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#254【青空文庫】ねぼけ
2026-07-06 03:46

#254【青空文庫】ねぼけ

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夢野久作「寝ぼけ」

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Yumeno Kyusaku title:drowsy

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サマリー

太郎さんは寝坊で失敗ばかりするので、運動会で活躍しようと決意して寝る。しかし、雨で中止になったり、晴れて開催になったりと母親や父親に起こされ混乱する。結局、日曜日のため学校が休みだったことを知らずに準備をして学校へ行き、皆に笑われてしまう。恥ずかしさと悔しさで泣き出す太郎さんを、父親は日曜まで勉強する子だと慰める。

運動会への決意
ねぼけ 夢の急削
太郎さんは、しじゅう寝ぼけてしくじるので、 口惜しくてたまりません。
明日は運動会だから、決して寝ぼけずに、 ちゃんと自分で支度をして、みんなを驚かしてやろうと、
固く決心をして寝ました。 明る朝
大変早く起きたものでありますから、 太郎さんは飛び起きますと、
お母さんが座って、 「太郎さん、
今日は雨が降って、運動会がお休みになったのだよ。 さっき先生がおよりになったから本当です。
ゆっくりおやすみなさい。」 と言われました。
太郎さんは、きのう先生が、 「雨が降ったら運動会はおやめ。」
と言われたことを思い出して、 安心して眠りました。
二度目の起床と混乱
しばらくすると、また太郎さんは、 お母さんからゆすぶり起こされました。
「太郎さん、太郎さん、大変よ。 お天気になったよ。
運動会があるよ。」 太郎さんは寝ぼけてはならぬと、
寝床の中で考え始めました。 どっちが本当だろうと考えてみましたが、
どうしてもわかりません。 「さあさあ太郎、起きろ起きろ。」
と、今度はお父さんの声がしました。 「お弁当はできていますよ。」
と、姉さんの声も聞こえてきました。 仕方なしに太郎さんは起き上がって、
ご飯を食べて袴を履いて、 新しい靴下と白たびを履いて、
それから、もし運動会がなかったときの用心に、 昨日次の日の時間割に合わして本を詰めておいた
鞄を担いで学校に行きました。 来てみると、運動場には誰もいず、
学校での出来事と帰宅
いっぱいに水たまりができています。 教室に行ってみると、ここもがらんとして
ネズミ一匹おりません。 変だなと思ってお家へ帰ってみると、
家中の人はみな太郎さんの顔を見て、 ひとときに笑い出しました。
太郎さんは怒って、 「なぜ僕を笑うの。
僕は寝ぼけていやしない。 運動会がお休みのときの用心に、
鞄をちゃんと持って行ったんだ。 そしたら学校に誰もいないんだ。
教場にもいないから変でしょうがないんだ。」 と泣き出しそうな顔をしました。
日曜日の誤解と慰め
みんな死ぬくらい笑いながら言いました。 「太郎さんはまだ寝ぼけているの?
今日は日曜日じゃないの。 運動会がなければ学校はお休みですよ。
お母さんが運動会があると言ったのが悪かったのね。」
太郎さんは恥ずかしさと口惜しさに、 とうとう泣き出しました。
お父さんはその背中をなでて 慰めてくださいました。
「関心関心。日曜までも勉強をする子は、 お前より他にない。
泣くな泣くな。」
03:46

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