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あのリスナーのあなたも、友人とか同僚と新しいグループチャットを作ろうとして、なんかこう機能が整理された便利なアプリに移行しようとしたのに、結局誰も使わなくて元のカオスなチャットに戻っちゃったみたいな経験ってありませんか?
あーありますね。通知が鳴り読まないとか、逆に誰も発言しなくなっちゃうとか。
そうなんですよ。今日はですね、ある羊飼いの方が、このよくあるデジタルコミュニティ構築の罠を見事に乗り越えたその秘密に迫る深掘り企画です。早速紐解いていきましょう。
はい。今回の情報源なんですけれども、羊と人が繋がることをテーマに活動されている羊飼いの丸岡氏の音声メモになります。
音声メモなんですね。
LINEトークでのQ&Aセッションの直前に録音されたものなんですが、これが単なる日常のつぶやきかと思いきや、実はものすごく興味深くてですね。
プラットフォームのUIとかUXが人間の行動をどうやってコントロールしているのか。そして共通の趣味、今回でいうと羊ですね。
そういう趣味を持つ集団をどうやって持続可能なコミュニティに育てていくのかという、まさに組織論として完璧なケーススタディになっているんですよ。
なるほど。羊付きのコミュニティって聞くと、最初はすごく没下的というかのんびりしたイメージを持っていたんですけど、直面している課題ってゴリゴリのIT企業みたいですよね。
そうなんですよ。
まず、コミュニティの場所選びでかなり苦戦している様子が伺えますよね。
LINEとDiscordっていう全く性質の違う2つのツールが出てくるじゃないですか。これ、そもそもなんで1つに絞れないんでしょうか。
そこにですね、コミュニティの管理者が絶対にぶつかるジレンマが隠されているんです。
丸岡市は、まずLINEの強みと弱みを完全に理解されています。
LINEって、良くも悪くもユーザーの生活動線に完全に組み込まれているんですよね。
確かに。家族からの連絡を見るついでに、1日に何十回も無意識に開いちゃいますよね。
その通りです。だからこそ、ちょっとした羊の写真とかの投稿に対する反応とか、参加率が異常に良くて、コミュニティが息を吹き返すように勝ち気づくんです。
なるほど。
音声の中でも、なんだかんだ言ってLINE最強って表現されているんですが、これはこの日常への溶け込み具合を指しているんですよ。
ただ、致命的な弱みもあって。
ああ、ノイズの問題ですよね。
人が増えると、情報が濁流のようにどんどん流れていっちゃうし、特定の人向けのアナウンスでも、全員のスマートフォンを鳴らしちゃうじゃないですか。
まさにそこです。全体向けのアナウンス以外だと、関係ない人にまでピコーンって通知が行ってしまって、コミュニティが大きくなればなるほど、管理者側が申し訳なさを感じるようになっちゃうんです。
ああ、わかります。なんか気を使っちゃいますよね。
さらに言うと、最近はLINE自体を使わない若い世代も増えているので、そういう層の変化も無視できないんですよね。
なるほど、なるほど。だからこそ、情報をきれいに整理できるディスコードの出番になるわけですね。でも、なんでディスコードだとうまくいかないんですか?
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ここで立ちはだかるのが、プラットフォームのUIが起き起こす摩擦なんですよ。
摩擦?
ええ、ディスコードって、管理側からすると本当に理想郷みたいなツールでして、部屋を細かく分けたりとか、ユーザー一人一人に、例えば羊のバディとか、フェスタ失点者みたいなロール、つまり役割のラベルですね。それを付与できるんです。
ふむふむ。
それを使えば、特定の対象者だけに情報を届けることができる。
ってことは、あの通知問題は解決するじゃないですか。
機能的には完全に解決します。でもですね、ディスコードって、もともとはオンラインゲーム用のボイスチャットツールとして普及したものなんですよ。
ああ、そうか。ゲーマー向けのツールですよね。
ええ。なので、ゲームをやらない層からすると、まず新しいアカウントを作って、見慣れない黒い背景の画面を開いて、サーバーとかチャンネルっていう概念を理解すること自体がもうものすごく重い作業になっちゃうんですよ。
えーと、ちょっと今は聞いてて思いついたんですけど。
はい。
これって、例えるなら、LINEが誰もがフラッと立ち寄れて大声で話せる大衆居酒屋だとしたら、
ええ。
ディスコードは、会員カードをかざして目的の部屋に入るような、多目的の会員制図書館みたいなものですよね。
いやー、その比喩は本当に本質をついていますね。
本当ですか。
はい。居酒屋って熱気はあるんですけど、機能の議論の擬似力って残せないじゃないですか。
残せないですね。その場限りになっちゃう。
一方で図書館は、誰がどの権限を持っているか完全に管理されていて、情報も完璧に整理されている。
でも、いくら本が整理されてて便利だから、今日から毎日図書館に集まろうよって管理者が呼びかけても、
結局みんないつもの居酒屋に戻っちゃうってことですよね。
そうなんです。
行き慣れてるし、そこに行けば誰かがいるってわかってるから。
まさにそれが人間の行動原理なんですよ。
人間って新しいシステムを学習する労力よりも、すでに慣れしたんだ習慣を圧倒的に優先する生き物ですから。
ああ、耳が痛いですね。
ですよね。管理の効率化という名目で図書館の利用を押し付けても、ユーザーが無理なく立ち寄れる動線になっていなければ、
結局コミュニティへの参加率がガタ落ちして、いずれ停滞してしまうんです。
うーん、じゃあディスコードは非ゲーマーにはハードルが高すぎるし、
LINEは人が増えすぎると通知の嵐になっちゃう。
これ、マローカ氏は完全に手詰まりじゃないですか。結局どちらかを選ぶしかなかったってことですか?
いえ、そこからが本当に面白いところなんですけど、彼は全員を図書館に移行させるっていう幻想をきっぱりと捨てたんですよ。
捨てたんですか?
はい。そして、2つのツールの役割を機能として完全に切り離すっていう見事なハイブリッド戦略に転換したんです。
機能を切り離す?えっと、具体的にどういうことですか?
まず、LINEのオープンチャットは、誰でも自由に情報を書き込める掲示板だって再定義したんです。
掲示板?
ええ。言葉すらなくてもいい、ただ羊の写真をポーンと載せるだけでもOK。
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羊好きが繋がって、お互いを知って、応援し合うための気楽なメイン会場として割り切ったんですよ。
なるほど。居酒屋のハードルをさらに下げて、とりあえず写真を見せるだけでもOKにしたんですね?
そういうことです。
じゃあ、ディスコードの方はどう使うんですか?
そちらは完全にクローズドな空間にして、活動を記録して蓄積するための場所に特化させました。
蓄積ですか?
はい。実は彼、過去にLINEの中で牧場ごとに部屋を建てて失敗した経験があるらしくて、
その経験からLINEは情報を流すツールであって、貯めるツールではないって気づいたんです。
ああ、なるほど。
だから、コミュニティの中で誰が何に関わってきたかっていう履歴を、ディスコードのロールとして可視化する場所にしたわけです。
いや、ちょっと待ってくださいよ。それって、管理者からしたら一番きついやつじゃないですか?
と言いますと?
彼、LINEとディスコードを両方同時に動かしてるってことですよね?
ええ、そうです。
しかも音声メモの中だと、サブスタックとかスタンドFMみたいな他の発信媒体も形になってきてるって言ってたじゃないですか?
言ってましたね。
私、以前、仕事のプロジェクトでスラックとWhatsAppとメールの別々のスレッドを同時に回して一週間で完全に燃え尽きたことがあるんですよ。
ああ、それは大変でしたね。
リスナーのあなたも複数のツールを使い分けて疲弊した経験絶対あると思うんですよ。
管理者が複数のプラットフォームを同時に運用するのって、発信が止まってお互い苦しくなるっていう一番避けたい事態を招きませんか?
もちろん、その危険性は常にありますし、実際コミュニティが崩壊する典型的なパターンでもあります。
ですよね。
でもですね、丸岡氏が優れているのは、そのリスクを十分に認めた上で、毎日発信できるような続く仕組みを模索し続けている点なんです。
続く仕組み?
ええ、さっき言ったLINEでの言葉がなくても羊の写真を載せるだけでいいっていうルールのゆるさ。
あれは参加者だけじゃなくて、実は管理者自身の心理的負担も劇的に下げているんですよ。
あ、なるほど。自分も写真だけでいいから。
そういうことです。そして、情報の整理という観点から見ると、これは同期的な交流と非同期的な記録を見事に分離した情報アーキテクチャの設計なんですよね。
出ましたね、専門用語。情報アーキテクチャの設計。難しく聞こえますけど、要するにデジタルな家を建てるときにみんなでワイワイ話すリビングルームのLINEと、公式な書類を保管するカギ付きの書斎のディスコードを明確に分けたってことですよね。
まさにその通りです。リビングでの雑談と書斎での契約書作りを同じ空間でやろうとするからみんな混乱して疲弊しちゃうんです。
確かに。
今ここでの盛り上がりと後から振り返るべき記録を分けることで、情報のノイズが減って全体が機能するようになるんです。
あと音声メモの中で彼自身が録音地にコーヒーをこぼしてしまう場面があったじゃないですか。
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ああ、あのコーヒーこぼそうとしっかり入ってましたね。
あれですよ。ああいういい意味でのゆるさとか人間味がコミュニティに余白を与えている要因の一つなんだと思います。
なるほどな。ああいう人間味があるからこそ居酒屋の空気が暖かくなるんでしょうね。
ええ。
さて、ここで最大の疑問なんですけど。
はい。
なぜそこまでしてディスコードの方に公式な記録を残す必要があるんでしょうか。だって羊の写真を相出るだけなら別にLINEのリビングルームだけでも十分成立しそうじゃないですか。
そこがですね、今回の深掘りの革新部分なんですよ。
おお。
ディスコードで厳密な記録を残すのには理由があって、それはこのコミュニティの究極の目的である羊のバディーを決めるためなんです。
バディー。つまり相棒ってことですよね。それってただのファンクラブの会員賞みたいなものとは違うんですか。
根本的に異なります。丸岡氏はですね、バディーには誰でもなれるわけじゃなくて、人となりが最も重要だって語っているんですよ。
人となりですか。
ええ。そして驚くべきことに、このバディーって投票制で決められるんです。
投票で決まるんですか。
そうなんです。特定の誰か一人が羊を独占的に所有するのではなくて、みんなを代表してこの羊の相棒になってねという考え方に基づいているんですよ。
なるほど。お金をたくさん払えばBIPになれるみたいなシステムじゃないんですね。
全く違います。
でも、みんなの代表として選ばれるためには何かしらの判断材料が必要になりますよね。
そう。
ああ、なるほど。だからディスコードの記録が必要になるんだ。
ごめんどうです。過去の羊ヘスタでボランティアスタッフとして汗を流したとか、日々の活動でどうやってコミュニティを支えてきたか。
はいはい。
そういう行動の積み重ねがディスコード内にロールとして可視化されて蓄積されていくんです。それがバディーとして選ばれるための最大の信頼の証になるわけです。
いや、なんかちょっと鳥肌が立ちました。これって単なる趣味の集まりっていう枠を完全に超えてますよね。
そうなんですよ。
お金を払ってコンテンツを消費するただのファンっていう立場から、羊を一緒に守って育てる共同運営者へと昇格していくためのシステムってことですよね。
ええ。
ある種のB種主義的な自治の仕組みを作り上げようとしているわけですね。
いや、本当に重要な問いをのけかけていると思います。
みんなの羊っていう哲学の美しさは、金銭のやり取りではなくて、コミュニティへの貢献という資本を評価の軸に置いている点なんですよ。
貢献という資本、いい言葉ですね。
自分が動いた結果が歴史として記録されて、それがコミュニティ内での信頼に変わって役割を与えられる。これこそが現代のどんな組織づくりにおいても欠かせない貴族意識とか当事者意識を育む最強のプロセスなんです。
なるほどな。丸岡氏の本当の狙いって単に自分の羊の可愛さを発信することじゃなかったんですね。
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ええ。
日本中にいる羊飼いとか羊好きたちをこの仕組みを通してマッチングさせて、新しい文化を根付かせる土壌を作ることだったんですね。
おっしゃる通りです。ツールの使い分けっていうのは、その壮大な目的を達成するための手段に過ぎないんですよ。
最初はグループチャットの悩みっていうすごく身近な話題から始まりましたけど、行き着いた先はものすごく深い組織論でしたね。
そうですね。
LINEの気軽さとディスコードの蓄積を使い分けるハイブリッド戦略、そしてみんなの羊っていう理他的な哲学に基づくバディの投票制度。
リスナーのあなたも明日から自分の関わるチームやコミュニティで活かせるヒントが本当にたくさんあったんじゃないでしょうか。
ええ。今日私たちはアルゴリズムとか巨大企業によって作られた便利で消費スピードの速いSNSに完全になりきっていますよね。
ええ。毎日使ってますからね。
でももしあなたが丸岡さんのように誰かを純粋に応援して、自分たちの歴史を記録して、共同で何かを守るためにゼロからデジタル空間を設計するとしたら、一体どんなルールを作りますか。
うーん。情報が毒流のように流れていくこの時代に、あえて蓄積して信頼をゆっくりと育てるための場所をあなたはどこに持っているでしょうか。
いやー深いですね。居酒屋で楽しく盛り上がるだけじゃなくて、自分たちだけの図書館をどうやって設計して、そこでどんな歴史を続いていくのか、ぜひリスナーの皆さんもご自身の周りのコミュニティに置き換えてじっくり考えてみてください。
今回の深掘りはここまでとなります。次回もお楽しみに。