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2025-06-28 07:41

東北大学が実現した生成AIチャットボット導入の全貌 - miiboとMAKOTO Primeの連携が生む業務革新

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東北大学は2024年4月、全国の国立大学で初めて生成AI応対チャットボットを導入しました。この画期的な取り組みは、株式会社MAKOTO Primeと株式会社miiboの技術連携により実現し、大学のDX推進における新たなモデルケースとなっています。

本記事では、東北大学が14のチャットボットに生成AIを実装した背景と、miiboのRAG技術がもたらした具体的な成果を詳しく解説します。従来型チャットボットの課題であった想定外の質問への対応困難性と運用コストの増大という問題を、生成AIの活用により解決した実践例として、他の教育機関にとっても参考となる内容をお届けします。

東北大学のDX推進と生成AI導入の背景

東北大学は2020年7月に「コネクテッドユニバーシティ戦略」を策定し、教育・研究・社会共創のデジタル化を強力に推進してきました。この戦略の一環として、2021年3月には国立大学法人初の多言語対応AIチャットボットを導入し、その後も継続的にAI技術の活用を進めています。

2023年5月には全国の大学に先駆けてChatGPTを導入し、業務効率化の取り組みを加速させました。そして2024年4月、これまでの経験とノウハウを活かし、既存の14のチャットボットに生成AI技術を実装するという大規模なアップグレードを実施しました。

この導入プロジェクトでは、MAKOTO Primeの中小企業向けAI導入支援の実績と、miiboの会話型AI構築プラットフォームの技術力が融合しました。両社の連携により、大学特有のニーズに対応した高度なカスタマイズが可能となり、教育・研究機関に最適化されたソリューションが実現しています。

miiboの技術的特徴と導入効果

東北大学が採用したmiiboの会話型AI構築プラットフォームは、RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を活用した先進的なシステムです。この技術により、事前に登録されたデータから必要な情報を自動的に検索し、文脈に応じた適切な回答を生成することが可能になりました。

従来のルールベースチャットボットでは、想定される質問と回答のペアを網羅的に準備する必要がありました。しかし、生成AIを活用したmiiboのシステムでは、自然言語理解能力により多様な表現の質問に対応できるため、運用コストの大幅な削減を実現しています。

導入効果として特筆すべきは、30カ国語への対応能力です。従来の3カ国語対応から大幅に拡張され、より多様な利用者のニーズに応えることが可能になりました。また、平均2.7往復の対話が可能となり、一問一答型の従来システムと比較して、より深い情報提供が実現しています。

実装の詳細と具体的な成果

東北大学の生成AIチャットボットシステムは、OpenAI社のGPT-4oを回答生成モデルとして採用し、miiboのベクトルデータベースと組み合わせることで高精度な応答を実現しています。システムの構築にあたっては、大学固有の情報をRAGに最適化する形で登録し、ハルシネーション(誤った情報の生成)を防ぐための厳密なプロンプト設計が行われました。

実装の結果、従来約1,000件のFAQデータを管理していた状況から、約350のURLに情報源を集約することに成功しました。これにより、情報の二重管理という課題が解消され、ホームページの更新と連動した最新情報の提供が可能になりました。

利用者の利便性向上も顕著です。多言語対応の拡充により、外国人留学生や研究者からの問い合わせにも柔軟に対応できるようになりました。また、文脈を理解した複数回の対話が可能になったことで、より詳細で的確な情報提供が実現しています。

今後の展望と他大学への応用可能性

東北大学の成功事例は、他の教育機関にとって重要な示唆を与えています。生成AIチャットボットの導入により、限られた人的リソースでも高品質な窓口サービスを提供できることが実証されました。

今後の展開として、東北大学では利用者の許諾を前提とした個別最適化された回答の提供を検討しています。これにより、学生や教職員一人ひとりのニーズに応じたパーソナライズされたサポートが可能になると期待されています。

miiboとMAKOTO Primeの連携モデルは、他の大学や教育機関にも応用可能です。特に、RAG技術を活用した情報管理の効率化と、多言語対応による国際化への対応は、多くの教育機関が直面する課題の解決策となるでしょう。生成AI技術の教育分野への応用は、今後さらに加速していくことが予想されます。

まとめ

東北大学の生成AIチャットボット導入は、国立大学初の事例として大きな注目を集めています。miiboの先進的な技術とMAKOTO Primeの実装ノウハウの融合により、業務効率化と利用者サービスの向上を同時に実現した本事例は、教育機関におけるDX推進の新たなモデルを示しています。



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サマリー

東北大学が初めて生成AIを用いたチャットボットを導入し、MAKOTO Primeとmiiboの連携によって業務の効率化を実現しています。このシステムにより、情報管理が大幅に改善され、多言語対応が可能となり、利用者の利便性も向上しています。

生成AIチャットボットの導入
今回はですね、日本の国立大学で初めて生成AIを使った大体チャットボットを導入した東北大学。この挑戦に迫ってみたいと思います。お手元の資料、詳しいですよね、これ。
はい、興味深い事例ですね。
2024年の4月に動き出したこのシステムですけど、株式会社MAKOTO Primeと株式会社miibo、この2つの企業の連携で実現したと。
そうなんです。
これが大学の日常業務とか、情報提供の在り方をどう変えたのか、ちょっと深く見ていきたいなと。
はい。
大学DX、デジタルトランスフォーメーションの結構新しいモデルケースって言えそうじゃないですか。
まさにそう言えると思いますね。
まず背景なんですけど、東北大学って以前からコネクテッドユニバーシティ戦略っていうのを進めてたんですよね。
ええ、掲げてましたね。大学全体のデジタル化を目指すと。
2021年には多言語のAIチャットボットを入れて、2023年にはもうチャットGPTもいち早く試験導入してた。
そうでしたね。かなり先進的でした。
今回の生成AI導入っていうのは、その流れを決定づける、加速させるような一歩だったのかなと。
ええ、まさに。ただ、従来型のAIチャットボットって、ご経験あるかもしれませんが、事前に想定された質問以外にはなかなかうまく答えられないとか。
ありますね、そういうの。
ですよね。そのためのFAQリストが膨大になっちゃって、維持管理が大変だったりとか、そういう課題があったわけです。
東北大学も同じような壁にぶつかっていたと。
なるほど。その壁をどうやって乗り越えたのか、ここからが本題ですね。
情報管理の効率化
はい。そこで採用されたのが、ミーボー社が提供するRAG、リトリバルオーグメンテッドジェネレーションという技術です。これが今回の鍵になりますね。
RAGですか?私の理解だと、AIが好き勝手に答えるんじゃなくて、まず大学のちゃんとした公式情報、この記事だと約350のウェブページってありますけど、そこから関連する情報をまず探してきて、リトリバル?
そうです。
それを基にして、ちゃんと回答を組み立てるジェネレーション。こういう感じですか?
まさにその通りです。非常によく理解されてますね。その上で、オープンAI社の最新世代の高性能な言語モデル、GPT-40と組み合わせているんです。
GPT-40と、これにより、完全に自由な文章生成のリスク、いわゆるハルシネーションって言われるやつですね。
もっともらしい嘘ですよね。
そうです。それを大幅に抑制しつつ、大学の正確な情報に基づいて、ちゃんと文脈に沿った自然な回答が可能になったということなんです。
なるほど。情報の根っこを大学の公式情報にしっかり置いてると。
そういうことです。
それで、具体的にはどんな変化があったんでしょう?ここが一番知りたいところなんですが。
大きく分けて2つありますね。まず1つ目が、情報管理の劇的な効率化です。
情報管理。
以前は、約1000件ものFAQを手作業で更新したり管理したりしてたわけですけども。
1000件手作業で?
それは大変だ。
大変ですよね。
これを、大学の公式ウェブサイトを中心とした約350のURLの情報源にギュッと集約できたんです。
1000件が350のURLに?
そうなんです。ということは、ウェブサイトの情報さえ最新にしておけば、チャットボットの方も自動的に最新情報で答えてくれる?
まさに。
2人管理の手間がなくなると。これは現場の負担相当減りますよね。
かなり大きいと思います。まさに情報管理の考え方が変わるようなインパクトですよね。
いや、本当に。
スタッフの方は単純な更新作業から解放されて、もっと重要な業務に集中できるようになったはずです。
うーん、なるほど。
そしてもう一つの大きな変化。これは利用者、つまり学生さんとか研究者の方、あるいは外部の方々にとってのメリットですね。
利用者側ですか?どんな点が?
まず、対応できる言語がもう一気に増えました。
へー。
従来のたしか3カ国語だったと思うんですが、それがなんと30カ国に。
30?それはすごいですね。
ええ。これは特に対応な背景を持つ留学生の方とか外国人研究者の方にとっては、情報アクセスの壁をグッと下げることになりますよね。
確かに。インクルーシビティの観点からもこれは画期的ですね。
そうなんです。言葉の壁を感じずに、必要な情報にたどり着ける可能性が広がったわけです。
いやー、それは大きいな。
ええ。さらにですね、対話の質も向上したんです。
対話の質?
はい。従来は一問一答でそれで終わりとなりがちだったのが、導入後は平均で2.7往復の対話が生まれているそうです。
平均2.7往復。
ええ。つまり、利用者は最初の質問だけじゃなくて、何か関連する情報をもっと聞いたりとか、文脈を踏まえた追加の質問をしたりとか、そういうことがより自然にできるようになった。
なるほど。
まるで窓口で人と相談しているような、そういうより自然で深い情報収集が可能になったと言えるんじゃないでしょうか。
一問一答からちゃんと対話へと、AIとのやり取りがより人間らしいコミュニケーションに近づいたってことですね。
そういうことですね。
この一連の変化って、大学っていう組織全体で見たときに、これどんな意味を持つんでしょうかね。
利用者への影響
そうですね。やはり限られた人的リソースでも質の高い、しかも多言語での窓口サービスを提供できるということを証明したと言えるんじゃないでしょうか。
なるほど。
特にこのRAG技術で、情報の正確性とか最新性をちゃんと担保しつつ、多様な利用者のニーズに応える。
このモデルっていうのは、他の大学とか他の教育機関にとっても非常に重要な参考事例になるでしょうね。
確かにそうですよね。
これはある意味、大きな問いを投げかけているとも言えますよね。
このモデルは一体どこまで広がりうるのかと。
今回は東北大学の生成AIチャットボット導入事例を深く掘り下げてきました。
MEV社のRAG技術とGPT-4Oをうまく活用して、情報管理の効率化。
1000件をFAQが350URLに、それから驚きの30カ国対応。
そして、より人間らしい対話の実現。
本当に目覚ましい成果でしたね。
そうですね。今後の展望としては、利用者の同意を得た上でですけども、
個々の状況に合わせた回答を提供するパーソナライズ化みたいなことも視野に入れているようです。
パーソナライズ化まで。
教育分野でのAI活用の可能性って、本当にますます広がっていく感じがしますね。
この東北大学の事例は本当、大学に限らず多くの組織にとって資産に富むものでしたね。
さて最後にですね、これを聞いてくださっているあなたにも少し考えてみて欲しいんですが、
この信頼できる内部情報に基づいてAIが回答を生成するっていうRAGの仕組み。
これ大学以外では、例えばどんな分野で、その組織と顧客とか、あるいは市民との関係とか、
情報アクセスのあり方を根本から変える可能性があるでしょうか。
面白い問いですね。
あなたならどんな応用を思いつきますか。
ちょっと考えてみてください。
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