「今日も帰れない気がする」——2000年代前半、渋谷区の編集プロダクション「マガジントップ」で共に働いた4人が、当時の記憶を掘り起こすポッドキャスト。
前々回、前回に引き続き「あの頃の編集作業」をテーマに語りますが、今回は「実はあまり好きじゃなかった作業」について。
人見知りなのに命じられた商店街への「飛び込み取材」で味わった塩対応のトラウマ、終わりの見えない校正作業と、印刷所に詰め込んで行う「出張校正」の独特な緊張感……。
そして、締め切り間際になっても写真が届かない絶望的な状況から生まれた、マガジントップ独自の専門用語(?)「スーパーキャプション」の奥深い世界。どんな写真が来ても成立させてしまう、魔法のようなフレーズの数々を例を挙げて検証します。
今だから笑って話せる、泥臭くてクリエイティブな「あの頃」のエピソードをお楽しみください。
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サマリー
2000年代前半、編集プロダクションで働いていた4人が、当時あまり好きではなかった編集作業について語るポッドキャスト。人見知りなのに商店街への飛び込み取材でトラウマを負ったり、終わりの見えない校正作業や印刷所での出張校正の緊張感、締め切り間際の写真不足から生まれた「スーパーキャプション」の奥深い世界について、泥臭くもクリエイティブだった当時のエピソードを振り返る。
「好きではなかった編集作業」を振り返る
前回まで、あの頃の編集作業というようなことで、こんな作業が思い出に残ったかとか、こんな作業が好きだったとか、いろいろ話をしてきたけど、結構なんか盛り上がった感じがするんで、また続けて編集作業の話をしたいなと思っています。
ということで、どうもお疲れ様です。富江です。大塚です。野口です。秀島です。はい、今日も帰れない気がする。この番組は、2000年代から編集者として活動してきた4人が、過去の編集の仕事や出来事を振り返りつつ、最近気になっていることなどを語っていく番組です。
はい、ということで、いろんな編集作業について思いで語ってきたわけですけど、ちょっと嫌いな編集作業、あんまり好きじゃなかった編集作業っていうテーマで今回お話ししていきたいなと思ったりしてるんですけど、
取材嫌いと飛び込み取材のトラウマ
自分はね、基本、人と話すのが好きじゃないんだよね。なので、取材が実は結構嫌いだったんだよね。本当に取材嫌いなのよ。
で、普通に取材の依頼をして、何時に行きますって言って、こういうことを聞きますと伝えた上で、やる取材はまだ比較的良いんだけど、一回ね、初めての取材の時だったんだけど、
先頭の企画だったんだよね。先頭の企画で、先頭に取材に行くんだけど、その先頭の周辺の街並みとかを取材するっていうのもあって、
商店街があったんだよね、ある先頭の近くに。商店街に飛び込みで話を聞けっていうふうに指示が出されていて。
結構大変だなって。
で、これどこまで言っていいのかわかんないけど、新聞社の発行している雑誌だったの、今回。なので〇〇新聞社の〇〇っていう雑誌なんですけど、ちょっとお話聞かせてくれませんかみたいなことで入っていくんだよね、お店とかに。
で、とあるお店にこんな感じで入ってたわけよ。ほんと一発目ね。初めての取材の一発目。それが取材。
で、当時一緒にやっぱり不安だったのか先輩もついてきてくれたんだけど、とりあえず一人でまずやってみろということで、自分が何のお店だったか忘れたけど、
〇〇新聞社のって言ったところで、お店の人が新聞なんかいらねーよって。
そっちは営業だと思っちゃったわけですね。
そう。新聞の関与だと思われちゃって。その時点で、こっちがなんとか取り繕おうとしてるんだけど、もう完全にお店の人が聞く感じじゃなかったんで、一緒に行った先輩がもういいよ、もういいよって。
それで次のお店に入ったっていうような思い出もあって。
そもそも人と話すの嫌いなのに、最初一発目からそういう取材だったんで。
心折れるね。
嫌いになったねますますね。
っていうのが自分の嫌いな編集作業だったりするんだけど、どう?みんな他あった?
校正作業の苦痛と出張校正の緊張感
野口くんある?
僕は圧倒的に嫌いだったのが構成ですよね。
構成っていうのは、本の作る作業としてはですね、取材終わってデザインが終わった後の紙面の内容が正しいかどうかっていうのを読んで、誤字脱字がないかとか文章おかしくないかとかチェックしていくんですよね。
まず一番最初にやるのは書講って言うんですけど、そこはまだいいんですよね。
その後に最高とか年功とかがあったりするんですけど、次の段階になると最初に読んだことある内容だし、読む前に赤字の付き合わせっていうのがあるんですよね。
最初の書講でみんなが3人ぐらいが見た赤字がいっぱい入ってるやつが正しく直ってるかどうかっていうのをちゃんと一個一個チェックしなきゃいけなくて、それが苦痛でしょうがないっていうか、本当に赤字入ってるんですよ。
なんでこんなに入ってるのかっていうぐらい。
そういう中で一個一個チェックしていったり、同じ内容の文章を何回も読んだりとか、その作業がもうちょっとたまらなく、いまだにちょっとあんまり好きではないですよね、構成作業。
特につらかったなっていうのが、1回だけ経験したことあるんですけど、出張構成っていうのがあったんですよ。
本当に本を作るのギリギリで間に合わないってなったときに、印刷所に出張して、そこの会議室で最後の構成をするっていう作業なんですけど、
印刷所も完全にアウェーな空気だし、ちょっとウェルカムじゃない空気があるんですよね、こんなに押しやがってみたいな。
下手したら印刷所の人たちもそのせいで結構残業させられて、帰れなくなってんだぞみたいな。
最後、よそ様の会議室で構成見て、しかも絶対間違っちゃいけないわけなんですよね、そこで。
ギリギリ感とか緊張感というか、リラックスもできないから集中もできないし、出張構成は構成の中で特に嫌でしたね。
取材の質問作成の苦手意識
いや、ありますか、嫌いな作業。
大塚くんとか結構あるんじゃないの?
嫌いな作業っていうか苦手な作業でもあったんだけど、取材の質問を考えるのが苦手で。
時々FAQsで取材をするときがあったでしょ。苦手なものだから、たくさん考えちゃうのよ、質問を。
これごめんなさいな話なんだけど、その質問のFAQsが3枚ぐらいになったときがあって。
多いね。
長いね。
相手が居酒屋で、バカだから本当ごめんなさいだけど営業時間に送っちゃって、3枚のFAQsを。
その3枚のFAQsが流れる間、居酒屋の方がレジで固まっちゃって仕事ができなくなっちゃって。
確かにそのときにクレジットカードの掲載とFAQsが紐づいていてとかそんな話だったと思うんだけど。
怒らせちゃいました。
そうだよね。お店の営業の邪魔してることになってるわけだもんね、それね。
ちょっと考えたらわかる話なんだけど。
でもわかんないんじゃない?営業時間。
電話はしちゃダメだけどね。FAQsはもうオッケーじゃないと思っちゃわなくもないですけどね。
そうだね。その当時ってFAQsと電話が一体になってるやつもあったっちゃあったね。
あったよね。
そうだよね。FAQsが別になってればそこまで営業時間中に送っても影響はないかもしれないけど、
店によっては結構な迷惑になっちゃうときがあったということだよね、普段ね。
そのときのFAQs多分遅かったと思うんだ。
うんうん。寒熱しでね。
そうそう。ゆっくり3枚も。
ジジッジジってね。
嘘?
ほんとごめんなさい。もう謝りたい。いまだに。
「スーパーキャプション」誕生秘話
取材も嫌いだったんだけど、野口くんが公正嫌いって言ってたような話もわかんなくもないんだよね。
自分は比較的公正って好きなのよ。
ただ文字を眺めてるだけっていうのが、別に嫌いじゃなくて。
言ってみれば、我々が取材して原稿を書いて、それが初めて形になるのが公正のときじゃない?見た目として。
だからそれはそれで嫌いじゃなかったんだけど、やっぱり辛かったのは、
まだ公正紙、ゲラになった段階でも要素が足りてないときがあるわけだよね。
取材が間に合ってなかったりとか、
これ前回も話したけど、観光協会に写真を請求してたのに、まだ送られてきてない。届いてない。
でも締め切りは迫っている。っていうようなときだよね。
そういうときって、公正紙、ゲラには写真のスペースだけ空いていて、
しかもそこにどんな写真が入るかも一切わからないっていうような状態があったりすると。
これが結構辛くて、できるだけもう締め切り迫ってるから、
例えばキャプションね。写真の説明のことをキャプションって言うんだけど、
キャプションをできるだけ先に入れておきたい。
でも写真がないから誰が来るかわからない。
こういうときにどんな写真が来ても耐えられるスーパーキャプションっていうのを作るっていう。
これが結構考えなきゃいけない。
スーパーキャプション。
スーパーキャプションっていう会社だけのローカルな用語だと思うんだけど、おそらく。
おそらくそうですよね。
自分が入社して初めて教わった編集用語、編集用語じゃないと思うんだけど、
専門用語がこのスーパーキャプションで、
その当時自分より1年くらい先輩の、水嶋さんと同じくらいの、あれだよね。
前川さん。
同い年で、そうです。
前川さんっていう1年くらい入った先輩が、
こういうときに使うこれをスーパーキャプションと呼びますって、
ドヤ顔で言ってたのを思い出して。
ドヤ顔でね。
で、そういうふうにね、スーパーキャプションを書く、書かなきゃいけないときって、
ほんと切羽詰まってるんで大変なんだけど、やらないといけないっていう意味で大変だったなと。
スーパーキャプションの具体例と考察
そうそうそう。
水嶋さんも作ってたでしょ、こういうスーパーキャプション。
もうね、ほんとに追い込まれたときに、スーパーキャプションを作ることになるんだけれども、
つまりは万能なキャッチコピーっていうこと。
だから、なんかこう、全ての、どんなビジュアルのものが来ても、
それを全て包み込むような、ふんわりとした内容のものなんだけど、
野口くん、そのスーパーキャプションの例をお願いします。
そうですね、スーパーキャプションだけ聞いてもわからないと思うんで、
一応ちょっと例としてですね、スーパーキャプションこういうもんだよっていうのをちょっと作ってきました。
おそらくですね、前川さんはこういう感じで作ってたなっていうのを思い出しながら作ったんですけど、
例えばね、宿の本ですよね。
宿の本だと、料理とか建物の内側とか外側とかお風呂とか庭とか、
例えばおかみさんとかの人はですね、そのどの写真が来るかわかんない。
どの写真が来ても、何が来ても致命傷にならないくらいの、ぼんやりしつつ、
だけど当てはまるっていうキャプションじゃないと成立しないんですよね。
ある意味クリエイティブだね、これ。
クリエイティブだよ。
クリエイティブなんだけど、出来上がったものはそこまでよくもないんですよね。
それだけ単体で見ると、そこがちょっとポイントなんですけど、
例えばですね、四季折々の風情を感じるっていうキャプションですよね。
これだと四季折々の風情を感じる。料理が来ても建物でもお風呂でも庭でも行けるんですよ。
ただこれだと、人が来ると四季折々の風情を感じる。
人の写真だとちょっと微妙だし、しかも風情とかっていう言葉を使っちゃうと、
ペンションだと使えないんですよ、このキャプションは。
だから完全なスーパーではないんですよね。
ちょいスーパーぐらいなんですね、これは。これでも大体行けるんですけど。
もっとスーパーなのは何だろうなと思って考えてみたのが、
例えば心なごむひとときを演出してくれる。
これだと料理でも建物でもお風呂でも庭でも、人が何をやっても大丈夫なんですよ。
心なごむひとときを演出してくれる。
人でもいけるの、これ。演出してくれる。
その人が演出してくれるっていう。
おかみさんだったりね。
それぞれ、各それぞれ見ると100点ではないんだけど、70から80点ぐらいまでいってる。
合格点を取れればいいという考えのもとにね。
しかもこのキャプションは旅館もペンションも行けるっていう。
何が来ても本当に行けるぞっていう感じですよね。
犬が来ても下手したらいけるですよね。
心なごむひとときを演出してくれる。
犬が。
かなりスーパーなキャプション。
これはクリエイティブだよ。
クリエイティブですよね。天才がいたんですよね、前川さんっていうね。
天才でしたね。
はい、天才でした。
スーパーキャプション大会への意欲
スーパーキャプション。
一番上手だったよね。やっぱり前川さんのスーパーキャプションが一番スーパーでしたよ。
スーパーですよね。
これスーパーキャプション大会とかやりたいよね。
やりたいですね。
ジャンルとか無しでね。旅館とか無しで。
ライブの台本をしているキャプションとかあったらそれも本当にスーパーですよね。
何だったら万物の全てを表せるんだろうみたいな、なんかちょっとすごい理学的な話になっちゃいますけど。
これちょっと我々もいつかやりたいね、このスーパーキャプション大会を。
なかなかね。
誰が一番クリエイティビティを出したスーパーキャプションを作れるかって。
ぜひちょっとやりたいですね。
でもそれはやっぱり新内に登場してもらいたいよね。
そうですね。やっぱりね、ゲストで。
ここで極意を学んだ上でスーパーキャプション大会をやるっていう。
それを今後の楽しみとして持っておきたいなと思います。
まとめと今後の展望
はい。
ってことで、編集プロダクションのあの頃の編集作業ってことで3回ぐらいに渡ってお話してきましたけど。
結構盛り上がったなっていう感じで。
なかなか個人的には楽しかったです。
聞いてる人楽しかったのかどうかわかんないけれども、過去を思い出せてよかったなと思っています。
今日も帰れない気がするでは、ご感想などのお便りを受け付けております。
概要欄に記載の方から感想などを寄せください。
ということで今回は以上になります。
お疲れ様でした。
お疲れ様でした。
17:26
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