一冊の本をお茶とともに味わう読書Podcast「本茶本茶」。
今回はシグニチャー パープルティーを淹れながら、安川新一郎『未来思考2045』を紹介します。
▼ 今回のテーマ
世界の統合化と分散化/人々の意識の記号化と多元化
世界がひとつのものさしへ統合されていく時代に、自分の意識をどう保つか。お茶を片手にゆっくり語ります。未来予測や社会・生き方に関心がある方におすすめのエピソードです。
🍵 本日のお茶
シグニチャー パープルティー(TEAFFERENCE)
https://www.teafference.com/product/detail?goods_no=146
📕 本日の本
『未来思考2045 危機と分断、そしてAIは世界をどのように変えるのか?』
安川新一郎(著)
https://amzn.to/4aFYqgT
👤 話し手
Fuyuto「静けさのデザインとケア」をテーマに、コーチング・プログラム開発を行うStudio Stillness代表。
note → https://note.com/honcha_honcha
感想
まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!
サマリー
本エピソードでは、安川新一郎氏の著書『未来思考2045』を、シグニチャー パープルティーを味わいながら紹介します。世界は統合化と分散化が同時に進行し、人々の意識は記号化と多元化が進むという現代の状況を解説。グローバル資本主義における個人の記号化や、SNS普及による意識の多元化といった現象に触れ、これらの動きがエリートとマスという二つの層に分断を生んでいると論じます。著書で提示される2045年に向けた4つのシナリオにも言及し、現代社会における自己の在り方について問いを投げかけます。
オープニングとお茶の紹介
こんにちは。本茶本茶へようこそ。
毎回一つのお茶を味わいながら、一冊の本をきっかけに、生き方の問いを一つ持ち帰る時間です。
静けさのデザインとケアを通して創造性の器を育む、スタジオスティルネスのFuyutoがお送りします。
毎週水曜日19時に更新しています。
今日ご紹介するのは、安川新一郎さんの未来思考2045。
機器と分断、そしてAIは世界をどのように変えるのか、という一冊になります。
著者の安川さんは、現在はGreat Journey合同会社というところの代表をされているんですが、
元々はコンサルティングファームのマッキン・ゼアンド・カンパニーにいらっしゃったり、
その後、ソフトバンクの社長室長を務められていたり、
その後、スタートアップへの投資であったり、未来の人材開発を推進するGreat Journey合同会社を創業され、
その他にも東京都や大阪府、あるいは内閣官房のCIO補佐官のような政府・自治体の課題解決にも取り組まれてきた、そんな方になります。
この本は、このポッドキャストでこれまであまり紹介してこなかったタイプの本にはなるんですが、
非常にメタな視点から、これまで何が起きてきたのか、世界でですね。
そして今、世界と人々の意識に何が起きているのか。
そして最後に、2045年、その先に向けてこれから何が起きるのか、起き得るのかというシナリオ。
この3つをですね、指し示している、そんな1冊になっています。
おそらくちょっと僕もまだ1回読んだだけで理解をしきれていないところではあるんですが、
非常にその世界とかこれからの未来に対する見立てが興味深い1冊になっているので、
少し自分の中の咀嚼の意味も込めて今日は取り上げてみたいなと思っております。
紹介したいポイントが2つですね、今日はあって。
1つ目が、世界の統合化と分散化。
そして2つ目が、人々の意識の記号化と多元化。
という風になっております。
その前に、まずは一緒に楽しむお茶から。
今日は韓国のティーブランド、ティーファレンスさんのシグニチャーパープルティー、ウェルネスというものを入れてみました。
これは前回のサワー会で少しお話をしたんですが、
以前韓国を訪れた際に購入をしたお茶になっていて、
パープルティー、紫色のお茶になっています。
このパープルティーというのは、ケニア産の紫色の茶葉がベースになっていて、
そこにミントであったり、天然のベリーであったり、さまざまなものがブレンドされている、そんなお茶になっています。
まさにケニアで育つ茶葉が、韓国のブランドによってブレンドされて、
それを日本に持って帰って飲むという、何かこの後世界が統合化していくという話がありますけれども、
ものもそうやって自由に行き来できるようになった。
そんなことを象徴している一杯かなという風に思います。
色がすごい綺麗な、紫キャベツの実験とか、もし小学校の頃とかやられた方がいたら、そんなような色をしていてですね。
お茶自体も少し酸っぱい甘酸っぱい感じがして、とても美味しいお茶になっています。
ではここから本の紹介に戻ろうと思いますので、皆様もお気に入りの飲み物と一緒にお楽しみください。
書籍『未来思考2045』の概要と未来思考の技法
冒頭少しお話をしたように、この本はですね、著者の靖川さんが、今世界で何が起きているのかということと、
2045年に向けて世界がどう変わっていくのかということを、未来思考という一つの方法を使いながら論じている、そんな一冊になっています。
この本はですね、冒頭、未来思考の五つの技法という思考自体の解説から入って、その後、これまで、そして今何が起きているのか、
さらにはこの未来に何が起きていくのか、というような構成になっています。
詳しくはちょっと取り上げられないんですが、この未来思考の技法というのもとても面白いんですよね。
ここには五つの技法というものが書いてあって、一つ目が歴史、歴史の出来事から学ぶということ。
二つ目は予兆、今起きている、あるいは過去起きてきた出来事やエピソードに潜む、未来の変化の予兆や兆しを見る、気づくということ。
三つ目に構造、予兆を構造化して過去から現在、未来へとつながる普遍的な法則性をつかむこと。
四つ目に概然、構造を前提としながら、さまざまな視点で概然性の高い未来を読み解くこと。
そして最後に五つ目、想定。
普遍性と概然性というところから予見できる複数のシナリオを描き、新たな歴史を作る。
そんなような五つの技法を使いながら、これまでのことを分析し、未来思考をしていく。
そんなような導入になっています。
世界の統合化と分散化
では一つ目の切り口は、世界の統合化と分散化というものになります。
このパートでは、今世界がどういうふうな状況にあるのかと、
なぜこんなにも混乱したり不確実な世の中だと今みんな思っているのかということを書いているパートになります。
一文引用すると、世界が統合化に向かっていると同時に、その主体、アクターと振りがなが振ってあります。
や権力、これはパワーソースと振りがなが振ってあります。
が、急速に分散化しているからです。
この著者が言っているのは、世界が統合化に向かっていると同時に、主体や権力が分散化している。
この統合化と分散化が同時並行で起きているというようなことを話しています。
どういうことかというと、まず統合化ですよね。
これは世界が国境を越えた一つの巨大なシステムに統合されていくという流れの話になります。
例えば政治であったり経済、あるいは社会というものが統合化していく。
例えば政治で言えば、100年前に比べて現在世界の様々なところでは、多くの国が民主国家を名乗りながら民主主義体制をとっていくというように、世界標準になってきている、統合されてきているということがあったり、
経済で言えば、新自由主義経済、グローバルな経済の中で人や物や金がどこでも繋がり、どこでも移動していく。
そしてさらにインターネットやスマートフォンに代表される情報自体の高速流通というものが、グローバル経済の人物金の移動をさらに拍車をかけていく。
そんなふうに統合化、ひとつにまとまっていく。
そういった政治と経済の統合化が進むにつれて、社会そのものもまた、かつてあった地域的あるいは文化的な多様性というものを失いながら、驚くほどに通った価値体系のもとに統合されていくと。
世界中の人たちが同じブランドを身にまとい、同じSNSの中で比較をしていく。
他の人と同じような幸せ、幸福の尺度で自らを図るようになっていく。
そんなことが、この世界が国境を越えて統合化をしていくというような動きになります。
ただ、ここで面白いポイントなのが、世界がそういった統合化に向かっている一方で、主体や権力というものは分散化をしている。
そういう相対する動きが起きていると語られています。
例えば、先ほど政治というものも統合されていく中で、
例えば、過去数百年の近代化の中、メインのアクターであった主権国家というものが、世界的に人々の信頼を失ったり、
例えば、米国のトランプ政権なんかも、国際秩序を重視するというよりも、アメリカファーストの方向性を取っていく。
そうやって、これまでのアクターが力を弱めて、存在感を弱めていく一方で、
非政府組織であったり、例えば麻薬カルテルみたいなものが、世界の中で存在感を増している。
どちらかというと、国家という枠を越えた非国家主体の存在感が増しているというようなアクターの分散であったり、
経済の話でいうと、これまでは比較的国内の伝統的大企業というところがその経済主体、アクターであったんですが、
今の世の中では全く様相が変わっていますよね。
それこそ、一国の経済規模を超えるような巨大企業、あるいはグローバル企業や民間の組織体というものが現れながら、
経済の主体というものはより分散をしていく。
最後に社会の分散というところでいうと、かつては国家の3県と並んで第4の権力とされた新聞とかテレビ局、出版社、
そういったマスメディアというものも劣化をして、今やオールドメディアという言葉で揶揄されている一方で、
YouTube、特にショート動画だったりTikTokなど、アマチュアによる二次創作が一気に広がり、
そういうものの方がこの社会の空気みたいなものを作っていく。
そんな分散が行われていたり、そんなことが書かれています。
一つですね、世界というものを主語に見たときにはこの統合化と分散化が起きているというのが一つ目の切り口になります。
人々の意識の記号化と多元化
二つ目の切り口がですね、それを受けて人々の意識がどういうふうな状況かというもので、
人々の意識の記号化と多元化というのが切り口の二つ目になります。
この記号化というのはですね、先ほどの統合化された世界における個人の意識のあり方、変化になるんですけれども、
一文引用すると、統合化され価値基準が一様化された世界に適合するために、意識そのものがその基準の理想に合わせて記号化していく現象。
例えばですね、先ほど経済が統合化していくという話の中であったグローバル資本主義化していくという中において、
人間というのは代替可能なリソースとして扱われると。
そうなってくるとですね、より自分自身の経済価値というものを証明するために、比較可能な記号として自分を表していくと。
例えば学歴、偏差値、年収、職歴、信用スコアとかフォロワー数みたいなですね、
唯一無二の人間というよりもグローバルの中で比較可能な記号、より良い記号であろうとするというようなことが一つ個人の記号化というものにつながる流れです。
さらにですね、この本の中ではその人々の意識の記号化の先に能力主義、メリットクラシーというものにつながっていく。
一文用すると、グローバル資本主義と民主主義で統合化した世界では、個人は生まれ育ちに関わらず努力と才能で評価され、結果的に社会的な地位や報酬が決まる能力主義、メリットクラシーになります。
そんな形でですね、グローバルに統合化された世界の中で、自らの存在あるいは能力を記号化しながら、この能力主義の競争環境の中で競い合っているというのが現在の人々の意識の一つであると。
一方で、こちらも世界と同様にですね、記号化をしつつ一方で多元化をしているというのが面白いところだと思います。
この本の中で言われているのは、その記号化している、そして能力主義のグローバル競争を戦うというのはエリートと言われる多くの人たち。
一方でそれに対比するマスという人々は、自分の中に様々に存在する多元的な人格や意識を文人、分ける人ですね、として育てることで忘れられた自分の自尊心を守ろうとします。
そんなことが書いてあります。
この文人というのはですね、平野圭一郎さんという方が提唱した概念なんですけれども、個人という概念ありますよね。
一人の人、私とかあなた、実は個人というのはその人の最小の単位ではなくて、一人一人の個人の中にもっと細かなですね、文人、分ける人が入っているんだと。
関係だったり場ごとに違う文人が現れてくるんだという考え方を提唱していたりもします。
例えば、僕自身も一人の個人ではあるんですけれど、こうやってポッドキャストの前で喋っている自分と、普段仕事の場で見せている自分と、もしかしたら家族の前に見せている自分と、同じ個人というよりも違う文人が現れている。
そのような考え方なんですね。
多元化というテーマに戻ると、特にその近年、SNSみたいなものが非常に普及をしている中で、自分自身というものが様々な面を持つ、そして様々な面の自分がそれぞれ世界と繋がる、世界と応答するみたいなことが起きていると。
これがデジタル空間の中で多くの人々の意識が多元化をしていくという流れになっています。
現代世界の分断と未来へのシナリオ
こういったですね、世界が統合化されかつ分散化しているという中で、あるいは人々の意識が記号化しながらも多元化もしているという中で、世界は二つに分断されているというふうに書かれています。
引用すると、統合化する世界において記号化した個人が自らの定義する理想の未来を切り開いていこうとするエリートによる進歩の世界。
もう一つが、分散化する世界において多元化した意識に居場所を見つけながらも根本の不満を抱えるマスによる回帰の世界。
本書ではですね、この今の起きていることを土台にしながら、2045年にどういうようなことが起きるのかというのを、4つのシナリオというものを書いて本書の後半で説明をされています。
先ほどの統合された中で記号化していく個人という軸、あるいは分散化する世界の中で多元化していく個人という軸、そこに政治主導の未来というものと経済主導の未来という、それぞれをですね、2軸を掛け合わせた4つのシナリオになっているんですが、
この考察も非常に面白いので、今日はちょっとこの中ではご紹介しきれないですけれども、ぜひお読みいただけるといいなというふうに思っております。
今日はですね、全くうまく説明をできた気がしないですけれども、何か今のこの世の中の中で自分自身というものがどう記号化しているのか、あるいはどう多元化しているのか、そんなことが最後自分に残った問いかなというふうに思っております。
ということで、今日はティーファレンスさんのシグニチャーパープルティーというお茶をいただきながら、靖川信一郎さんの未来思考2045という一冊をご紹介しました。
ぜひApple PodcastやSpotifyで聞いてくださっている皆様、フォローをしていただけると嬉しいです。
それではまた。
20:13
コメント
スクロール