1. 74才 薬膳&料理研究家
  2. #14 冬の食材 大根 その②
2023-01-10 08:02

#14 冬の食材 大根 その②

冬の大根は、なぜ甘いのか?から
始まり、JA愛知西山農園さんの
切り干し大根のお話とそれを使った
切り干し大根の煮物をお話しました。
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こんにちは、72才 薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
今日は、冬の食材 大根 その②についてお話しします。
1月10日、暦の上では霜寒に入り、いよいよ寒さ厳しき頃となりました。
ところで、寒くなると大根は甘くなるということをご存知でしたでしょうか。
これは、種類にもよりますが、一般的に大根は身を守るために水分を幾分減らし、糖分を増やしていくためです。
冬の大根は、晩夏や秋に種をまき、寒さが増していく中、ゆっくり成長します。
そして、光合成によって、ぶどう糖を作り、それを澱粉や諸糖に変えていきますが、
低温の環境下では、澱粉よりも諸糖の方が多く作られるため、糖が蓄積され甘くなるというわけです。
特に、地表近くの大根の上の部分は、外気の影響を受けやすいため、糖度が多くなります。
一方、地中深くにある大根の先端部分が辛いのは、虫たちから身を守るためと言われております。
この辛さで思い出したことがあります。
中国唐の時代のお話です。
その当時、とてもえげつない役人たちのことを人々は、三小、一粒でもピリリと辛いというあの三小ですね。
三小というあだ名をつけたそうです。
辛くてたまらないという意味で。
これについで、辛いは辛いが、なんとか我慢できる役人たちのことを、生姜または大根といったとか、そんなことをある文献で読んだことがあります。
我が国でも室町時代の文献には、大根のことを辛物と表現していることから、昔は辛み大根が主だったかもしれませんね。
日本で大根を使った比喩表現は、大根役者です。
これは大根には古くから毒消し作用があると言われていたため、決して食当たりを起こさない、つまり当たらないということから来ているようです。
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役者さんにとっては嬉しくない言葉ですね、きっと。
大根の辛みのお話からぐっとそれてしまいましたが、最近は大根の売り方も2分の1本とか3分の1本にカットされている商品が目立つようになりました。
そんな時代ですが、参考までに1本大根を買った場合の部位の特徴をお話ししましょう。
まず大根の上部は甘いので、サラダか子供さんの大根おろしに。
真ん中の部分はとても使い手があります。煮物、おでん、ふろふき大根、最適ですね。
そして株、これは辛味があるので、味噌汁のみやすりおろして煮杯酢や甘酢とともに和物として使う。またみぞれ煮とかみぞれ鍋もいいですね。
強すぎる辛味は水や酢あるいは熱を加えることで抑えることができます。
また大根に関する調理として忘れてならないものは霧干し大根ですね。霧干し大根は栄養的にも優れており、生大根と比べると食物繊維約20倍、カリウム15倍、カルシウム20倍というデータがあります。
私は数年前に愛知県田原市にある大根農家西山農園さんを取材したことがあります。
大根霧干しのお話を詳しく伺うためです。
その時期が11月の下旬ということもあり、畑に一斉に大根霧干しが干してある風景こそ見られませんでしたが、
息吹おろしを受けやすい角度で長く組んである壮大な干し棚を見ることができました。
JA愛知西山農園の霧干し大根、とってもおいしいです。
西山さんの霧干し大根40gのパッケージの裏に簡単なレシピが記載されていますので、少し私流にアレンジしてご紹介します。
もちろん他の霧干し大根でも応用できますよ。
霧干し大根40g、油揚げ1枚。
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私はここに人参とかちくわを入れます。人参は千切り、ちくわは輪切りにします。
戻し汁約300ml、あるいは出汁汁ですね。
出汁汁、戻し汁、どちらでも大丈夫です。300mlぐらい。
調味料は醤油大さじ2、砂糖大さじ1分の1、みりんとお酒が各大さじ1。
そして私はここに油を入れます。小さじ1。
作り方は、鍋に水で戻して軽く絞った霧干し大根と具材を入れます。
そして出汁汁か戻し汁、霧干し大根の戻し汁、調味料を入れて火にかけます。
それぞれの霧干し大根、具材が柔らかくなるまで煮て、あとはもうOKということですね。出来上がりです。
とても簡単でしょ。
ここで私はね、よく霧干し大根というのはフライパンに入れて油で炒めてから、あるいはお鍋の中で炒めてから調味料を加えると言われてますけれども、炒めません。
炒めずに油を調味料として少し加えました。
それはコクを出すためと手間を省くためですね。調理の手間を省くためです。
味付けはお好みで加減してくださいね。
とても簡単でヘルシーな一品になると思います。
今日は冬の食材大根その2をお話ししました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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