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毎度、ごりです。
今日は、僕の体験した介護の世界での不思議な話をしたいと思います。
ごりの堂々巡り、よろしくお願いします。
介護や医療の現場で仕事をしていると、不思議な体験をすることが少なからずあると思います。
普段、僕自身は、エビデンスだとか、科学的だとか、そんなことを口にするんですけれども、
いざ、実際に不思議な体験をすると、そんなことはどうでもよくなってしまう。
そんなことが実際に存在します。
この話は、ショートステイ、お泊りの施設であったお話です。
お泊りに来ていたのは、99歳のおばあさん。
入所する前から、お家で転んで腕の骨を折り、
二度転び、さらに腕の骨を折り、
また転んで、腰の骨も折り、
そんな状況で来た99歳のおばあさん。
来た時から、あっちが痛い、こっちが痛いと言ってたんですね。
でも何とか解除で、少しずつご飯を食べたり、水分を取ったりできていたんですけれども、
1日、2日、3日、4日、1週間、何とかスタッフも頑張って、
少しでも水分を取ってもらうとやっていたんですけれども、
わー、本当に痛みが引かない。
本人も痛いのを我慢して呼吸をしているような状態。
いやー、これは大変だけどねー、ナースの方は。
こんなんじゃ、いつ心臓止まっちゃうかわかんないよ、って言ってたんですけども、
僕はね、心給師として脈を触らせてもらうんですね。
で、脈を見ると非常に元気に脈を打っている。
ああ、これはまだ大丈夫だよ、って思いながら毎日過ごしていたんですけれども、
その日ね、朝、いつものように、
03:01
おばちゃん、今日はどう?なんて言って脈を見たら、
もう、細い細い、弱い弱い。
いや、これはまずいな、と。
もう触った瞬間に、これはダメだ、っていう風になってしまって、
でも声には出せないので、
静かに心の中で、おばちゃんお疲れ様ね、と言って、
で、ちょっとお顔、ね、頬を軽く触らせてもらって、
頭も少し触らせてもらって、
お疲れ様、っていう、その意思を私はおばちゃんに伝えたんですね。
で、まあ、現実的に大変そうだよ、ということをナースに伝えて、
そしたらまあ、あ、そう?でも朝はそんなにバイタルも悪くなかったから、
もう一回見ようかねー、なんていう感じで言ってたんですね。
まあ、頼むよーって言って、僕も他の利用者さんの方にもね、
表示を済ませないといけないので、
移動していく、あっちに行ってはマッサージ、
こっちに行っては話を聞き、みたいなことをやってると、
一つの部屋からね、
おーい、おーい、ってすごい大きい声が聞こえるんですよ。
まあ、このおじいさんもお泊まりにもちろん来てるわけですけども、
このおじいさんがね、とにかくね、呼ぶ。
まあね、呼ぶ用事はね、大した用事じゃないんです。
お腹空いた、トイレ行きたい、テレビつけて、
あっちが痒い、こっちが痒い、寒い、布団かけて、そんなばっかりです。
で、まあなんでね、あんまりいつも言うことも一緒なので、
まあ、だいたいこっちも、この声のトーンの時にはトイレかな、とかね、
この声のトーンの時にはご飯かな、なんて思って行くわけですよね。
で、今日もね、おーい、おーい、って呼ぶから、
どうしたのー、つっておじいちゃんのとこ行ったら、
おじいちゃんがね、おいもうな、紙を持ってきてるか、これ紙を。
紙?んー、なに?トイレスペーパー?
違う!書く紙だよ。
書く紙?珍しいな、そんなこと言うことあるんだ、と思ってね。
なに書くの?って。
早く書かなきゃダメだろう、もう。
もう急がないとダメだよ。
なにを急ぐの?なにを書くの?
なんにも教えてくれないんですよね。
なんなんの?すごい焦ってるけど、なに?
ものすごいね、いつもと表情が違うんですよ。
くわーっと目を開いてね、僕の方をぐーっと睨んでね、
早くしろ!早くしろ!
焦ってるけど、ごめん、なに?って改めて聞いたら、
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近所の猫がね、そろそろ死にそうだから、
頼まれてたから、紙を書いてやらないといけない。
はあ、近所の猫ちゃん?
この人の家の周りに近所があったかな?っていうぐらい田舎の人なんですね。
山の中。
いやー、周りにお家もないしな、猫ちゃんいたかな?なんて思いながら、
まあでもね、話し合わせて、わかった、オッケー。
猫ちゃんね、なにもう死にそうなの?
じゃあその、紙を書いてあげたいんだったらまた紙とペン用意するよ。
筆ペンだぞ!って、わかった、筆ペンねって言いながら、
かたや死にそうなおばあさん、こっちには呼ぶおじいさん。
大変だなと思いながらね、もうその部屋からパッと出てきて、
もうおじいちゃんね、ハイミを書きたいから、
紙とペン持ってこい、筆ペンだって、なーって言ってね。
そしたら、パタパタパタっとね、スタッフがさっきのおばあちゃんの方に行って、
あれ?ちょっと呼吸おかしいやん。
パッと見たらね、肩で呼吸してるんですよ。
あ、まずいじゃん。
これおかしいよね。
でもバイタル測っても、そこまで悪くない。
プルス脈拍ですね、それが100を超えている。
もうぼちぼち110ぐらいまで上がっちゃってる。
そんなに脈が強くないのに、脈拍だけはどんどんどんどん速い。
まあね、やっぱりちょっとこれまずいよね。
脱水、ほとんど水分も取れてないし、脱水の症状も強い。
どうしようかねーって言って、ナースが見て、
いや、これはやっぱりゴリさん、だめだよね。
だめだと思うよ。
ちょっと総代に連絡する?
早くした方がいいよ。
そうだね。
総代に電話して、お家の方とケアマネージャーさんと電話をして、
そしたらお家の方がね、今すぐにはいけないので、
応診の先生にお願いするので、応診の先生に見てもらって、
どうするかを決めていきます。
なるほどね、すぐにはいけないのか。
とりあえず応診の先生来るの待って、
そしたら応診の先生来て、ちょこっと見たらね、
これまずいよ。すぐに大きい病院に運んだ方がいいよ。
って言って連絡つけてくれてね。
そのまますぐにそのおばあさん運ばれることになったんです。
いやー、これ早めに見つけてね、
おばあさん病院に運ぶことできてよかったね。
大変だったね。
09:01
いやー、これでなんとかなるよ。
言ってそしたらまたね、さっきのおじいさんですよ。
おーい、おーいって。
一難去ってこっちは何でしょうって。
何?
早く紙と筆って。
まだ言ってる。
トイレじゃないの?お腹空いたとかじゃないの?大丈夫?
テレビなら4チャンネルに変えたわよ。
なんて言いながらね。
どうしたの?
紙とペン。
もうわかったわかった。
何?どうしたの?
早くしないと猫が死んじゃう。
まだ言ってる。
なんだかよくわかんないけど何なの?
もううちの近所の猫が死んじゃうから、
オラがカイメをつけてやらんと。
かわいそうだね。
早くしないとあの世に行けないから。
早く。
紙とペン。
わかったわかった。
またね、
こんなこと言ってるよーって言って、
情報を他のスタッフと共有して。
なんだかね、いつもと違うこと言うね。
やっぱりこう、
吸反されるような人がいると、
やっぱちょっと気が焦るのかね。
そうかもしれないよねーって言って。
まあ、しょうないね。
また紙とペンって言ったら持ってってあげるーってね。
で、まあ、
さっきのおばあさんが病院運ばれてから、
2時間ぐらい経ってからかな。
相談員、一緒について行った相談員が戻ってきて、
どうだった?って。
家族来てくれた。
だから戻ってきたよ。
そうか、よかったね。
どうする?
いやー、あんまり状態よくないかもしれないって、
お医者さんが言ってましたよ。
また何かあったら電話くれる?って言ってました。
そっかそっかー。
そこから15分ぐらいかな。
あったら、病院の方から電話があってね。
たった今、亡くなりました。
あー、そうか。
まあ、家族も間に合ったしね。
家族がその死に目に遭えたのは、よかったよね。
朝から本当にその脈を見て、
いやもうこれは今日、まずいよなーって、
そういうことをね、感じてね、
言えたのは本当によかったなーって思って。
やれやれって思ってね。
そしたら、おじいさんがまた呼ぶんですよ。
おーい!何なのもう本当に。
どうした?
何?
紙とペンだっつってんだろうって。
えらい偉そうに言うけど大丈夫?
いいから早く紙とペン持って来いっつってんだって。
ごめんね、わかった持ってくるよ。
持ってきたところで、ペンが持てないんですよね。
力が入んなくて。
12:00
まあでも、本人がどうしても紙とペンだって言うから、
紙とペンを渡して、一生懸命何か買い物考えてるんですよね。
何?どうしたの?
どんな名前がいいかね。
いやいや、分かんないよ僕ら。
買い物って言われたって全然ピンとこないけど。
そうか、何とかいいのをつけてやりたいだけるな。
あ、そう。優しいね。
じゃあ誰の買い物なの?って。
いや、もう近所のウサギがね。さっき死んじゃったから。
それの買い物を書いてやるなと。
ウサギ?朝猫って言っとった場合?
そんな風に思ってね。
あれ?死んじゃったって今言ったね。
朝は猫が死にそう、今はウサギが死んじゃった。
猫とウサギの違いはあれど、死にそうと死んじゃった?
なんでおばあさんの状態とリンクしたこと言ってんだろう?
え、ちょっと怖いんだけど。何?何?何?
今言ったよね?ちょっと他のスタッフにも。
ちょっと何て言ってるか聞いてきて。
紙とペン持ってこいって言ってるよ。
何で?って聞いてみて。
何で?
ウサギが死んじゃった。
同じことちゃんと言うな。
言うことが毎回違えばそれはそれで大したことないだろうと思ったんだけど。
同じこと言うんですよね。
いや何?
おばあさんの状態となんかリンクしてない?
ちょっと怖くない?
いや本当だね。何でこんなこと言うのかね。
いつもそんなこと一言も言わないのにね。
本当にお腹が空いた。テレビつけろ。
あっちがかゆい。こっちがかゆい。
うんこの世話をしろと。
いや今日だけすごいね。
なんかもう大変だわな。
こっちで休飯。こっちでおいおい。
紙を持ててね。
なんだか怖いよね。
そっからお昼休憩になって僕らご飯食べてて。
お昼休憩中にお昼の会場をしていたスタッフがね。
戻ってきて。
あっどうだった?あのおじいさんまだおいおい言ってる?
いや全然言ってないですよ。
あっ本当に?
うん全然。
えっ朝からずっと紙と筆持ってこいって言ってたんだけど。
いや言ってないです。
えっ言わないの?
言ってないです。
普通にいつもと同じようにうんこ。
うんこでちゃうからトイレ行く?
いやいやトイレ行かないよ。
そんな会話しかしてないです。
あっそう?
まあご飯食べて満腹になってうんこ出たのかね。
15:04
うーん。
まあそっからね。
おやつの時間になってそこまでもおいおい呼ぶんですよね。
そこもおい大丈夫?って言ったらお腹すいた。
うんおやつもうちょっとだから待っててね。
言わないね。
全然言わないじゃん。
朝からあんなにおいおい呼んどいて。
今はもう全然紙と筆って言わなくなっちゃって。
いやーなんだろうね。
なんであのおばあさんとこの人が言ってることがリンクしてるんだろうね。
不思議だよね。
さすが元お坊さんだよね。
っていうお話。