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#科学系ポッドキャストの日
4月のテーマは「地球」!

意外と知らない、機械と地球をつなぐ“アース”について話してみました。

■参考リンク
高校物理を諦める前に 接地(アース)
https://www.yukimura-physics.com/entry/appendix-elemag03#%E6%8E%A5%E5%9C%B0%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E9%9B%BB%E4%BD%8D%E3%81%AE%E6%B1%BA%E5%AE%9A

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つねぞう
ものづくりが好き。工作機械メーカーで設計をしている。猫を飼っている。

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サマリー

ツネゾーさんは産業機械の設計者です。彼は産業機械と地球をつなぐアースについて解説しています。アースの役割として漏電対策や電磁波からの保護があり、彼はアースの重要性について語っています。

00:05
こんにちは、ツネゾーです。
デザインレビューFM第36回目始めていきます。
このデザインレビューFMは、世の中の様々なもの、主に工業製品やそれに関わるということについて、私の主観で勝手にデザインレビューをしていこうという番組です。
前回は、4月17日から開催されるインターモールド2024年の出展機情報を紹介しました。
今回は、4月の科学系ポッドキャストの日ということで、この科学系ポッドキャストの日というのは、毎月科学系のポッドキャスターが共通のテーマについて、それぞれの専門分野でお話ししましょうという企画です。
この企画、毎月ホストが決まっておりまして、今月のホストは、宇宙話の佐々木亮さん。
共通テーマは、地球です。
4月のEarth Dayを祝したテーマということ。
持続可能性、グローバルな脅威と解決策、自然とのつながり、気候危機ニュースなどなど。
産業機械と地球、ものづくりと地球というところで、テーマに沿った話を考えてみました。
では本編をどうぞ。
はい、本編です。
アースの役割について
科学系ポッドキャストの日、4月のテーマは地球ということで、地球イコールアース。
アースイコールアースということで、産業機械と地球をつなげるアースについて話してみようと思います。
私は産業機械の設計者です。
その中でもメカの設計をしています。
私のようなメカ設計者は、電気設計者に言われるままに、よくわからずにそのアースの電線の丸端子をつけられるようにしておけばいいやと。
とりあえず居物に座を用意して、M6タップを開けておいたり、中継箱にスタッドボルトを用意したりしているのではないでしょうか。
私もそういう一人です。
なので、アースとは何なのかというのをちょっと調べてみました。
アースとは何なのか。
アースは設地とも呼ばれていまして、大地、すなわち地球ですね。今回のテーマの地球。
地球に電気の回路をつなぐことを意味しています。
地球というのは非常に大きな動体とみなすことができます。
大きな動体ということは、その全体が等電位、同じ電気の位、等電位になります。
地球と設置させる、地球とアースをつなぐことによって、その設置されたものも地球の一部とみなすことができるのです。
よって地球の電位を基準のゼロボルトとすると、その設置されたものも等電位となり、ゼロボルトとなります。
この地球は電気的にとても安定しているので、不要意に漏れてしまった電気だったり、不必要な電気的ノイズを逃がす場所としても適しているということですね。
そういったアース、今言ったように大きく分けて2つの種類があります。
1つ目は漏電対策です。
この漏電対策としてのアースにもさまざまな役割があって、その1つが人体の保護ですね。
産業機械の電気機器から予期せぬ漏電が生じたときに、例えばモーターの電線の被覆が劣化してしまったり、何かと擦れて剥がれてしまった場合などに、
その電気が機械に流れてしまって、人が感電して重大なけがをしてしまう。
そんなことがないように、別のルートに漏れた電気を流す役割というものがあります。
我々の身の回りでも、洗濯機だったり電子レンジを買ったときにコンセントにつなぐと、そのコンセントのところに緑色と黄色の線がついていると思います。
洗濯機をつなぐコンセントのところには、ちゃんとアースをつなぐところがありますね。
面倒くさがって、私は昔よくつながなかったりもしたんですけど、そこをしっかりつないでおかないと、
仮に漏電が生じたときに感電してしまうことになります。
漏電対策の2つ目の役割としては、
変圧機などの高圧の電気と低圧の電気が隣り合っているような回路の場合に、
その高圧側から電気が漏れて、低圧側へ流れかんでしまう。
そういった場合に、低圧側の機器が漏れてきた電気に耐えられずに故障したり、
最悪、燃えてしまうような原因になる可能性があるそうです。
そういった事故を防ぐためにも、その高圧の電気をアースを使って地球に流すという役割もありますね。
これは油圧機器でも起こり得る、似たようなことが起こっています。
油圧では排圧と言いますが、ある機器から戻ってきた油圧が、
他に繋がっている回路の別の機器に流れ込んで、誤動作を起こす。
そういった場合がありますね。
アースの2つ目の役割、漏電対策が1つ目でしたね。
アースの役割のもう1つ
2つ目は、電磁波などの電気的ノイズから通信機器や電気機器を守ることです。
産業機械には様々なセンサーが使われています。
制御するコンピューターやコンピューターの通信、カメラで映像を撮って制御することもあるでしょう。
そういった機器を電磁波による放射ノイズから守るために、
金属のケースですっぽり覆ってしまうと。
そうすることで、そういう機器を電磁波からのノイズから守ることができます。
そして、この金属のケースをアースによって地球に繋いであげれば、
その電磁波のノイズのエネルギーは地球が吸収してくるのです。
このことをシールドアースと言います。
これらアースについて、会社の業務の上でもたびたびトラブルの原因というところで話題に上がるのですが、
そういったときに会社の先輩に教えられた例え話があって、
まずアースについては、機械の制御盤からお客様工場の配電盤までのアースのケーブルは十分太いものにしておくこと。
そしてその配電盤からその先地球に刺さっている地中針までの電線も十分に太いものを使っているかを確認しなさいと。
こういった話をしたときに例に出されたのが、アースというものを考えるときに洗面台を思い浮かべなさいと。
洗面台の排水口が詰まっていたりすると水がしっかり排水されずに溜まってしまいますね。
同じことが電気にも起こります。
洗面台が機械、溜まった水の水位が電位、排水口の管の太さがアース線の太さとなります。
このアース線の太さが十分太くないと機械にその電位が溜まってしまって非常にトラブルの原因になるということですね。
アースと聞くといつもこの洗面台の話を私は思い出します。
クロージングです。
産業機械業界の動向
今週の製造業ニュース、一つ大きなのがありました。
2035年後の単通路機、通路が一本しかないような機械の開発量産化を目指す航空機産業の新戦略案が経済産業省から出されたということですね。
MRJのようにまた日本単独で新しい航空機をいきなり作ろうという話ではなくて、
欧州・欧米メーカー、エアバスボイムが検討している次期単通路機開発に積極的に参加して、
その中核技術を手に入れて、最終組立まで日本国内でできるように航空機の開発、製造の経験を積み上げましょうという話のようですね。
非常に期待しています。
我々工作機械メーカーというものも航空機部品に深く関わっていますので、また日本で航空機の産業が盛り上がれば非常に嬉しい話です。
今日は科学系ポッドキャストの日、4月のテーマは地球ということで、機械と地球をつなぐアースについて話してみました。
今週はここまでです。
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ではお疲れ様でした。ご安全に。
11:46

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