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2024-10-14 07:55

第1回 初めての大規模な発車ベルの刷新。どうやってプロジェクトは始まった?

鉄道の日を祝し、今日からチャンネルがスタートします!初回のテーマは、「そもそも発車ベルを刷新することになった経緯」について。企画書やコンペの様子、JR様の抱えていた課題、そして早速直面した問題とは?

チャンネルスタートを記念して、開発された発車ベルが調和した作品を空間オーディオで配信開始!青春を駆け抜けるような響きを、是非お聴きください→ Apple Music で聴く

サマリー

発車ベルの刷新に関するプロジェクトは、35年前の鉄道記念日に始まっています。音響設備の改善を目指し、多くの試行錯誤を経て新しい発車ベルが開発されています。

発車ベル刷新の起源
元祖発車ベルチャンネル。このチャンネルでは、井出音研究所 所長、私、井出祐昭が、元祖発車ベルを開発したスタッフを代表して、当時のこと、秘蔵のお話、まだ表に出ていないお話の数々を10回ぐらい続けてお話ししてみたいと思います。
まず、第1回目は、今日は鉄道記念日ということと、それからこの発車ベルは35年も前のことになります。
その後、いっぱい、世界も含めていろんな取材があって、そのおかげでいろんな記憶がまだ残っているので、忘れないうちに皆さんにお伝えしようと思っています。
このお話は、本当にまだ表に出ていない製作秘話みたいなこととか、どういう流れでやったのかとか、そういうことを中心に、音を聞きながら言ってみたいと思います。
第1回目は、どのような経緯でこれをやることになったかということをお話しします。
オリエンというんですけれども、JRから、こういう音響系の各社に放送設備を買いたいということで、説明があったんですね。
それでコンペということになって、みんなが企画書を出してくるんですけれども、私はその当時はヤマハにいました。
それでそのコンペに参加したわけです。
最初は放送設備というハードの方の色が強いコンペだったんですけれども、私たちは発車ベルも含めて、いろんなソフト系も含めて提案しました。
その時はちょっと面白いタイトルで、新宿ルネッサンスなんていうタイトルで出してみたりしました。
一方、JRさんの方にも今までの発車ベルっていうの、プルルルルってやつがですね、やかましいという苦情が結構殺到していて、
それはお客様相談室みたいなところがあって、そこに集中してたんですけれども、
その前のジリリーってやつは、あるいはミュージシャンはその下に行っちゃいけないと言われているぐらいけたたましいものだったんですね。
そういう流れがあって、そこを何とかしたいと。
それとあとは駆け込み乗車がですね、新宿駅ぐらいになってくるとかなり多くなっていて、非常に危険なのでこれを何とかしたいということが、JRの方にもありました。
そんなことがあって、まずはその放送設備の方を、特にスピーカーなんですけどね、ホームを4分割多分したと思うんですけど、いろんなメーカーで。
それでどれがいいかみたいなやつを、実際にJRの方々がアンケート調査をホームでして、それで結局ですね、私たちのチームに決まったということなんですね。
その中で私はですね、一番のポイントはアナウンスだという風に思っていて、この声がどういうふうに綺麗にはっきり聞こえるかということを非常に重視していました。
その次はですね、発車ベル。これが焦ってしまう、駆け込んでしまうということを起こしていて、じゃあここをちょっと変えてみようということになったわけですね。
2本立てでやったんですけども、後出てきますけども、ハードの方も路線のゾーンといいますかね、ホームを2つに分けて右左に違う音が出るわけですけども、
そういう風になるようにスピーカーの角度とか指向性を調整してやったり。それからスピーカーとスピーカーの間にいても同じ音量が聞けるように、そういうことを計算してやったり、特別なスピーカーを作った座布団とか言われてたんですけども、そんなようなものを作りました。
それで、発車ベルをどんなものを作ったかということの探訪になるんですけども、最初は非常に簡単にシンセか何かでやればできるかなとか、今あるものをもっとソフトにすればいいのかなという形でやり始めたんですけども、
もうやってみたらこれが沼にはまったという、まさにその通りで、これを1年かけて300種類以上の音を作ったわけですね。
何が一番大変だったかというと、例えば海外ではどんな感じでやってるか?というのを調べてもないということがほとんどだったりとか、あとはこういうふうに発車を知らせるということはどういうことなのか?というような、どういう音がそれなのか?ということがまだ世の中に理論として確立してなかったんですね。
これは偉いことになったって、やればやるほど簡単なようなものなんですけども、たかが10秒とか20秒とかそのぐらいの音なんですけどもね、入ってみるとこれが偉い深いもので、それからはまずこの発車ベルというのはどういうものかというような概念を作る、理論を作るというところから始まりました。
これが大苦心の始まりで、やらせていただくことは嬉しかったんですけども、その反面偉いところにはまったなというような感じがして、次回からはその模様を一個一個音を交えながらどうやって作っていったのかみたいなことを説明したいと思います。
それで、この発車ベルというのは調和するように実はできているんですね。
その模様はiTunesなんかにも出してるんですけども、それを立体化しようということでやってみたらですね、なんかすごい切ない、その当時青春の思い出がある人にとってはですね、ちょっと泣いちゃうんじゃないかみたいな、そういうちょっと面白いものができました。
空間で新宿駅のその当時を体験するみたいなね、そういうものができました。
それも今日の鉄道の日、14日に合わせて出せるといいなというふうに思っています。
それではまた来週。
07:55

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