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【令和8年度改定】投与時閉鎖式接続器具使用加算150点を徹底解説
2026-07-15 06:04

【令和8年度改定】投与時閉鎖式接続器具使用加算150点を徹底解説

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抗がん剤は、調製する薬剤師や投与する看護師などの医療従事者に、ばく露のリスクをもたらします。このばく露リスクを下げる閉鎖式接続器具は、これまで無菌製剤処理(調製)の段階でのみ評価されてきました。一方、患者への投与の段階では、閉鎖式接続器具を用いても診療報酬上の評価がありませんでした。そこで本稿では、令和8年度診療報酬改定で新設される「投与時閉鎖式接続器具使用加算」を解説します。

令和8年度改定は、抗がん剤の投与時に閉鎖式接続器具を用いた場合の加算150点を新設します。この加算の対象は、無菌製剤処理料1の「イ」に該当する患者です。加算の算定要件は、製剤処理時と投与時の両方で閉鎖式接続器具を用いることです。加算の施設基準は、外来腫瘍化学療法診療料1の届出を行っていることです。

改定の背景:抗がん剤のばく露リスクと環境汚染

改定の背景には、抗がん剤のばく露リスクがあります。抗がん剤は、細胞の増殖を抑える強い作用を持つ薬剤です。この強い作用は、患者だけでなく、薬剤を扱う医療従事者の健康にも影響を及ぼします。医療従事者は、薬剤の調製時や投与時に、飛散した薬剤へ意図せずばく露するおそれがあります。

このばく露リスクは、国内の疫学調査でも裏づけられています。厚生労働省は、抗がん剤のばく露リスクに関する国内の疫学調査を踏まえ、今回の評価を検討しました。あわせて、閉鎖式接続器具を用いた場合に抗がん剤による環境汚染が低減するという報告も踏まえています。これらの調査と報告が、投与時の評価を新設する根拠となりました。

環境汚染の低減に役立つのが、閉鎖式接続器具です。閉鎖式接続器具は、バイアル内外の差圧を調節する機構を持つ器具です。この機構により、薬剤の飛散などを防止します。飛散を防止することで、医療従事者へのばく露と作業環境の汚染をあわせて抑えます。

加算の内容と対象患者:投与時閉鎖式接続器具使用加算150点

今回新設されるのは、投与時閉鎖式接続器具使用加算です。この加算は、無菌製剤処理料1に上乗せする加算です。加算の点数は150点です。加算の趣旨は、調製時に続いて投与時のばく露対策も評価することにあります。

加算の対象は、無菌製剤処理料1の「イ」の対象患者です。今回の加算は、この「イ」の対象患者に投与する場合に限って算定できます。

算定要件と施設基準:調製時と投与時の両方が条件

加算の算定要件は、閉鎖式接続器具を2つの場面で用いることです。1つ目の場面は、無菌製剤処理料1のイを実施する調製時です。2つ目の場面は、患者への投与時です。この2つの場面の両方で閉鎖式接続器具を用いた場合に、加算を算定できます。調製時だけ、あるいは投与時だけの使用では算定できない点に注意が必要です。

加算の施設基準は、外来腫瘍化学療法診療料1の届出です。加算を算定するには、外来腫瘍化学療法診療料1に係る届出を行っている保険医療機関である必要があります。

まとめ

令和8年度改定は、抗がん剤の投与時に閉鎖式接続器具を用いた場合の加算150点を新設します。この加算は、医療従事者のばく露リスクと環境汚染を抑える対策を、調製時に続いて投与時にも評価するものです。加算の対象は無菌製剤処理料1の「イ」の患者、算定要件は調製時と投与時の両方での閉鎖式接続器具の使用、施設基準は外来腫瘍化学療法診療料1の届出です。抗がん剤を扱う医療機関は、この3つの条件を確認し、投与時のばく露対策と加算の算定を進めていきましょう。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定で新設された「投与時閉鎖式接続器具使用加算」について解説しています。この加算は、抗がん剤の調製時と投与時の両方で閉鎖式接続器具を使用することで、医療従事者の抗がん剤曝露リスクと環境汚染を低減することを目的としています。高度な安全管理体制を持つ病院が対象となり、薬剤の準備から患者への投与までの全工程における一貫した安全管理が求められます。

導入と新加算の概要
眼治療の最前線で、毎日患者さんの命を救っている看護師さんたちの姿、あなたも想像できると思います。
でも、あの強力な抗がん剤を注射器で準備するたびにですね、目に見えない猛毒の霧が漏れ出していて、それをスタッフが吸い込んでしまっているとしたら、あなたはどう思いますか?
今回の深掘りでは、この見えない脅威を刻止めるための新しいルールを解読していきます。
岡田 令和8年度の診療報酬改定で新設された閉鎖式接続器具使用加算150点という項目ですね。
150点って数字だけ聞くと、ただの退屈な事務手続きに聞こえるんですけど。
岡田 そうなんですよ。でも実はこれ、最前線で働く医療従事者の命を守るための劇的なシステム変更なんです。
なるほど。これを聞いているあなたも病院の明細書でよくわからない点数を見たことあると思いますけど、その裏には現場のリアルがあるんですね。
抗がん剤曝露のリスクと閉鎖式接続器具の必要性
岡田 そもそも、どうして抗がん剤がスタッフの脅威になるんでしょうか?
まあ抗がん剤というのは細胞の増殖を強力に抑える薬ですからね。患者さんの体内ではがん細胞を叩く頼もしい存在ですが、健康なスタッフがその成分を吸い込んだり皮膚に触れたりすると、深刻な健康被害を引き起こすリスクがあるんです。
岡田 えーと、健康被害ですか。それが意図しない被曝、いわゆる曝露ですね。
はい、そういうことです。
岡田 でも薬って密閉されたガラス瓶、バイアルっていうんですかね、あれに入ってますよね。どうして霧みたいに漏れ出しちゃうんですか?
そうですね。注射器で薬を吸う出す場面を想像してみてください。密閉された瓶の中に液体を注入したり吸い出したりすると、中の空気圧が変化しますよね。
岡田 ああ確かに圧力がかかりますね。
その状態で針を抜いた瞬間、高まった圧力が一気に外に逃げようとして、薬の成分を含んだ目に見えない霧、まあアエロゾルですね、これを空気中に吹き出してしまうんです。
岡田 うわー、物理的な圧力のせいなんですね。だからそこで閉鎖式接続器具が必要になるのか。これ激しく振った炭酸飲料のペットボトルみたいなものですよね。
炭酸飲料ですか。はい。普通に開けたらプシュッと中身が吹き出しちゃいますけど、この器具を使えば、中の空気圧をうまく逃がしつつ、外には全く漏らさずに安全に開けられる。なんかそんな特殊なキャップみたいな仕組みだなって。
加算新設の背景にある科学的根拠
岡田 ああなるほど。その例えは非常に適応してあっていますね。まさに特殊なキャップです。そしてですね、ここで興味深いのは、このキャップが今回国に評価された背景には、括弧たるデータがあるということなんです。
データですか。単なる便利グッズだからってわけじゃないんですね。
岡田 ええ。厚生労働省の疫学調査で、医療現場での曝露リスクが客観的に裏付けられまして、さらにこの器具を導入した病院では、実際に環境汚染が劇的に減ったという報告が上がったんです。
おお。現場の困りごとっていうレベルを超えて、科学的なエビデンスが国を動かしたわけですね。
岡田 はい。まさにその通りです。
投与時閉鎖式接続器具使用加算の算定要件と施設基準
そこまではすごく納得できるんですけど、あのちょっと待ってください。今回患者さんに薬を投与する段階で使えば150点がもらえるんですよね。
岡田 ええ。そうです。
150点って金額にするとたったの1500円くらいですよね。病院のシステムをわざわざ変えるにしては、なんか安すぎませんか?これ本当に現場を変えるインパクトがあるんでしょうか。
岡田 ああ、それは重要な問いですね。実はそこが一番のポイントなんですよ。金額の代償以上に、この150点を獲得するための条件が、病院の安全管理システムそのものを根底から変える仕組みになっているんです。
条件ですか?ただキャップを使えばいいってわけじゃないんですか?
岡田 はい。まず対象となるのは、無菌製剤処理療1-Eという基準を満たす患者さんに限られまして、さらに施設も外来主要化学療法診療療1の届出を出している必要があります。
ちょっと待って、急に呪文みたいになりましたけど、要するにどういう条件をクリアした病院や患者さんなんですか?
岡田 失礼しました。簡単に言うとですね、国が定める極めて厳格な無菌室を持っていて、がんの専門的な外来治療を行う体制が整っているトップクラスの安全基準をクリアした病院という意味です。
なるほど。誰でもかりでも、ただキャップをつければ点数がもらえるわけじゃないんですね。
岡田 そうなんです。すでに高度な安全管理ができる病院にのみ認められます。そしてここからが最大の条件なんですが。
はい、何でしょう。
岡田 薬剤師が薬品を準備する調整の段階と、看護師が患者さんに投与する段階、その両方で絶対にこの器具を使わなければなりません。
両方で、片方だけじゃダメなんですか?
岡田 ダメなんです。片方だけでは算定できません。薬の準備から患者さんの体内に入るまでの全工程で、一貫した安全管理の姿勢が求められているわけです。
なるほど、そういうことか。だから特定の作業だけを守るんじゃなくて、薬が通るルート全体で医療従事士を徹底的に守ると、点から千へのシステム変更なんですね。
改定の真の目的と今後の展望
岡田 ええ、その証拠としての150点なんです。現場のスタッフが自分の健康への不安を抱かずに、目の前の患者さんの治療に100%集中できる環境を作る。それがこの改定の本当の目的なんですよ。
いやあ、今回の深掘りで無機質な点数の裏にある命を守るという強いメッセージが見えてきましたね。
岡田 そうですね。本当に楽器的な第一歩だと思います。
では最後に、これを聞いているあなかに少し考えてみてほしいんです。抗がん剤においてこれほど厳密な被産防止ルールがようやく確立されたということは、私たちが普段お世話になっている病院内で日常的に行われている他の当たり前の医療行為の中にも、まだ誰も気づいていない、目に見えないリスクが放置されたままになっているのではないでしょうか。
岡田 確かにまだまだ見直すべき領域はあるかもしれませんね。
そうですよね。次回病院を訪れるときは少し違った視点で周りの景色が見えるかもしれません。
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