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#1029「ゲイ遺伝子」は存在するのか?
2026-08-28 12:00

#1029「ゲイ遺伝子」は存在するのか?

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【本日の論文】
Ganna, A., Verweij, K. J. H., Nivard, M. G., Maier, R., Wedow, R., Busch, A. S., Abdellaoui, A., Guo, S., Sathirapongsasuti, J. F., 23andMe Research Team, Lichtenstein, P., Lundström, S., Långström, N., Auton, A., Harris, K. M., Beecham, G. W., Martin, E. R., Sanders, A. R., Perry, J. R. B., … Zietsch, B. P. (2019). Large-scale GWAS reveals insights into the genetic architecture of same-sex sexual behavior. Science, 365(6456), eaat7693. https://doi.org/10.1126/science.aat7693

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サマリー

本エピソードでは、同性との性行動の有無に関する大規模なゲノムワイド関連研究(GWAS)の結果を解説します。かつて話題になった「ゲイ遺伝子」の存在は否定され、X染色体には有意な差は見られませんでした。しかし、ゲノム上の5つの領域でわずかな差が検出され、これらが同性との性行動に影響を与える可能性が示唆されています。ただし、これらの遺伝的要因だけで個人の行動を予測することは不可能であり、その影響は全体の1%未満に留まります。生物学的な要因や環境要因については未解明な部分が多く、この曖昧さを受け入れることの重要性が語られています。

「ゲイ遺伝子」の過去の議論
おはようございます。心理学者のじんぺーです。 この番組では心理学の研究のお話をしたりしています。
今日は、いつもと少し思考が変わっていまして、
同性愛、厳密には同性の方と性行動をしたことがあるかどうかというデータなんですけど、
そういった論文がサイエンスに、サイエンスというまあ、研究者なら誰もが載せたい、載せたいと思う人も少ないかもしれないですね。
ちょっと現実味がなさすぎて。 そういう学術雑誌がありまして、そこに2019年、ちょっと古いんですけど、
載った論文を紹介してみたいと思います。
同性愛の方。ちょっと今日はね、本当に難しいんですけど、厳密には違うが、同性愛の愛者の方が周りに、ドイツに来てから特にかな、
何名か出会うようになって、 興味があったんですけど、なかなかこういうのを
調べようという気に、 これまではあまりなかったんですけど、なんかふとね、そういえばどうなんだろうというのを
気になって調べていたところ、なかなかこの研究の歴史とかも興味深いなと思ったので、シェアさせていただければと思っております。
今日メインで紹介するのは2019年の論文なんですけど、少しね、
経緯を遡りまして、90年代ぐらいの話をね、先にしたいなと思っています。
ゲイ遺伝子という言葉が、 その時に話題になったそうです。これは自分はよくわからないし、もしかしたら日本ではそんなに
話題になってないのかもしれません。91年とか93年とかに、そういう同性愛の方に関する遺伝子の研究が、
いくつかポンポンポンと出て、それもまたサイエンスとかね、 影響力のある学術雑誌に載って
話題になったということです。実際にその論文とかではゲイ遺伝子とかっていうふうに言ってはなかったんですけど、
メディアの方がね、すごくそれに、言い方難しいですけど、ある種の過度に反応して
話題になったということです。この辺り、すごく気をつけないといけないところかなと思います。実際の研究者が使っている言葉とか、研究結果とかが
間違ってはないんだけど、すごい過度に 伝えられたりとか、言葉が変わるというのはもしかしたら間違ってる
間違ってると言った方がいいかもしれないですね、言葉に関しては。 そういう例でもあるんですけど、そういう背景があったと。
その研究はどういうことをしていたかというと、 アメリカのハマーという研究者がやったそうなんですが、ゲイの兄弟40組を調べたと。
そうしたところ、X染色体のある領域、これ名前は別に思わなくてもいいんですけど、
僕も覚える気ないですけど、XQ28 というところに共通のパターンがあると報告したそうです。
40組のうち33組がここに同じ目印を共有していたということです。
偶然だとしたら20組くらいのはずなんで、これは偶然より遅そうだというので、研究になったということです。
これも先程の話と重なるんですけど、この研究者、ハマーという人は別に遺伝子を見つけたというのは言ってなかったそうなんですけど、
メディアがゲイ遺伝子と呼び始めたそうです。
この後、いくつか再現研究があって、1999年にカナダのチームがやったときにはうまくいかなかったというふうなことがあったと思ったら、
今度2015年に別のチームがまた検出したと同じようなゲイ遺伝子というか同性愛の方に顕著な遺伝子を発見したみたいな報告があって、
どっちなんだというふうになっていたのがこれまでです。
2019年の大規模GWAS研究
2019年のサイエンスの論文が画期的なのは、とにかく大規模、47万人の遺伝情報を使っているということです。
これもどこまで説明するかというところなんですけど、厳密には遺伝子ということじゃなくてゲノムという30億くらいのゲノムがあって、
詳しいことはちょっとこの後説明したいと思うんですけど、47万人のデータであると、これがまずすごいデータ量であると。
これまでの先に40組とか言ってましたけど、もう桁違いであるのは見てわかると思います。
最初の方に気をつけて言っていたんですけど、このデータは別に全員が同性愛者ということでもないし、同性愛のことを聞いているわけじゃないんですよ。
他の研究とか、もともとあるデータセットを使っているので、同性愛かどうかという質問がその中になかったんですって。
代わりにあったのが、同性の人と性行動したことがあるかという質問があって、それをイエスと答えるかノーと答えるかというので、
イエスと答えた人とノーと答えた人でどういう違いがあるかみたいなことを簡単に言うとそういう研究になっています。
結論を言いますと、X染色体には何もなかったと、差がなかったそうです。
そういう有意な場所とかもないし、シグナルの偏りもないというのが結果です。
なので、原遺伝子とかつてメディアが言っていたものはそこにはなかったということです。
かといって何も差がなかったかというと、それだけではないというのが結果だそうなんですけど、
研究結果の詳細と遺伝率
高校の時に生物やってた方とかの方が僕より詳しいかもしれない。
僕は生物をミリ種でして、結構抜けてるんですよこの辺ね。
良くないと思うんですけど。
遺伝子じゃなくてゲノム。
ゲノム上の5つの場所で差が見つかったということです。
これがすごい重要なんですけど、効果がとても小さいんです。
その5つの場所で見られた差。
例えば、その1つのがある方が持っている男性で報告率が4%。
持っていない人で3.6%みたいな。
0.4ポイントです。
ある方持っているのが60%で、そうじゃない人が10%とかそういうレベルじゃない。
0.4ポイントです。
これは何かを強く言えるかというと、全くそんなことはないということです。
こういう遺伝情報、全部立ち合わせたスコアみたいなものを作って、
同性の方との性行動の有無というのを予測できるかというのを試したんですけど、
説明できたのは1%未満ということなので、個人の予測には使えないというふうに
はっきりと報告がされています。
なので、ゲイ遺伝子みたいなものはなかったんですけど、
遺伝が全く関係ないかと言われると、そういうわけでもないというね。
これがなかなか難しいところであるかもしれません。
集団全体で見ると、個人の特定は難しいんですけど、
集団全体で見ると、遺伝の影響自体はちゃんと検出されているそうです。
ばらつきのだいたい1割から3割ぐらいだったそうです。
この遺伝率というのもとても難しいところなので、
3割とか聞くと多そうに見えるんですけど、
3割が遺伝で決まるということではないですね。
集団の中で人によって違いが出ると。
その原因に内訳の話ですね。
なかなか難しいですよね。
興味がある方はぜひ遺伝率について調べてみてください。
未解明な要因とネガティブ・ケイパビリティ
ここまで来て、遺伝がそんなに大きな効果がないというのであれば、
どういう要素が同性愛とか、同性の人と性行動をするという、
そういう行動を起こすのかということを決めるのかというのが気になりますよね。
すごく気になるんですけど、
分かっていないというのが1番の正確な答えかなと思います。
論文の中に生物学的な要因はほとんど不明と書かれているので、
分かっていないのかなと思います。
遺伝的なところが関係ないんだったら、環境化と言われると、
双子研究とかで、悪いところは一貫して示されているそうなんですけど、
家庭環境とか育て方というのではほとんど説明がつかないということなので、
育ちというか言葉から思い浮かべるようなことであったとしても、
だいぶ否定されているのかなというところなので、
どうでしょうね。遺伝で分からなくて、環境でも分からなかったら何なのかというのが、
面白いですね。
より興味が湧く結論。
個人的には分からないとか言われると、
もっと解き明かしたくなるような感覚があるんですけども。
結論というか、1番言いたいのは、
強いことを言えないということは、
ネガティブ・ケイパビリティがみなさん試されていますよ。
曖昧さに耐えるような力が試されているんですけども、
分からないというところかなと思いますが、
かといって遺伝とかゲノムとかで全く説明ができないということでもない。
この曖昧さはぜひ楽しんでもらえればと思いますし、
もしこれがあるんじゃないかという仮説があれば、
ぜひシェアしていただきたいなと思いますし、
自分も引き続き調べてみたいなと思っています。
2019年なので、この7年ぐらいでまた何か変化があったかもしれません。
気になっています。
今日はいつもと黄色の違う研究を紹介しましたけども、
普段あんまり考えないけど、こういうのをたまに考えてみてもいいんじゃないかなと個人的に思っていますし、
インスピレーションといいますか、こういうのを知っておくことで、
何かに役立つということでもないんだけども、
もしかしたらどこかで繋がる時があるかもなと思ったりもしているというところでございます。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
神平でした。
心を込めて。
12:00

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