色んな日和
作:としろーさん @Toshi__926 様
BGM:魔王魂
https://x.com/Toshi__926/status/1923484696048259276?s=20
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2・4・6・12・14
16・18・22・26・28日更新予定
【活動まとめ】 https://lit.link/azekura
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00:06
春の日差しが差し込む縁川で、祖母は湯の実に口をつけた。
今日は、猫日和だね。
縁川の柱に背を預けた私は、聞きなれない言葉に首をかしげた。
猫日和?それってどんな日?
祖母はにっこりと笑って、湯の実を手のひらで包む。
ぼかぼかして、風もなくて、猫が日向で伸びて寝ちゃうような日。
昔からうちではそう呼んでたのよ。
縁川の先には本当に一匹の猫がいる。
薄茶の毛並みを太陽にすかせて、ごろんと横になっている。
私は黙ってその猫を見た。
まるでこの家の空気に溶け込んでいるみたいだった。
じゃあ、雨の日は何日和?
それは、しとしと日和。
静かに降る雨の音を聞きながら、本を読んだり、お茶を飲んだりするのにぴったりな日ね。
祖母の語る日和は、どれも優しい時間をまとっている。
きっとそれは、祖母が日々を丁寧に味わって生きているからだ。
夏の暑い日は風鈴日和。
風がなければ、ちょっと強引にでも扇風機をまわして、チリンチリンと鳴らすの。
冬は?
こたつ日和に決まってるわね。
みかんを食べながらうたた寝するのが最高よ。
私は思わず笑ってしまった。
日和なんて天気予報の言葉だと思っていたけれど、祖母の言葉はもっと柔らかくて温かい。
おばあちゃん、今日は猫日和だけど、私にとってはおばあちゃん日和かも。
そう言うと祖母は照れくさそうに笑って猫のように目を細めた。
日和は天気のことだけじゃない。
心がほどけるそんな時間のことを言うんだ。
私はそれを今日の午後、祖母の隣で覚えた。
03:11
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