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口腔機能指導加算12点が廃止|新設「口腔機能実地指導料46点」の算定要件
2026-08-17 05:56

口腔機能指導加算12点が廃止|新設「口腔機能実地指導料46点」の算定要件

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令和8年度診療報酬改定で、歯科衛生士による口腔機能の指導が「加算」から独立した「指導料」へ生まれ変わります。現行の口腔機能指導加算は、歯科衛生実地指導料の加算であるため、両方の指導を同時に行わなければ算定できません。この制約が影響し、歯科衛生実地指導料を算定した患者のうち口腔機能指導加算を算定した割合は、令和6年8月審査分で約1.3%にとどまりました。本記事では、この課題を解消するために新設される「口腔機能実地指導料」の中身を、現行制度と比較しながら整理します。

新設される口腔機能実地指導料は46点で、月1回に限り算定できます。第一に、評価体系が加算から独立した指導料へ変わります。第二に、算定には研修を受けた歯科衛生士の配置と、施設基準の届出が新たに求められます。第三に、指導内容を文書により提供することが、算定の必須条件となります。

1. 評価体系の見直し:加算12点から独立した指導料46点へ

最大の変更点は、口腔機能に関する指導が歯科衛生実地指導料の「注」から切り離され、独立した項目になることです。改定案では、歯科衛生実地指導料の注3(口腔機能指導加算12点)が削除されます。これに代わって、口腔機能実地指導料46点が新設されます。

この見直しの背景には、加算という位置づけがもたらしていた算定上の制約があります。加算である以上、歯科衛生士はプラーク除去方法の指導など歯科衛生実地指導料の要件を満たしたうえで、さらに口腔機能の指導を上乗せしなければなりませんでした。令和6年8月審査分の社会医療診療行為別統計では、歯科衛生実地指導料のみの算定回数が約1,178万回であるのに対し、口腔機能指導加算は約16万回でした。

算定していない理由からも、現行の建付けの課題が読み取れます。令和7年度検証調査(回答1,122件、複数回答可)では、「歯科衛生士が忙しく指導を行う時間がない」が30.3%で最多となり、「専門的な指導を行う歯科衛生士がいない」が28.6%で続きました。2つの指導を同時に行う負担と、専門人材の不足が、算定を阻んでいたわけです。

なお算定回数そのものは、直近で増加に転じています。令和7年のNDBデータによると、口腔機能指導加算の算定回数は1月の約17万回から3月には約21万回へ増え、5月まで20万回台で推移しました。期中改定による点数の引上げと周知が、算定行動に影響したとみられます。

独立した指導料への移行は、この負担と評価の両面に応える見直しといえます。12点の加算に代えて、46点の指導料として口腔機能の指導そのものが評価されます。ただし現行の加算は歯科衛生実地指導料(80点又は100点)への上乗せであったため、単純に34点の増点と捉えることはできません。歯科衛生実地指導料との併算定の可否や、指導内容の具体的な範囲は、今後発出される告示・通知で確認する必要があります。

2. 新たな要件:研修受講と施設基準の届出

口腔機能実地指導料を算定するには、研修を受けた歯科衛生士の配置が必要です。算定要件では、口腔機能発達不全症および口腔機能低下症の実地指導に係る研修を受講した歯科衛生士が指導を行うことと定められています。施設基準でも、口腔機能の指導等に係る適切な研修を受けた歯科衛生士を1名以上配置することが求められます。

研修が要件化された理由は、口腔機能低下症等への指導が専門的知識を前提とするためです。中医協の資料では、ICFや健康行動理論といった健康概念を用いた指導が、科学的研究によって効果を示していることが紹介されています。関連学会では、口腔機能の基礎知識、口腔機能検査法、口腔機能訓練法、口腔機能管理指導法を項目とする研修プログラムが計画されています。ただしこのプログラムは中医協資料に示された一例であり、要件に該当する研修の具体的な範囲は、今後の通知で示される見込みです。

施設基準では、研修に加えて設備および体制の整備も求められます。具体的には、歯科衛生士が口腔機能の指導を行うための設備と体制を有していることが条件です。届出が必要な項目であるため、算定を予定する医療機関は、地方厚生局長等への届出を済ませる必要があります。届出の時期や経過措置の有無は、今後の通知で確認してください。

3. 算定のルール:対象患者・指示・文書提供・回数

算定にあたっては、対象患者、指示、文書提供、回数の4つのルールを押さえる必要があります。対象患者は、口腔機能の発達不全を有する患者、または口腔機能の低下を来している患者です。指導は、主治の歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が行います。

指導後には、指導内容に係る情報を文書により提供しなければなりません。文書提供は算定要件に明記されているため、指導を実施しただけでは算定できません。なお提供先や文書の記載事項は算定要件に示されていないため、通知の内容を待つ必要があります。院内で提供文書の様式をあらかじめ整えておくと、運用がスムーズになります。

算定回数は、月1回が上限です。継続的な口腔機能の管理を行う場合は、口腔機能管理料や小児口腔機能管理料といった歯科医師による管理の評価と、どう組み合わせるかを設計しておくとよいでしょう。なお令和8年度改定では、小児口腔機能管理料および口腔機能管理料の対象患者の範囲も拡大されます。

まとめ:改定施行までに準備すべき3点

令和8年度改定では、歯科衛生士による口腔機能の指導が、加算12点から独立した指導料46点へと変わります。第一に、口腔機能指導加算が削除され、口腔機能実地指導料46点が新設されます。第二に、算定には研修を受けた歯科衛生士の配置と、施設基準の届出が必要です。第三に、指導内容の文書提供が必須となり、算定は月1回が上限となります。改定施行までに、研修の受講計画、届出の準備、提供文書の様式整備という3点を進めておきましょう。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定により、歯科衛生士による口腔機能指導は、従来の加算から独立した「口腔機能実地指導料」へと大きく変わります。これは、算定率の低さや現場の負担といった課題を解消するためで、指導料は46点に増額されます。新しい制度では、専門研修を受けた歯科衛生士の配置、施設基準の届出、指導内容の文書提供が必須となり、歯科衛生士の役割が「食べる機能を守り抜くライフマネージャー」へと進化する象徴的な動きと言えます。

導入と現行制度の課題
もし、レストランに入ってメインのステーキを頼まないと、サイドメニューのサラダは注文できませんよ、なんて言われたら、あの、かなり窮屈に感じますよね。
えー、ちょっと不便ですよね。 実は、最近までの歯科医療の現場にも、それと全く同じような制約があったんですよ。
そうなんです。 あなたへようこそ。今回の深掘りでは、あなたと一緒に、令和8年の診療報酬改定から読み解く、歯科医療の最前線に迫ります。
特に、歯科衛生士さんによる航空機能指導の評価についてですね。
はい。従来の加算2、2点という、まあ、おまけのような扱いから、完全に独立した航空機能実施指導料46点へと大きく生まれ変わるという非常に重要なトピックです。
その定食屋みたいな窮屈なルールが、なぜ変わることになったのか、そこから解き明かしていきましょう。
ええ。根本的な理由はですね、現場の仕組みがすでに限界を迎えていたからなんです。令和6年8月のデータを見ると、それが如実に現れています。
限界って、具体的にどういうことですか?
通常の歯科衛生実施指導を受けた患者さんのうち、その航空機能の指導加算を実際に算定できたのって、全体のわずか1.3%に過ぎなかったんですよ。
えっと、1.3%ですか?いくらなんでも少なすぎないですか?だって実地指導自体は日常的にかなりの数が行われているわけですよね?
そうなんですよ。件数で見ると、約1178万回実施されているのに、加算が取れたのは約16万回だけでした。
わあ、それは厳しい数字ですね。どうしてそんなに少なかったんでしょうか?
算定できなかった理由のトップは、同時指導をする時間がないで30.3%でした。ついで、専門人材がいないというのが28.6%ですね。
ああ、なるほど。メインの刺繍病予防とかと並行して、食べる機能の指導まで行うっていうシステム自体が、現場の時間を極度に圧迫していたんですね。
その通りです。限られた時間であれもこれも詰め込むのは、やはり無理があったわけです。
新設される指導料と算定の注意点
だからこそ、今回独立するわけですね。
でも、ちょっと計算させてください。これまで加算で12点だったものが、独立して46点になるんですよね。
はい、そうです。
それってクリニック側からすれば、単純に34点分プラスになってお得になったと考えていいんでしょうか?
ああ、そこは少し冷静に全体を見る必要があります。
旧制度の12点は、あくまで80点や100点といったベースの実地指導量に乗っかる上の日はあったんです。
なるほど。ベースがあった上での12点だったと。
ええ。今回46点の完全に独立した項目になるということはですね、今後の通知次第でベースの指導量と両方満額で平算定できるのか、そこが問題になります。
新たな算定要件と歯科衛生士の役割
どちらか一方しか取れないケースも出てくるかもしれないってことですか?
そういうことです。運用ルールが大きく変わる可能性があるので、単純なベースアップとは言い切れないんですよ。
なるほど。今後の細かい平算定ルールが鍵を握るわけですね。
でも単独で算定しやすくなった分、医療の質を担保するために国が求めてくるハードルもその分高くなる気がするんですが。
ご推察の通りです。月1回の算定のために3つの厳格な条件が設定されました。
3つですか。どんな条件ですか?
まず、手指の歯科医師の指示があること。次に指導内容を患者へ文書で提供すること。そして、ICFや健康行動理論に基づく専門研修を受けた歯科衛生士を配置して届けられることです。
ちょっと待ってください。ICF?国際生活機能分離でしたっけ?それに健康行動理論って急に学術的な言葉が出てきましたね。
少し難しく聞こえますよね。
これって、衛生士さんが患者さんと接する上で具体的にどう変わるってことなんでしょうか?
簡単に言うと、視点を口の中から患者さんの生活全体へと広げるためのツールなんです。
生活全体ですか?
はい。これまでは、歯具気がついてますよ、磨きましょうという指導だったのが、ICFの枠組みの使うことで、なぜこの人はうまく噛めないのかという生活習慣の原因を体系的に分析できるようになります。
つまり、ただの立ち話的な歯磨きアドバイスではなくて、その人の食事や生活背景まで含んだプロの公式なコンサルティングに昇格するわけですね。
まさにそういうことです。
しかもそれが文書化されて手元に残るなら、患者側である私たちも、家に帰ってから自分の食生活を見直しやすくなりますね。あなたにとってもメリットがすごく大きい仕組みだと言えそうです。
歯科医療の未来とパラダイムシフト
ええ。だからこそ、科学的根拠に基づいた生活支援を標準化するために、国はあえて研修と文書化という明確なハードルを設けたわけですね。
だとすれば、クリニック側がやるべきことは明確ですね。お聞きのあなたがもし視界療養に関わっているなら、改定志向までにやるべきタスクがみっちらります。
はい。専門研修の受講、施設基準の届出、そして提供文書のフォーマット整備ですね。
ええ。この3つは直ちに取り掛かるべきタスクになりますね。
そうですね。早めに動いて体制を整えることが、新しいルールへスムーズに移行する一番確実な方法です。
最後に一つ、あなたに考えてみてほしいことがあります。国がわざわざ専門研修を義務づけてまで、この航空機能の管理を押し進めているこの事実についてです。
はい。とても象徴的な動きですよね。
これって、未来の歯科医生士の役割が単に歯をきれいにする人から、私たちが生涯にわたって食べる機能を守り抜くための、いわばライフマネージャーへと根本的に変わるサインなのではないでしょうか。
ええ。本当に大きなパラダイムシフトだと思います。
定食屋のメインディッシュは、いつの間にか歯そのものからおいしく食べ続けるための機能へと変わろうとしています。あなたはどう思いますか。それでは次回の深掘りでまたお会いしましょう。
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