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2022-01-25 15:33

今日の10分de1テーマ「サイロ・エフェクト」について

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本職は編集者のエイドリアン太郎が1日1テーマを決めて10分話すpodcastです。 ※ご意見、ご感想、質問や話のお題などありましたら eidoriantarou@gmail.com へお便りください

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サイロエフェクト、高度専門家社会の罠という本を読んだんですけど、それが面白かったのでその話をしたいと思います。
これを買ったのは結構前で、僕が自分の会社で部署の課金関係なくやらなきゃいけないプロジェクトみたいなことがあって、
その時に、課金ってあるはあるんだよなぁというので、サイロエフェクト、サイロってタコツボみたいな意味なんですけど、
組織がタコツボ化して機能不全に陥るみたいなことの問題について書かれた本だったので、興味持って買ったんですよね。
ビジネス書っぽい内容で、そんなすぐ読む気がせず、走行しているうちにそのプロジェクトが外れたので、興味ないと思ってたんですけど、
今の会社が課金をどんどんなくしていこうと言って、ものすごく逆になくす方向に行っているんですよね。
そんな時に、逆に大丈夫かみたいな、そこまでなくしちゃうと機能不全は起こらないと思って、
その時にサイロエフェクトって本買ったなと思って、引っ張り出してきて読んだら面白かったという感じです。
どういう本かというと、帯に1つエピソードが紹介されていて、それがわかりやすいんですけど、
1999年のラスベガス、ソニーは絶頂期にあるかのように見えた。
しかし、舞台上でCEOがお披露目したウォークマンの次世代商品は、2つの部門がそれぞれ開発した2つの商品だった。
互換性はなく、それはソニーの後の上落を予告するものだった。
同じ商品を同じ会社から出すのに、全く別々のものを2つ作っちゃうと、互換性もない。
会社の中で組織が崩れ、タコツボ化して、横の繋がりがないので、何を作ってるかも知らないし、何だったら先に作ってやろう、
協力しようなんてさらさら思わない。
ソニーに関しては、1回経営方針で各部署ごとに財産を取っていく。
その部署の財産を事業局のオサがちゃんと見ていけよと。
だから1つの会社みたいにしちゃうよと、1つの部署っていう方針をして、
なので割と競争心みたいなのが生まれるわけですけど、
そうなると人材の囲い込みとか、こいつはいいやつだから他には出さないとか、
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横の交流が失われていって、1999年の時点ではこういうことが起こるようなひどいことになっちゃった。
そういうのをサイロエフェクトと呼んでるんですけど、
この本はビジネス書みたいな本だしなと思って読み始めたら出だしで、
これ思ったのと違って面白いぞと思ったのが、
この書いてる人が文化人類学を専攻してた人なんですよね。
つまり現代社会とか西洋社会とかとは全然違う暮らしをしている人の暮らしの中に入って、
暮らしはどういう風に成立しているのかをつまびらかにすることを研究していた人で、
この人もタジキスタンかどこか1年間ぐらい住んでた人で、
そういう人がバリバリビジネス書の執筆をしてるんですけど、
じゃあなんで文化人類学っていうキャリアが、
この本は文化人類学のキャリアが自分にはあるからこの本が書けたみたいなことを言ってるんでしょうね。
文化人類学というのを学んでいるとどういう視点が持てるのかという話なんですけど、
一言で言うとインサイダー兼アウトサイダーになれると言っていて、
これの一つの例として、プルデューという社会学を作ったみたいな人ですよね。
ディスタンクションか。
ディスタンクションという本を書いたプルデューというフランス人いますけど、
あの人の話を聞いてきていると。
プルデューはフランスからアルジエリアに移住して住んでいて、
アルジエリアの人の暮らしとかを見て、
フランスとアルジエリアの戦争とかが起こっていく中で、
そこで見たものを発信することで学者としての名を上げたんですよね。
一度上げて、君はアルジエリアめっちゃ詳しいねと。
そこであなたはそういう学者になるんでしょう。
文化人類学も専攻しているし、
アルジエリアとフランスの違いみたいなことを研究として取り組んでいくんでしょうってみんな思ってたらですね。
実はそのプルデューはどうなったかというと、
フランスに戻って、あれ?俺ら普通だと思ってる。
当たり前だと思ってる。
これって当たり前じゃないよねっていうか、変だよね。
なんでこんなことになってんの。
どういう力学が働いてんのっていうことに使うようになったんですよね。
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それはやっぱりフランス生まれなんですけど、
アルジエリアで全然違う社会の見方っていうのを身につけました。
その見方を身につけてもう一回フランスに戻ってみると、
あれ?変だぞっていうふうなものが見えてくると。
それをむしろ描いていくということを成り割にしたんですよね。
そこを研究にしていったと。
この人もそういう目線で見ると、
サイロの異常さっていうのに気づくわけですよね。
さっきのソニーが同じタイミングで別々のウォークマンを同時に発売するっていうのは、
当時のソニーの中の人からすると変なことじゃないんですよね。
それはもう競争でしょう。
お互いどっちがいいかの勝負じゃないですかみたいな感じなんですけど、
ユーザーから見たら変ですよね。
アップルとかは絶対こんなことしないわけで。
なんでそういうような考え方になっちゃってるかというと、
サイロの中で醸成されている価値観というのが当然のものだと思ってしまうんだということなんですよね。
その中でいろんな人が、
例えばソニーとかもそういう状況からこのタコツボ化をなんとかせねばと、
社長を変わったりとかしてすごい奮闘をしていくわけですけど、
その中でサイロ化に陥る会社というのは世界中にあって、
その一つがIBMという会社で、
IBMのCEOだった人がすごい面白い言葉を残していて、
ビジネスとして勝負していく中の社内文化、文化というのは勝負の一要素だと思っていたと。
だからそれは違ったと。本丸だったと言っているんですよね。
社内文化というのが一番重要なんだと。
これは面白いですよね。
ビジネスモデルとかそういうことじゃなくて、文化なんですよね。
文化って人の心の話なんで、心の問題なんで、そこなんだというふうにも思うわけですけど、
ただ、人の心というのがちょっと変じゃないという形に回る。
それが当然だと思われている組織の中では固められていく。
というので、それを解きほぐしていくというのはやっぱり難しいわけですよね。
そんな中でインサイダー兼アウトサイダーな文化人類学的な目線というのが重要になってきますよという話だったんですけど、
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すごい面白い話がいっぱいあったんですけど、
例えばスイスのUBSという銀行があって、
その銀行がリーマンショックの時に2兆円とかとんでもない損失を出したんですよね。
なんでそういうことが起こってしまったかというのは、やっぱりサイロンの問題だったと思います。
どういうことかというと、UBSは保守的な銀行だと思われていたんですけど、
その中の一部門に債権とかを買い取って、それをパッケージして商権にして、
それを売り出すという部署があったんですよね。
そこが言っちゃうとサブプライムローンとかの債権を買いまくっていたわけですよね。
買いまくって、それをリスク分散するような感じで、
この債権はこのサブプライムローンとこれとこれとこれを抱き合わせて、
そうしたらこういうような理屈で、
債権化すれば値段が上がり下がりしたりとか、
何だったらいくつかデフォルトしてもリスクが分散できるよねみたいな感じで、
すごい高度な金融技術で一まとめ、言っちゃうと年資の福袋みたいな感じですよね。
福袋で中身にいっぱいサブプライムローンとかの債権が入っていますみたいな感じなんですけど、
で、売り出すと。
そういうような金融技術も使っているし、
こういうふうにリスク平地しているから安心ですよ、安全ですよって言って売っちゃうと。
なんだけどもちろんサブプライムローンがバーンって火がついて、
わーっと今ショックが起こったわけですけど、
それをその福袋をCDOと言うんですよね。
そのCDOを作る部署というのがあったと。
そのCDOを作る部署がスイス当局とかも銀行が突然危ないことになったので、
一応目を光らしているわけですよね。
そしたらそのUBSという銀行のCDOを販売する部署がですね、
とんでもない量の債権を持っていると。
超互助。
何これってなって。
UBS全部で10万人とか20万人とかぐらい社員いるらしいんですけど、
そのうちCDOを売る部署って4,50人ぐらいの部署だったんですけど、
小さい部署にですね、ものすごい量の債権を抱えていると。
これ大丈夫なのかと。
すごい値上がり値下がりとかしたらとんでもないことなんじゃないのと聞くんですけど、
大丈夫ですと。
これ超互に一旦ついているだけなんで。
何でかというと、一旦債権買ってそれを福袋に詰めて売るのが我々の仕事なんで、
どうしてもその福袋を詰むまでの間に一旦倉庫に入っているような状態があると。
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だから庁舗上はこういうふうに示しているんですけど、
すぐ売っちゃうから大丈夫ですよって説明するんですよね。
そうってなって、じゃあ大丈夫かってなるんですけど、
一方でCDOの部署は福袋をいっぱい売るわけですけど、
その中でも金利が高いものから売れていくんですよね。
ディスクは多少あるけど金利が高いというものの方が商品として魅力的で売れていく。
金利が低いものが売れ残っていくわけですよね。
売れ残っていくんですけど金利は発生する。
しかも膨大な量を持っているから、低い金利でも利益を毎月毎月生むわけですよね。
それが部署に付くと。
そしたら売らなくなるんですよね。
売らなくなって持とうとするようになる。
だから実は2枚自打を使っていて、
規制当局にはこのような物はすぐに売るものなので、
全然倉庫に残らないんです。
一旦消防をつけているだけですって言いながら、
実はこれをたんまり持っていることで、
俺らはちゃんと部署としても利益を上げているね。
っていうようなことをしているんですよね。
これってそのものの経験はないと思うんですけど、あるかな?
めっちゃ身に覚えるなと思ったんですよね。
この2枚自打感。
実際はこうだけど、
建前と本音って言うんですかね。
実際はこうだけど、実はこういう風に運用しているんだけど、
でもこうやって突っ込まれたら、
ああ、こういうことですよって答えますみたいな。
なんとったらそれギャグにしちゃうみたいなね。
っていう、ある組織とか部署とか特有の、
こういうことってすごいありますよね。
どこでもあるんだな、こういうことって思ったんですけど。
大丈夫ですよ、持ってないですよって実はめちゃくちゃ抱え込んでいて、
その抱え込むことがプラスになるという、
インセンティブが働いてしまう組織の設計でもあったわけですよね。
だからリーマンショックの時に、とんでもない、
全然違うところをみんな見てたんですよね。
これでローンの焦げつきとか起こるのかな?
うちらが貸している融資の焦げつきとか起こるのかな?
大丈夫かな?って言って、
これで数百億円とか損でたらやべえなと思ってリーマンショックを見てたんですね。
全然上層部も気づいてなかったですね。
4、50人ぐらいの部署がですね、
すみません、3兆円損失してますみたいな、
みんなひっくり返るみたいなですね。
それもですね、実態、
たぶんですね、上層部に聞かれても、
あ、これ長棒に一旦ついてるだけなんでって言っているけど、
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実は抱え込んでいるっていう部署の実態も上には知らされてないしみたいな。
その実態をですね、上も掴んでなくて、
ひっくり返るみたいな。
みたいなことがあったんですよね。
これもですね、やっぱりすごいタコツボ化の結果起こることだよなって思いました。
ということでですね、この本なんかもっといろいろあった気もしますけども、
15分も話してるんで、
本日は以上です。ありがとうございました。
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