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ジャズの入り口案内所
こんばんは、案内役のFrank Nappaです。
この番組は、皆さんの身近にある扉を開いて、私独自の視点から、ジャズの入り口をご案内するラジオです。
さてさて、take.2。
今日開ける扉は、ドラゴンボールです。
はい、あの国民的なマンガ。誰もが一度は読んだことがある。または、アニメで見たことがある、あのマンガでございます。
そんなドラゴンボール、実は、ジャズの歴史を簡単に理解するための教科書だということを、皆さんは知っていたでしょうか。
今回は、ドラゴンボールの内容の1%くらいのネタバレを含みますので、ご了承のうえお聞きください。
それでは早速、ドラゴンボールの扉を開けてみましょう。
ドラゴンボールといえば、様々な敵と悟空たちが戦うバトルマンガです。
天心班、ピッコロ大魔王、ラディッツ、ベジータ、フリーザ、セル、魔人ブー、どんどん強くなる敵に対抗して、悟空たちの強さもインフレを起こしていきます。
カメセン流の修行、カリントウ、カーミ様、カイオー様、カプセルコーポレーションの宇宙戦、スーパーサイヤ人。
色々なきっかけで強くなっていきます。悟空以外のキャラクターたちも修行したり、せかっこが同じナメック星人と同化したり、でっかいナメック星人に潜在能力を引き出してもらったり。
スーパーサイヤ人になってしまってから、鳥山先生、どうやって強くしようか相当悩んだらしいですね。
そんな時に、あのウィングマンだとか、電影少女、ビデオガールの桂雅一先生に、合体しちゃえば?と言われて合体しちゃおうとなったのが、ポタラとフュージョンだそうです。
ホラーもジャズとドラゴンボールが繋がりましたよね。
それでは、一旦話をジャズの方に向けていきましょう。
前回ご案内したモダンジャズの時代から、ジャズはさらに進化をしていきます。
1960年代にロックが流行ると、ジャズミュージシャンはその電子楽器とロックやファンクのテイストを取り入れて、ジャズを新しい形に変えていきました。
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この新しいジャズをクロスオーバーとかフュージョンと言ったりします。
そうです。フュージョンです。
ジャズがロックとくっついて、新しい音楽、より魅力的な音楽に進化したわけです。
トランクスとゴテンがフュージョンで合体してゴテンクスになり、返答力がめちゃめちゃ上がったのと全く同じですね。
そんなフュージョンを代表するゴテンクス張りのスーパースターを今日はご案内します。
そのグループはウェザーリポートというグループです。
このバンド名を日本語にすると、天気予報というグループになります。
急にダサくなるというか、ヤンボーマーボー感が出てきますね。
簡単にウェザーリポートの紹介をしますと、まずキーボードのジョー・ザビヌルとサックスのウェイン・ショーターが中心となって1970年に結成されたグループです。
そしてこのかっこいいバンド名を考えたのがウェイン・ショーターです。
メンバーみんなで新しい音楽に挑戦するこのバンド名、何にしようかいろいろ考えていた中で、これは違うなとか、これももう一つやなとか、なんだかしくりこんだーとわちゃわちゃやっている中、ウェインがおもむろにウェザーリポートってどうよ、と言うとみんな、それいいねーとなったとかならなかったとか。
これはもう現場にいないとわからない空気感だなと思うわけですけれども、僕はこのウェザーリポートっていう言葉のセンスがとっても好きです。
あまり説明ばかりも退屈なので、まずは1曲ご紹介します。
この配信が6月23日、梅雨の真っ只中です。
もう少しで7月7日の七夕。
ということで、そんな七夕に聴いてみては?という1曲。
ウェザーリポートのファーストアルバムから、ミルキーウェイです。
ミルキーウェイは日本語で天の川。
七夕にぴったりな曲ですね。
この曲、アルバムの1曲目に収録されていて、
曲はですね、なんとも言えない浮遊感、幻想的な雰囲気で始まり終始、おにゃーんとした雰囲気で終わっていきます。
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これジャズって思う方もきっと多いんじゃないかなと思います。
電子ピアノ、シンセサイザーの音色が宇宙を感じさせてくれます。
もし気になった方、一度聴いてみてください。
ほら、今流れ星が流れましたね。
きっとあなたにも流れ星の音が聞こえるはずです。
さてさて、そんなウェザーリポートにスーパープレイヤーが途中加入します。
私が一番好きなベーシストのジャコ・パストリアスです。
76年のブラックマーケットというアルバムに部分的に参加した後、
翌年、ヘビーウェザーというアルバムで正式メンバーとして加入。
この頃のウェザーリポートを写真や映像で見ると、見た目もフュージョンしています。
ウェイン・ショーターは比較的パリッとしたジャズマンの格好で演奏することもあるんですけれども、
一方ザビヌルは薄い頭を隠すような派手な柄のニット帽と柄シャツ。
シャツのボタンは胸まではだけて、鼻の下には立派なヒゲを蓄えてまるでヒッピー。
ウェインもだんだん柄シャツの割合が増えていったように思いますし、
当時の流行のせいなのか、それともザビヌルとのフュージョンのせいなのかは分かりません。
この途中加入したジャコに至っては、ロン毛にヘアバンドをおでこに巻いて、上半身裸ですね。
服も着てますけれども、ライブの映像とか見てみると、だいたい裸で演奏していることが多いです。
いろんなファッションスタイルの人が混じり合っているというところも、このグループの魅力の一つです。
それではもう一曲、ウェザーリポートといえばという代表曲をご紹介します。
バードランドです。
ジャコの正式加入したヘビーウェザーに収録されたポップなナンバーです。
私が初めて聴いたのが中学生の時。
まさにジャコの中学生です。
とてもキャッチーなメロディーなので、ジャズに馴染みのない人でも聴きやすい曲ではないでしょうか。
このジャコのプレイを感じていただくところが冒頭にあります。
まるでギタリストがいるんじゃないか。私も当時そう思ってました。
このジャコのプレイを感じていただくところが冒頭にあります。
このジャコのプレイを感じていただくところが冒頭にあります。
まるでギタリストがいるんじゃないか。私も当時そう思ってました。
実はこのイントロの高いギターの音はジャコの弾くベースです。
超絶技巧のジャコのベースをまずは一曲味わってみてください。
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さてそんなフュージョン、このフュージョンとかクロスオーバーとかいう呼び方や括り方、捉え方は
それはもう人それぞれではっきりとした線引きがあるわけではなくて、割とぼやっとしたようなものです。
私の思うフュージョンと他の人の思うフュージョンが違ったり、
クロスオーバーとフュージョンで意味合いを明確に書いて使ったりする人もいますので、
私が今日使っているフュージョンという言葉、違うよっていう人がいるかもしれませんが、そこはご容赦お願いします。
そういう小難しいところがジャズの神話性をこじらせている原因の一つじゃないのかなと個人的には思うわけです。
ただ知識をつけてきた人が盛り上がるのはこういう論争というか、
俺はこう思うんだみたいな知識のひけらかしというか、そういうのが楽しいわけではあります。
さて話は変わりまして、このウェザーリポートという名前とテビーウェザーというアルバムへ、どこかで聞いたことがありませんか。
思い出してみましょうか。
今日の扉はドラゴンボールでしたね。
ドラゴンボールといえばジャンプ。
そうです。ジャンプでつながるあの漫画。
ジョジョの奇妙な冒険第6部ストーンオーシャンに出てくるキャラクターの名前とスタンド能力の名前ですね。
ジョジョの作者の荒木先生は結構ロックバンド名とかスタンドの名前につけることが多いんですけど、
ウェザーリポートが出てきたときにはですね、うわーっと鳥肌が思わず立っちゃいましたね。
ただ、キャラのビジュアルも能力の内容も、全然今日ご案内しているウェザーリポートの何かと関わりがあるかといえば全くございません。
一度興味のある方はジョジョの奇妙な冒険も読んでみてはいかがでしょうか。
ということで最後にもう一曲。
同じくヘビーウェザーに収録されているハボーナという曲です。
先ほどのバードランドはザビネルの作曲ですが、このハボーナはジャコの作曲。
ジャコパストリアスの超絶ベースプレイが光る一曲となっています。
このジャコパストリアスの使っているエレキベースっていうのはフレットレスベースといいます。
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フレットというのはベースやギターの弦に対して垂直にある、抑える場所の目印になっている金属の棒みたいなところ。これがフレットです。
フレットレスですので、ジャコはこれを自分でDIYして全部ぶち取っていきます。
なので普通のエレキベースとは音色も違い、独特で柔らかくてグニャンとした感じなんですが、演奏するのがめちゃめちゃ難しいらしいです。
抑えるところの目印はないし、本来は弦を金属によってしっかり抑えてきれいな音が鳴るようになっている。
しかしながらその抑える金属がないわけですね。ということはちゃんと音を出すのが大変難しい楽器といえます。
しかもこの曲のようにめちゃくちゃ難しいリズムを自分で作っているわけですから、相当技術が高いし自信があったんだろうということがよくわかります。
実際聴いてみてめちゃめちゃ上手いですからね。
そんなジャコの演奏やザビヌルの曲との違い、そういったことも気にして楽しんでみたら面白いのではないでしょうか。
今でもクロスオーバージャズといって最前線のジャズを集めたプレイリストがありますけれども、最近のものは表記がXオーバーとなっているので、
昔のXオーバーというのは英語でクロス、十字のクロスという綴りになっていますから、私はそこで昔のXオーバーなのか今のXオーバーなのかということを見分けています。
ジャズはどんどん形を変えていきますし、昔の形がいつまでも残っています。
そんな二面性がジャズの魅力ではないでしょうか。
さて今日はドラゴンボールの扉からウェザーリポートをご案内して、最後はジョジョでゴールしましたが、いかがだったでしょうか。
今回は少し最近の曲をご案内しました。
今まで皆さんが持っていたジャズの印象とはまた違ったものを感じていただけたのではないかと思います。
ということでお送りしましたジャズの入り口案内所は各週金曜日大人の時間8時頃に配信予定です。
番組への感想お便りは概要欄のリンクからメールフォームでまたはハッシュタグジャズの入り口ジャズはカタカナをつけてツイートしてください。
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面白いと思っていただいたら高評価通知のオンもよろしくお願いします。
この番組で紹介した楽曲はSpotify、Amazonミュージック内にあるジャズの入り口案内所プレイリストにまとめていきますので、そちらも併せて聴いていただけると大変嬉しいです。
なお当案内所ではジャズを聴くとき周りの人の迷惑にならない程度にできるだけ大音量で聴くことをお勧めしています。
ここまでお付き合いありがとうございました。それではまたのお越しをお待ちしております。