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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間におもとに、英語の歴史の面白さを伝え、 裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は5月8日月曜日です。ゴールデンウィークが終わりまして、今日から再び通勤通学に戻るという方が多いと思います。いかがお過ごしでしょうか。
ゴールデンウィーク中はゲルフメンバーと主に対談、 というかパーティーみたいな会が多かったですけれどもね、非常に賑わっていたんですけれども、
この週末なんか特にそうでしたがね、月曜日になりましたので少し落ち着きを取り戻した感じで、対談は実は続くんです。まだもうしばらく続くんですが、
今日月曜日は落ち着きを取り戻したいと思います。本日お届けする話題は、
先生、なんでダウトには発音しないのにBが入ってるんですか。 寺沢志穂さんとの対談です。どうぞよろしくお願いいたします。
皆さんおはようございます。今日はですね、寺沢志穂さん2回目になりますけれども、大学院生の寺沢さんに来ていただいて対談会ということでお届けしたいと思います。
寺沢さんおはようございます。前回に引き続きありがとうございました。前回はアルファベットの話をしまして、今日も関連するつづり字という話なんですけれども、寺沢さんは3年間中学校で英語の先生をされていたということなんですが、
このスペリングってどういうふうに指導してきたっていうか、生徒はどういうところにつまずきますかね、英語のスペリング。
そうですね、本当に生徒たち、生徒の皆さんスペルを覚えるのが大変だっていう話はよくしていて、特に英語ってスペルと発音が異なることがあるので、そういう単語が出てくるととても大変そうでした。
そうですよね。我々もそうだったわけですよね。今だって奮闘してるしみたいな、英語の宿命的なつづり字と発音が離れてしまっているっていう問題なんですが、今日その代表的な例というんですかね、これ絶対皆さん思ったと思うんですよ、勉強したときに。
今日の話題はダウトですよね。ダウトはD-O-U-B-Tと書くわけなんですけれども、発音上はこれもう絶対B読まないわけじゃないですか、ダウト。じゃあなんでこれあるのっていうのは、一度は皆さんも抱いたことのある質問ではないかと思うんですけれども、これ寺沢さんなんでB、発音しないのに文字上はあるんですかこれ。
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はい。実は中英語と言われる古い英語なんですけれども、14世紀15世紀ぐらいまではBの文字もなく、ちゃんと発音のダウトのようにBのないスペルで書いていたんです。
え、ということはBがなかったわけですよね。つまりBがなくて文字になかった、発音にもなかったということですよね。じゃあなんでそのままで来てくれなかったんですかね。Bはどこでどうやって入っちゃったんですかこれ。
はい。実はこれはとても長い歴史があるんですが、もともとこのダウトという単語はラテン語のルビターレという単語が起源となっています。
ラテン語というのもだいぶ古いですよね。英語なんかよりもずっと古いと言いますかね。英語史が始まる以前からローマ帝国の言語だったということで、そのラテン語でルビターレということは、ここはBのBですかね。入ってますよね。
Bの文字も発音も。
文字も発音もあったということですね。
なるほど。で、次のステップって言いますか、どうなるんですかね。
はい。そのラテン語が祖先であるフランス語にそのルビターレという単語が引き継がれていくんですが、フランス語ではルってというBの発音が落ちてしまうんですね。ルビターレのBの発音がなくなってしまって、そこからBの文字もスペルからなくなってしまいました。
これは音の変化みたいな形でBがなくなったということですね。音としてなくなったので、当然ながらスペリングでもなくなったということなんでしょうかね。これがフランス語、昔のフランス語の段階ということですかね。
はい。
ここまでわかりました。次は。
はい。で、そこからおよそ1200年頃にフランス語のBの文字もBの発音もない形で英語に釈用されていきます。
12、3世紀って感じですかね。1200年頃にその頃は中英語と呼ばれた時代ですかね、英語では。フランス語のルってというようなBが発音上も綴り上もないっていう形で英語に入ってきたと。
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はい。
これはここまでわかりました。で、Bは文字も発音もないわけですから、これ当然ね、通りにもないっていう状態で中英語だったわけなんですが、これどういうあれでBが入っちゃったんでしょうか。
これがですね、16世紀に時代が下りまして、16世紀になるとルネサンスという時代に入ります。で、皆さんもご存知かと思うんですけれども、ルネサンスというのはラテン語をもう一度勉強し直そうっていう風潮が高まった時代なので、
じゃあこの英語に入っているルってという単語はどんな語源なんだろうというのを調べたら、ラテン語のルビターレであるということがわかってしまったんですね。
じゃあそれまでは別にラテン語のこのルビターレから来たとかいうことは知らなかったというか、少なくとも意識は特にせずにダウトダウトみたいな形で、当然発音上Bなんてあるわけないですからね。そういう感じでやってきたと。
で、ラテン語ルビターレに遡るんだってわかったと。で、どうしたんですかね。
じゃあラテン語のルビターレに近い形にスペルを変えてしまおうっていうのが。
それありですかそれ。
ありみたいです。
やっぱり当時のルネサンス、ラテン語大好き時代みたいなところですかね。
はい。
それでその起源の形にルビターレの形に近づけてあげようっていう感じですか。
はい。
で、それでスペリングに。
発音もスペルもなかったBを入れてしまおう。
なるほど。スペリングにBを勝手に入れたわけですよね。
はい。
で、発音の方は。
このBを入れようとした人たちは学者さんたちですので、当然文字にも造形が深い人たちなんですが、
当然英語を話す人というのは学者のみならず一般の人たちも当然話していたので、
一般の人たちというのはラテン語なんて意識はしない。
そうか。当時でもやっぱり一般の人はさすがにラテン語って言われてもみたいな感じなんですね。
そうすると多数派というBですかね。
大勢の人たちはラテン語を意識しえずにそのままダウトと。
今まで通りってことですよね。英語としては。
それで結局定まっちゃった感じなんですか。
結局標準のスペルとしてはその学者さんたちが入れたBの文字の入ったダウトが、
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Bの文字の入ったスペルが定着し、発音の方はBの発音のないものダウトが定着してしまったので、
現代英語ではこの発音とスペルのずれが承知でしまったということのようです。
これじゃあ今からもうB外すとかダメなんですか。
外したいですね。
勝手に入れたんだったらちょっと困ってるんで現代人。
Bこれはもう一回外してあげるみたいなことを考えても良さそうなんですが。
もしくは発音したいですね。
発音するのね。
だけどダウトで慣れちゃってくる。やっぱりダウトって言えないから。
言いにくいですね。
やっぱりね綴り字を直してくれるのが一番いいかなって感じがするんですけど。
なるほどそういう事情があったわけですね。
このダウトだけですか?さすがにこんな変なことが起こったのは。
残念ながら他にもたくさんあります。
たくさん?
例えばデッドスペルだとD、E、B、Tですね。
確かに。あれもBってことですね。
あれもBですね。あとB繋がりだとサトウですね。
スペルだと。
精密なとかあれですね。SUBか。SUBTLEなので。
サブトルというB読まないですもんね。
だけど入ってるってことはこれ同じ理由ですか?
同じ理由で入ってしまいました。
じゃあこれBが多いんですか?
実は他の文字もいくつかあって有名なところというかよく使われるものだと
お魚の鮭のサーモン。
サーモン。SALか。サルモンって読まないってことですね。
じゃあこのLも挿入された。
はい。
なるほどね。ちょこちょこあるわけですね。
ちょっと旗迷惑ではありますけれどもね。
なぜその後ね。入れちゃったのは入れちゃったんですが
その後外してくれたりとかさっき言ったように何らかの対策を取ってほしかったところですが
残っちゃったっていうことなんですね。
はい。
これはちょっと旗迷惑ですね。
迷惑ですね。
今日は寺沢志穂さんにおいでいただきまして
DAWTのBの謎を歴史的に解説してもらいました。
寺沢さんありがとうございました。
ありがとうございました。
これ実はこんな話し方をしてきましたけど前のチャプター
この何て言うんですかこの現象そもそも。
語源的つづり字。英語だとエティモロジカルスペリングと言います。
語源的つづり字ですね。
語源を参照して勝手に今回B入れちゃったっていうあれですが
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これがなんと寺沢さんの研究テーマなんですよね。
その代表的というか基本的な例としてDAWTが一番有名というかね。
具体的にはどういう研究をしてるんでしょうか。
大学生、学部生の時の卒業論文では
このエティモロジカルスペリングというのが
基本的にはルネサンスの時代に多く取り入れられた現象だという風に言われているんですけれども
実はそれよりも前にあったんじゃないかという説があるので
この語源的つづり字というのはルネサンスとどれだけ関係があるのだろうかというところに着目していました。
ルネサンスでラテン語大好きっていう時代だから
Bを入れたんだみたいな議論がね。
確かに英語史では一般的だったんですが
実はそれより早くB入っちゃってるんですけど
大丈夫ですかその定説みたいな感じですかね。
私も実は非常に関心のある領域ということで
研究の進展も楽しみですし
この関連の話題ねまだまだあると思うので
またですねこのヘルディを追って
寺澤さんにも報告していただきたいなと思っていますが
よろしいでしょうか。またお願いします。
ということで今日は寺澤さんにお越しいただき
ダウトのBというあの問題に迫ってきました。
寺澤さん今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今日のこのダウトのBの問題というのは
英語史的にはですね非常にきれいに
そして面白く説明できるトピックの一つということで
こちらを寺澤志穂さんとの対談という形で紹介しました。
タイトルにある先生というのはですね
すでに先ほど放送の中で述べたように
寺澤さんはですねこの間の3月まで中学で先生をされていて
その後ですね再び大学に戻ってきて
今大学院生として研究しているということで
この語源的通り字というキーワードが出ましたけれども
ダウトのBがまさにこの話題で
これをですね今後追求していくということで
また研究成果をいずれですね報告してもらいたいと思います。
寺澤さんは出演はですね2回目でして
初めて出ていただいたのは698回です。
先生アルファベットの歴史を教えてください
寺澤志穂さんとの対談ということで
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先日4月29日に配信しました。
こちら大変よく聞いていただきまして
人気の回というふうになっておりますので
こちらチャプターにリンクを貼っておきますね
698回です。
合わせてぜひお聞きいただければと思います。
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それでは新しい1週間の始まりですね。
今日も皆さんにとって良い1日になりますように
ほったりうちがお届けしました。
また明日。