1. 74才 薬膳&料理研究家
  2. #31 山のうなぎ「やまいも」
2023-04-16 07:59

#31 山のうなぎ「やまいも」

私のおすすめ食材その②として、やまいもの音声を収録しました。
日本における やまいもの有名な料理は、とろろ汁と麦ご飯です。時間の都合で音声では取り上げませんでしたが、やまいも&麦ご飯は、共に消化に優しい食材です。中医学では健脾作用があると言います。
素朴ですが、素晴らしい日本発祥の薬膳だと思います。
#山薬
#肺 脾 腎
#八方出し
#ジアスターゼ
#シュウ酸カルシウム
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こんにちは、72才 薬膳&料理研究家の木下 賀律子です。
前回の音声で、薬膳のおすすめの食材その1として、夏芽を取り上げました。
今回はその2、山芋を取り上げ、音声を収録していきます。
実は、山芋という品種はなく、山の芋という総称のもとに、長芋、大和芋、イチョウ芋、ジネンジョと分類されています。
粘り強さが最も強いのがジネンジョで、その後、大和芋、イチョウ芋、長芋の順になります。
やはり、薬効が強いのはジネンジョですが、手軽に手に入る長芋も、毎日食べ続けることで、効果が実感できそうです。
山芋の薬膳データを見てみましょう。
漢方薬として用いる名前は山薬。これはね、山の薬と書きます。山薬と言い、乾燥品を使います。
山芋の護性は平です。護性というのは、体を冷やすか温めるかの性質ですが、そのどちらでもありません。
護味は寒です。甘味があるということです。
そして、護造のどの臓器に届くかというと、肺と胃と腎です。少し謎めいたことを言っていると思われたかもしれませんね。
胃というのは胃腸の働きをする臓器。そして腎というのは、体の元気を作る元を作る、元気の元を作る、ちょっとおかしいですけど、元気を作り出す臓器と考えれば良いと思います。
山芋の主な作用は、腫瘍競争、発育促進、疲労回復、老化防止、そして、夜尿症や耳鳴りにも効果があります。
ですから、どんな方に向くかというと、疲れやすい人、胃腸が弱くて下痢しやすい人、アンチエイジングや後年期で不定腫瘤に悩んでいる人、トイレが近いという貧乳が気になる人に向いています。
山芋という食材は、主に秋掘りのものと春掘りのものがあり、保存が効くこともあって、市場やスーパーでは1年を通して出回っている食材の一つです。
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そして、先ほども言いましたように、山芋は精をつける働き、この精をつけるというのは精一杯の精ですね。米へんに青と書きます。
その働きから山のうなぎとも呼ばれ、毎日食べても副作用がないので、薬膳では腫瘍競争や体力の増強を目的に、子どもから高齢者まで幅広く用いられている食材です。
それでは、山芋の調理を見ていきましょう。
山芋は消化酵素であるジアスターゼを含んでいるため、生でも食べることができます。
粘り気の強いジネンジョやヤマト芋、イチョウ芋はトロロジルやヤマカケに向いています。
そして、長芋は身近で手に入りやすい反面、今の3つに比べて粘り強さも弱くあっさりしています。
その特徴を生かした調理、サラダや和え物、漬物にしても良いし、すりおろして塩味や醤油味をつけてトロロジルやシャブシャブにした豚肉などに絡ませても美味しくいただけます。
日本人はこのように生で食べることも多いんですけれども、中国では山芋に火を通して食べるのが一般的だそうです。
今朝、私は家族のお弁当に長芋をひょうしぎ切りにして片栗粉をまぶして揚げた長芋のスティックフライドポテトを作りました。
揚げたてに塩を一振り、もう食べたら、食べだしたら止まりません。ホクホク感が特徴です。
それから長芋を少し厚めの半月切りにして厚揚げなどと一緒に葉っぱを出して煮ても甘みが増して美味しいです。
これは友人と和食屋さんでランチをした時にヒントを得ました。
ヒントは厚めの半月切りです。
このように体に優しい山芋ですが、一つ難点があります。
それは山芋や里芋の皮を剥くとき、あるいは剥いた後、手に痒みが起こることがあります。
この痒みの原因は何かというと、皮付近に多く含まれている周酸カルシウムという成分の結晶です。
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この結晶は山芋の皮を剥いたり、おろしたりするとき、目には見えませんが、この結晶がバラバラになって皮膚にトゲのように突き刺さり、その刺激が痒みになってしまうわけです。
では、痒くなった時にはどうすればよいかと言いますと、手に酢をつけて洗い流す。
周酸カルシウムは酸に弱いからです。
そしてもう一つ、40度前後のお湯に痒い部分をつける。
周酸カルシウムは熱に弱いからです。
私は自分が痒くなった時には、時間が経てば治ることが分かっていますので、そのままにしてしまうことが多いんですけれども、
かつて調理実習中に山芋の皮を剥いて、痒いとか痛いという教え子の声を聞くと、すぐ酢水を用意して、ここに手をつけてねと言ったことがよくありました。
痒くなったら酢水やお湯につけるという知恵、覚えておくと便利な豆知識です。
今日は私のおすすめ食材その2、山芋について音声を収録しました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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