季節の変化を感じる
田村
コース管理の現場。この番組は、トーナメントコースをはじめ、数々のコースを渡り歩いた元キーパーの畑さんと、事務員の私、田村が、コース管理の現場で見えることを、いろいろと語る番組です。
畑
よろしくお願いします。
田村
よろしくお願いします。
畑
今日はどうしますか。
田村
もうすぐ3月になります。
畑
ちょうど少し暖かく感じる3月やね。二十四節季かな。暦があるよね。あれで、2月の19日ぐらいが、多分、雨水って言われる。
田村
雨。
畑
雨の水って書いた時期になるよね。暦上ね。雪が雨に変わって、みたいな。そこから、だいたい15日。
それで、だいたい次が、3月の5日が、啓蟄って言われる時期になるよね。啓蟄っていうのは、農耕の始まりとか、虫が冬眠から覚めるっていう時期で、
それって何かって言うと、2月の19日を境目に、ぽかぽか陽気が出てくる。三寒四温みたいな形で、寒い日と暖かい日が繰り返し、生まれてくるような時期になってくる。
それを、虫が身体で感じて、動き出してくるっていう時期なんよね、これ。
田村
私さ、去年だか一昨年だか、畑さんがまだこっちにいた時に、庭の雑草がブワッと一気に芽吹いた時があって、そんで畑さんに、いや、なんか庭の雑草がすごいんだよって言ったら、啓蟄ですよって言われたことがあった。
畑
そうそう、まさしく雨水から啓蟄に移りかけていって、春分の日を迎えるみたいな、この辺りがやっぱり春の営みが、そろそろ行われる時期になってくるよね。
田村
ちょうど本当に啓蟄を迎えた次の日とかに、雑草がブワッと来たの。
畑
まあそれはね、全ての雑草が感じ取るわけでもないだろうし、全ての虫があったかくなってきたって感じ取るわけでもないとは思うんだけど、だいたい平均最低気温が5度を上回ってくる、下回ってくるっていうのかな、上回ってくる。
5度以下にはならなくなってくるような時期になってくるっていうことだよね。
田村
私だから啓蟄を迎えるとゴキブリキャップを買い替える。
畑
それはもう啓蟄っていう暦をわかってる証拠ですよ。
田村
虫が起き始めたと思って。
畑
だから虫だけじゃなくって本当に今の話、雑草もそうだし、ものすごく感じるのが敏感な雑草とかね、っていうのはやっぱり動き出してくるよね。
動くって言っても水を吸い出す。水を吸い出すようになると上が活性化してくるから、ちょっと緑が増してくるみたいな感じ。
田村
芝管理が始まるなっていう、啓蟄を迎えると。
畑
けど私たちはこうやって暦で置き換えているから、なんとなく変化を感じるんだけど、一般的にはまずわからない。
田村
まだ寒いからね。
雑草と虫の動き
畑
でね、一番感じることがあって、それは何かっていうと、さっきの話、特定の植物とか青くなってきたり、水をあげ出して枝の色が赤くなってきたり、変化が生まれてくるよね。
それの顕著なのがヤナギとか。
ヤナギの木は本当に2月の15日ぐらいを境目に枝が緑色になってくるもんね。
田村
そうだね、わかるかもしれない。
畑
それからモミジ。モミジの枝も赤みを帯びてくる。
田村
え、なんか畑さん、木の肌触ってさ、水っぽいとか水吸ってないとか、なんか言ってなかったっけ?
畑
あの無機質な冷たさじゃなくて、触った時にね、なんとなくね、冷たさを感じるの。
その本当に、なんか水をあげ出した冷たさ。なんとなくね、丸い丸い冷たさ。
表現難しいんだけど。
田村
わかる人にしかわからない。
畑
そうそう、なんかあの、本当に2月の寒い時って冷たいとしか感じないよね。
固くて冷たい。けどそれがなんか柔らかくて冷たい。
これ芝生も一緒ね。やっぱり水あげをしてない時の芝生って固くて冷たい。
ところが景気質を迎える前後で、少ーし柔らかくなってくる。丸みを感じて柔らかさを感じるようになってくる。
田村
まだみずみずしさみたいなのは出てこない?
畑
いや、みずみずしさを感じる。
田村
感じる?
畑
感じる。ただそのね、4月とか、その光合成を本格的にして、養分を作ってみたいな時ほどではないけど、
手で触って感じるようになってくる。ただ一般的には誰もわからないと思う。
そうだろうなぁと思いながら見るから、そうだから感じるんだろうか。そうじゃないとは思うんだけど、
実際そう思って土の中をサンプリングして取るとやっぱり少ーし発根が始まってる。だからまんざら間違いではない。
田村
そうだね、なんかそういう風になる気もする。
畑
だからまあ本当に楽しみな時期やね、この15日間っていうのは。
なんかいろんな芝生に対して施す更新作業とかね、いうのもまだまだ早い時期ではある。
けども、そこまでは行かないんだけど、芝生の動きが出てきてるな、だから更新作業がいよいよできるな、
っていうこう繋がりが出てくる、想像の中で。
田村
じゃあまだその啓蟄を迎えたからって何か始めるっていうわけではないんだ。
ティのエアレーションとかはやってたりするよね?
畑
まあそれは前もって、その冬の間にちょっと固まった土をほぐしておくっていう意味でもあるんだと思う。
まあいいこともあり悪いこともあるからね。
まだまだ芝生の動きがないから、穴が空いてもそのままの状態でしばらく過ごしていくから、
その中に何かサッチが入ったりね、乾燥が進んだりっていうことがあるから、
絶対いいかっていうとなかなかその辺も難しいけど、
そうやってその時期にあえて更新作業をする人とかっていうのは、
無造作にやる人も中にはいるかもしれないけど、
芝生の動きが出てきたね、やっぱ啓蟄で暦通りになってきたねって感じてる人は、
その気持ちと芝生の感じが繋がってきてるから、
だからこの時期にこれやろうかなとか、
それは完全に頭の中で描けてる人がやってるケースも多い。
田村
なるほど、なるほど、なるほど。
畑
だから本当にね、皆さんゴルフ業界だけじゃなくて農業業界なんかでも、
ちょっと皆さんがザワザワしてくるんじゃないかな。
田村
そう、私もその雑草がブワッて生えてくると、
なんかちょっとワクワクしてくるっていうか、
もう春が来るみたいなワクワクする。
畑
ワクワクして、ワクワクして、次の日に朝起きると、
もう寒すぎて、またがっくりくるみたいな。
田村
お花が咲き始めるでしょ。
畑
そうだね。
田村
だからちょっと楽しい。
畑
楽しいね。匂いも変わってくるよね。
空気の匂いっていうのか、なんかね。
田村
そうだね。
畑
花の匂いとか、いろんな匂いが混ざってくるね。
けど楽しいよ。いよいよっていう感じ。
田村
ミモザが2月の終わりとかね、そこら辺で咲いてくるから。
畑
そうだね。梅が咲いて、白梅、紅梅が咲いて、
管理作業と除草剤
畑
それから移っていくから、
例えばレンギョウが咲いたり、
そういった黄色い花に写ってくるよね。
それから桃とか、それから桜になって、
雪柳が咲いて、
もうワクワクでしかないから。
田村
ワクワクしてくる。
春好き。
畑
そうそうそうそう。
もうそれを見てると、本当に芝生に何かをしてやりたくなってくる。
田村
まだしちゃダメ?
畑
まだしちゃダメ。
いやけど、しちゃダメっていうことではなくて、
分かった上で思い描けてる人はやっぱりするよね。
田村
するとしたら何にする?
畑
あのね、自分はだいたいさっきのコアリングの話じゃないけど、
細い単位、6ミリとか4ミリあたりの穴あけの機械で、
グリーンに通気・通水を図るためにコアリングをする。
またはエアレーションをする。
田村
それは深層じゃなくて表面だけ?
畑
そういうわけじゃない。深層もいいと思うんだけど、
深層すると全体的に動きがあったりするんで、
ひょっとしたらグリーンにマイナスの影響を及ぼしたりする可能性があるので、
その辺はちょっと見極めないとダメだけど、
やれる状況であれば全然深層エアレーションでもOKだと。
で、根がやっぱり動き出す時期になってきてるんで、
やっぱり根が健全に動けるように。
酸素を吸って水も吸える。
しかもある程度柔らかい状況で根がきれいに入っていける。
状況を作ってお膳立てをしてあげる。
っていう私は想像するんで。
だいたい啓蟄を目処にエアレーションする。
田村
まだ発根もそんなにしてないから、
肥料とかは撒かないでしょ?
畑
肥料を撒かないっていった語弊があるんだけど、
それはどういった形態の肥料を、
どう作用させたいか、今の芝生に。
田村
葉っぱから吸えるような肥料だったら撒いてもいいのか。
違う?
畑
逆に砂糖水みたいな薄いお粥さんみたいな。
人間で言ったら、まだまだおはようございますって朝起きてきて、
いきなりガバガバーッと食べられないから、
ちょっと白湯みたいな感じ。
少しお粥を添加させて、
液肥あたりで根っこから吸わしてやる。
発根してきた赤ちゃんの根っこに、
離乳食みたいな感じ。
田村
水飲むんだったらこれ飲んどき、みたいな。
畑
そうそう、ちょっと蜂蜜を入れておいて、
なんかちょっと甘いな、みたいな。
田村
赤ちゃんは蜂蜜食べられません。
畑
そうかそうか。
田村
1歳まではダメです。
畑
だからまぁ、そんな考え。
だから肥料でもその時期はそんな感じかな。
田村
なるほどね。
雑草がブワって出てくるってことは、
じゃあ除草剤はどうなの?
畑
グリーンに関してなんかは、
撒けるもの、撒けないものは当然出てくるんだけど、
ちょうど撒き時期になってくるんじゃないかな。
田村
そうなんだ。3月ぐらい?
畑
3月ぐらいかな。
3月、4月ぐらいはそうなってくるね。
出てきたものを殺す剤を撒くのか、
これから出ようとするものに対して、
抑える剤を撒くのか、
どちらかといえば、
これから出てこようとする発芽・・・
芽を切ってくる雑草を、
事前に抑えるっていう剤を撒くように。
けど比較的、ベントグラスに当たる可能性があるんで、
後来の休眠期に撒く除草剤とは違うんで、
やはりより慎重に撒かないと、
もしベントグラスに当たってしまうと、
除草剤が回復できない時期なんで、
それはよくないから、
グリーンに除草剤を撒くのはよほどやけど、
なかなかしないかな、春先は。
ちゃんとベントグラスが回復力が出て、
生育が旺盛になった時に始めて撒くかな。
田村
もうちょっと先か。
畑
もうちょっと先。
今はいろんな優れた剤が多いから、
私も最近の剤を知らないから何とも言えないけど、
撒けるものも出てきてるかもしれない。
それよりフェアウェイは、
適期に入ってきてるかな、
雑草を抑えるっていう考えで。
田村
それは発芽しないようにする?
畑
発芽前処理剤。
これから種が発芽をして、
初期の段階で枯らしてしまう。
それの層を作る剤が大体主流やね。
今から撒いていくものはね。
今からって3月ぐらいかなね。
田村
せっかく啓蟄きたしワクワクするしさ、
何かやりたいって思っちゃわない?
畑
思うよ。
田村
だってあんまりできることが今聞いてたらさ、
エアレーションぐらいしかなかったからさ。
畑
あの、妄想。
春の芝生管理
田村
妄想?(笑)
畑
今のうちにたっぷり妄想しとく。
そうよ。妄想よ。
あのね、自分もそうだけど、
春の時期って長く感じるんだけど、
ベントグラスを育てていくにあたってね、
期間がやっぱり短いよね。
なんか意味不明かもしれないけど、
1年中ベントグラスって動いてるんだけど、
グリーンを作っていったり、
芝生を健全に育てていくっていう観点からすると、
梅雨時期までに勝負をかけないとダメだね。
田村
そうだよね。
畑
そう思うと、6月1日ぐらいをめどに、
6月の上旬をめどに、
逆算して作業を考えていくよね。
で、その時に逆算していくとね、
どうしても枠に収まらなくなってくるの。
あれもしたい、これもしたい。
そうなると、できるだけ早くやりたくなってくるの。
田村
わかる。
畑
枠に収めたいから。
田村
わかるわかる。
畑
それを考えてると、
3月のちょっとポカポカ陽気になってくると、
もうやれるんじゃない?って、
やれもしないのに考えてしまう。
で、その日に段取りをして、
次の日の朝にさあやろうって言った時に、
朝コースに出て、
愕然とする。
下が降りて、
グリーンが凍って、
カチカチ状態みたいな、
やっぱりダメだな、みたいな感じでやめちゃう。
田村
桜が咲くぐらいまでは我慢しておいた方がいいの?
畑
桜が咲いても、
まだまだ動かない。
あのね、だいたい私の感覚で言うと、
ここ九州はまだつかめてないけど、
九州以外、関西とか関東で言うと、
だいたい4月の20日から、
25日、この5日間ぐらい。
この辺がようやく動いてくる。
田村
めっちゃ短い。
畑
短いっていうのか、20日以降。
田村
でしょ、だって4月の20日からさ、
6月の1日までって言ったら。
畑
そういう短いね。
わかったわかった。
田村
1ヶ月ちょいしかない。
畑
ないのよ。
だから、その動きの緩やかな時にできる作業って、
自分の中でどうやって思い描けるか。
そこから、4月の20日から5月の連休明け、
生育が旺盛になってくる時に、
つなげられる更新作業って、
何があるのかっていうのを、
自分の経験則と植物学的にいろいろ考えたり、
お客さんの入場者数と、
天候等を全部加味してやっていく。
で、結局その計画の、
自分の中で催していくのが大体、
私は3月の5日、
敬日の日を境に催してくる。
で、これが自分の中の体内時計だから、
実際計画するのは去年の11月です。
田村
あれ、グリーンの張り替えとかは、
啓蟄以降でできるでしょ?
4月にならなくて。
畑
張り替えはいつでもできる。
真冬でもできるし。
田村
できるけどさ、
あんまり長く張り替えました、
みたいなの残っててほしくないからさ、
できるだけ春に近い方に張り替えてするじゃない?
グリーンの場合は。
畑
そうそうそうそう。
上の成長と下の成長が見込める時からやるのが、
結局うまく張り替えて、
短い期間の修理地で使うことができる。
田村
お客さんにとってはその方がいいからね。
それは3月の15日とか10日とかでもできる?
まだできない?
畑
5月の連休明けがだいたいベスト。
田村
そうしたらほんとその1ヶ月、
4月の20日から6月1日までの1ヶ月、
めっちゃ忙しくなる。
畑
めっちゃ忙しくなる。
めっちゃ忙しくなる。
田村
やることいっぱいある。
畑
やることいっぱいあるの。
だから緻密に計画をしないと、
右往左往しちゃって結局、
やりたいことが半分できなくなっちゃう。
田村
だって連休中はお客さんも多いからさ、
あんまりできないでしょ?
畑
ゴールデンウィークっていう超大型連休が来るから、
その前にコアリングをしたり、
強い目砂をしたりすると、
ゴールデンウィークに影響するよね。
グリーンフィーもプレイフィーも高い。
お客さんがワンサカが来て、
その時に穴が開いてたり、
張り替えた状態を生むから、
できるだけゴールデンウィークを避けるのと、
ゴールデンウィーク前にはやらない。
田村
そうか。
畑
そう思うと、
ギュッて集約してやらないとだめだね。
田村
せっかく啓蟄を迎えたのに、
畑
何もできない。
違う、何もできないではなくて、
啓蟄を迎えたから故に、
それを緻密に、
よりリアルに計画をする。
去年の11月には、
ある程度妄想した状況で、
何年かの実績を元に、
想像してやりたいことを計画する。
いよいよ3月になってきた時に、
本当に実行可能な見直し計画をする。
そうしておくと、
つもりができるじゃん。
田村
そうだね。
畑
計画的にやれないもの、やるもの、
次年度に送るもの、
秋に送るもの、
いうのを全部決めることができる。
管理ってそういうことですよ。
100人も200人もね、
コース管理人員がいて、
お金も資金力も、
何か無限にあるんであれば、
いくらでもできるけどね。
それとやっぱりクローズダウンはできるけど、
営業しながらだから。
田村
じゃあ何?
今日のまとめは、
3月の5日6日?それぐらい?
を迎えて、
春ワクワクしてきましたけれども、
妄想だけしてください。
何もしないでくださいっていう感じ?
畑
もうとにかく、
ワクワクワクワクして、
いろんな妄想してくださいっていうこと。
いつでもできるよっていう準備をしてください。
いや、できるかできないかは別として、
計画の重要性
畑
いつでもできるよと。
自分がやりたいこと、
盛りだくさんにあるけど、
それをきちっとその時に、
描きましょうと。
楽しくメンテナンスをやりましょう、
という啓蟄です。
田村
はい、分かりました。
ちょっと工事のコンコンが入るかもしれないけど、
締めますね。
今日の話は、
畑さんの経験をもとに話をしています。
芝草学的に異なる解釈もあるかもしれませんが、
一つの視点として楽しんでいただければ幸いです。
感想や質問は、
Xかインスタグラムで、
ハッシュタグコース管理の現場をつけて投稿していただくか、
概要欄にあるお問い合わせ本部からもお送りいただけます。
この番組をもし気に入っていただけたら、
フォローやレビューも次の収録の励みになりますので、
ぜひお願いします。
そして畑さんは今、
コース管理のアドバイザーとして活動しています。
番組を聞いて、
畑さんに一度コースを見てもらいたいなと感じた方も、
概要欄のお問い合わせ本部から連絡をお待ちしています。
今ね、屋根を直してる。
畑
今ちょっと音がしたわ。
田村
音するでしょ。
畑
いや、一回だけコンコン。
田村
今日はちょっと工事現場からお届けいたしました。
畑
いいですね。
変化に富んだ。
はい、じゃあありがとうございました。
田村
はい、ありがとうございました。