1. 今日も帰れない気がする
  2. #003|あの頃の編集作業 写真編
#003|あの頃の編集作業 写真編
2026-06-10 16:13

#003|あの頃の編集作業 写真編

「今日も帰れない気がする」——2000年代前半、渋谷区の編集プロダクション「マガジントップ」で共に働いた4人が、当時の記憶を掘り起こすポッドキャスト。

今回は、前回に引き続き「あの頃の編集作業」をテーマに、デジタル化前夜の過酷でアナログな制作現場を振り返ります。

カメラマンに頼めず自ら挑んだ「物撮り」での痛恨のミス——フィルムを入れ忘れてシャッターを切っていたトラウマ級の思い出から、低予算ゆえに「お店のご厚意」に甘えざるを得なかった苦い記憶。さらに、100円ショップ向けのガイド本を35冊同時並行で作るために、電話帳(タウンページ)を片手に必死で監修者を探したエピソードなど、今では考えられないエピソードが次々と飛び出します。

ポジフィルムをライトボックスに乗せ、ルーペでピントを確認してはダーマトで指示を書き込み、巨大な装置「トレスコ」に籠もってトリミングを決めていたあの頃。手間と時間を惜しみなく注ぎ込んだ、アナログ時代の編集者の記録をお届けします。

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サマリー

2000年代前半、デジタル化前夜のアナログな編集作業を振り返る本エピソード。フィルムの入れ忘れによる撮影し直しや、予算不足からお店のご厚意に頼らざるを得なかった苦い経験、電話帳を頼りに監修者を探した苦労話などが語られる。ポジフィルムをライトボックスで確認し、ルーペでピントを合わせ、ダーマトで指示を書き込み、巨大なトレースコープでトリミングを決めていた時代。手間と時間を惜しみなく注ぎ込んだアナログ時代の編集者の記録が明かされる。

フィルム忘れと撮り直し、お店への配慮
前回は、仕事のあの頃の編集作業ということでお話しして、
最後ちょっとね、カメラの話したんで、その辺のカメラにまつわる話をちょっと自分がしていきたいなと思ったりしているんですけど、
まあそこからね、またいろんな話が弾んでいけばいいなと思っています。
お疲れ様です、トミエです。
オーツカです。
ノグチです。
ミズシマです。
今日も帰れない気がする。この番組は、2000年代から編集者として活動してきた4人が過去の編集の仕事や出来事を振り返りつつ、
最近気になっていることなどを語っていく番組です。
はい、ということで、さっきカメラの話ということでちょっとしたんですけど、
自分がね、よく覚えているのが結構トラウマでもあるんだけど、
撮影をね、カメラマンさんにお願いするっていうことももちろんあるんだけど、
予算の関係なのか何なのかもう忘れちゃったけど、
自分で撮影するっていうことあったじゃない?
あった。
物撮りっていうのがあってね、
撮影っていろいろあるんだけど、取材先に行ってお店を撮ったり、料理を撮ったり、人を撮ったりとかってあるんだけど、
物を撮る撮影のことを物撮りって言ったりするんだけど、
その物撮りを会社でやったことがあるんだよね。
調味料とかを会社に集めて、会社の一角で物撮りをやったんだよ。
それ自分でやったんだけど。
その当時って、当然のことながら、カメラってフィルムカメラなんだよね。
ポジフィルムで撮影していくので、仕上がりがどうなるかわからないという怖さもあったりするんだけど、
撮影した後に現像してみたら露出が全然違ってたとかってあると思うんだけど、
それ以前のことをやっちゃって。
フィルムを入れずにずっと撮ってたっていう。
フィルムを入れ忘れて、ずっと撮ってて、
よし終わった、これで終電ギリギリ間に合って帰れると思ったんだけど、
フィルムを入れるの忘れてて、ダメだこれは帰れないわってなって、
またフィルムを入れて撮り直したっていうのをやった覚えがあるね。
これデジタルだったら、たぶんそんなにならないんじゃないかなって思うんだよね。
デジタルでも、メモリーカードとか入れ忘れてあるかもしれないけど、
フィルムがこういうのあるんだよね。
そういうのがちょっとつらかった。
取材先だったらね。
結局、自社で撮ってるからまだ良かったっていうのがある。
確かに。
例えば料理作ってもらって、時間を確保してもらって、
それでフィルム入ってなかったらちょっときついなっていう。
写真の出来がひどすぎてね、
冷やし面の取材に行ったんだけど、
いざ会社に帰って確認したらその出来栄えがひどすぎて、
もう一回撮り直しに行ったことがある。
素人だからさ。
もう一回作ってもらったってことですね。
そう、もう一回作ってもらって、もう一回食べてた。
それ経費で出たの?
お店のご行為でやってもらった。
美味しいお店だったからラッキーって感じだけど。
ちょっと話差し込んじゃうけど、
お店のご行為でっていうのも実は本当に嫌だったんだよね。
取材依頼をするときに予算がないから、
お料理の代金は勉強させてくださいみたいなことを言えって言われてたんだよ。
そう、そう。
言われた通りに取材依頼をするときに勉強させてくださいって言ったんだけど、
お店の人からははっきり言ってくださいって言われて、
出せないんだから出せないんだから出せない。
出せませんでした。
断られることもあったね。
払ってくださいって。
あれがね、本当ちょっと申し訳なさすぎて。
言いたくなかった。
やっぱり払うべきだろうなって思うし、
今は結構たぶん払うのが当たり前になってきてるような気はするんだけど、
あの当時はね、
その会社だけだったのかもしれないけど、
感じにはなってて、ちょっと心苦しかったなっていうのがあるね。
そう、すべてにおいてね、経費がなかったからね。
なかったですね。
低予算での書籍制作と監修者探し
なんかあの私、本の監修お願いするときに、
1冊2万円でやってくれるところを探さなきゃいけなくて、
結構あの100円ショップの本で、
一気に35冊ぐらい作らなきゃいけなくて、
で、なんかそれも、なんかジャンルがすごい色々あったんだけど、
なんかもう電話帳で売れてなさそうな感じの人を見つけて、
2万円で引き受けてくれそうな人をすごい必死で探した気がする。
電話帳もね、今もないですもんね。
確かに電話帳ね。
そう、電話帳から探して、名前の雰囲気でこの人いけるかなみたいな。
2万円でお願いしますって。
顔もね、店の雰囲気とかもわかんないわけですもんね、それね。
そうそうそうそう。
インターネットでどんな雰囲気の店かとかはわかるけど。
よくやってたよね。
すごいですよね。
よくやってたよね。もうとにかく受けてくれればいいみたいな。
一応ね、宣伝にはなるんですよね、本の監修になれば。
そう、そういう風に思ってくれればいいんだけど。
うん。
2万円はでも安いな。
うん。
あ、でもページ数少なかったのか。
小さい本ですよね、確かね。
そう。でもね、料理の先生だったらその食材費も持ってもらってるから。
それも入るんだ。
そうか。
そうそうそうそう。
それがちょっとね、足出ちゃうかもしれない。
ご好意に甘えてばかりで。
ポジフィルムの現像と選定作業
ちょっとなんか話が戦後しちゃうけど、なんかポジフィルムって僕初めて会社に入ってから見たんですよね。
うん。
それまでネガっていうね、なんかちょっと。
うんうんうん。
具がついてないフィルムしか見てないことなくて、カラーのフィルムなんですよね。
うん。
しかもそれを現像に出して上がってくると、もうずっと連なっている形で出てくるんですよね、フィルムが。
それを切り出すっていう作業をしなきゃいけなくて。
それ結構、僕はなんか深夜に回すことが多かったですね。昼間はなんか別の作業をして。
うんうん。
深夜とか止まり込んで、まあそろそろやるかっていうので、ポジフィルム出して。
そのライトが、ライトボックスっていうんですかね、そこに載せてルーペっていう虫眼鏡みたいなので拡大してみて、ピントが合ってるかとか明るさが正しいかとかにそうやって見ていき、これが一番いい写真だなっていうのを選んで切っていくと。
それで選ぶんですね。そうやって写真を選ばなきゃいけなかったんですよね、その時。
うんうんうん。
その時まだね、喫煙だったんですよね。で、タバコ吸いながらやってて、まあほんと新人の頃だったんで。その時ね、ちょうど帰ってきた先輩から、おい何やってんだって怒られて。
確かにフィルムだから、火の粉とかが付いちゃったらもうフィルム燃えちゃうからね。今からかなりそうだよなと思うんだけど、普通にタバコ吸いながらこうやってて、いやすげえ怒られたなっていうのをなんかちょっと思い出しましたね、今ね。
タバコ吸いながら作業することも今はないし、フィルムも今じゃないし。
ないね。
いろいろなくなってますけどね。
ルーペもないよ、ルーペも。
なんかさ、ここの写真の範囲を使うみたいなのをダーマとっていう鉛筆で指定してなかったっけ?
したした。ダーマとグラフィックって言うんだよね、あれね。
ああ、そうだそうだ。袋の上からここの範囲を使うって指示してたんだっけ?
その写真、ポジフィルムを1枚切り出して、透明なビニール袋の中に入れて、その上から写真の枠を描いて、その中のこの部分を切り取るみたいな、そういう指示をしてたよね。
今だったらどんな感じ?
トレースコープを使ったトリミング指示
今だったらフォトショップで切る。
自分で。
データですもんね、パソコン上で全部名前つけて指示しておしまいですよね。
あ、指示するんだ、そこは。自分でやるわけじゃなくて。
どこにどの写真が入るかっていうのを指示して。
今、トリミングって言葉が出てきて思い出したんですけど、トリミングする機会がありましたよね、その時。
ぐるぐる回してたよね。
あったあったあった。
なかなか見たことない人に説明するの結構難しいと思うんですけど、トレースコープってみんなが言ってた、正式名称がトレーススコープっていうらしいんですけど、
サイズ感としては電話ボックスみたいな。
カーテンがあって入ると暗闇があってガラスの台があり、そのちょっと下にまた台があるんですよね。
下の台にポジフィルムとかを入れてスイッチを押すと明かりがついて、上のガラス台から見えるんですよね。
左右にハンドルがついてて、どっちか回すと拡大していくんですよね。写真がどんどん大きくなったり小さくなったりする。
もう片方にもハンドルがあって、そっちはピントを合わせる。
それを両方左右を合わせてピントが合いながら、しかも自分の理想のサイズにして、そこにトレーシングペーパーを置いて、こういう形で写真が入りますっていうのを鉛筆で書いて、それで指示してたんですね、イメージをね。
一個の写真のフリーミングとかサイズとか、こういうイメージで入れたいっていうのを指示するのに、そこまででっかい機械を使って一枚一枚指示してたっていうのが、ちょっと今となっては信じられない感じですよね。
確かにね。フォトショーで今終わっちゃうのに、あの当時はあんなどでかいフォーチを使って指示を入れて、それを印刷所に渡すみたいなことをしなきゃいけなかったっていう手間は手間だよなとね。
いい時代になったもんだ、今は。
そうですね。ちょっと今、もう一回やってみたいですけどね。
もうないよね。
見ることすらなくなってますね。
ないよね。
パンフレット写真の流用とフィルムの使い回し
写真で言えばさ、我々作ってたのってガイドブックだったりとかムックみたいなのでさ、予算がないから取材とか地方に行けずに観光協会とかからパンフレットを送ってもらって、パンフレットの写真をそのまま印刷所に渡して本にしたっていうのはあったよね。
ありましたね。
妙にボケボケの写真がね。
粒子がね。
そうそうそう。
よくやった。
最高の手段ですけどね。基本はポジ借りたり、紙焼きとか借りるけど、どうしてもないからパンフレットでやったときはもうそれ切り取ったりしながらやってましたね。
ね。
当時もね、ポジの貸し出しとかもすごいなってよくやってたな、観光協会も。
あとデュープ、デュープ撮ってたよね、デュープ。
デュープね、デュープ。
デュープって元々のポジあるじゃない?あれを同じように複製するのよ。
やってたねー。
ポジがもう一つできるんだけど、それはカメラ屋とかに頼まないといけない。
デュープを撮ってそのデュープで使い回しでいろいろな本を使い回してたなと思って。
なるほど。
借りたほうが返却するってことですよね。返却してデュープして、その後も紹介することがあればその写真ずっとポジをずっと使い回すみたいなイメージですよね。
だから続けて使うような時は観光協会とかに経済許可みたいなのはするんだけど、
お写真は前回借りたんでそれを使わせてもらいますね、みたいなことを言ってた覚えがあるね。
結構いろいろ古い話が出てくるけど、そんなところかな。
次回予告:嫌いだった編集作業
なんかあったかな、他に。
嫌いだった作業?
嫌いだった作業を全く話してないんだよね。
嫌いだった作業は結構みんなあるんだよね、分かんないけど。
じゃあ次回その話をしてみましょうかね、嫌いだった作業ね。
嫌いだった作業は嫌いだった作業で盛り上がりそうだなと。
そうですね。こっちの方があるよね、好きよりもね。
ということで今回はそんなところで一旦終わりにして、
次回あんまり好きじゃない嫌いだった編集作業の話をしましょう。
ということで、今日も枯れない気がするではご感想などのお便りを受け付けております。
概要欄に記載のフォームから感想などをお寄せください。
ということで今回は以上です。
お疲れ様でした。
お疲れ様でした。
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