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令和8年度改定「歯科固有の技術」見直し3つの柱を総点検
2026-08-22 06:14

令和8年度改定「歯科固有の技術」見直し3つの柱を総点検

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令和8年度診療報酬改定では、個別改定項目「Ⅲ-7⑬ 歯科固有の技術の評価の見直し」により、歯科固有の技術の評価と運用が広く見直されます。この見直しは、管理料から補綴、処置、口腔外科手術まで対象が多岐にわたります。そのため、自院に関係する変更点だけを短時間で拾い上げる作業は、担当者にとって大きな負担となります。本稿は、この項目の内容を3つの柱に整理し、新旧の点数を対比しながら解説します。

今回の見直しは、「学会等が提案した技術の評価」「歯科技工料調査を踏まえた歯冠修復及び欠損補綴等の評価」「臨床現場の実態を踏まえた個別の評価」という3つの柱で構成されます。第1の柱では、歯科口腔リハビリテーション料2や歯科遠隔連携診療など16の技術について、医療技術評価分科会等における検討結果を踏まえて評価や運用が見直されます。第2の柱では、光学印象が100点から150点に、総義歯が1顎につき2,420点から2,500点に引き上げられます。第3の柱では、顎関節脱臼非観血的整復術が410点から800点になるなど、口腔外科手術を中心に大幅な引き上げが行われます。

1. 学会等の提案を踏まえ技術の評価と運用を見直す

第1の柱は、歯科医療の推進に資する技術について、医療技術評価分科会等における検討結果を踏まえて評価や運用を見直すものです。対象となるのは、学会等から同分科会に提案された技術のうち、診療報酬改定において対応する優先度が高いとされた技術です。個別改定項目には、その「例」として16の技術が挙げられています。この16はあくまで例示であり、見直し対象がこれで尽きるとは限りません。また、各技術をどの方向にどれだけ見直すかという具体的な点数は、この項目には示されていません。

挙げられた16の技術は、本稿の整理として、次の5つの領域に分けられます。

* 管理・指導:歯科口腔リハビリテーション料2/歯科矯正管理料/歯科麻酔管理料/位相差顕微鏡による歯周病患者画像活用指導

* デジタル・連携:模型調製における光学印象及びデジタル模型/歯科遠隔連携診療

* 補綴:口蓋補綴及び顎補綴の咬合採得/チタン及びチタン合金によるブリッジ/歯科用暫間被覆冠成形品を用いた暫間的ダイレクトボンディングブリッジ/床補強のための接着芯/後継永久歯の無い乳臼歯へのCAD/CAM冠

* 手術・処置・麻酔:上顎骨悪性腫瘍手術及び下顎骨悪性腫瘍手術における超音波切削機器加算/Ni-Tiロータリーファイル加算/静脈麻酔

* 検査・適応拡大:口腔粘膜湿潤度検査/厚生労働大臣が定める疾患に起因した咬合異常に係る適応症の拡大

これら16の技術のうち、静脈麻酔については点数表の項目そのものが新設されます。具体的には、医科点数表の見直しも踏まえ、歯科点数表において「歯科吸入麻酔又は歯科静脈麻酔」が新たに設けられます。麻酔を実施する医療機関は、算定する項目名が変わる点に注意が必要です。

2. 歯科技工料調査を踏まえ歯冠修復及び欠損補綴等を引き上げる

第2の柱は、歯冠修復及び欠損補綴等の評価について、歯科技工料調査の結果等を踏まえて評価や運用を見直すものです。個別改定項目に掲載された項目は、いずれも引き上げとなっています。対象は、補綴装置本体、デジタル関連技術、支台築造及び維持装置の3つの領域に分かれます。

補綴装置本体では、総義歯、高強度硬質レジンブリッジ、非金属歯冠修復の評価が引き上げられます。

* 総義歯(1顎につき):2,420点 → 2,500点

* 高強度硬質レジンブリッジ(1装置につき):2,800点 → 3,000点

* 非金属歯冠修復 レジンインレー 単純なもの:128点 → 148点

* 非金属歯冠修復 レジンインレー 複雑なもの:180点 → 200点

デジタル関連技術では、光学印象と、装着時の内面処理加算1の評価が引き上げられます。

* 光学印象(1歯につき):100点 → 150点

* 内面処理加算1 CAD/CAM冠:45点 → 55点

* 内面処理加算1 CAD/CAMインレー:45点 → 55点

* 内面処理加算1 高強度硬質レジンブリッジ:90点 → 110点

光学印象は5割の引き上げとなり、今回の第2の柱のなかで最も引き上げ率が高い項目です。内面処理加算1は、いずれも歯質に対する接着性を向上させる目的で内面処理を行った場合に算定します。この算定要件そのものに変更はありません。

支台築造及び維持装置では、支台築造、根面被覆、磁性アタッチメント、大連結子の評価が引き上げられます。

* 支台築造 間接法 ファイバーポストを用いた場合(大臼歯):211点 → 221点

* 支台築造 間接法 ファイバーポストを用いた場合(小臼歯及び前歯):180点 → 190点

* 根面被覆 根面板によるもの:195点 → 225点

* 磁性アタッチメント キーパー付き根面板を用いる場合:550点 → 580点

* 鋳造バー(1個につき):458点 → 468点

このうち鋳造バーについては、点数だけでなく項目の名称も変わります。現行の【バー】という区分名が、改定案では【大連結子】に改められます。名称変更はレセプト電算処理システムのマスタにも及ぶため、システムの更新時期を事前に確認しておくと安全です。

3. 臨床現場の実態を踏まえ処置と口腔外科手術を見直す

第3の柱は、その他の個別の評価について、臨床現場の実態等を踏まえて評価や運用を見直すものです。掲載された項目の中心は口腔外科手術であり、引き上げ幅の大きい項目が目立ちます。あわせて、象牙質レジンコーティングの算定要件と加圧根管充填処置の評価も見直されます。

算定要件の見直しは、象牙質レジンコーティングが対象です。現行では、生活歯歯冠形成を行った場合に「歯冠形成から装着までの一連の行為」につき1回に限り算定します。改定案では、この範囲が「歯冠形成から印象採得までの一連の行為」に改められます。「1回に限り」と数える区切りが、装着時点から印象採得時点へと前倒しになる形です。実際の算定の取扱いは、告示及び通知の記載を確認したうえで院内ルールを整理してください。

処置の見直しは、加圧根管充填処置が対象です。

* 単根管:139点 → 150点

* 2根管:168点 → 180点

* 3根管以上:213点 → 230点

加圧根管充填処置は、いずれの区分も1歯につき算定する点に変更はありません。

口腔外科手術の見直しは、埋伏智歯の抜歯から広範囲顎骨支持型装置に関する手術まで、幅広い術式に及びます。

* 抜歯手術「4」の加算(下顎完全埋伏智歯(骨性)又は下顎水平埋伏智歯の場合):130点 → 230点

* 顎骨腫瘍摘出術(歯根嚢胞を除く) 長径3センチメートル未満:2,820点 → 4,020点

* 腐骨除去手術 顎骨に及ぶもの 片側の3分の1未満の範囲のもの:1,300点 → 1,560点

* 腐骨除去手術 顎骨に及ぶもの 片側の3分の1以上の範囲のもの:3,420点 → 4,100点

* がま腫切開術:820点 → 1,230点

* 唾石摘出術(一連につき) 表在性のもの:720点 → 1,080点

* 顎関節脱臼非観血的整復術:410点 → 800点

なかでも顎関節脱臼非観血的整復術は、410点から800点へと約2倍の引き上げとなります。がま腫切開術と唾石摘出術(表在性のもの)も、それぞれ1.5倍の水準です。

腐骨除去手術については、点数本体だけでなく加算も引き上げられます。この加算は、骨吸収抑制薬関連顎骨壊死又は放射線性顎骨壊死に対して手術を行った場合に算定します。ただし対象は「2 顎骨に及ぶもの」の「イ 片側の3分の1未満の範囲のもの」に限られ、「ロ 片側の3分の1以上の範囲のもの」は対象外です。この加算の評価が、1,000点から1,200点になります。

顎骨内異物(挿入物を含む。)除去術と広範囲顎骨支持型装置に関する手術も、同様に引き上げられます。

* 顎骨内異物除去術 簡単なもの 手術範囲が顎骨の2分の1顎程度未満:850点 → 1,500点

* 顎骨内異物除去術 簡単なもの 手術範囲が全顎にわたる場合:1,680点 → 2,000点

* 顎骨内異物除去術 困難なもの 手術範囲が顎骨の3分の2顎程度未満:2,900点 → 4,000点

* 顎骨内異物除去術 困難なもの 手術範囲が全顎にわたる場合:4,180点 → 5,500点

* 広範囲顎骨支持型装置埋入手術 1回法によるもの:14,500点 → 16,000点

* 広範囲顎骨支持型装置埋入手術 2回法によるもの 1次手術:11,500点 → 13,000点

* 広範囲顎骨支持型装置埋入手術 2回法によるもの 2次手術:4,500点 → 6,000点

* 広範囲顎骨支持型装置掻爬術(1顎につき):1,800点 → 3,300点

広範囲顎骨支持型装置掻爬術は、1,800点から3,300点へと約1.8倍の引き上げとなります。これらの手術を実施する医療機関では、算定実績のある術式を事前に洗い出しておくと、改定後の点数の切り替え漏れを防げます。

4. 医療機関が改定までに確認すべき3点

改定内容を実務に落とし込むうえで、確認しておきたい作業を3点挙げます。なお本節は、個別改定項目に書かれた内容ではなく、実務上の備えとしての提案です。第1に、自院で算定実績のある技術を洗い出し、今回の見直し対象と突き合わせます。第2に、象牙質レジンコーティングのように算定要件そのものが変わる項目を抽出し、算定タイミングを院内で共有します。第3に、【バー】から【大連結子】への名称変更や「歯科吸入麻酔又は歯科静脈麻酔」の新設に備え、電子カルテとレセプトコンピュータのマスタ更新時期をベンダーに確認します。

なお、本稿で示した点数は個別改定項目の改定案に基づく内容です。最終的な取扱いは、告示及び通知の内容を必ずご確認ください。

まとめ:3つの柱で歯科の技術評価が底上げされる

令和8年度診療報酬改定における「歯科固有の技術の評価の見直し」は、3つの柱で構成されます。第1の柱では、学会等が提案した16の技術について、医療技術評価分科会等の検討結果を踏まえて評価や運用が見直されます。第2の柱では、歯科技工料調査の結果等を踏まえ、光学印象や総義歯をはじめとする歯冠修復及び欠損補綴等の評価が引き上げられます。第3の柱では、臨床現場の実態等を踏まえ、口腔外科手術を中心に大幅な引き上げが行われます。自院の算定実績と照らし合わせ、算定要件の変更とマスタ更新への対応を早めに進めましょう。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、「歯科固有の技術」が見直され、日本の歯科医療の近代化が強力に推進されます。特に、光学印象の点数引き上げや歯科吸入麻酔の新設など、デジタル化へのインセンティブが強化されました。また、顎関節脱臼非観血的整復術の点数大幅増など、臨床現場の負担を反映した処置や口腔外科手術の評価も向上しています。これにより、歯科技術全体の評価が底上げされ、より実態に即した医療提供が期待されます。

歯科医療のデジタル化と診療報酬改定の全体像
あの、歯医者さんの椅子に座って、こう、冷たいピンク色の粘土みたいなものを口いっぱいに押し込まれる、あの息苦しい時間。
ええ、あれは本当に、あの、あまり心地よいものではないですよね。 そうなんですよ。リスナーのあなたも一度は経験があるんじゃないでしょうか。
でも、もしあれが、えーと、小さなスティック状のカメラで歯をなぞるだけで終わるとしたら、どうですか?
それはもう、患者さんにとってはすごくありがたい話ですよね。
ですよね。実はその未来って、もう現実のものになりつつあるんです。 で、今回の深掘りでは、国がその未来を全国に普及させるために、いかに強力ないばば、
品選的なレバーを引いたのかを読み解いていきます。 はい。
扱う資料は、令和8年度の診療報酬改定です。 一見すると退屈な数字の羅列に思えるかもしれませんが。
ああ、確かに専門家じゃないとちょっととっつきにくいテーマかもしれないですね。
ええ。でも実はこれ、日本の視界量の近代化っていうすごく大きなドラマなんですよね。
お聞きのあなたが、なるほどと踏に落ちるように、しっかり情報を整理してお届けしたいと思います。
よろしくお願いします。まずは、全体像をつかむために、第1、第2の柱に注目してみましょうか。
デジタル技術の評価向上とシステム変更の注意点
はい。デジタル化へのダジ切りですね。
国が本気を出してきた部分です。さっきおっしゃった、スティックでスキンする高額印象、
これの評価が、これまでの100点から一気に150点に引き上げられたんです。
150点ってことは、つまり1.5倍ですよね。 そうなんです。
さらに、歯科吸入麻酔なんかの項目も新設されまして、より現代的な治療環境へのアップデートが強く後押しされている状態ですね。
1.5倍ってすごいですよね。これって単にデジタル便利だねって推奨しているレベルじゃなくて、なんというか。
もっと踏み込んだインセンティブですよね。
そう。国が電気自動車に超大型の補助金を出して、ガソリン車から一気に市場をシフトさせようとしているみたいなものすごい強烈なメッセージを感じます。
まさにその通りです。ただ、ここで興味深いというか、注意しなければいけないのが、システム上の変更なんですよ。
システム上の変更ですか?
例えば、今までシステム上でバーと呼ばれていた部品の名称が大連結庫という名前に変わったりしているんです。
ああ、なるほど。ただの名称変更に聞こえますけど、これって原画にとってはどういう意味があるんでしょうか。
もしクリニック側がレセコンなどのシステム更新を忘れてしまったらどうなるか。いくら最新の治療をして請求を上げても、エラーで弾かれて一円にもならないっていう。
うわあ、それは怖いですね。ものすごく官僚的な罠というか。
ええ。国はデジタル化を強力に後押しする一方で、医療機関側にもそれに適応する厳密な管理体制を求めているわけです。
未来的なデジタルの恩恵の裏には、そういう緻密な管理が求められるんですね。
で、この近代化の波って、もっと物理的で泥臭い現場にも波及しているんですよね。
臨床現場の実態に即した処置・口腔外科手術の評価見直し
はい。第3の柱である外科手術と処置の実態ですね。ここも大きく変わりました。
ここからが本当に面白いところだと思うんですが、例えば、顎関節脱臼非間欠的征服術。
はい。外れてしまった顎の関節を戻す処置ですね。
そうです。手術じゃなくて手技でグッと元の位置に戻す。これ先生にとってはものすごい体力とか熟練の技が必要だと思うんですが。
ええ、かなりの負担です。
これが今回410点から800点へと約2倍に跳ね上がっていますよね。
まさにその肉体的な負担の重さがポイントでして、長年現場の医師たちが流してきた汗とかリスクがようやく正当な評価軸に乗ったっていうことなんです。
なるほど。デジタル化で効率を上げる一方で、人間の手でしかできない過酷な医療行為にはしっかり報いると。
ええ、これこそが今回の見直しの本質と言えますね。
でも評価が上がったものばかりじゃないですよね。消芸室レジンコーティングという削った歯を保護する処置。
はい、ありますね。
これ点数自体は変わらないのに、請求できるタイミングが前倒しになっていますよね。
今まではかぶせ物を装着する時だったのが、歯の型取りをする印象採得の時に変わったと。
ええ、大きくシフトしましたね。
これ、何でわざわざタイミングだけ変えたんでしょうか。現場の院内ルールとか請求業務にとっては、結構な頭痛の種になるんじゃないかなと思ったんですが。
ああ、確かに事務手続きとしては面倒かもしれません。でもこれを全体像度結びつけると、実は一番あの臨床の実態に寄り添った変更なんですよ。
臨床の実態ですか?
ええ、削りたての歯って非常に無防備で、感染や痛みのリスクが一番高い状態なんです。
だから現場の先生方は、歯を削って型取りをした直後に、このコーティングを行って歯を守っているんです。
ああ、なるほど。つまり数日後にかぶせ物を装着する時じゃなくて、処置をしたその日こそが医学的に一番重要なタイミングなんですね。
改定対応の実務と歯科医療の未来
その通りです。国は今回事務的な都合じゃなくて、実際のリアルなタイムラインにルールを合わせたんです。
単なる手続きの変更ではなくて、医療のリアルにルールを追いつかせた結果だったんですね。
はい。ただおっしゃる通り、クリニック側からすれば、過去の算定実績の洗い出しとか、院内共有は必須になりますね。
いやー、非常にクリアになりました。技術の進化とか、現場の汗の耐火、そして実態に即したルール変更、3つの柱によって社外技術の評価全体が底上げされて、本当に実態に即した近代化が進んでいるのがわかりました。
ええ、数字の裏にある、市会議員に対する近代的な医療機関としてのアップデートの要求、その力強い動きを感じていただけたかと思います。
というわけで、最後にお聞きのあなたに一つ想像してみてほしいことがあります。
これだけ国が強力なインセンティブを与え、デジタル関連技術の評価が急激に見直される中で、あなたの身近な歯医者さんから、あのピンク色の冷たい年号の肩取り風景が完全に消滅するのは、果たしていつになるでしょうか?
そう遠くない未来かもしれませんね。
次に、歯医者さんの椅子に座ったとき、ぜひ周りの機材を少し観察してみてください。
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