共通テストの概要
デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティーのKasaharaです。
この番組では、ICTを活用した国語の授業実践に関する話題を中心に、
Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ私、Kasaharaが、
教育にまつわる様々な話を配信していきます。
職員室のスタッフ同士で行われる教育談義のようなものだと思って、ゆるっと聞いてください。
今はまさにニュースシーズン真っ盛りですね。
自分は今年は高校3年生の担任をしているので、今は共通テストの結果を見て、
国交律をどこに出願するかの面談を毎日行っています。
生徒にとってはここの出願の決断というものが、人生に大きく影響を与えるところであるので、
非常に神経質な面談が日々続いています。
さて、先週に終わった共通テストですが、新学習指導要領での初めての実施となって、
色々なところで話題となりましたね。
ちょっと変な問題なんかも出たということで、毎日のことながらバズっていましたけれどね。
自分も勤務校の入試業務の間に少しずつ共通テストの問題を解いていましたが、
国語に関して言うと、比較的大人しい室内で波乱もなく受験生には優しい試験になっていたかなというふうに今のところ考えています。
ある意味では、模擬試験よりもだいぶ余裕を持って解ける問題になっていたのではないかというふうに思っています。
だから、しっかりと対策した受験生にとっては実力を発揮しやすかった問題なんじゃないかなというふうに思っています。
共通テストの室内内容にどれくらい自分の授業が対応できていたかということはちょっと心配なところですが、
今回の室内に関して言えば、ちゃんと丁寧に言語活動に取り組みつつ、その活動を振り返るみたいなことをやってきたので、
多分解けてくれたんじゃないかなというふうに思っています。
問題の難易度と解き方
今回の配信では共通テストの現代文について好き勝手いろいろと感じたことを話してみようと思います。
印象論を語ろうと思っているので、厳密な分析というよりは感想だと思って聞いてください。
さて、ここからが本題です。
共通テストの国語ですが、今年から大きな変更がありました。
それは今までが4大構成だったのが、今年から実用的な文章を含んだ5大構成に変わったということですね。
科目としても今までは国語総合というような科目だったんですが、
今年からは現代の国語と言語文化の教科書で学ぶ範囲からの出題という形になりました。
初年度ということもあって、問題の難易度としてはかなり抑えた印象になりますね。
文章量自体は去年と大きく変わらないので、速読力みたいなところはある程度必要だとは思いますが、
選択肢も四択になったということや、複雑な操作を必要とする問題が影を潜めたので、
かなり解きやすくなったんじゃないかなというふうに思います。
ある意味で、高1・高2の模擬試験が結構今難しくなっていることを考えると、
その難易度よりも、もしかしたら落ち着いて解けるような問題になっているんじゃないかなというような印象を受けます。
あとそうですね、問題の解き方という意味だと、消去法で選択肢を検討していくというよりも、
むしろしっかりと自分で本文を主体的に読むようにした方が早く解ける問題だったんじゃないかなという気がしますね。
つまり防線部で問われている内容に関して、こういう答えなんじゃないかなみたいなことを考えた上で、
その選択肢に合うものを探すというような解き方の方がもしかしたら早く解けそうな印象があります。
選択肢自体の長さもそれほど長くなくなっているということや、構造的にぐちゃぐちゃしたものを書いているというものではなくなっている印象なので、
しっかりと自分で防線部の内容の説明ができるというような解き方をした方が、おそらく正答率も上がるし早く解けるんじゃないかなというような印象が今回自分が問題から受けましたね。
おそらく学習指導料料の方向性から考えても、自分で考えた方が得というようなタイプの問題の出題というのは続いていくんじゃないかなというふうに個人的には思っていますし、そういうのを期待したいなというふうには思っています。
文学的文章の出題内容
さて、各題文に関して見ていくと、題文の一番はいわゆる論理的な文章、評論というところになってきますね。
今年は標準的な難易度の文章に教科書レベルということですね。解きやすい説問という組み合わせで出ているなというような印象です。
説問から複数の文章を組み合わせる問題だとか、話し合い形式の問題が消えたために非常にシンプルに解きやすくなった問題かなというふうに思いますね。
それこそ2000年代のセンター試験の問題に近くなったようなそういう印象です。
シンプルになっただけに、評論文の読解の基本的なスキルが定着しているかどうかというところは得点の差にかなり大きくついたんじゃないかなというふうに思っています。
なので、このあたりの読解の技術的な問題演習の反復するようなことをどこまで授業でやるのかみたいなことに関してはちょっと迷うところがありますね。
ただ、そういうような特別な対策をするというよりは、やっぱり授業の中だと何か目的に合わせてしっかり資料を読んだりだとか、何か目的に合わせて文章を書くということをやることが総合的にはやっぱり一番効果が上がるんじゃないかなというふうには思います。
今回の室内に関して見ると特徴的な問題としては、問いの5番と問いの6番が特徴的かなというふうに思っています。
問いの5番は引用の効果に関する問題ですが、新学習指導要領の各ことの領域の中では、指導手法や言語活動例で示されていることに引用は結構取り掛けられていることもあるので、新しい指導要領の内容を色濃く反映させているなというようなところはちょっと印象と受けますね。
特に何のために引用したのかみたいなことを問うタイプの問題なので、頭の使い方としてそういう経験がない子にとっては解きづらい問題になっているんじゃないかなという気はします。
また、問いの6番が特徴的なのは何かというと、文章全体をちゃんと丸っと読んでみましょうねというタイプの問題かなというふうに思うんですね。
要するに、どうしても現代文のいわゆるテクニック的な読み方というのは要素に分けて分けて分けて読んでいくという形で、文章全体を読むということが慣れていない生徒だと見落とし出しになっちゃうんですよね。
なのでその意味だと、問いの2番から問いの5番までで聞いてきた内容ということを踏まえて、本文全体をもう1回読み直し、意味付けを考えるというのはそういうタイプの問題になっているのは特徴的かなという気はします。
なので、そういうような読み方ができるかできないかというところ、つまり基礎的な力が大きく差をつける問題になっているかなというような印象です。
題文2番に関しては文学的文章の出題になっています。これも例年通りですね。
今回出題された本文は比較的新しい最近の文章だったので、高校生にとっても語彙的にも表現的にもかなり読みやすかったはずです。
説問に関してもかなり平易な言葉で書かれていたので、結構これは解きやすかったなというふうに思います。
なので逆に言うと、この題文で点数取りこぼしてしまうと受験としては結構厳しいなというような印象を持っています。
今回の出題については、意外と結構偏った出し方だなというような印象を持っています。
それはどういうことかというと、それぞれの説問というのがほぼ心情の解釈の問題になっているということが今回気になったところですね。
出題の意図としては、問題の設定を正しく把握して場面ごとの人物の行動の理由としての心情だとか、
人間関係における心情などを解釈していくような問題なんだろうなというのを感じますし、
それって高校の授業で学ぶことをしっかりと試すような問題になっているんだなというような印象を持っています。
文学的な文章の一つの特徴としては、私たちが先入観で思い込んでいる常識と呼ばれるようなものとは異なる価値観を提示することにあるので、
今回もそういうような枠組みが文学を読むときの楽しさだということを知っていると解きやすかったかもしれないですね。
ネット上だと今回この大門2番、非思考文というのが話題になっていますけれども、
結局常識的な周囲と主人公が共感する価値観というものが全然違って対立していくみたいなことの具体的な描写の一つなので、
そういうことがわかっていると何か面白おかしく大騒ぎするようなことでもないかなと個人的には思いますね。
だから今回の問題に関して言うと、中学校の教材以来結構何回も出てくるテーマなんですよね。
例えば中学校の定番教材のアイスプラネットという教材、覚えている方もいるかもしれないですね。
あの中の人物のグーちゃんの話なんかを覚えているともしかしたら解きやすかったかもしれないですね。
心情の把握としては直接的な心情が書かれることが少ないからやっぱりちょっと解けないっていう生徒は多いかなと思うので、
ぜひ間接的な描写だとか象徴的な描写を読むというようなところを訓練していくといいんじゃないかなと思いますし、
そういうところをちゃんと試すような室内になっているのは問題の作り方としては好感が持てるなという気がします。
例えばトイの7番の問題はマツビから全体を振り返って全体を身づけるというような作業が必要になるので結構難しいんですけれども、
ただ主体的な解釈を行うという意味ではそういう練習をちゃんとやってるかやっていないかみたいなことが試せるような問題になっていたんじゃないかなという気がしています。
なのでこういう問題が出てくれると普段の授業でいろんなことを考える甲斐があるなという気が個人的にはしています。
共通テストの問題の特徴
さて大門の3番ですが、これが非常に妻たを騒がせていた実用的な文章の室内となっていました。
もういろんな形で批判がされてきたようなところですね。
室内の方向としては大体試作問題と同じ構成の室内でその方向性引き継いでいるかなというふうに思いますし、
あと試作問題よりは解きやすいなという印象を受けます。
今回の学習指導要領の重視している探究的な学びの過程だとか、どういうプロセスで学びをしていくのかみたいなことを試すような問題をしているんじゃないかというような印象を受けます。
だからこの問題は自分のせいと言ってましたが、書き手だとか何か成果物を出すということをたくさんやっていると、その経験からこういうことをやるよね、こういう遂行の仕方をするよねっていうのはわかりやすかったみたいなことを言っていたので、
授業の中でどれだけ表現という経験をしていたのかということは結構大切なんじゃないかなというふうに思っています。
あと、この手のタイプの問題でちょっと思ったのは、内容のガッチ問題ではないので消去法みたいな解き方をしていこうと思うと、かえって結構手間取るんじゃないかなという気はしています。
確かに消去法で解けないこともないんですけれども、それよりは書くときにはこういうことを気をつけるよねというのが体験としてわかっていたほうがいいかなというふうに思います。
今回のこの説明に関しては書くことのプロセスを非常に丁寧に取り入れた作文かなというふうに思いますね。
なのでやっぱり授業としては書くことのプロセスだとかを意識させるようなことを国語の先生はやっていきたいなというふうに個人的には思います。
また最近は探求学習に力を入れている学校が増えているわけなので、そういう探求学習などでまとめの文章を書く、レポートを書くっていう経験って結構あるはずなんですよ。
なのでそういうところのプロセスをめんどくさがらないで、ちゃんと意識して丁寧に文章を構成するという経験を増やしていけるのが、もしかしたら一番対策としては効果的で合理的で効率的なのかもしれないですね。
授業とテストのバランス
なので今回の質問、題問1番から題問3番に関して言うと、授業の中で言語活動を増やすということに関して、ちゃんとやって大丈夫ですよというメッセージ性はあったかなというふうに個人的には思っています。
なのでそういう言語活動などにチャレンジしている先生を勇気づけるような室内は今後も続いてほしいなというふうに個人的には思います。
今回の配信はいかがだったでしょうか。大学入試のために授業をやっているわけではないですし、共通テストの点数が自分の授業の評価や成果になるわけではないのですが、
生徒からの授業としてはもちろんちゃんとテストで点数を取れる授業をやってくれということはあるので、そのバランスはやっぱり難しいですね。
ただ、今回の室内であれば特別な入試のテクニックの対策をするというよりは、授業でちゃんと明確に読むことや書くことやそういうプロセスを意識した単元に取り組めば報われるんじゃないかなと思うんですよね。
もちろん言語活動をやっていればできるようになるみたいな楽天的なことは言えないですけれども、
授業者が明確に単元の構造を意識して、生徒が学びのプロセスをちゃんと振り返ることができるような単元を繰り返し繰り返し3年間やっていけば、対応できるだけの力はつくと思いますよ。
今回の特徴としては、現代の国語と言語文化の教科書の、つまり高校1年生レベルの文章レベルでの室内で、ちゃんと考えさせるような問題になっているのも良かったなと思いますね。
センター試験や共通テストの本文が、「これって高校1年生の国語総合の範囲なの?」と思うような難解な文章を出たりしたとしてもあったことを考えると、文章の難解さではなくて、理解の差の仕方を試すような室内だったのは良かったなと思います。
まあ入試の室内の変わる初年度は簡単になりがちで、次の年にグッと点数下がるということは過去のセンター試験、共通一致の時にも繰り返されてきたことなので、来年度がどうなるかはわからないところです。
できれば本文を難しくするよりも、工夫された問題であってほしいなとは思うところです。
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