オープニングとゲスト紹介
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間におもとに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は6月27日火曜日です。いかがお過ごしでしょうか。
本日は look forward to see はあやまり with 千類直貴さん。ケルフ声の祭典第11弾です。
連日お届けしていますケルフ声の祭典です。
本日は久しぶりに対談ということになるんですけれども、福島工業高等専門学校の千類直貴さんとお話しします。
千類さんといえばケルフの古文という立場で、これまでもですね、heldio には出ていただいていますが、
例えばですね、313回千類直貴先生との対談。手に取ってほしい原書の英語史解説書3冊。
こちら非常によく聞かれていますので、313回リンクも貼っておきます。ぜひ合わせて聞いていただければと思います。
今日は先日終了しましたケルフの企画、英語史コンテンツ50の鳥を飾りました千類さんのコンテンツをベースにお話を伺いたいと思います。ではどうぞ。
「look forward to see」は誤りか?
おはようございます。おはようございます。
今日はzoom でのオンラインでの参加ということなんですが、久々に千類直貴さんに加わっていただいています。
千類さん、久しぶりです。今日はよろしくお願いします。
zoom 越しでということなんですが、音は取れているかと思うんですね。
千類さんといえばケルフの古文ということで、いつもお世話になっています。英語新聞でも監修役を務めていただいたりして、
このVoicy Heldioでもだいぶ前になりますかね。最後に出ていただいたのは久しぶりということなんですけれども、
今回は英語史コンテンツ50という先日終了した、完走しきった回の大鳥第50回目の第50番目のコンテンツを千類さんに作成していただきまして、
こちらがELFと正しい文法、look forward to seeという思わせぶりなタイトルなんですが、これは皆さん関心があると思うんですよね。
こちらはlook forward toという、これ皆さん必ず学ぶ項目だと思うんですけれども、
これ通常は絶対に同名詞が来るよと、look forward to seeingみたいになるのが基本ですよっていうふうに習うと思うんですが、
このタイトルlook forward to seeとあるんですが、これはどういう話題なんでしょうか。
まずlook forward toという文を聞くと、多くの英語学習者だとか英語の先生は口酸っぱくlook forward to seeじゃなくてlook forward to seeingですよっていうふうに言うと思うんですけど、
look forward toの後に不正詞が続く形も、コンテンツを見ていただいた方はわかると思うんですけど、テッドトークの中に現れてるんですよね。
そこで出したのが、アンミス・ソメスという方のSimple Designs to Save aLifeの一節。
これ本当にテッドトークで、I'm looking forward to see where ittakes usというふうに不正詞で読まれてるんです。
不正詞でね。これ衝撃的ですよね。絶対同名詞じゃなきゃダメってすり込まれてきたので、私も。
これありなのかという驚きがあるわけなんですけれども、これやっぱり批判されたりとか間違いだよって言ったりする声もあったりするんですか?
まず批判されてるかどうかなんですけど、日本の私のコンテンツのセクションで挙げたいくつかの文法書だとか語法書だと、
絶対に注意しなさいみたいな形で、not to hear from youだとか、don't sayだとか、そんなふうに絶対に不正詞として扱うことはないんですよっていう記述がされてます。
いわゆる教科書的な辞書とか規範的な文法書だと、絶対ダメですよっていうことになりますよね。
どうなんですかね。これ、ただ実際あるっていうことになってくると、これはわたなごなしにダメだというような言い方がしにくくなってくるとか、そういうことはあり得るんでしょうかね。
例えばこれが、日本人の学習者だけがこのlook what you do不正詞の形を使うのであれば、これは多くの人はこのlook what you doの後は同名詞を使うから修正しなさいっていうふうに言えると思うんですけど、
一番の例で挙げた通りで、テッドトークの会場の場でも、いわゆる誤りみたいな言い方が使われてるっていうふうに考えると、ちょっと頭ごなしに、あんた今look what you sayって言ったから直しなさいっていうのも違うような気がしてるんです。
ご用かどうかっていう問題で、この問題とてもわかりやすいというか代表的な例を挙げてもらいましたけれども、この境目って極めて微妙ですよね。何をもって誤りとするのかみたいなところなんですけれども、これ千里さんはどう考えますか。
この誤りかどうかを考えるのにあたって、いわゆる誤りを理解できるからいいっていうふうに考えるのか、それともこの誤りは許容できるか、自分の中で許せるかどうか、社会的に許せるかどうかっていうこの2つの軸があるような気がしています。
なるほどね。わかりゃいいっていう。
そうですね。
例えば。
例えばこのlook what you doの後に不定詞を続けたとしても、意味わかるといえばわかるじゃないですか。
わかりますよね。
語順がめちゃくちゃだとかそういうのだったらもう意味が伝えたことが伝わらないので、これは明らかにエラーっていうふうに言えると思うんですけど、今回みたいな1単語1音節レベルINGかそうじゃないかっていうところだと、少なくともコミュニケーションは阻害しないと考えると、
ちょっとこれは本当に誤りと見なして、常に見なしていいのかなっていう思いはあります。
誤りの中にもレベルというか質みたいのがあって、これは理解不能には決してならないっていうタイプですよね、確かにね。
なるほど。
国際共通語としての英語(ELF)の概念
ここで誤りについて考えるのにちょっとヒントになるかなと思ったのが、タイプに挙げたこのELFという概念、国際共通語としての英語。
これについて、前にももしかしたらセンルイさんと話したときに出たかもしれませんが、改めてこのELFというね、English as a lingua francaということかと思うんですが、これについてお話いただけますでしょうか。
そのELFでよく間違いがちなのがEFLですね。
そっちもあるからね。
アジア公元のラング1、国語としての英語とELFって、ほんとこれも一文字順番が違うだけで全然違う概念になるっていうものですけど。
今回はELFね。
一応リンガフランカ、国際共通語としても用いられる英語ということなんですけど、これも定義が結構いろいろあって、例えばネイティブの人がその参加者にいたら、ネイティブが使う英語はELFなのかとか。
微妙ですね、どう考えるかは。
このELFの中にネイティブを入れるかどうかっていう発想なんですけど、初期のELFの定義だと基本的には入れない。
私もそんなイメージでしたからね。
言ってしまえばネイティブ外しじゃないんですけど、そんな感じでできてきた概念なのかなと思ってたんですが。
また最近の英語の話者数、どこまで持って話し合っているかと別として、絶対的な数だとむしろネイティブスピーカーは少数派なんじゃないかっていう見方もできると思うんです。
ですよね。4分の1ぐらいって言われたり、もっと増えたかもしれないですが。
この先の人口の状況を見てもネイティブの話者がこれから増えていくってことはあり得ない。
割合的にはない可能性が高いですね。
すると、ここ最近のELFの定義だとネイティブの定義はまた別として、ネイティブの人が入っていてもELFとして見なそうっていう見方が主流になっているみたいです。
そうしますと、みんなが使う多くのネイティブ以外の人も使うっていうか、そっちの方が多い英語において、
今までネイティブの規範で正しい誤りっていうふうに決まっていたものの判断の軸みたいなものも変わってくる可能性があるとかそういう話になるんでしょうか。
ELFにおける「正しい誤り」の考察
そうですね。やっぱりこのELFで一番重要視するのはインテリジビリティ、つまりさっき言った理解可能性、相手が理解できるかどうかっていうところがポイントなので
そうすると今話題にしているルック・フォワードも後ろが同名詞だろうが不定詞だろうが一応コミュニケーションはできる。
その証拠になっているのがこのコンテンツの中で挙げたこのザイドル・ホーパーというELFの研究を引っ張っている学者の方ですね。
この方の指摘だとか、あとはコーパスというものを使ってみて、このコンテンツで5番です。
このコーパスはあんまり馴染みがないと思うんですけど、このVOICEというコーパスでルック・フォワード2をひたすら調べてみたら、
たった22例しか出なかったんですけど、うち4例が不定詞が続いてたんですよね。
ルック・フォワード2Cだとか、ルック・フォワード2メイクだとか、そんな風に。
22例中の4というと思ったよりは多いですね。
そうですね。この4例なんですけど、どれも2の後の動詞の形はCだとかメイクだとか違う上に、
この発話を聞いた後に別の参加者が、今あなた不定詞使ったわねとか、そういう指摘はなかったので、
相手に意味はそうしているし、多分相手もこれに対してそんなにアンテナを張っていないというか。
なるほどね。自然な感じで流れてくるということですね。
もちろんマイノリティではあるにせよ、これぐらい出てきているということなんですね。
しかもこの話している人は、かなり英語は堪能だと思うんです。国際的な場で英語をこれだけ使えているということなので。
そうすると、結局のところ何をもって正しい誤りとするのかって、このlook forward to不定詞ですよね、同名詞じゃない。
これは千里さんはどう考えてますか?
文脈に応じた「ふさわしさ」と妥協案
これが正しいかどうかというのは、いわゆる使われる場面によるのかなと。
例えばこの話し言葉TEDだとか、ボイスは基本的に話し言葉のコーパスなので、
それを考えると話すときはそんなに気にしなくてもいいのかなと思います。
ただ現実的に日本で英語を教えるとなると、どっちでもいいというのは確実に混乱を招くのと、
もしこれが仮に入試で出たとしたら、look forward to 不定詞という例作文だとか書いたら、確実に検定されると思うので。
そうすると、一応最初に覚えるときはlook forward to 不定詞というふうに覚えておいて、
今もウィスキーに使えるぐらい使いこなして話しているときにlook forward to 不定詞に出てしまっても、それはしょうがないのかなと。
なるほどね。私もだいたい同じような意見かなと思って聞いてたんですけれども、
コンテンツの最後でも触れられているように、正しい誤りという二言論と言いましたね。
その対立だけで考えるのではなくて、その場にふさわしいかどうかみたいな、また別軸ってあると思うんですよね。
そこと、いわゆるスタンダードイングリッシュというのは、今まで規範的とされてきたようなタイプの英語と今回出してもらいましたELFというのは、
そもそも使われる状況が違うというところから、正しい間違いというよりはふさわしさみたいな問題なのかなというふうに私は考えるんですけどね。
この辺同じような方向性でしょうかね。
そうですね。やっぱり文法書も全部をカバーできないと思うんですよね。
この世で誇っている全ての、いわゆる本質的な英語の文法だとかそういう技術もできないし、
一応、いわゆる規範文法として覚えるべき、マスターすべき文法というのがまとまっているので、
それをまずは身につけて、でもそれに縛られすぎずに使うというのが妥協案としていいんじゃないかなというふうに思います。
リスナーへの問いかけとエンディング
そうですね。これはリスナーの皆さんの意見も聞きたいですね。
英語の先生も多くいらっしゃいますし、英語学習者はほとんど皆さんかと思いますので、
これが正しい誤りというような考え方だけで切れる問題なのか、今の時代ですね、
このELFが注目されている時代にというのはなかなか大きい問題にはなってきますよね。
貴重な問題提起でした。コンテンツの方もリンクを貼っておきますので、ぜひ読んでいただければと思います。
よろしくお願いします。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
千類さん、残っていただいているのですが、一言ということなんですけれども。
このコンテンツの中であるまじき間違いをしてしまいまして、5番のボイスによる調査のところの一番下の例です。
465.44となっているもの。
私の中でルックフォールトゥーフ停止の例が欲しくて欲しくて仕方なかったので、なぜかこのフルを動詞として考えてしまって。
2コオペレーションですから、これは名詞句ですね。
中学生みたいな間違いをしてしまったんですが、実際に続くのは3例のみ。ただゼロではないので。
22例分の4というふうに先ほどの放送でも述べましたが、22分の3ということですかね。
多少めいめいにするとはいえども。
これはゼロか1でゼロになる大問題ですけど。
こういう表現が出てきているということ自体が今回の議論の出発点だったというところで。
これはやはり英語関係者といいますかね、学習者も先生なんかも考えていく問題だと思いますよね。
特に最近スピーキングテストが導入される流れが大きいですよね。
そういうときにこういう文法の小さいミスをどのくらい減点するのか。
これは本当にやりだしたら論争ですよね。
なのでここでは問題提起ということなんですけれども、時代も変わっていくっていう。
英語史的な話でもありますね。
ELMっていうのはそもそもが社会的な英語の位置づけが変わってきたっていうことですもんね。
ぜひリスナーの皆さんにも意見寄せていただければと思います。
それでは今日は千鋭さんにお話いただきました。ありがとうございました。
ありがとうございました。
すいません。最後に忘れていました。
プレミアムリスナー限定配信のお知らせ
今晩のプレミアムリスナー限定配信チャンネル英語史の話、ヘルワのお知らせです。
今月最初に始めたプレミアムリスナー限定配信チャンネルなんですけれども、
今晩が第8回目となります。
火曜日と金曜日の午後6時、夕方6時に配信しています。
前回の第7回は先日の金曜日の夜に出張先から生放送でお届けしました。
大阪方面に学会出張に行っておりまして、その先の宿から直接生放送でお送りしたということになります。
急遽生放送に切り替えたということだったんですけれども、その場で参加された方もいて盛り上がりました。
今日はその話を受けて、プレミアム限定のコメント返し&週末の学会でのヘルカツ報告と題してお話ししたいと思います。
今晩6時です。
こちらの限定配信チャンネルは、主に皆さんにヘルカツ、英語子活動を応援していただく、支援していただくという趣旨のコミュニティです。
月額800円ということになっておりまして、アプリ経由、それからウェブブラウザ経由、2通りの決済があるんですけれども、
ウェブブラウザ経由を強くお勧めします。手数料がかからないからです。
このチャプターにご案内のリンクを貼っておきますので、ご確認いただければと思います。
それではプレミアムリスナーの皆さん、今晩6時にお会いしましょう。