四川省のジャイアントパンダ保護区群の設立
みなさんこんにちは、行きたくなる世界遺産です。この番組は、学校の教科書や旅行雑誌には載っていない、世界遺産の魅力について楽しく迫っちゃおうという番組です。
そして、みなさんのお耳の音もします。世界遺産プランニングチームパスワードから、世界遺産検定マイスターのみどです。
さて、今回は私、単独での配信になりますけれども、ゴールデンウィークも終わって、みなさんね、お疲れモードなんじゃないでしょうか。
パパ、ママの方は、長かったゴールデンウィークだと思いますけれども。
ゴールデンウィークで、いろんなところへ行かれた方が多いと思うんですけれども、ちょっとそれに関係するような世界遺産を今日はピックアップしたいと思います。
今回、僕がピックアップする世界遺産は、中華人民共和国の自然遺産、四川省のジャイアントパンダ保護区群です。
はい、みなさんご存知、ジャイアントパンダ。
このゴールデンウィーク中に、動物園なんか行かれた方多いんじゃないかなと思います。
関東圏で有名なのは、上野動物園ですよね。
上野動物園といえば、ジャイアントパンダ。
ということで、今回はそのジャイアントパンダに関係する世界遺産をピックアップしました。
このジャイアントパンダですが、実は世界中で中国にしかいない動物となっています。
そして、みなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、このジャイアントパンダ、実は絶滅危惧種に指定されています。
そんなパンダたちを守るための物語が、この世界遺産には込められています。
この世界遺産ではですね、ジャイアントパンダの生息地である中国自然省の7つの自然保護区と9つの風景名称区が世界遺産に登録されています。
ジャイアントパンダの由来と数の減少
ここで、ジャイアントパンダの一般的な知識になるんですけども、パンダという名前ですね。
これ、ある国の由来となった言葉なんですけども、その国、みなさんご存知でしょうか。
はい、これ実はネパール語から来ているそうなんですね。
ネパール語で、竹を食べるもののことをネガヤポンヤと呼ぶらしくて、その後半のポンヤが生まれてパンダになったと言われています。
さらに、このジャイアントパンダ、中国にいますから、中国語ではオオクマ何々と書けます。
オオクマの後に続く漢字、みなさんご存知でしょうか。
知っている方もいるかもしれませんね。
これはオオクマネコと書いてジャイアントパンダと中国で呼ぶそうです。
そんなジャイアントパンダに関する世界参。
この四川省の保護区では、ジャイアントパンダの約30%以上の500頭が生息しているそうです。
保護区群では、地形や地質、動植物の多様性でも重要な場所で、実はパンダ以外の動物たちもいます。
その代表として、レッサーパンダやユキヒョウ、ウンピョウなどの、こちらも絶滅危惧種を含む約542種と呼ばれている脊椎動物や365種の鳥類、そして5000から6000種の植物が生息している自然豊かな場所だそうです。
この数字を見ただけでも、すごくその地の自然豊かさが想像できますよね。
そしてジャイアントパンダに関する歴史。
19世紀半ば、地元の漁師が持っていた毛皮を見たフランス人船長氏が、世界中にジャイアントパンダを紹介します。
すると、たちまちこのジャイアントパンダの存在が世界中に広まり、その人気が高騰します。
となると、これも本当に負の歴史なんですが、このジャイアントパンダの毛皮を取るための密漁が横行してしまうんですね。
こうして、みるみるうちにこのジャイアントパンダたちが減っていき、さらに追い打ちをかけるように過度な都市開発がこの一帯でされることになります。
都市開発ですから、自然豊かな場所の木々を伐採して、そこに新たに建物を作っていくわけですよね。
そうすると、ジャイアントパンダが暮らす森が縮小されてしまうわけです。
ということもあり、このジャイアントパンダの個体数というのは、みるみるうちに減ってしまったと。
そして、さらには絶滅が心配されるようになってしまったということですね。
どうでしょうか。
このジャイアントパンダ、いずれの危機も人間が原因でその個体数が減ってしまっているという現実があるそうですね。
最初は密漁、そして都市開発ということですけれども、
このような背景から世界産へ登録することにより生態系を保ちつつ、
今後、動物たちの生息数を回復していく役目を世界産保護活動にかけたということです。
ここでポイントなのが、世界産権って勉強している方はご存知かもしれませんが、
世界産の本来の意味って、観光のためとか、各国の名所・継承地のアピールというわけではないんですよね。
世界産というものは、今になくなってしまうような場所だったり、
今も紛争地の中であり続ける街だったり、
絶滅の恐れがある動物が住んでいる場所ということもあります。
すなわち世界産というのは、本来の目的は保護・保全にあるんですよね。
ということもあって、四川省のジャイアントパンダ保育群として2006年、世界産に登録されました。
ただ、その後もパンダたちに危機は襲ってきます。
特に中国四川省、ここはとっても多くの地震が起きる場所でもあります。
皆さんの記憶にもあるかもしれませんが、2008年に四川大地震という大きな地震がこの地を襲いました。
そして、この四川大地震の震源は、ジャイアントパンダ保護区のすぐ近くと言われています。
ということもあり、人災だけではなく、こういった自然災害にもパンダたちは襲われ、個体数を減らす原因になってしまったという現実があるんですね。
ジャイアントパンダの保護と上野動物園
一方、皆さんがよく行かれる動物園、このゴールデンウィーク中も行かれたんじゃないでしょうか。
関東圏だと東京の上野動物園なんかはジャイアントパンダが見えることで有名ですよね。
この東京上野動物園では、現在オスのリーリーとメスのシンシン、その間の子供として上野動物園内で生まれたオスのシャオシャオとメスのレイレイの4頭が暮らしています。
屋外保護市場を工事していた関係でシンシンの展示は中止されていましたが、この3月19日から工事が終了し、皆さんも見れるようになったと聞いています。
そんな上野動物園ですが、この上野動物園を管理している東京都も中国野生動物保護協会と一緒に四川省の山々をはじめとするパンダ保護活動を遂行しているそうです。
いろんな活動をされているそうですが、僕が一番目に留まったのが、東京都と中国野生動物保護協会の共同で基金をしているそうです。
そしてそこをちょっと調べたところ、そのジャイアントパンダ保護サポート基金の運営委員会顧問が、あの黒柳哲子さんということです。
こちらは東京上野動物園のホームページで募金・協賛も募集しているので、もし興味がある方はそちらも覗いてみてくださいね。
このエピソードの概要欄にもリンクを貼っておこうと思います。
ということで、今回は四川省のジャイアントパンダ保護区群のご紹介でしたが、どうだったでしょうか。
みんなね、パンダと聞くとその愛らしい姿だったり、非常に僕たちとも近しい動物というか、そういったイメージを持たれる方多いんじゃないかなと思いますが、
実はその生息が悩まれされている、そして今もなおジャイアントパンダたちの生活域が縮小傾向にあるという非常に頭を抱える問題も持ち合わせている世界さんということでした。
地震のところは本当に心配というか、今後も大きな地震が予測されるような場所、自然省というのはそういうところですから心配ではあるんですが、歴史的にやっぱり人間が関わっているというところですよね。
怪我をとるための密漁だったり、都市開発というところだと思います。
確かに都市開発って僕たちの生活だったり、仕事をしていく上で避けて通れない部分だと思います。
ただ、それによって起きる弊害というのもちょっとイメージしないといけないのかなというふうに感じました。
都市開発というとオフィスビルが建つだけじゃなくて、例えばレジャー施設だったり、あとはリゾート地の開発なんてこともありますよね。
今、日本中でいろんな場所がそういった観光招致活動なんてものをやっています。
確かに世界さんを知る上で観光というのはすごく重要だとは思います。
そのうちに行って初めてわかることだったり、肌に触れて自分の中で新たな思いだったり気持ちが芽生えることもあると思います。
この行きたくなる世界さんも、行きたくなると歌っている以上、皆さんに世界さんのことを興味を持ってもらいたい。
知るというところから行きたいなと思ってもらいたい。
そして行った際には守りたいという気持ちが芽生えていただけたら嬉しいなという思いから行きたくなる世界さんと名前を付けたところがあります。
なので、ぜひこういったいろんな世界さんのバックボーンにあるストーリー、こういったところを僕たちで紹介しながら、
世界さんの目で見える価値だけじゃなくて、そのストーリー性をぜひ皆さんに体感してもらいたいなと思っています。
そうすれば、僕たちも楽しみながら、そしてこういったかけがえのない地球の記憶というか財産というか、
こういったものをいかに残していけるのか、動物たちを守っていけるのかという糧になるかと思うので、
ぜひ知って、行きたいと興味を持っていただいて、そして守りたいという気持ちが芽生えていただけたら嬉しいなと思います。
ということで、行きたくなる世界さんでは皆様からのお便りをお待ちしています。
エピソード概要欄のリンクから投稿してください。
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皆さんのコメントを僕たちでピックアップして、交流できたら嬉しいなと思います。
それではここで、お便りが届いていたので一見ご紹介します。
ラジオネームタモンさん。
ノルウェー、ウルネスの木造協会のお話、学びの時間ありがとうございました。
世界さん含めた文化財の保護、マイスターのお三方ならではの視点だなと思いました。
建築技術、日本だと家大工さんや装飾品を作る職人さんたち、年々高齢化している印象です。
文化財の保護復元に携わる職人、またその職人が使う道具を作る職人さん、若い人への技術の継承は課題ですね。
技術の習得は年単位、時間がかかることが多いです。
それを補う形で今の新しい技術、例えばAIによるシミュレーションや成分分析、データ収集などうまく活用して技術を学ぼうとする人のサポートができるといいなと思いました。
ということで、タモンさんのお便りいただいています。ありがとうございます。
これは第56回のカナエさんの紹介したウルネスの木造協会のお話に対する感想ですね。
おっしゃる通りですね。
世界遺産には神聖性といって、修復する工法自体はオリジナルのものを使わないといけないという概念があるんですけども、
その技術を継承するには、やはり現代の技術を使いながらうまく教育をしていく必要があるんだなぁとお話を聞きながら僕も感じました。
AIによるシミュレーションや成分分析というお話もありましたけども、
そのためにも今大事に大事に残している世界遺産、その設計図や細かい資料というのを日々日々蓄えていく必要があるなぁと思いました。
そのためにもうまく現代の技術を生かしながら設計図だったり、成分管理表だったりというものをデジタル化して保存しておくとか、
そうすることでその細かい積み重ねで構成にも保存というところでうまく継承していけるんじゃないかなと思っています。
実際今の世界遺産でもそういったデジタル技術を活用しながら設計図だったり、大事な大事な技術文章を保管しているという場所も見受けられます。
なので本当にタモモさんがおっしゃるように、そういった技術力というところでうまく現代の技術を生かしながら残していく。
ただその手を加える際はオリジナルの工法にこだわって原型が残る形で保存していくというのがやっぱり世界遺産には大事なんでしょうね。
こういうところも含めてやっぱり北欧の木造協会というのは経年劣化するものも含めて美しいなと、残していく必要があるんだなと、
なんかこう世界遺産の真髄に迫るような遺産の話でしたね。
はい、重要な気づきタモモさんありがとうございました。
それと生きせかから1点お知らせがあります。
生きたくなる世界遺産はこれまで毎週火曜日、17時ごろミヤスに配信をしておりました。
ただこの度ですね、2週に1回各州でのお届けに変更しようと思います。
その分時間をしっかり設けて、また皆さんに楽しんでいただける番組作りをできればなと思っていますので、評価よろしくお願いします。
ということで、今回は私みどからご紹介した世界遺産でした。
次回以降どんな世界遺産が待っているんでしょう。また楽しみにしていただきたいなと思います。
それではまたお会いしましょう。バイバイ。