スピーカー 3
すごい。
で、バンドのセッションも行われる。
スピーカー 1
で、そこに、ドラムセットとギターアンプがあるわけさ。
広間からいろんな先輩がバーッチ弾くわけ。
すげえね。
行ったら、ちょっとそこで、
同級生に連れて行かれてさ、
ちょっと今度遊び聴いよう、みたいな。
で、俺がギター上手いみたいな感じになっちゃった時、
連れて行かれて、
で、ちょっとバリバリ恋しい先輩が居るわけよ。
ギターうめえ一割以上の先輩が居て、
お前ヒグチ、お前、なんかギターうめえらしいな、みたいな。
スピーカー 3
ははは。
スピーカー 1
はー、みたいな。
弾け!みたいな。
で、そのボーイの曲を弾けた人、ちょっと弾いて。
ヒグチ弾いたら、
うめえやん。
みんな来て、こいつ結構弾ける、みたいな感じになって、
それからそこに出入りするようになった。
スピーカー 3
すげえ。
その先輩はどういう人なの?
スピーカー 1
結構上手かったよ、たぶん当時。
ヤンキーの中でもあるやん、才能の差みたいな。
技術の差みたいな。
弾ける先輩、弾けん先輩おるやん。
でもその中で、
ヤンキーグループないけどギターうめえ、みたいな。
ちょっと一目置かれちゃうみたいな。
スピーカー 3
その話初めて聞いた。
スピーカー 1
で、そこからお住み付きもらったみたいな感じになって。
だからそこに遊びに行っても、
ヒグチ来た、ヒグチ来た、ちょっとギター弾いて、みたいな感じに扱われるようになって、
そこでちょっとポジション取っていくようになって。
なるほどね。
スピーカー 3
で、ギター、エレキギターさ、借りてきたやろ?
スピーカー 1
あ、そうそうそう。
スピーカー 3
最初の方。
スピーカー 1
最初だっけ、そこの家から借りたんやな、確か。
スピーカー 3
俺、今でも覚えちゃうもん。
米田の田んぼ道をさ、
兄ちゃんがギター担いで帰ってきようって。
スピーカー 1
あ、そうかも。そこの家から借りたかも。
余っちゃう時持ってっていいぞ、みたいな。
へー。
それまでは家にあるクラシックギターで弾きよったんや。
親父のクラシックギター弾きながら、
でもアンプとかねえってさ、カラオケセットのマイクとかを付けてそこに。
で、そうやってギター弾いてみたいな。
スピーカー 2
え、あの白いギター持ってなかったっけ?
スピーカー 1
あ、それはね、ちょっとそんな話もあるんやけど。
スピーカー 3
今ここにあるんやけど。
スピーカー 1
あ、そう、タイがあるんやけど。
元々俺、親父のクラシックギターで音楽始めちゃうわけ。
で、それから家で練習しよったらちょっと上手くなったき。
そのギター借りてきてさ、弾くようになるわけ。
だったら自分のギター欲しくなるやん。
あ、そう今タイを持っちゃうんやけど。
このギターまだ持ってない、その時は。
で、高峰のヤンキー仲間と一緒に音楽始めるんやけど。
もうそろそろちょっと、
で、そのギターも相当しょぼいんよ、その黒いギター。
最初に借りてきたやつ。
で、親父に相談するんよ。
ちょっと俺もギター欲しいんやけどって言ったら、
猛反対されるんよ最初。
詰まるかお前みたいな。
お前ギターやら始めたら不良になるやろ。やめろみたいな感じになる。
スピーカー 2
うわーもう本当に言われるんやそれ。
スピーカー 1
言われて。
で、今やったらカジュアルやん、バンドとかって。
スピーカー 2
そうね。
スピーカー 1
で、いやそんな古い昭和の価値観で親もそんな言わんでいいやんって思うやん。
違うよ。
マジでギター始めたらヤンキーになりよった気。
本当に。
だって原理俺それでヤンキーのコミュニティに入っていくわけ。
ギターという武器を持って。
で、実際あの時ってさ、ヤンキー世界を中心にヒエラルキーができちゃう。
そこに入ったらカッキーみたいなのがあるわけ、ちょっと。
でも俺はヤンキーになりたくないから、
じゃあ喧嘩じゃなくて、バイクじゃなくてどうやってヒエラルキーに入るかって言ったらギターやったやん、それが俺にとっての。
だからヒエラルキーに入るための一個のツールやったわけ、俺にとっての。
スピーカー 2
確かに、ヤンキーじゃないやつでギターやりようやつがおらんかったね。
スピーカー 1
そうやろ。
スピーカー 2
確かにそうやったかもしれない。
スピーカー 1
で、俺はギターやりたいって言うんやけど、もう親父から止められて。
でも俺はどっちかと言うと、あの仲間に入りたいって言うよりは、
ボーイの曲を弾きたかったわけよ。
音楽的に。
音楽的に俺はギターが弾きたいんよね。
上手くなりたい、もっと。
で、自分のギターを買ってもっと練習したいみたいなのがある中で止められたギター。
ボー、泣いて11の時に。