね
うすだ
別にもう話題作ですかね見ておいて
kai3
まあね
うすだ
いいんじゃないですかね
kai3
いやーこれも多分映画化されるんじゃないですかそのうち
うすだ
映画化されるだけで微妙にさまた状況が変わってたりして
難しそうですよね
kai3
でもなんか本質は変わってない気がするんですよ
だってそれでいったらその
亡くなってしまった俳優みたいなのがもし三浦春馬だったら
そもそもすごい前なんですよね
でいまだにボーイズグループのオーディションとかも続いているので
投票制のやつっていうのは
多分少なくとももうすでにクランクインとかしてたら
全然時間的には間に合う気がしますけどね
いやーなるんじゃないかな今までだって
映画化してない作品がないぐらい
それ言い過ぎだけどちょっと大物のはだいたいなってますもんね
桐島が映画化されて何者もなっているし
正欲もなっているし
ちなみにですね
これが面白かった人にですねおすすめなのがですね
浅井リョウがですねスペードの3っていう小説を出してまして
これも若干推し活なんですよ
これはミュージカルを舞台にして
kai3
ミュージカルで応援するファンクラブを仕切っている女性と
実際に応援される舞台女優と
ファンクラブの中でゴタゴタみたいな話があるんですけど
これもちょっとね推し活文脈というか
ストーリーは何の接点もないんですけど
描いている世界観的には近いものがあるので
イン・ザ・メガチャーチ読んで面白かったのはスペードの3
スペードのスリーどっちか分からないですけど
これも結構面白かったですね
これもちょっと推し活的な話なので
僕も読んでいて
どっちかというとファンコミュニティの話ですね
こっちはそんなに描かれていないけど
イン・ザ・メガチャーチではあまり描かれていない
一人の有名人に対して好きなファンコミュニティができて
ファンコミュニティなのかなその人間関係とかそういう話
kai3
これもまた面白いので番外のテーマにはおすすめですね
イン・ザ・メガチャーチ映画化されたら僕は間違いなく見に行きますね
誰を配役するのかも含めて楽しみですけど
ちなみにあれですね
レコード会社の下りで
マーケティングのコンセプトで
政党の話もしれっと出てくるんですよね
最近の政党はこういう
チャーチマーケティングみたいなところで盛り上げてみたいな話も出て
そういう時世の話も入っていて非常に勉強にもなるし
推し活が全てが全てこうやってコントロールされているわけではないんですけど
現実問題こういう部分はやっぱりあるんです
スキル的にちょっとみんなを盛り上げるたびには
こういう演出がいいよねっていうのは僕は見ていても現実にあるんで
話半分くらいで読んでいただくとちょうどいいのではないでしょうか
かいだん
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バイバイ