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うさぎさんとおほかみさん、村山和子、うさぎさんが散歩していました。
もう夏になりかけでしたから、きれいな花が咲いていました。
そして、いい匂いがしていました。
一人で歩くのは、うさぎさんには初めてです。
なぜと言って、
うさぎさんは小学校の二年生でしたから、
一人だったので、とても怖かったのでした。
うさぎさんは大変背が低いでしょう。
ですから、花の先に見えるものは草と葉ばかりでしたから、
ずっと前や後ろから何が出てくるかちっともわかりません。
ところが、後ろのほうでガサガサという音がしたのです。
うさぎさんは胸の中がひっくり返るほどびっくりしました。
ガサガサという音が、とてもひどく近くなりました。
そして後ろを振り向いてみましたら、
毛だらけの目が二つあって、口の大きなものがちらりと見えました。
うさぎさんは、
どうぞごめんなさい。私はとてもよい子ですから、
と言おうと思いましたけれど、声が出ませんでした。
それでどんどん逃げ出しました。
するとうさぎさんの後から、
狼さんが一匹飛び出してきて、うさぎさんを追っかけました。
うさぎさんはどんどん駆けました。
狼さんもどんどん追っかけました。
うさぎさんはおしまいに足が動かなくなって倒れました。
狼さんがうさぎさんを捕まえました。
僕だようさぎ君、と狼さんが言いました。
よく見ると、学校で同じ級の狼さんだったのです。
うさぎさんはどんなにうれしかったでしょう。
それからのち二人は、とても仲のよいお友達になりました。
ご視聴ありがとうございました。