2024-06-22 52:54

#51 人の心は変化を嫌う

次回は 1 年超え!という今回。変化が速い、あるいはさらに速くなる世界で、人間は心の平安を保てるのか?

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一 (Blog)

高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)

中川 浩孝(twitter / Facebook / LinkedIn / note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

00:00
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポートキャストです。
田中 愼一
みなさんこんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。 コミュニケーションの世界に携わって40年以上、コミュニケーション命、
シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職してはや、四半世紀以上、以上をこれからつけます。高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住中川浩孝です。
今回51回目なんですけど、次回が1年超えになるんですよ。
高木 恵子
私も四半世紀以上に、これから以上にします。
田中 愼一
私も41年以上にしなきゃいけない。
中川 浩孝
本当に1年間続くってあっという間ですよね。
田中 愼一
感覚で言うとね、半年経ったかなって感じですよ。
半年ぐらいかな。そういえば去年の、今頃じゃないな、半年前ぐらい始めたなって感じですよね。
中川 浩孝
1回目を配信したのが、去年の6月23日、日本時間で6月24日なんですよ。
ちょっとびっくりですよね。
田中 愼一
継続こそ命って言いますけどね。継続は命ですから。
続けていくことがですね、将来の人類のために価値ある言葉をですね、残していこうという大きな志を持ってやってきたということですね。
中川 浩孝
馬鹿にされてないといいですけどね、将来のね。
田中 愼一
いやーどうでしょうね。こんなに結構AIの悪口言ってるから、糾弾されてるかもしれませんよ。100年後は。
中川 浩孝
そうかもしれないですね。あとコンピューターのマイクの問題はもうね、その頃には起こってないといいですけどね。
田中 愼一
でもね、だんだん、僕の言葉で言うと、自動車のものづくりから来た人間からするとですね、放置する分野が多すぎる。
中川 浩孝
まあそうですよね。
田中 愼一
放置されてるのにそのまま許しているっていう。もう何回バグって何回やってもね、一体どうやったらなんとかなるの。だから触ってるうちになんとかなっちゃうんですよね。
03:04
中川 浩孝
でもね、それは私も分かります。私もずっとハードウェアの会社でどちらかというと最初働いていて、ソフトウェアの会社で働き始めたのが2011年からなんで、それまでハードウェアの会社だったのでやっぱり一度出してしまうと、
そのバグがあるものを出してはいけないとか、こういう問題が起こるものを出してはいけないっていう考え方がやっぱり強かったので、
今ソフトウェアの会社で働いていると、クラウドとかソフトウェアの会社で働いていると、とりあえず出しちゃえっていう、後で直せばいいじゃんっていうのがやっぱりあるんですよね。
田中 愼一
はい。トライアンドエラーがあっていうことですよね。
中川 浩孝
そうなんですよね。そういうふうにやっていかないと直らないというか、早くすぐに直していけるということもあるので、
ハードウェアは一回売っちゃうとそれを直すことはできないですけれども、ソフトウェアは随時アップデートできるので、
とりあえず出して間違ったところはまた直していくっていうやり方でいいっていう、やっぱりそれに頭をシフトするのは最初結構自分の中でも大変でしたね。
田中 愼一
なるほどね。確かにトライアンドエラーっていうのはすごく重要だという部分はこれから間違いなくあるんでしょうけれども、
例えば自動車の場合はリコールシステムっていうのがあって、何かあったらすぐリコールをかけて、もう入れ替えていくっていうね。
それはなぜかというと100%保証できないわけですよ。車だって使う側の状況に応じて、どんどんどんどんこちらが出す前にしっかりと担保した部分っていうのが、
使われ方によってだいぶ変わってきちゃうわけですよね。だから100%担保できないから、そういうことが起こったときには即リコールするっていうのがあるんだけども。
とはいえ、車の場合命を乗せてるんで、バグったからもう一回やり直しっていう世界はやっぱり非常に限られてるんで。
だからそういうのっていうのは、そこから来た人間からするとちょっと一抹の不安を覚えないわけにはいかないし。
中川 浩孝
その感覚はすごい私も共有してるんですけれども、ただやっぱりそういうふうにやっていくと、その100%になるまで製品が出せないっていう、
そのスピード感にやっぱり今間に合わないっていうか、世界的なスピード感に日本が間に合わなくなってしまっているっていうところのほうがやっぱり、今は問題かなとやっぱり思いますね。
田中 愼一
でも確かにね、僕もこの世界40年以上経ってますけど、コミュニケーションの世界ほどバグの多いとこがなくて。
人によって違う。一人の人間によって全然みんな違うから、バグってばっかりいるわけですよ。
だから、試行錯誤以外に生きる道はないっていうのは確かにあると思うんですよ。
中川 浩孝
でもそれも確かにそうですよね。
田中 愼一
だから朝令暮改っていう言葉が僕は非常に重要だと思ってて、朝決めたことをもう昼それを却下するっていうスピード感、トライアンドエラーのね。
06:12
田中 愼一
これはね、僕は自動車行ってからゲームに行って、ゲームに行ってからコミュニケーションに行ったんだけど、自動車っていうのはトライアンドエラーの期間っていうのが8年なんですよ。
つまり、車を開発するのに4年かかるんですよ。
で、それをさらに4年売らなきゃいけないんです。
すべてのものが8年でものが考えられるっていう。
ところが次にゲームに行ったんですね。
ゲームの世界に行ったら何が起こったかというと、そのサイクルが8年から3ヶ月になったんですね。
特にアミューズメントマシンなんかもやってたんですけども、
アミューズメントマシンっていうのは、いい機器だとお店のほうがみんな受け取って、
1日のインカムが、たとえば1万か2万以上上がったり3万以上とかね。
たとえばプリクラなんて、場所によっては5、6万稼ぐとこもありましたから、100円玉がそれだけ集まるわけですけども、
そのぐらいのインカムがあればね、彼らずっと長く持つんですよ。
店に残してくるんですよ。
ところがインカムの悪いものは、入ってから1週間後にはもう中古品市場に売っぱらっちゃうんですよ。
中川 浩孝
すごいですね。
田中 愼一
そうするとね、僕は国内じゃなくて海外を売ってたもんだから、
こっちがニューモデルを出して手続きして、ディストリビューターに対して送る時期にはもうすでに日本から中古品が同じモデルの大量にわーっと入ってるわけ。
これはね、スピード命で。と言ってもその頃3ヶ月だけども。
だから結局3ヶ月で回らなきゃいけなかったんですよ、ビジネスは。
ところがコミュニケーションの世界に入ってきたら、それどこじゃなくて。
中川 浩孝
3ヶ月どこじゃないですもんね。
田中 愼一
いやー、3時間ですね。
3時間でガラガラ回していかないと。
だから本当に試行錯誤で微調整をどんどんどんどんやりながらね、最終的なその成果物を提供していく。
ただそこに至るまでのトライアンドエラーの回転数の速さ。
これはね、結構ね、そう言われてみればそこに少なくとも私は40年以上立ってたんだなって。
中川 浩孝
でもそういう意味では時代自体が多分そういうふうに速くなってるんでしょうね。
私もだってハードウェアの会社でソフトウェアの会社クラウドの会社みたいな感じでどんどんどんどんやっぱり早くなっているので。
まさに何か時代に合わせ、まあそういう意味ではその時代にもしかしたらちょうど合っている、時代のスピードに合っているのにどんどんどんどん乗ってきている。
09:02
田中 愼一
確かにそうなんですけど一番僕が心配事はですね、それに追いつけていけないものが一つ大きくあるんですよ。
人の心。
中川 浩孝
まあそうですね。
田中 愼一
人の心っていうのは、基本人って人の心っていうのは変化を嫌うんですよ。
人間の意識ってそもそも変化を嫌う動物なんですよね。やっぱり変化しないことっていうものに安心を覚えるわけですよ。
ところが今みたいにどんどんこれから変化が加速していくと技術はどんどん進んでどんどん周りは進んでいくんだけどもそれに追いついていけない人間の心が出てきちゃうんですね。
中川 浩孝
確かにそうなんですよね。
田中 愼一
つまり相反するんですよ。人間の心って基本変化を嫌うから。だから変化が来ると一瞬嫌だなと思ったり。
あるいは人によっては結構自分を鍛えてるから変化が来ると嬉しいと思うように自己暗示かけてるとかね。
いろいろあるんだけど本質は変化を嫌うんですね。生きるものは全て変化を嫌いますよ、基本。
今生きてるわけだからこれが続いて欲しいってみんな思うに決まってるんですから。
変化を嫌うっていうのは根底にあると思ったほうがいいです。生き物は全てね。だから人間なんかは最大のもので。
そうするとね、他の動物よりも強いところっていうのは、それに合わせて自分の心を調整する能力っていうのがあるわけですよ。
人類は多分歴史上ずっと何千年と変化に合わせながら、人の心っていうのを調整してきたっていうのがあるんだけども、
今のAIの世界見てると、これはもはや普通の心のままで置いておくとですね、全然追いつかない状況。
もっと言い方変えると、心のイノベーションを絶えずやっていかなきゃ。もう人間生きていけない時代になってきてるって話ですよ。
これね、痛感しますよ今。
だからそうなると、今までみたいに人間の心っていう、それはもう所与の問題でいくんじゃなくて、
その所与のものをいかに鍛えていくか。いかに進化させていくか。いかに変化に合わせてイノベーションを行っていくかっていうのが、
ものすごくこれから求められてくると思いますよ。
中川 浩孝
なんか皆さんって、今まで時代の進化に対して抗ったことってあります?
例えばなんですけど、私の場合、私は携帯が出てきたのがちょうど大学を卒業した、大学くらいの時くらいにPHSみたいなのが出てきて、
携帯持ってる人はすごいみたいな感じで、普通の人はピッチ持ってますみたいなくらいの時期で、
社会人になって携帯持つ人が増えたくらいの感じの時期だったんですけど、
私最初、携帯なんて絶対持つものかってちょっと思ってた時期だったんですよね。
そんなの全くいらないと思っていて、でも社会人2年、2年目くらいですかね。
12:05
中川 浩孝
で、もうやっぱいるなと思って買って、そこからはもちろん持っていますし、スマホにも乗り換えましたし、
そこでなんかほら、ガラケーに固執した人もいたりとかしたじゃないですか。
で、スマホなんか絶対使わないみたいな。
で、私は携帯に最初一回抗ってるんですけど、その後はもう全然そういうテクノロジーには基本的には乗っていくことにしてるんですけど、
なんか今までにそういうこれはちょっと自分は使いたくないなと思ってたって、
最初はこうなんですか、アクセプトしなかったんだけど、後で受け入れたものってあったりします?
田中 愼一
僕は2つありますかね。2つっていうか、2種類でちょっと違って抗うっていうよりも、
1つの、僕自身の性格からすると、1つはですね、みんなが使ってるものは使いたくないんですよ。
中川 浩孝
その気持ちはでもすごくよくわかります。私もそう。
田中 愼一
だから僕、アンチ巨人なんですよ。ヤクルトなんですよ。
あのね、みんなが使ってるのは本当に使いたくないっていう、これは抗いなのか反発なのかわかります。これ1つあります。
だからもう1つは、変化技術とかそういうものに抗うというよりも、鈍感って言ったほうがいいかもしれませんね。
技術に対して関心を至って持たないっていう。
これなんで、これ僕の弱点だと思ってるんですけど。
これはね、普通新しい技術があると、お、面白いねってこう来るでしょ。
全然、確かに面白いなって。だからどっちかというと一番後発なんですよ。
最悪。みんなが使って便利だ便利だって言うんで、しょうがないからこう使い始めるっていう感じ。
だから、ちょっとヒロちゃんの感じとはちょっと違うけど、僕の場合はそうですけどね。
中川 浩孝
なるほどね。
田中 愼一
けいこさんなんかどうなんだろうな。
高木 恵子
えーと、まずなんかちょっと前のその田中さんが、人間は変わりたくない変化をね、好まないっていうところにちょっと戻ると、私基本的に変わるものだと思ってるんですよ。
中川 浩孝
やっぱりなんかその。
高木 恵子
いやいや、でもなんだろう。子供の頃からなんか物事って変わるし、人の心も変わるし、結局変わる。
変わるのが当たり前ってずっと割と子供の頃から思ってたから、変わることのそのバリアがあるっていうのかな。
変わるものだと思ってるから、人の心も変わるし、何かものもここにあったものが、それこそ新しく立て替わるとか。
だから物は変わるってもう、変わるもの、心も変わる。その物事が変わるっていうふうに子供の頃から思ってたから。
まず、そこになんかこう、あんまり変化がどうのっていうのを感じないかったんですよ。今思うと、お二人の話を聞いてたら。
15:02
中川 浩孝
万物は流転するってやつですよね。ギリシャ哲学家って感じですよね。
ギリシャ哲学の時代からそういうことは言われてはいたんですよ。だからそういう意味ではすごいですよね。
田中 愼一
いやすごいっていうか、やっぱり出自の違う方とお話をしてると、ちょっと次元を超えたって感じがあるんで。
でもまさに、たぶんね、凡人は、けいこさんが行くステップの前にもう一つステップがあって、
それは変われない自分、変化に対応できない自分との戦いがあるんですよ。
その戦いに勝ち抜いてですね、勝ち抜くためには自分に思い込みを作るしかなくて、所詮世界思い込みを作る。
俺は変化って言ったら変化にとにかく、変化は俺の命っていうくらいに自分に自己暗示をかけて、
自分の心のイノベーションを行って、初めてけいこさんの一番初めのファーストステップに到達する、たどり着くっていう。
そこに至るまでの苦しみの道筋っていうのが、普通の凡人はあってですね。
高木 恵子
いやいや、まだ私たぶん、わけのわかんない子供の時に、まだ子供って何か考える大人みたいな思料ってあんまりないわけじゃないですか。
だから、子供ってなんか全てがわりと新しいですよね。
こうある程度大人になる過程で、いろんなものが全て新しく初体験みたいなものになるわけじゃないですか。
こう子供からだんだんいろんなものを認識してくるときに。
だからそのタイミングで、変わるっていうもの、世の中は変わるもの、人の心も変わるものみたいなのを、それがスタンダードに入ってきちゃったから、
そこをあんまり重く感じなかったんですよね。
だから例えば、郵便ポストは赤いのと同じような感じ。
これってこういうものなんだっていう。
高木 恵子
だから初めて見たものがそういう感じみたいに覚える?
田中 愼一
そこはね結構いい話で、もしかしたら人間の心のイノベーションっていうものを達成するための一つのヒントになる言葉だと思うんだけども。
確かに、例えば具体的な例で言うと、僕の仕事の中にクライシス対応って実は大きな部分を示してるんですけども、
クライシス対応ってやっぱり難しいんですよ、普通の有事の状況っていうのは。
18:04
田中 愼一
平時の場合はね、普通のコミュニケーションっていうか、それ通りのコミュニケーションで済むんですけど、
クライシスが起こると全然事件が変わっちゃうんですね。
少なくともこれはビジネスとして有力だなと、このクライシス対応っていうのは。
クライシスコミュニケーション対応っていうのはいいなと。これはぜひともやんなきゃいかんなと。
そこから社内ではクライシス男って言われるようになって、
クライシスが来ると目が輝き始めるっていう。
僕にとってはクライシスが起こると、よりうちの持っている価値を提供できるぞって目が輝いてきたんですね。
基本的にはそういうふうに自己暗示をかけていって、
どんどん積極的にクライシス対応のためのサービスをどんどん作っていったわけですよね。
ある程度までいったときに、クライシス対応ってやっぱりきついんですよ。
やっぱりね、クライシス対応はいいんだけどきついなーっていうふうに思い始めて、
ある意味ひとつの独立部隊を作っちゃって、そこに責任者を置いちゃって。
基本的に日々のクライシス対応っていうのは、俺苦手だから苦手って言ってたんじゃないかな。
やっぱりきついから頼むぜって言って全部任せて、それを独立部隊にしたっていう一つの理由っていうのは、
自分がある程度やっぱりきついから任せたっていうことなんですよ。
でもね、基本的には僕はクライシス嫌いなんですよ。間違いなく。
中川 浩孝
嫌いなんですか?
田中 愼一
嫌いなんですよ。
でもこれが一つの大きなビジネスになってくるっていうことから、自分を鼓舞して、
いわゆるクライシスになったら嬉しいって自己暗示かけて、
それが多分僕の非言語も変わって、周りの連中があの人クライシス対応が本当に好きなのねっていう。
でも本質的に僕は好きじゃないわけですよ。嫌いなんですよ。
独立会社まで作って、そっちに全部任せるようなね。
そうするとこれでやっと大晦日とかゆっくりできるなーなんて思うような、
怠惰な発想で言ったわけですよ。
だからなんとか、もともと根本は嫌いなんですよ。
けいこさんみたいに、もう天賦としてそうなってる方っていうのは当然いると思うんですけどね。
でも結構、やっぱり凡人にはですね、ある程度その前のステップがないと、なかなかそういうところまで意識変えることができないんじゃないかって気がするんですけどね。
21:05
中川 浩孝
でもそれこそね、私も最近すごく思っていることは、レギュラー対応っていうものは、それこそAIでできるっていうふうに思っていて、
マニュアル対応でできてしまうので、やっぱりイレギュラーな時こそ、クライシスな時こそ、やっぱり私たちの経験が生かされるっていうふうに考えないと、
なんかもったいないなっていうか、そう考えないと、やっぱりAIにどんどん仕事奪われちゃうなっていう意識はやっぱりあるんですよね。
田中 愼一
それね、すごくいいポイントだと思いますよね。多分そうでしょうね。でもね、それは逆に言うと、人間にとっては苦しい道かもしれない。
僕にとっては苦しい道かもしれない。
中川 浩孝
言った気がするんですけど、AIはやっぱりどんどん簡単なというか、単純化された仕事をどんどんしていってくれるので、
私たちが扱わなくてはいけない仕事は、どんどんどんどん難しかったり、判断を迫られたり、
頭をめちゃめちゃぐるぐる回して使わなくちゃいけないような仕事しか残らないっていうことなんですよ。
どんどんどんどん辛くなっていくっていう。
田中 愼一
365日クライシス対応の時代。
中川 浩孝
本当、多分そうなんじゃないかなと思うんですよね。それ以外は全部平時のことはAIがやってくれるので、
大変なところなんかイレギュラー処理だけが人間がやるっていうことになると、どんどん辛くなっていくっていう。
田中 愼一
なるほどね。それはね、でもね、間違いないでしょ。だからこそ、そのイレギュラー処理ができる、イレギュラー世界でも生きていける心を鍛えなきゃいけないわけですよ。
中川 浩孝
そうですね。確かに。
田中 愼一
ここが僕が言ってる心のイノベーションが絶対必要なんですよ。
あのね、トランスフォーメーションじゃダメなんですよ。イノベーションなんですよ。
トランスフォーメーションはあるものをこうやりながらね、一つの新たな価値を出そうとするんだけど、イノベーションはね、ワープしなきゃダメなんですよ。
中川 浩孝
確かに。
田中 愼一
積み上げだけじゃ絶対できない。だから心っていうのをワークさせるためには、やっぱりね、かなりそれなりの方法論っていうのを人間が必死に考えないと、なかなかそうか。
だから、放置される部分がどんどん大きくなるだけじゃなくて、こういうイレギュラーがこれから、っていうかそこしかもう仕事はないって話になるわけですよね。
中川 浩孝
そう、そこしか人間の仕事はないっていう考え方の方が。
高木 恵子
いや、だけどAIでも、AIが本当にもっとすごくなると、そのイレギュラーも起きないと思うんですよね。
だから、そのある意味違う、なんか結局AIで、なんか何でもAIに最後いろいろこう、ストラテジーも作らせれて、なんか判断するときもAIでどっちの選択した方がより失敗しないかみたいな確率もちゃんとAIが見てくれるようになっちゃえば、
みんながあんまり失敗しなくなる。そうすると、成功とかっていう概念がすごい変わってくる。何をもって成功してくるかっていう。
24:03
田中 愼一
実は二つの考え方があると思うんですよ。一つはAIがどんどん進んで、基本的にはより楽な世界が来る。失敗が少ない世界が来る。
高木 恵子
そう、って思っちゃう、私は。
田中 愼一
もう一つは、どっちかというとヒロちゃんが言っていた、これからイレギュラーがどんどんどんどん始まると、いわゆる人間にとっては苦の時代というかですね、悪の時代じゃなくて苦の時代ね、がどんどんますます出てくるっていう。
この二つの方向性っていうのは結構面白い示唆ですよね。
中川 浩孝
そうですね、これどっちにいく?本当にどっちにいくんでしょうね、確かに。
田中 愼一
多分ね、両方の組み合わせだと思うんですけど、どっちかに比重がいくんだろうけども、いずれにしてもその二つの間でどうバランス取っていくかっていうのが人間のところなんでしょうね。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
面白いですね、それはね。
中川 浩孝
でも単純作業みたいなものに関しては、やっぱり機械が置き換わっていくんでしょうね。そうするとやっぱり仕事を奪われるみたいな話になってくるかな。
田中 愼一
でも逆に仕事を奪われるっていう発想の部分も出てくるんだけど、一方でより苦しい仕事に追いやられるって話にもあるわけですね。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
だから例えば自分の日常の仕事をしてても、取り留めもないことをやってることがあるんですよね。
逃げを打つことがあるんですね。逃げって何かというと、今必死にある発想を考えなきゃいけないんだけども、その前にテーブルを片付けるかとかね。
中川 浩孝
完全にそれは逃げてますね。
田中 愼一
それから本を整理するとかね。あるいはサインをどんどんやっていくとか。要は付加価値に何の関係もない。
本来ならばそんなのはAIも必要ないぐらいに。それは結構逃げてるんですが、自分が仕事してるときってのは逃げも一部入ってるんだけど、その逃げの部分がこれからなくなるってことですよ。
もう、はっきり言って、付加価値につながるもの以外は人間は関与させてくれないって世界がある。
だから、発想力、一言で言うと、イマジネーション力。
アインシュタインがいつも僕が言いますけど、イマジネーション力とか、それから経験から来るものから何を紡ぎ出してこれるのかっていう。これも発想の一種でしょうね。
27:01
田中 愼一
こういうところに追いやられるっていうか、苦しみの道を歩まされるっていうのが多分ここから出てくるんでしょうね。
高木 恵子
でも田中さん、まだ私たちが生きてる間はそこまでいかないですよ。
で、私はいつも思ってる。
中川 浩孝
逃げ切る。逃げ切る。
田中 愼一
これを聞いてる100年後の人は怒ってますよ、そこで。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
まったく逃げ切りかよってね。
高木 恵子
そうなんですよ、いいんですよ。だってそれを作るのが我々世代の生きてる人たちであって、今たぶん私たちが生きてる間はそこまでそうではない。
田中 愼一
我々が作って未来の世代が苦しむって話ですね。
高木 恵子
かもしれない。でもやっぱり今の人たちって全然私たちの教育と違うから、すでに私たちと違うじゃないですか。
違う優秀さの若い人たちっていっぱいいるから。
田中 愼一
いますね。
高木 恵子
そうなんですよ。だからやっぱり我々の世代で学習とかいろいろ教育を受けてきたものでの今の我々の存在と、
明らかに今の若い世代、まだ10代、20代の方たちの優秀さってやっぱり本当ちょっと比較できない感じの違いがあるじゃないですか。
だからいいんですよ。
中川 浩孝
変化への対応というか、アドプト率っていうのもどんどん上がってると思うんですよね。
それこそ私たちがパソコン使って、スマホ使って、携帯使って、スマホ使ってみたいな、スマホからスタートしちゃってるわけじゃないですか。
高木 恵子
そう、スマホで小説書いたり、スマホで音楽作ったりしちゃうわけじゃないですか。
私たちみたいに原稿と鉛筆で書くとかいうのでもないし、楽器を使って音楽を作るっていうのじゃなくて、楽器が弾けなくても全部パソコンで音楽作れたりっていう。
だから優秀さが全然私たちの教育を受けてきた教育で仕上がるものと明らかに今違うから。
中川 浩孝
優秀さもそうだし、変化への対応度っていうのが多分もう違うんだと思うんですよね。きっと私たち以上に。
でも速度はどんどんどんどん速くなってると思うので、今の人たちもまた30年後くらいにもう今の変化についていけないよって多分言うと思うんですよね。同じなんだと思うんですよね。
高木 恵子
時代は繰り返されるから。
田中 愼一
そうですね。時代は繰り返されるんでしょうけど、でもそうだな。でもやっぱり変化が加速するに対して基本的にどうやって人間の心の加速度を上げていくか。
中川 浩孝
でもそこはそうなんですよね、確かに。
田中 愼一
そこはね、やっぱり結構チャレンジだし、多分その加速度を上げていく、心の動きの加速度を上げていくっていうのは色々な方法があって、結構そこあたりがこれから課題になっていくような気がしますね。
30:01
中川 浩孝
でもそこはだから、きっと病む人とかもどんどん増えていくと思うんですよね。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
今ある意味コーチングばやりでしょ?今ずっとここ10年ぐらいずっとコーチングっていうのが話題になってたり。なんかやっぱりその心の部分がね、結構ね、案外イノベーションが起こってないんですよね。
中川 浩孝
そうかもしれないですね。
田中 愼一
だから非常にそういう意味では、面白い世界っちゃ面白いんですけどね。
中川 浩孝
どうなんでしょうね。宗教は昔からあったのに、今宗教のイノベーションが起こっているわけではないので、むしろなんかわかんないですけど、推し活みたいなので、例えばストレス発散みたいなことがされているのかなとか、違う形でもしかしたらイノベートされているのかもしれないですけどね。
田中 愼一
ある程度ね、仏教哲学なんか、僕なんかいろいろ見てますけど、仏教哲学を一回科学する必要があるかなって気がします。
科学的な視点からね、仏教哲学を理解するとか、前もこの場で話したけど、科学者が仏教にすごいみんな興味持っている。アインシュタインはじめね。
湯川秀樹っていうノーベル物理学者を取った人とかね、いろんな人がね、仏教の持っている哲学の体系と科学が持っている、特に現代物理学が持っている体系っていうのが、やっぱり結構共持性というか、共通項が多いっていうか、発想の筋がね。
だからそういう意味で一度、少なくとも科学は人の心をイノベーションするための科学っていうのは、心理学とかいくつかあるけど、部分的でしかないわけだけども、仏教っていうのはずっと人間の心のイノベーションを考えてきて2500年ぐらい経ってるわけですから、
やっぱりそこに蓄積されたものっていうのは、将来にどう衣替えさせるっていうか、そういうのは重要かなって気がしますね。
中川 浩孝
確かにそうかもしれないですね。
田中 愼一
なかなかね、心のエンハンスメントというか、イノベーションっていうものを扱った思想っていうのを見るとわかんない。
イスラム教とかキリスト教とか、どっちかというと一神教的なところよりもやっぱり多神教的なね、バラモン教とかですね、ヒンズー教とかね、あとは仏教とかね、
そっちのほうが、心のイノベーションっていう意味ではもう少し相性がいいのかなっていう気はしますけどね。これは僕のある程度、ひとりよがりな意見ではありますが、なんかそんな感じしますね。
これからやっぱりそれは、宗教というよりも、もともと宗教はそういうもんだったのかもしれないですけど、人の心を癒すっていうことが宗教の一番の大きな目的だったと思うんですけども、
33:04
田中 愼一
今、人の心を癒すものっていうのが、昔みたいな宗教がある程度絶対的だった時代じゃないじゃないですか。
高木 恵子
そうですね、いろんなものがある。
田中 愼一
だからそこあたりでやっぱり、なんか新しいものっていうか、そういう人の心を癒す、あるいはもっと人の心をイノベーションを起こすための方法論っていうのは求められていくんじゃないかなって気がします。
特に今言ったように、不確実性な放置の時代がもっと広がっていく。加速度的に変化が来てる。
さらには、どんどん付加価値につながったところに人間を追い込まれるんじゃないかっていうような、より大きなプレッシャーをどんどん人間の心が感じ始めると、
そこに対する対応っていうのは、結構真剣に考えてほうがいいような気がしますけどね。
なかなかね、科学だけでは、人の心ってイノベーションを図れるのかなっていうのは、ちょっと疑問不安がありますね。
それだけ人の心ってのは、やっぱりまだ得体の知れないものなんでしょうね。
中川 浩孝
そうですね。
高木 恵子
だから本当、まずは自分が自分を知ることから始めなきゃいけませんよね。
自分が何が好きで何が嫌いで、何がやりたくて何をやりたくないかみたいな、まずは単純なことから自分を知っていくってことがすごく重要。
そこからまず見ていけば、ちょっとずつだけど、自分がわかってくる。
田中 愼一
それはすごく必要なことだと思いますね。
自分を知るっていう中で、何が好きか何が嫌いかって言ったときに、なぜ嫌いなのかっていうところから、より深く自分を知っていくっていうのが多分重要だと思うんですよね。
自分との対話っていうのが今、たぶんすごく求められてる気がして、
やっぱり相手との対話よりも自分との対話をまずしっかりしないと相手との対話もできないっていう世界なんで、
だから自分との対話っていうのはすごくこれから重要になるでしょうね。
そうしたときに、なぜっていうのをどこにかけるかっていうと、なぜ好きなのかよりも、
なぜ嫌いなのかってところを追求していった方が、よりインプットは高いと思いますね。
好きなのは好きなんですよ。それはもうそれでOKなんですよ。
そんなの分析したってどうでもいいんですよ。
中川 浩孝
好きなことに理由はないっていうのは確かにありますよね。
田中 愼一
理由はない。本当に今ヒロちゃん言った理由はないんですよ。
でも嫌いなことには必ず理由があるわけですよ。
嫌なこと、嫌いなこと、やりたくないこと、こういうのをやっぱり自分で深掘りして考えていくっていうのが、
自分を知る上ではすごく重要なポイントじゃないかなと思いますね。
でも人間、とっかけ自分の嫌なことから避けますからね。
嫌いな相手とは話さないとかさ。
36:02
田中 愼一
あんまり興味のない人とは。
中川 浩孝
頭の中に置いておきたくないですもんね、嫌いなことは。
田中 愼一
そうそう。いろいろな意味でね。
人間の好き嫌いの感度ってものすごい。あれは煩悩ですけどね。
すごいしつこいですよ。
こう言うとどんどんどんどん、うちの世界に行っちゃうんだけど。
でも話してるといつもね、やっぱりそこなんですね。
中川 浩孝
まあでも1年間やってきて、その話にたどり着くことは何度もありましたから。
田中 愼一
何度もありましたね。
中川 浩孝
でもやっぱりそこはだから根本的なところ問題としてやっぱりあるっていうことですよね。
田中 愼一
我々として考えていかなきゃいけないんでしょうね。
中川 浩孝
普段からそうですね、そういうのを考える時間っていうのは意外とないのかもしれないですね。
田中 愼一
でもこの一週に1回ベースでやっているこのポッドキャスティングは、
そういうことを少し考える場としては非常に楽しみな場ではあります。
中川 浩孝
まあちょっと普通とは違う、アベレージからは外れた私とけいこさんっていうメンバーがいるっていうこともあるんですけど。
高木 恵子
私自分でアベレージだと思ってるんだけど。
田中 愼一
そこが出自が違う方の発想でね。
高木 恵子
そんなアベレージから外れてるとは思ってない。
田中 愼一
外れてるっていうよりも、凌駕してるって言ったほうがいい。
アベレージから完全に凌駕していらっしゃるという感覚が出てきますね。
中川 浩孝
それだけ自分のことはわからないっていうことですね。
高木 恵子
まあそうかもしれませんね。
田中 愼一
そういうことですね。やっぱり自分が一番わからないですね、本当に。
中川 浩孝
だからこういう話をすると、やっぱりけいこさんってちょっと違うなとか、私ってちょっと違うんだとか、
私って自分のことをね、やっぱりちょっとアベレージな日本人というか人間からはちょっと違うのかも
知れないっていう気づきがあるっていうことはすごく面白い機会ではあるんですよね。
高木 恵子
そうですよね。やっぱり他人と関わらないとそれが気がつかないですよね。
中川 浩孝
そう、本当そうですよね。
田中 愼一
やっぱりね、孤独にずっと山なんかに籠ってやったって何の意味もなくてって最近思うようになって、
それよりも逆に嫌いな人と話をしたりね、話したことのない人と話をしたりね、
そういう異質の対話をこっちから仕掛けていくっていうことが重要だっていうのが、
最近ちょっと気がつき始めましてですね。
だからなかなかこっちからそういうアプローチをするっていうのはできないけど、
かかってきたものは一切拒まない。
中川 浩孝
それはいいですね。
田中 愼一
これはやっぱり、こっちからあえてねっていうのはなかなかね、僕としては難しいんで、
かかってきたものはね、ウェルカムって言うんで、
39:06
田中 愼一
禅の言葉にですね、喫茶去っていう言葉があるんですよ。
中川 浩孝
喫茶去。
田中 愼一
喫茶去って、喫茶っていうのはお茶を飲めっていう意味です。
おー、喫茶店の喫茶なんですね。
喫茶去。子っていうのは単に子供の子なんだけど、確か子供の子だったよな。(すみません、「去」でした!)
単に強めるっていう意味の言葉?
なんなんだよ!みたいな感じ。そんな意味。
喫茶去だから、飲めよ!ってこんな感じですよ。
お茶飲んできな!ってこんな感じですかね。
ある禅僧が、もっと偉い人の禅僧に初めて訪ねてきて、
仏の本質的な教えは何ですかって質問したら、その偉いお坊さんが喫茶去ってね。
次に今度は別の人が来て、お坊さんと話したら、また同じく喫茶去。
次にそのお坊さんの弟子が、さっきから二人のお坊さんに対して喫茶去って言ってるんで、
なぜそういうことを聞くんですかって言ったら、喫茶去ってまた戻ってくる。
これ、禅で考えさせられる一つの案で、さあ考えろってこういう話なんですけどね。
誰が来てもウェルカムって話なんですよ。
それを口に出すことによって、自分に対してオープンにするんですよ。
だから自分が相手に喫茶去って言って、お茶飲んでけよって言ってるのは、実はその前に自分に言い聞かせて、
こいつ嫌な奴だけどお前受け入れろって話せって言うね。お茶飲んでけって言えっていう。
自己暗示に近い、喫茶去って。
中川 浩孝
なるほどね。
田中 愼一
だからどんな人が来ても喫茶去で行く。
つまりそこには変な判断とか分別知っていう、分ける知識のことを分別知って言うんですけども、
こいつはいいやつだ、こいつは悪いやつだって分けない。
とにかく来た人は喫茶去って言って、お茶飲んでけって。
それはまずは自分に言い聞かせてるんですよ。
で、相手にお茶飲んでいこうって。
言葉で相手にお茶飲んでいこうっていうのはコミットメントですからね、当然。
出す前に自分の心でコミットしないといけないんで。
喫茶去っていうのは二人の相手、自分と相手に対して、特に自分に対して発信している言葉。
ただそれは声を出さなきゃいけないっていう、一つの実践っていう要素も入ってるんですね。
中川 浩孝
なるほどね。
田中 愼一
だから仏教っていうのは結構ある意味で言うと、禅宗なんか特にそうだけど、実践が大事なんですよね。
42:07
田中 愼一
経験が大事なんですよね。
動いてないといくら考えても何の意味もないっていう。
口に出す、動く、きれいにする、挨拶する、草履を整える、便所掃除をしっかりやる、すべて実践。
実践の中で何やってるかっていうと自分との対話をやってるわけです。
自分との対話をし、それによって相手との対話をマネージするわけです。
永平寺っていう道元禅師が建てたお寺ですから、あそこに2回くらい行ったんですけども、すごくそこが徹底してるんですよ。
掃除からあれから全部が修行の一部になっていて。
彼はやっぱり、すべて実践ということで、お坊さんたちは起きてから寝るまでが全部びっしり動きの、つまり実践する動きの羅列が全部書いてあるんですよ。
それを日々こなしていくんですよ。
ですから本を読むとかそういうのってかなり限られてる。
夜の一部の1時間か2時間くらいはわかんないものです。
2時間もないかもしれない。
あとはもう全部動きなんです。
その中で自分との対話をどんどん深めていきながら。
ってことは、自分が動いて何かを行ってるっていう実践の場そのものが自分に何らかのメッセージを与えてるわけですね。
それをベースにして相手との対話を始める。
こういう練習や鍛える。これこれずっとやってるわけですね。
そうすると何が見えていくかというと、
あらゆるものに仏性ありって言うんですけども。
必有仏性ってすべてのものことごとく、存在するものことごとく仏の性質のせいですね。仏性って言うんですけど。
仏性があるって言うんですけども。
それがですね日々の毎日の動きの中から一つの心の作用として感じられるようになってくるんですよ。
だからトイレ掃除してても、あるいはもっと言うなら顔を洗っていても、歯を磨いていても、
すべてそこに、これ説明するのは言葉で説明するのは難しいんですけど、仏性というものを感じ取れるような感度が育っていくんですね。
そうすると周りを見ている感覚っていうのが少し変わってくるんですね。
もっと言い方を変えると、向こうからやってきたものに対する受け取り方が変わってくるわけですね。
その一つは今言った喫茶去みたいに。
45:03
田中 愼一
誰が来ようと来たときに、向こうがいろいろな質問したら、喫茶去とお茶飲んでけよっていう。
それはお茶飲んでけよって言葉で相手に言ったという実践を通じて、自分の中にメッセージを出して、自分の心をオープンにさせ、
さらに相手に言葉で伝えたことによって相手との対話が始まるっていうね。
例えば永平寺でやったような修行なんかを通じて、徐々に徐々に心の感受性っていうんですか。
が培われていくっていうのはプロセスじゃないかなと僕は思ってるんですけどね。
高木 恵子
なんかちょっとレベルが違うかもしれないんですけど、
今自分がやりたいことをすぐやろうと思うようになりましたよ。
だから例えばそれがちっちゃなことでも、なんか例えば雨が降っててもちょっと歩いて15分、20分かかるとこなんだけど、
あそこのあんパン食べたいなって急に思ったりすると、雨だろうがなんだろうが、
昔だったら雨降ってこんな傘さしていくのなと思ってたのを、
あ、急に別に毎日食べてるものじゃないのに急になんかそれも近所のあんパン買えばいいのに、
いやいやあそこのあんパン食べたいと思って、わざわざ雨降ってても20分歩いて買いに行くとかね。
っていうのをやると、そのなんかやったことに対してのなんかこう自分の中での気持ち良さというか、
もちろん食べたかったものを食べれたからその快感はあるんですけど、やっぱり思ったことをすぐ体に動かす。
田中 愼一
それがですね、例えば道元禅師の言う身心一如なんですよ。
神は身体の身ね。で次が心。
神神って呼ぶんですね。であとは一如。これ一体になるって意味ですけど、身心一如。
この前もここで言ったと思うんですけど、身心の順番がね、漢字の順番。
あの間違ってる表記は心が先に来ると間違い。
心じゃないんですよ。身体の身が先に来なきゃいけない。でその次に心が来る。
これは何かというと人間は心ほどいい加減なもんがないと。
まず体から動きから入れって言うんですよ。
だから多分アンパンが食べたいと思う瞬間即行動に移すことによって、何らかのインプットがあったはずですよね。自分の中に。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
何か満足っていうか、その感覚がすごく重要なんですよね。
48:00
田中 愼一
身心一如。考えるだけっていうのが一番。
高木 恵子
大人になってからの方がそういうアクションが。
昔は腰が重かったのが今の方が、年取ってきた方が。
感じたことをやろうみたいな。
田中 愼一
仏教に縁覚っていうレベル。縁学って縁は五縁の縁。学は覚成するの覚。縁学っていう人たちがいて。
人たちってあえて言っちゃいますけど。
世の中にはそういう仏教みたいにこういうねいろいろな戒律を守りながら、あるいはいろいろな行をしながら、ある程度徐々にそういうレベルにね。
達していくっていうのは普通の人なんだけど。
誰からも教わらず。誰からも本も読まず。誰からも教わらず本も読まず。先生もいなければ教科書もない。でもそこまで行っちゃう人がいるんですよ。
それを縁覚って言います。
だから縁覚、僕の勝手な解釈は、五縁があるわけですよね。
教わったわけじゃないわけですよ。何かのご縁をご縁と感じて、それから自分なりの境地っていうのを作っていっちゃう人。
こういう人もいるわけです。
僕がさっきから出自が違う出自が違うってけいこさんのこと言ってるけど、けいこさんちょっとやっぱりね、羊違いますよ。
高木 恵子
前世がお坊さんだったのかな?もしかしたら。
田中 愼一
ただ重要なことはですね。でもオチはありましてですね。これは弘法大師・空海さんのオチですけど、そこに甘んじてはいけない。
ただそこで甘んじてはいけない。じゃあどう甘んじちゃいけないのっていうと、
縁覚の人っていうのは、自分のためにそういう境地に立ってるんですね。
基本的にその境地に立っちゃったら、もうはっきり言って満足するわけですよ。
ところが弘法大師空海さんは、個人的に満足して終わっちゃっても意味がありませんって話で。逆にそれは危険だって言ってて。
やっぱり人の役に立つことを、その境地をいかに人の役に立つことにするかっていうことをしないと次のレベルには上がれませんよって言ってる。
だから多分非常に、 縁覚っていうふうに放っておいても、先生がいなくてもそこの境地には至るんだけども、そこでは自分の個人的な苦しみを乗り越えたっていうだけだと。
51:17
田中 愼一
そのさらに上を行って、より多くの人々にその教えを説けとか、あるいは実践して人を助けろとか。
とにかく自分が至った境地っていうものを使って、いかに周りの役に立つかっていうところの発想がないとダメなんだよっていうのが。
中川 浩孝
ポッドキャストやってるじゃないですか。
田中 愼一
その通りなんです。
だから一年を迎えてね、これはですね、これからさらに、縁覚のレベルからさらにですね、俺ら3人、世のため人のため。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
っていうのはすごく重要な発想だと、弘法大師空海さんは言っております。
高木 恵子
その通り、素晴らしい人生を歩いてますね、私たち。
すごいなぁ。成長しかないじゃない、伸びしろしかないですね。
未来が明るくていいですね、すごい。
田中 愼一
いいと思います。
いいと思いますって感じですかね。
中川 浩孝
いいと思います。一年間頑張ってきたので。
田中 愼一
次の志も見えてきましたしね。
はい、そうですね。頑張りましょう。
頑張りましょう。はい。
52:54

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