発車ベルの制作過程
元祖発車ベルチャンネル。このチャンネルでは、私、井出 音研究所所長、井出広居が元祖発車ベルを開発したスタッフを代表して、当時のことをお話ししたいと思います。
今週から2回続けて、ついに完成品の解説というか、どういう構造になっているかみたいなことを明かしたいと思います。
じゃあ、その間はどうだったのかというふうに思う方もいるかもわかりませんけども、
その間はですね、あまりにもいろんなことがありすぎて、カオス状態になっていて、しっかり整理ができてないんですけども、
その一番大変だったのは、この前、先週までのやつと、今回までの間ですね。
で、一番最初、この発車ベルを流した時に、一つのパニック状態というかが起こったんですね。
新宿の駅の中で、なんかもうこれじゃ酔っ払いが寝たままになっちゃうんじゃないかとか、
よく気がつかなくて、終電逃したみたいな話が、もうこれ状態で出てきてですね、
もうかなり、駅員の方もですね、パニックだったんですけども、
そこになんと、すごい人が登場しまして。新宿駅の駅長さんが登場しましてね。
このスタッフと、駅長さんも含めて、ずっと一緒にやってきたわけなんですけども、
それで、もう最後はですね、このプロの言うことを信じて、やろうという一声を言っていただいて、
それで一気に、その場の雰囲気が安定してですね、
それで最初の電車が滑り込んできて、
で、ついに出る時になったというようなこともありありと覚えています。
それで、一番最初ですね、この完成品の発車ベルで基準になったのがですね、
これはもう本当に金の構造をかなり忠実にやっているんですけども、
それが一番線、二番線の埼京線でした。
ちょっとお聴きください。
これは先週まで聴いていただいた方はちょっとわかるかもわかりませんけども、
結構最後の方のピアノでやったりとかですね、
その辺がかなり繋がってきていると思います。
で、このパンパンパンパンという和音みたいなものはですね、
先週やった鐘の音の構造がですね、割と反映されてますね。
割と鐘の音に聴こえる方も多かったんじゃないかと思います。
で、この埼京線が基調になって、だんだん次に広がってきたということなんですね。
で、それとはちょっと違うように感じる方も多いと思うんですけども、
音の種類と構造
山の手線ですね、内回り外回りとあって、内回りが高いんですけども、
この音をちょっと聞いてください。
この割と印象的なメロディなんですけどね、
これ実はメロディじゃなくて、さっきの埼京線と同じように、
鐘の響きみたいなものをですね、散りばめてあるだけなんですね。
で、ですから譜面というのは一番最後にできたわけです。
普通は譜面を作曲者が作って、これを演奏者に渡して弾いてって言ってできるんですけども、
この新宿駅の発車ベルの場合には、まず音ができて、それを起こす形で譜面ができたという逆のことになっています。
この辺からですね、メロディを作ろうと思って作ったっていうこととは違うってことがお分かりになったと思いますね。
で、もう一つ言ってみたいと思うんですけども、
どれに行こうかな。
成田エクスプレスの音に行ってみたいと思います。
成田エクスプレスは少し遅れて走るようになったんですけども、
この音を作ろうということで、
今まで使った音じゃない音で、だけどやっぱり鐘の音の響きができて、
なんていうか、完全に音色としてもちょっと違ったふうに感じるというのは何かなということで、いろんな楽器を試しました。
で、クリスタルマリンバという、クリスタルでできたマリンバという不思議な楽器がありまして、
この音でやっているわけです。それともう一つですね、面白い話がありまして、
ヒューって音が入っているんですよ。
この音は何かというと、
鹿のトウナキみたいなものなんですね。
ちょうど千葉に、千葉の森の音を録ろうということで行ったときに、夜中に
ヒューという声がすごくしていて、それも一緒に録っちゃったんですね。
後から聞いてみたら、これは鹿の声だと。
そこにはヒルがいっぱいいたので、きっと鹿がヒルに噛まれたような、
それで、もだいている声なんじゃないかと、
いうことなんですが、なんかね、発射の笛に似ている感じがしたので、
そこは千葉ということもあるものですからね、これを発射の合図みたいな形でヒューって使いました。
ということで、また来週もこんな形でですね、
完成品がどんなことでできたかというようなことを説明していきたいと思います。
それでは来週