ちょっと今回は、杉義晴の代名詞と言ってもいい、
漫画ガロについてお話ししていこうかなと思うんですけど、
どうです?ガロって知ってます?
ガロはね、名前だけ知ってますね。
なんかアングラな漫画雑誌みたいなイメージがあるんですけど、
ただ何がそこに書かれていたのかわからない。
結構伝説的なっていうか、カルト的なファンがいるイメージがありますけども。
もうその通りなんですけど、
漫画雑誌ですね、ガロって。
ガロ系っていう言葉があるように、
ガロに乗ってた漫画家たちとか、
だいたいそういう雰囲気の漫画のことをガロ系って言うんですよね。
全くガロっていう言葉を知らない人、
聞いたことがない人に向けて一言で説明するなら、
60年代に発生したっていうか、
60年代から始まった漫画雑誌、
月刊漫画ガロっていう雑誌ですね。
さっき言ったように、漫画界のオルタナティブ、
アンダーグラウンド。
よくサブカルの代表として取り上げられるっていうところですね。
他の商業紙、ジャンプとかチャンピオンとかでは、
載せられないような漫画を載せるために作られた雑誌なんですよね。
もともとそういうコンセプトなの?
そういうコンセプトです。
三浦淳とかは結構名前知ってる人多いかなと思うんですけど。
三浦淳さんの自伝的なものを読んでるときにガロが出てきたんです。
それで知ってるって感じです。
知らないってことですね、ほぼ。
名前だけ知ってるみたいな。
安財さんはどんなのかな。
たもりクラブの空耳アワーで、
たもりさんの横にいた人、安財はじめさん。
もうたぶんガロ出身というか、
あの辺の空気感がガロなんですよ。
なるほどね。
三浦淳曰く、
世の中の漫画はガロ系とそれ以外に分けられるっていうぐらい。
雑だね。
違うものなんですよね。
なるほど。
日本は漫画大国って言われてますけれども、
結構知らない人も多い、そんな世界をちょっと今回詳しく説明できたらなと思います。
ガロから出てきた作家とか作品とかって、
めちゃくちゃ日本の漫画界に影響、
漫画の表現というところに影響を与えてるんですけど。
こんな感じで。
ガロの始まりですね。
ガロ創刊の背景なんですけど、
創刊が1964年、東京オリンピックの年ですね。
前回の。前々回。
この時代って、いわゆる学生運動とか安保闘争とかの時代で、
体制への抵抗がちょっと流行りみたいな。
抵抗すること自体が流行りみたいな時代感の中で生まれた雑誌なんですよね。
なので、このガロを読む若者っていうのは、
政治的とか思想が結構意識が高い読者層だったそうです。
なるほど。尖った人が読む漫画雑誌。
直接的な創刊の背景はですね、
漫画家の白人三平さんっていう、白人三平先生がいるんですよね。
この人はカムイデンっていう忍者ものの漫画を書いて書くんですけど、
これを載せるために、ガロの編集長になる編集者の長井さんっていう人がいて、
その人と一緒に雑誌を作ったっていうのが始まって。
そうなんだ。面白いね。自分の作品を載せようとしたんだ。
そうそう。自分の作品を載せるための雑誌を作ったっていう。
プラットフォームから作ったっていうことですね。
このカムイデンっていう漫画はですね、忍者ものなんですけど、
結構、非差別とか階級闘争とかを主題にした漫画なので。
そんなんだったんだ。小学校の時にね、図書室でカムイデンをパラパラ読みした記憶があるんですけど。
だから絵とかわかるんだけど、何のストーリーも覚えてない。そんな話だったんだ。
そうそう。結構商業紙では扱いにくい内容だったですね。当時ですね。
っていう感じで、そういう安保闘争の中、ガローは誕生したっていうところで。
それまでの漫画ですね。1950年代の漫画はですね、いわゆる貸本っていう形で漫画って流通してたんですよね。
そうなんだ。
店に売られてるわけじゃなくて借りてくるもの。レンタルビデオみたいな感じですよね。
え、貸本屋さんがあったってこと?
そうですそうです。貸本屋があって、そこで借りるものだったんですよ、漫画っていうのは。
なので、結局販売になっても同じ話だと思うんですけど、部数とか回転率とか、そういうものが優先されるので。
作家の表現とかより、流通を優先する傾向が今よりも強かったらしいんですよね。
で、同時代の漫画としてはマガジンとかサンデーとかがもうすでにあったんですけど。
あ、その中にんだ。
売り上げとか読者アンケートとか、そういうのを優先するのに対して、ガロは保存させるとか収集させる漫画雑誌を作ろうとしたんですよね。
これ今でこそそうなってるじゃないですか。
うん。
そういう思想をまず作った。
あとは作家が主導できる制作環境を整えた。
作家が描きたいものを最後まで描かせるっていう。
読者アンケートとかで内容を途中で変えるんじゃなくて、ずっと自分が作りたいものを作らせるっていうところを重要視した。
なるほどね。
なので、原稿料とかは確かほぼ出てない。
載せる代わりにただみたいな感じだったらしい。
なるほど。
というのがガロの誕生ですね。
分かってるね。
なんか我々はバンドをこれまでしてきて、なんとなく空気感が分かると思うんですよ。ガロ。
メジャーを目指してる人たちと地下のライブハウスでやってる人たちの温度感の違いがあるよね。
福岡にもそういうシーンがあったじゃないですか。ガロみたいな。
ガロ系かそれ以外かみたいな感じだったよね。
デカタン、デラックスとか。
絶頂点かそれ以外かみたいなね。
でもあの空気と思えば正しいと思います。
確かに。
そんなガロが生んだ作家たちなんですけれども、
さっき挙がった白人三平先生ですね。
カムイデンのほかに水木しげるもですね。
そうなんだ。
水木しげるは歌詞本出身で、もともとそういう鬼太郎とか、墓場の鬼太郎とかですね。
は書いてたんですけど、ガロに載せるってなった時に、鬼太郎夜話っていう、夜の話。
鬼太郎夜話っていうタイトルで、歌詞本時代の鬼太郎のリメイクを、セルフリメイクを書くんですけど、
こっちのほうが結構、なんていうんですかね、暗いというか重い話をガロで書き始める。
他、有名どこで言うとですね、林聖一先生っていうイラストの人がいるんですけど、
ロッテのコウメちゃんのイラストを書いてる人。
そういうCMというかメジャーどこの人も出身だったり、
あと、自分が好きなのは丸大須英博先生なんですけど、
丸大須英博はですね、少女椿っていうのが代表作で、
エログローナンセンスの美学をそのまま漫画に持ってきた人なんですよね。
江戸川乱歩的な世界観を漫画にした人で、
実際に絵を見たほうが、あってなる。
漫画はね確かに、絵も見ると。
ああ、こういう感じね。
こういう感じです。こういう。
すごいね、これは。
すごい世界観ですね。
うん、世界観。
これはすごい。
芋虫もですね、江戸川乱歩原作の芋虫とかも書いてますと。
漫画にしてるんだ。これはすごいね。
で、そのエログローナンセンスってどういうものか知らない人もいると思うので、
ちょっと軽く説明すると、
大正末期から昭和初期ぐらいに流行した美学というか、
ムーブメントというか、流行したもので、
エロ観音的なものと、
グロい猟奇的なものと、
ナンセンス、不条理、霊性とか、
そういうのがぐちゃぐちゃになったようなものというのがありましてですね。
江戸川乱歩とか、ゆめの、なんだっけ。
旧作か。
旧作。
とかの系譜ですね。
だんだん戦争が始まって、軍国主義になっていって、消滅した文化。
なるほど。
で、そこを復活させたのが、露水博という感じですね。
で、あとはですね、作家ですね。
花輪一一っていう先生がいまして、
この人、刑務所の中っていう漫画を書いてるんですけど、
その刑務所の中をリアルに描くっていうやつとか、
猟奇的な、猟奇系、グロ系漫画の人、花輪一一。
で、あとはね、山野一先生。
これ、ドブサライ劇場というのを書いてるんですけど、
貧困とか社会からの遭害を題材にしてる作品。
これがガロに初めて接続したのは、山野初めかもしれない。
へー、そうなんだ。髭が長いですね。
なんか、ホラーみたいな用紙じゃん。
あー、まあ、うーん、なんかこういう。
まあでも、絵はそこまであれか。
なんかね。
トップな感じするけどね、絵は。
あ、こういう。
まあ、なんかひどい話です。
ひどい話。
じゃあ、そうだな。
落ちる系ですか?
落ちる系ですね、山野一。
あと、ポップで有名なのは猫汁ですね。猫汁うどん。
猫汁?
猫汁。
これ、山野一の奥さんなんですけど、
一見かわいい猫のキャラクターなんですけど、すごい暴力的。
へー。
暴力なやつ。
猫汁。
あ、でもこの猫見たことあるぞ。
あとは三浦潤ですね、さっき出た。
あと恵比寿さん。
あ、恵比寿さんもそうだね、カローっていうイメージがあるね。
あとですね、意外なところだと、内田俊輝さんって書いて、
南くんの恋人って知ってます?
ドラマあったでしょ。
あれの漫画、もうガロなんですよね。
へー。
俺これ、今回調べて初めて知ったんですけど、
南くんの恋人の最終回って結構エグいらしくて。
あ、そうなんだ。
南くんの恋人はあれですよね。
そもそもどういう話なんですか?
そもそも南くんっていう高校生ですかね、中学生ですかね、
その男の子がいて、女の子がちっちゃくなるんですよね、確か。
サイズが?
サイズが。
で、ポケットに入れたり、テーブル、机で買ったりというか、同棲生活。
で、ドラマ化してるぐらいだから、結構キュンキュンする感じのラブコメ系だとは思うんですけど、
最終回は南くんがこけるかなんかして、
ポケットに入れた女の子が潰されて死ぬっていう。
第1話ぐらいで起こりそうなやつですね。
そんな簡単に、そんなので終わるの?
それで終わりらしくて。
キュンキュンを思いっきし全力で盛り上げた結果、最後ペシャって終わらせるみたいな。
それはいいですね。
ガロっぽいな、話聞いてガロっぽいな、そんな感じの雑誌ですね。
盛り上げる時は盛り上げといて。
ここでさっき出たですね、丸尾末広と花輪和一っていう名前からですね、
気づいた人がいるかもしれないですけどね、桜桃子さんですね。
ちびまる子ちゃんに、丸尾くんと花輪くんといいますね。
はい、いますね。
ここから撮ってるらしい。
そうなんだ。
桜桃子もガロ出身ではないですけど、ガロがすごい好きで。
そうなんだね。
ガロ出身の読者だったそうです。
あとは不法があった杉義晴先生ですね。
エッセイみたいなやつは。
そうですか、杉義晴の作品とかも読んだことあるんですか。
何作か読んだことあるんですけど、やっぱり、ね、自識からかなっていうところですかね。
初心者は。
自識読んで何なんだこれは、ってなって次に行くのがいいと思います。
そんなガロなんですけれども、さっき挙げた商業紙、マガジンとかチャンピオンとかって今もあるじゃないですか。
ガロはですね、なくなっちゃうんですよね。
というのがですね、90年代に編集長の永井さん、創設した人ですね。
がなくなって、その後、編集の方針をめぐって結構内部分裂したらしくて。
その時にもう主要な作家たちがみんな離れてったらしいんですよ。
そう、内部分裂と同時に。
内部分裂によって。
で、その後、救済したり、オンラインでやったりとか、いろいろして。
オンラインに手をつけたっていうのは結構新しかった。
97年、8年とか、Windowsが出てすぐぐらいにオンラインに手を出したりはしてたんですけど、2002年にもう完全に休刊っていう形になりましたね。
ただ、なんていうんですかね、生徒後継雑誌みたいな、内部分裂で残った人たちがやった漫画は今もアックスっていうやつがありはするんですけど、ほぼ知らないですよね。
アックス知らないですね。
俺も知らなかったです。そういう後継雑誌は今もあるらしいっていう。
へー。
やっぱ尖ったものをね、創業者が辞めた後も続けるってちょっと難しいよね。
難しいんでしょうね。
そういう思想とかがどんどん変わって、時代の変化もありますしね。
で、そういうガロがですね、残したものというか、現代に続くものとしてですね。
インターネットの普及で、結局そういう誰でも書いて発表ができる場所がもう整っちゃったので、ガロが担ってたその、うちで書いて出していいよっていうのは必要とされなくなってきたところもあると思うんですよね。
ただ、いまだにそういうガロ的とかガロ風とかガロっぽいよね、みたいな形容詞として生き続けてて。
結構今の漫画家の中でも、この人ガロっぽいなっていうのはちょくちょくいるんですよね。
自分がよく感じるのは、『おしみしゅうぞう』で、今度ドラマ化もされるんですけど、『悪の花』。
あー、なんか聞いたことありますよ、『悪の花』。
血の輪立ちとかを書いてる人とかはすごいガロっぽいなとか。
『おしみしゅうぞう』の絵は、丸大末広みたいな絵も描きますもんね、最近は。
『おしみしゅうぞう』も、なんかこう人間のドロドロした部分を描く作家ですかね。
あと、『あさのいにお』とかも結構その文脈じゃないかなと思うんですけど。
おやすみぷんぷんとか空にとかね。
そういった松本太陽とかもそうかもしれないですね。
ピンポンとか、結婚キンクリートとかですね。
なるほど、名前しかわかんないですよね。
なんかどれも、やっぱりこう、今となっては商業誌で掲載されてるけど、結構暗めな話というかドロドロした話。
てか伊藤潤二ですね。ガロ系なんじゃないかなと思いますけどね。
ナンセンスなところ。エロもありグロもありナンセンスもあるから。
実際は違うんですか?ガロ中心じゃないですか?
違うんですよね。たぶんちょうど入れ替わりぐらいなんじゃないですかね、ガロが終わったのと。
今回そのガロについて調べてるときに、ガロ系のガロというジャンルを
さっきあった山野はじめ先生が解説してるのがあって、
山野はじめ曰く、あまりにも私的で得意な題材を全面に打ち出しているため、
ほとんど全ての日本国民から無視、黙殺、拒絶され、職業として成り立ち得ないまでにマイナーな漫画の一ジャンルと言われた。
いいですね。
なるほどって。
分かりやすい。
ガロの直系の漫画、アックスが目立ってないから、
たぶんガロ系譜の漫画家、直の漫画家はあんまり目立ってないかなと思ったんですよね。
アックスも見てみたんですけど、全然知らない人ばっかりで。
読んでみたいなと思ったんですけど。
ただそういう別の枝に、さっき言ったような、おしめ修造とか松本太陽とかがいるので、
血は受け継がれてるんじゃないかな、という感じですね。
そういうことってあるよね。
それ自体が続いていかなくても、すごい後世に影響を与えてるみたいなね。