デザインルールの問題提起
s-umemoto
デザインの味付け。
はい、始まりました。デザインの味付け。
この番組は株式会社ajike代表の梅本と、
その仲間たちがデザインについて、
雑談を交えながら話す番組です。
今日のお相手は、神田さんです。
神田さん、よろしくお願いします。
神田淳生
はい、よろしくお願いします。神田です。
s-umemoto
8月も後半になってまいりました。
神田淳生
そうですね。
冬、結構長いんで、もうちょっとしたらあったかくなっていってほしいですね。
神田さんは花粉症とかじゃないですかね。
そうですね。何もないです、そこらへんは。
s-umemoto
めちゃくちゃうらやましい。
神田淳生
梅本さん結構ひどいですもんね、花粉症。
s-umemoto
そうですね。去年花を焼いたんですよ。
神田淳生
それで2年ぐらい持ったらしいんで。
s-umemoto
去年ほどは効果ないやろうけど、
今年も持つと信じて、ちょっと今年はまだ大丈夫ですけど。
神田淳生
なんかもうそろそろ花粉到来するみたいなニュースも見ましたよ。
s-umemoto
なんかね。
神田淳生
早いですよね、1月の。
s-umemoto
そんな感じで1月も年始の気持ちから少し通常運転されてると思いますので、
頑張って今日も撮ってまいりましょう。
今日のテーマは何でしょうか。
神田淳生
今日はですね、デザインルールにどこまで従うべきですかというテーマで話したいと思います。
s-umemoto
いいテーマですね。
ちなみになんでこのテーマなんですか。
神田淳生
これはですね、テーマに困ってまして。
オフィス行ったときにですね、スタッフとちょっと話してたんですよ。
なんか困ってることとかないか。
その中で若いデザイナーとかディレクターのほうなんですけども、
今まさにちょっとこういうことに困ってるというので、
デザインルールがある中でプロジェクトを進めていくんだけども、
どこまでそこに従うべきなのか。
どんどんどんどん新しいデザインルールができちゃってて、
どうしようか困ってるみたいな。
そういう話があったんで、
これちょっとテーマにさせてもらうわというような感じで持ってきました。
s-umemoto
なるほど。神田さんの悩みではなくて神田さんの部下のお悩みと。
ルールを作る側の視点
神田淳生
そうですね。
s-umemoto
ちなみに今の部下のお悩み、少し言ってもらいましたけども、
もう少しだけ具体的にこんなことみたいですよっていうのがあったら教えてもらっていいですか。
神田淳生
そうですね。
プロジェクトはスタイルガイドというデザインレギュレーションみたいなのがある中で、
いろんなページとか機能っていうのを今作っていってるみたいなんですけども、
作る中での悩みっていうのはスタイルガイド自体が良くないといいデザインができない。
デザインルールからはみ出して作ると、先ほども言ったんですけども、
例外がどんどん生まれていって収集がつかないみたいな、
そういう状況に陥ってるみたいで、
お客さんの担当者とも今ルールがちょっといろいろできてきているから、
それを一部分でも定義してほしいみたいな話とかも出てるらしいですね。
そうすると、ルールをアップデートするみたいなのはもちろんやろうと思ったらできると思うんですけども、
過去作ったページとか機能とかルールからはみ出てるものはどうするんだとか、
そういうような悩みも今出てきてるらしくて、
これは確かにそういうふうなシーンはよくあるなと。
こういうような状況みたいです。
s-umemoto
なるほど。現場感のある悩みですよね。
神田淳生
そうですよね。
ありますか、梅野さんも。
s-umemoto
いや、私正直ここまでの最近プロジェクトにスタイルガイド系はあんまり関わってないので、
神田淳生
もしくは私の周辺の悩みっていうのはないんで、逆にちょっとお聞きしたいなぐらいの感じですね。
自分はデザインシステム作ったりとか、そこらへんもちょこちょこ案件としてやってたりするので、
作る側にも回ることっていうのは多いですけども。
作る側の大変さみたいなのももちろんあるんですけども、
これ使ってねって言われる側とか、それを活用していく側の悩みみたいなのももちろんありますし、
だんだん古くなっていったりとか、当時想定できていなかった状況とか使い方みたいなのももちろんあると思うんで。
s-umemoto
ルールの使い方と作り方と活用の仕方と、みたいに言うとやっぱりややこしいような。
聞いてると修行規則みたいに聞こえてる。
神田淳生
そうなんですよ。
s-umemoto
最後にデザインだけの話ではないようなことも思ったんですけども。
神田淳生
本当ですか。すみません。
デザインのルールでスタイルガイドみたいなところから出てきたテーマですけども、結構いろんなところで言えるような。
s-umemoto
そうだね。
神田淳生
ちなみに考える観点としては、部下からそういう悩みみたいなのを聞いたとき、神田さんもいろいろアドバイスしたんですけども。
観点としてはどういうものがあるのかアドバイスされたんですか。
まずアドバイスはしてなくて、その話をいただいてですね。
本当にもう終わる?
もうちょっとお願いします。
その場でアドバイスはしてないんですけども、テーマにさせてもらうわということで、持ち帰って考えたという。
観点としては2つあるなと思ってまして、
先ほどもちょっと言いましたけども、ルールを作る側としてどうするかっていうのが一つ目です。
このルールを作る側っていうところで言いますと、やっぱりできるだけスリムにしておくべきっていうのが大前提かなと思います。
ルールを作るときにですね、具体的な状況に合わせて結構ガチガチに決めてしまうと、
それに適応できない状況みたいなのがどんどん生まれてくるので、例外がたくさんできちゃうっていうのがもう仕方ないことだと思うんですね。
そうすると例外ができていくっていうことはルールを守らなくてもOKみたいな状況をどんどん生み出していってしまうと思いますので、
そうすると結構そのルール自体が形外化しちゃうみたいな状況になるなと思います。
じゃあどうするのっていうところなんですけども、やっぱりこの各プロジェクトのデザイナーに考えてもらう余白っていうのをルールの中では多めに用意しておくべきだなというのがあります。
もうちょっと追加でというかさらになんですけども、常にルールを最新化していくっていうようなそういう活動っていうのももちろん必要で、
それはもう最新化していくっていうのはどんどんそのルールを追加していくっていうことになるのではなくて、
新たなルールを作る、アップデートするっていうのと同時に過去の使えないルールとか古くなっているルールみたいなのは同時に捨てていくっていうような、
そういうのもちょっと意識してやっていったほうがいいんじゃないかなというふうに思っています。
そこら辺がちょっと今ルールを作る側でやるべきことっていうのが一つ目ですね。
2つ目にルールを守る側の観点から考えました。
守る側っていうのは具体的なプロジェクトに携わっているデザイナーとかそういう方々のことなんですけども、
やっぱりそれでいうと目の前のプロジェクトでお客さんにいいものを届けるために、
まずはそのガイドラインの中でどういうデザインができるかっていうのを考えると。
それで品質が満たされるならそのままでOKかなというふうに思うんですけども、
適用できなさそうなら相談しながら個別最適なデザインを取っていくっていうことにはなるかなと思っています。
それをやっていくときにはルールを作る側と守る、活用する側っていうところで相談しながら進めていくっていうのがすごい大事だと思うんですけども、
そう考えると作る側と守る側はどっちも両輪だと思っているんで、
どちらも回していって一番いい着地点、形を探っていくみたいな活動が必要になってくるのかなという、
ルールを守る側の視点
神田淳生
そういうような考えにまとまりました。
ありがとうございます。大事なポイントはいくつかありましたよね。
s-umemoto
スリムとか。
神田淳生
そうですね。スリムは結構大事だと思いますね。
運用が始まるとステール。
s-umemoto
ステールの結構難しいと思うんですけども大事ですよね。
運用ルールとか運用フローみたいなのはどうするのかっていうのが、組織によってやっぱり違いますからね。
神田淳生
そうですね。そうなんですよ。
こうすればOKみたいなのはあんまなくて、やっぱり組織の状況とかやりたいことに合わせていく必要があると思うんですけども。
大事だと思います。
確かに。
s-umemoto
やっぱりこれデザインガイドラインってその名前の通りだと思うんですけども、ガイドラインですもんね。
神田淳生
そうなんですよ。ガイドラインなんで指針となるものっていうことだと思うんですけれども、
やっぱ最近のデザインシステムとかってコンポーネントレベルまでやっちゃうじゃないですか。
s-umemoto
そうですね。
神田淳生
だから結構具体的なものがあるんで、これをどこまで使わないといけないのかとか、
どこまでが余白というか自由に考えていいところなのかみたいなのが、
s-umemoto
デザイナーさんとかは迷うところなんだろうなと思います。
デザインシステム、先ほど金田さんもいくつか作ってきているということで、
神田淳生
組織の支援を含めてやられてると思うんですけど、結構うまくいってるんですか、そのデザインシステム。
これめっちゃ難しくてですね。
うまくいってる部分ももちろんあるんですけれども、
やっぱり100点満点かっていうと全然そうではなくて、課題はめっちゃあります。
企業のデザインシステムの活用
神田淳生
まず浸透させる、活用してもらうっていうところに至るのがすごい難しいなというふうに思うのと、
大企業とかだったらですね、直接説明する機会ももちろんないですし、
経営網活動とか説明会みたいなのはやっていくんですけども、
人の入れ替わりも激しいし、基本的にはデザインパートナー会社さんとかにやってもらうみたいなのはそういうやり方が主だったりすると思うんで、
その中で活用してもらうか浸透させるかっていうのもめちゃくちゃ難しくてできてない部分っていうのも未だにあります。
設計したときは結構その気分も、社内の活用のモチベーションも盛り上がってですね、
これを浸透させてこれを活用していこうというのがあるんですけども、
何年か経っていくと、やっぱりそれはちょっと下火になっていくというか落ち着いていくっていうか、
そういうふうになったらちょっと古くなるというか、知らない人とかも出てきたりして、
あれ使わないといけないんかとか、使ってなかったけれども別にいいですよねみたいな、
そういうような扱いになりがちだったりするんで。
どこまで矯正させるかとか、どこまでフローに組み込むかとか、そういう部分での問題っていうのはいろいろあります。
成功してるときの共通項みたいなのがあったりするんですか。
一定の強制力みたいなのは結構大事だなと思ってまして、
仕組みの中に、ワークフローの中にも組み込んじゃうっていうのはかなり大事かな。
どこに入れるかっていうと、最後のチェックポイントみたいなところにリリースする前の最後の承認を通す、
そこのワークフローにちゃんとデザインシステム活用してますか、ルールにはみ出てないですかみたいなのをチェックして通過するみたいな、
そこらへんは強制的に、ちょっと強めに組織の仕組みの中に入れちゃうみたいなのが大事なのかなって最近は思ってます。
規律みたいな。
規律みたいなもんね。
そうなんですよ。
まさにまさに。
s-umemoto
言い上がりそうな言葉でもありますけど。
そうですね。デザイナーとかも、もしかしたら反発しがちなところかもしれないですよね。
神田淳生
結局はユーザーがわかりやすくなったり、同じようなルールでサイトができたりアプリが買われる。
s-umemoto
ルールがあるからこそ使いやすい。
神田淳生
そうなんですよ。まさにそれのバランスですよね。
s-umemoto
頑張らなあかん。
神田淳生
そうですね。また自分も春から新しいデザインシステムのプロジェクトが始まるかもしれない。
s-umemoto
そのときは組織にどう浸透させるかとか、どこまで従ってもらうか、またはそのやり方を気をつけてやりたいなと思います。
ガイドラインとユースケースの重要性
s-umemoto
ガイドラインとかコンポーネントとか作成はすると思ってますけども、
それをガチガチにどこまで従うべきかってわからないと思うので、
準備しなきゃいけないかなと思っているのはユースケースを準備したほうがいいかなと思います。
神田淳生
なるほど。ユースケースを準備するってのはどういうことですか。
例えば、キャンペーンサイトを作るユースケース。
これはこのコンポーネントを使ってください。このあたり。
そういうことですね。
s-umemoto
若手の方とか企画省とか、仕事のやり方を見ると、やり方がちょっとうまくないなと。
車脱にしてるときは。
神田淳生
プロジェクトの情報でも、どの業務でも。
s-umemoto
プロジェクトを始めるときもたくさん、結構載ってるじゃないですか。
そのポイントを飛ばしちゃうと、自分は断片的に見た状態。これがいいと思う。
そのソリューションをずっとやる。
神田淳生
ああ、なるほど。
s-umemoto
いまいちかな。そのままの性格。
デザインガイドライン。すべてインプル。さすがに難しいと思う。
神田淳生
こういうときはこうしたらいい、みたいなイメージ。
たしかに。それは重要ですね。
ガイドラインとユースケースだけまず。
たしかに。量が膨大でわからないですもんね。
いきなりこれ押し付けられちゃったら。
ドラムモデルで言うとパーツだけあって説明書ない。
たしかにね。
s-umemoto
そういうところで浸透を図っていく方法もあるんじゃないかなと思いました。
神田淳生
いいですね。ちょっと活かしたいと思います。
s-umemoto
そうしましょう、そうしましょう。
神田淳生
それがうまくいくかわかんないですけど、そうしましょう。
どういうところでしょうか。
s-umemoto
今日の話をもって社員へのアンサーとしたいと思います。
就業規則の話はもういいですね。
もういいです。
ということで、今日のテーマはデザインルールにどこまで従うべきですか、
という質問に対して、神田さんと私でなんとなく答えをしました。
今日も聞いていただきましてありがとうございました。
神田淳生
ありがとうございました。
s-umemoto
編集後期、お疲れ様でした。
神田淳生
お疲れ様です。
s-umemoto
最近デザイナーの領域が広まってるとも言われますが、
一方で解けるデザインということで、
デザイナーの領域が広がりすぎて、
もともとのデザイン領域が消えていくって話もありますよね。
神田淳生
たまたま最近、昔憧れてた制作会社さんとか、
今どんな仕事をしてるのかなってサイトを見てたりしたんですけど。
相変わらず具体的な名前と、バスキュールさんとか、
ワンテンさんとか。
ちょっとサイトを見たりしてたんですけども、
相変わらずクリエイティブの部分で憧れますよね。
s-umemoto
相変わらずすごいんやな。
あれはもうデザインとクリエイティブのエッセンスみたいな。
凝縮されたアウトプットですもんね。
神田淳生
そうですね。
昔のコーポレートサイトとかは忘れらんないですけどね。
バスキュールさんとか。
s-umemoto
宇宙というかSUというか、ハニワも追ってみたいな感じの。
ガロみたいな感じの。
すごいサイト。
神田淳生
すごいサイトでしたよね。あれはFLASHのときだったのかな。
s-umemoto
ちょっと覚えてないですけど。
ハニワの追ってきとか。
そしゃげが流行ったぐらいのゲームだった。
ハリウッド・テム・ポールみたいなキャラクター。
神田淳生
サイトの中での遊びみたいなのが結構いろいろ面白かったですよね。
なんでその話になったんやねん。
本来のデザインの領域がなくなっていってるみたいなところですけども、
やっぱバスキュールさんとかは相変わらずクリエイティブの部分の最高峰。
いろいろやってらっしゃるな。
s-umemoto
すごすぎる。超リスペクターさん。
はい。ということで今日も聞いていただきましてありがとうございました。
神田淳生
ありがとうございました。