午後、雨が戻ってきた。
牧場から借りたホイールローダー
コマツのWA100、何トンあるんだろう、でかい機械だ——で堆肥を畑に入れるところまでは、うまくいっていた。バケットで直接圃場に突っ込んで、量は落とせた。問題はその帰り道だった。水場と畑と水源が作る三角形の中で展開しようとしたとき、ホイールローダーが畑の道でスタックした。
気分スコアは「1」。テンションは、なぜか高い。
トラブルに見舞われると人間はそわそわする、と中島は自分を観察した。焦っているのに頭は妙に冴えていて、できることとできないことの仕分けが素早くなる。まず近所のヤマギワさんに電話した。除雪作業を担ってくれている、いつかブルーベリー農園をやりたいと移住してきた人だ。見てもらい、牧場まで一緒に戻り、牧場主と話した。7トンのユンボがある、という。ヤマギワさんがそのユンボを運転してスタック現場まで来てくれることになった。
待ち時間に、中島は音声を録っている。スタックしたホイールローダーの前で、雨の中。人間にできることはもうあまりない。だからこそ、このそわそわした状態の自分を記録しておこうと思った。スタックした人が聞いたら怒るかもしれない、とも思いながら。
ヤマギワさんが来るまでの間、ホイールローダーの移動中に路上にこぼれた堆肥を、ほうきと手で片付けに行くことにした。今の自分にできること、それは道を掃除することだった。寒い。雨だ。
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サマリー
雨の中、借りたホイールローダーが畑でスタックするというトラブルが発生。筆者は混乱しつつも冷静に状況を観察し、近所の山際さんに助けを求める。助けを待つ間、筆者は自ら堆肥の片付けを行い、トラブル時の自身の心理状態を記録する。
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