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お茶の間におもっとうに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は4月7日、金曜日です。いかがお過ごしでしょうか。 本日お届けする話題は、意味変化の類型
一般化,特殊化,向上,堕落、です。 どうぞよろしくお願いいたします。
本題に入る前に、少しですね、関連する話題なんですけれども、昨日の放送回675回、generalとspecialというタイトルで、この2つの単語、対義語ペアなんですけれどもね、
もともとは全く無縁の語根からスタートして、様々な意味変化を経て、今ではお互いに対立する語という位置づけにですね、スポットはまっているという、そんな話をしたんですけれども、意味変化の事例ということだったんですね。
しかもですね、実は意味変化一般、単語の意味の変化について、実はgeneralizationというのとspecializationというのがよく現れてくる用語なんですね。一般化と特殊化。
さらにですね、昨日の放送会につきまして、いくつかコメントいただいているんですけれども、リスナーのTシャツさんからこんなコメントをいただきました。ありがとうございます。
シンプルな意味の単語にいろんな意味が増えていくのが面白かったです。意味の増え方に何らかのパターンや傾向があったりするものなのでしょうか。ということですね。
昨日の放送会を含め、これまでもですね、実は個別の単語の意味変化っていうのは相当多く扱ってきているんですね。
この英語の語源が身につくラジオでは単語を取り上げて、その形の変化とか意味の変化っていうのを追っかけるっていうことが多いので、当然ですね、意味変化の話題って多いんですけれども、個別の意味変化については分かった。
だけれども、語彙全体に共通すると言いますかね、語の意味変化のパターンであるとか、傾向みたいなものっていうのはあるんですかという、少しマクロな視点からの問題意識だと思うんですね。
Tシャツさんからいただいたこのコメントと言いますか、質問につきまして、次の通り簡単ですがコメントをバックしました。
Tシャツさんありがとうございます。マクロで言えば語の意味変化には大まかなパターンはあり、しばしば指摘されてきました。ですが、ミクロに個々の語の意味変化に注目すると、あまりに個別すぎてお手上げになるのが常です。
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語の意味変化というのはなかなかですね、面白い話題で多くの人の関心を引くんですね。理論的に広い立場からこのパターンを考えるということは、今までですね、まともに放送してきた回っていうのは少なかったかなと思いまして、今後ですね、この語の意味変化についての少し理論的な側面ですね。
これにも触れていきたいなと思っているんですが、今日はその第一弾ということになります。
ちなみにですね、この意味変化のパターンというような問題につきましては、私がですね、5年前に出版された本なんですけれども、その中で1章を割いてですね、論じています。
ですので、このタイミングでですね、紹介しておきたいと思うんですけれども、その本はですね、ハットリ・ヨシヒロ・コマ・オサム編、歴史言語学という名前の本です。
こちらは朝倉書店から2018年に出ておりまして、朝倉日英対象言語学シリーズ発展編の第3弾という位置づけの本になっております。
この中で第8章ですね、意味変化、語用論の変化という章を私が書かせていただいています。
その中ではですね、意味変化の類型、今日お話しするような内容も含まれています。
と言いますか、今日はですね、そこで書いたことに基づいてお話しするという形になるかと思いますので、ぜひですね、そちらの本も関心がある方は手に取っていただければと思います。
ということで今日はですね、この本にのっとって意味変化の類型の処方なんですけれども、これについてお話ししたいと思います。
本題Eですけれども、意味変化の類型、一般化、特殊化、向上、堕落と題してお話しします。
今日は使う意味の変化というのは、語、ワードですね、単語の意味変化ということになります。
意味といってもその単位をどこに置くかによってだいぶ異なりまして、例えば単語の意味というのが一番わかりやすいですね。
その次、単語が組み合わさってフレーズになった、句ですね、フレーズの意味。
さらにそれが文、センテンスの形になったセンテンスの意味。
そしてセンテンスが複数組み合わさってディスコースと呼ばれる、いわゆる談話と言われる単位、大きな単位になった時の意味っていうのもまたありますね。
その意味っていうのはどの単位でもついて回る、これが言葉なんですけれども、まずわかりやすいところとして語の意味ですね、単語の意味に今日は注目します。
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その単語の意味の変化に注目するということになります。
さらに根本的に言ってしまうと、意味とは何ぞやっていう結構頭の痛い問題があるんですけれども、
これは例えばですね、最近の放送としましては664回、単語の意味とは支持対象のことではないの回で匂わせたように意外と厄介なんですね。
ですので、今回はその問題、哲学的な問題にまで行ってしまうので、深入りせずにですね、我々が常識的に認めている単語の意味といった時に思い浮かぶ緩い意味ということを念頭にお話ししたいと思います。
意味とは何かには突き進まないってことですね。
今日は一応意味とは何かわかっているという前提でですね、そういうふりをして話を進めたいと思います。
語の意味変化というのは古くから研究はされてきているんですね。
ですので、いろいろ知見であるとか事例っていうのはたくさん集まってきています。
その意味変化の類型、類型というのはいわばパターンですね。
どういうタイプのものがあるのかということですが、このパターンの組み方。
どういうパターンがあるのかという問題もですね、実はかなり大きめの問題で切り口によってパターンがいくつも出てくるということ。
切り口次第なんですね。
ですので、今日紹介するのは、いわゆる初級的入門的なテキストによく出てくるタイプの本当によくあるタイプ、パターンということに限定したいと思います。
これで決して尽きるわけではないですし、完璧な意味変化の区分というわけではありません。
このことはですね、一応押さえておいた上で、テキスト的な教科書的な意味変化の区分、類型いきたいと思います。
2つの対立があります。
1つ目、一般化と特殊化です。
英語の用語で言いますとまさに、generalizationとspecializationという役になるわけですが、意味がgeneralになるものと意味がspecialになるっていうものですね。
例を挙げてみます。
例えばですね、boxって言うと、英語でですね、これ箱っていうことなんですが、もともとはboxwoodというある植物、木なんですね。
特定の植物、木なんです。
その木でできた箱のことをもともとboxと言ったんですね。
ですが今では、材質、その元の木材がboxwoodでなくてもですね、boxと言えますよね。
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これが意味の一般化です。
あの木で作った箱だったらboxというふうな意味だったのに、
以後ですね、材料は何でもいい、プラスチックでも良ければ金属でも良い、紙でも良いというふうになっていた。
つまりboxの指す範囲がグッと広がった、一般化したっていうことです。
他にはholidayっていうのがありますね。
holidayっていうのはholidayっていうのが語源ですので、聖なる日、つまり聖なる祝日のみに使われたんですが、
今は聖なるではなくても、つまり世俗的であっても単に法廷上の休みであってもこれholidayっていうふうにできますよね。
これは意味がやはり広がったということになります。
限定されていた意味が広がった。
日本語では例えば瀬戸物、これ瀬戸で生産される陶磁器のことを本来は瀬戸物と言ったんですが、
今では生産地は問いません。
似たようなものであれば、似たような陶磁器であれば瀬戸物ということができるわけです。
このような例が意味の一般化というものですね。
英語、日本語に限らず広く見られる意味変化です。
逆が特殊化です。
例えばotherというのはこれまむしを意味する英単語なんですが、
昔は小英語ではこれは蛇一般を指したんです。
つまりまむしに限らず一般の蛇です。
いろんな蛇が含まれた総称としてつまり今でいうスネークに相当するものとしてotherという単語があったんですけれども、
これが今ではぐっと狭まって蛇の中のある種の蛇ですね。
つまりまむしという種にしか使えなくなったということで
ぐんと意味が特殊化したということになります。
他にlustですけれども、これは今は性的な欲望ということでだいたい使われるんですね。
性欲っていうことなんですけれども、本来は性的なものに限らず欲望全般を指したんですね。
広く欲望を指した。それが性的なという限定詞をつけて定義されるようなそんな意味になった。
これなども意味の特殊化ということになります。
他には日本語から挙げますと生辞。
生辞っていうと皆さんあれが思い浮かぶと思うんですが、
もともとはふすまとかついたて、あかり生辞を含めた全体的な壁っぽいものですね。
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を総称して生辞と言っていたんですが、今では最後のあかり生辞のみを指すようになっているというような例があります。
このような一般化特殊化というまず一つの対立ペアがありますね。
もう一つ別の大陸軸でペアがありまして、これは意味の向上と堕落。
意味が良くなる方向と悪くなるという方向ですね。
英語で言うと amelioration これが向上で、pejoration これが堕落ということになります。
良い悪いっていうのはあくまで主観的な判断ですので、これも突っ込みをがあるといえばあるんですが、
ただ直感的には非常にわかりやすいので、広く利用されている対立軸なんですね。
意味の向上と堕落です。では向上の例からいきます。
Nice という形容詞があります。これ今では素敵なとか素晴らしいというポジティブな意味ですよね。
ですが本来はですね、古フランス語に由来して単純な愚かなということなんです。
さらに遡ったラテン語では nescius ということで、ねっていうのは否定です。
scius っていうのは science とかと同じ語源で、知っていること、知るってことなんですね。
つまり知らない、無知の、おバカな、愚かなという意味だったんです。
それが意味をですね、反転させて、素敵なという意味になっている。
これはですね、どういうきっかけでプラスに転じたかと言いますと、知らないという意味ですね。
愚かなっていうことなんですが、愚かということはですね、細かいことにグダグダ言うっていうことなんですね。
ところが細かいことにグダグダ言うではなく、細かいこともちゃんと気にするというふうに、
時と場合によれば細かいってことはやはりですね、プラスに転じる可能性があるわけですね。
この辺りをどうもきっかけにしてですね、良い方向へと舵を切っていったということなんですね。
日本語からの意味の向上の例としては、もてなすを挙げましょう。
これはもてなす、もともと取り扱うという中立的な意味だったんですが、それをご馳走するの意味で使い始めたということです。
最後に意味の堕落の例です。これはたくさんあります。
silly、今はおバカな、愚かなということなんですが、もともとは祝福されたという良い意味です。
祝福されたってことはおめでたいってことなんですが、日本語でもそうです。
おめでたいと言いますと、悪い意味になり得ますよね。
この辺、プラスかマイナスかの接点っていうのは意外とある一点に依存するっていうことがあるんですね。
悪いことから良いことへ、良いことから悪いことへっていうのは神人へっていうことです。
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意味変化の類型論入門でした。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
意味変化の類型の入門ということで、2つの対立軸、用語としては4つ出てきたことになりますね。
単語の意味の一般化と特殊化という1つのペアですね。
もう1つは向上と堕落、よしよしということですけれどもね。
この辺り、例を含めて、英語、日本語からの例を含めてざっと解説してみました。
これは先に述べました、歴史言語学という本、朝倉書店から出版されました2018年の本ですけれどもね。
この第8章、私が書いたんですけれども、こちらの155ページから157ページの内容をある意味口頭でですね、ざっと解説したというような形になります。
この2つの対立軸の4つの意味変化のパターンですね。
類型と言いましたが、極めて初歩的入門的なもので、これに当てはまらないような意味変化がたくさんありますし、
さらにですね、意味の特殊化の例でありながら、同時に意味の堕落の例でもあるといったように兼ねることもしばしばあります。
その意味で、きれいな区分、パターンというわけではないんですけれども、
まずはですね、語の意味変化の入り口として、どの教科書にも書いてあるということでですね、ここではまず紹介してみた次第です。
今後もですね、この語の意味変化については、このような理論的な話題も含めてですね、取り上げていきたいと思いますので、楽しみにしていただければと思います。
日本語、英語などですね、身近な単語の意味変化あるいは意味変異、バリエーションみたいのがありましたら、ぜひですね、集めておいていただきたいと思うんですね。
今回のように、一般化、特殊化、向上、堕落、これに当てはまるものは非常に多いと思うんですね。
例えば意味変化ではありませんが、花といったときに、もちろんフラワーなんですが、3月、4月に花を見るといった場合、つまり花見をするといったときのこの花はものすごく意味が狭まって、たくさんいろんな種類がある中の桜、これに限定してるんですよ。
つまりこれは意味の特殊化ということと関係が深いということになります。非常に多く身の回りにゴロゴロ転がっていますので、このような意味の変化とかバリエーションみたいなものに注目していただければと思います。
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このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご質問、ご意見、ご感想をお待ちしています。Voiceのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。TwitterとSNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
それからリスナーの皆さんにちょっとしたご協力のお願いなんですけれども、過去関連会リンク共有プロジェクトというものを行っています。ゆるゆるともう数ヶ月になりますかね、行っていますが。
特にですね、ヘビーリスナーさんでこれまでの回、いろいろと聞いてきたという方はですね、例えば今日の意味変化の回、個別の単語については実は一般化とか特殊化、いろいろな形で放送で取り上げてきてるんですね。
その過去の放送会、関連する放送会をもし覚えていましたら、その番号で結構です。今日のこの回のコメント欄に、この回関連するよというぐらいの意味で番号を投げていただきますと、リスナーさん同士で共有することができます。
そして関連づけてですね、いわば放送間のネットワークみたいなものを実現しようということですね。ブログなんかではこういう過去の記事とのリンクみたいのは非常に容易にできるんですが、声のこのVoicyの場合ですね、まだなかなか簡単にできないということになっていますので、私自身も気づいたものはもちろんリンク貼るんですけれども、むしろリスナーさん数が多くなってきていますので、
過去のこの回覚えてるよということがあれば、それでシェアしていただく方がずっと効率が良いですし、そもそも私がリンク貼り忘れという危険性がないということで、皆さんに気づいた限りで構いませんが、気づいたものを投げていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように、ほったりウイチがお届けしました。また明日。
すいません。最後に一言お知らせなんですけれども、今日の午前10時20分頃になると思うんですけれども、いきなりなんですけれども、英語に関する素朴な疑問1000本ノックをお届けします。
私一人で回答者を務めまして、学生から寄せてもらった1000本ノックを受けるということで、英語に関する素朴な疑問にひたすら答えていくということを、新年度のケーキ付けという意味もありまして、いきなりやってみようと思い立ちまして企画しました。
本日4月7日11時20分から1時間弱ということで行う予定です。
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こちら生放送ということで、ぜひ生で聞ける方はこの時間に聞いていただければと思います。
それは難しいという方はですね、こちらアーカイブとしまして、近日中に皆さんにお聞きいただける形で公開したいと思っていますので、そちらで聞いていただくということでももちろん結構です。
ということで、英語に関する素朴な疑問1000本ノック、今日の午前11時20分開始ということで、よければお聞きください。