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こんにちは、73才 薬膳&料理研究家の 木下 賀律子です。
今日は、六月の和菓子 水無月について 音声を収録していきます。
水無月という和菓子、ご存知でしょうか。
三角の形をしたウイロウ生地の上に 甘く煮た小豆がぎっしりと敷き詰めてある和菓子です。
この和菓子のいわれが、美しい和菓子の図鑑 著者 青木 直美 この本に掲載されておりますので、ご紹介します。
六月 水無月 夏を無事に越せることを願って食べる 薬を払う小豆のお菓子
天武天皇5年676年に大払いが行われるなど、 日本人は古から心身を払い清める払いをおもんじてきた。
昔は重要な歳肥の前や 疫病の流行時などに限られていたが、
大法元年701年以降、毎年6月と12月の未曙かに 大払いを行うことが定められた。
6月未曙かの大払いは、名越の払えと呼ばれる。 かつては、1年を正月から6月、7月から12月と2つの時期に分けて捉えていたという。
1年の半分が過ぎたこの時期に、それまでため込んでいた穢れや災難を払い清め、
残りの半年を無事に過ごすことができるようにと祈られたのである。 この時、京都では水無月を食べる風習がある。
また、長崎では名越まんじゅう、滋賀県では茨の葉で団子を包んだ 水無月団子を食べるとあります。
水無月は今や各地で販売されています。 つい先日、私は和菓子屋さんが開催する和菓子教室に参加し、水無月を作ってきました。
できたてホヤホヤの水無月を賞味し、早くも名越の払いをしてまいりました。 水無月の三角形はかつて氷室から切り出した氷を模している。
また、6月は1年の半年にあたるので、四角い形を対角線状に切り、わざわざ三角形にしたという説もあります。
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上に敷き詰めてある小豆の赤色は、 邪気払いの意味が込められているそうです。
小豆は人生の節目やおめでたい日に欠かせない 赤飯や和菓子の杏など、昔から日本人には馴染みが深い食品です。
薬膳としての小豆の作用は、離尿作用が高く水分代謝を整えて老廃物を排出する働きがあるので、
梅雨時の湿度によるむくみや体の重だるさの緩和に優れています。 また、体に溜まった余分な熱を冷まして毒素を排出するので、
痒みを伴う保湿や拭き出物、腫れ物などの改善にも効果的とされています。
ただし、これらの効能を良くするためには、甘味を加えない方が良いと思います。
なぜかというと、甘味は物をとどめる働きがあるからです。
流す働きではなく、とどめちゃうんですね、甘味というのは。
ここに面白い本があるので一つ紹介しますね。
吉田よしこ著 豆な豆の話
この本によりますと、だいたいインドから西には豆あんというものもなければ、豆を甘くして食べる食習慣もない。
豆だけ、あるいは野菜と取り合わせたスープ、または塩味の煮豆が豆の基本的な食べ方なのだ。
東アジアとその中の大国、中国の影響を受けた我が国や、東南アジアだけに豆をあんにしたり、甘く煮た食品があるということです。
和菓子大好きな私には、ちょっと驚きでした。
今日は6月の和菓子、みなずきについて音声を収録しました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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