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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史、英語語源ハンドブック、言語学ですっきり解決英語のなぜの著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間におもっとうに英語の歴史の面白さを伝え、裾の広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は2026年4月25日土曜日。みなさんいかがお過ごしでしょうか。 私はモッカー、スコットランドアバディーンに滞在しておりまして、最近スコットランド英語絡みのお話も多くなってきていると思うんですね。
先日も4月20日月曜日の回でしたかね。 1786回、ブリッジとブリッグ、D側にかかるブリッグDよりと題してお話しいたしました。
スコットランドや北イングランド、つまりですね、ブリテントの北部と言っていいですね。 ブリテントの北部で話されている英語においては橋、標準英語ではブリッジというところがブリッグという固いグの音になるっていうことなんですね。
その南側、標準英語を含め南側ではブリッジという我々のよく知っている樹っていう柔らかいシーンになるということなんですが、これがですね比較的きれいにブリテントの北部英語と南部英語の差を成しているというのが一般的によく言われることなんですね。
これは英語の方言学でも、そして英語史でも非常によく知られたきれいな分布とされているんですね。 ただどこまで本当にきれい、美しい分布なのかというところでですね、これをちょっと疑ってみたいと思うんですね。面白いお話があります。
本日は南のブリッジと北のブリッグ、美しい方言分布だがと、そうしてお話いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
さあ、先日の配信会ではですね、ブリッジとブリッグの方言分布についてお話しいたしました。私が今おりますスコットランド、アバディーンですね。アバディーンのみならずスコットランド全体でですね、いわゆる口語としては地元の方言としては橋のことをブリッジではなくブリッグというふうにグの音を持っているんですね。
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これは歴史的に言いますと、いくつか要因があると考えられているんですが、最もよく行き渡っている説明と言いますかね、としてはですね、8世紀半ばから11世紀にかけて、北欧語、古ノルド語ですね、バイキングの言語によって
北部であるとか東部のブリテン島の海岸はですね、大いに古ノルド語の影響を受けたということなんですね。実際にバイキングたちがやってきて、ここに数世代、数世紀の間住み着いて、北欧語の言語特徴、これは発音だったり語彙だったり文法だったりするんですけれども、
これをこの地方で話されていた英語ですね。主にノーサンブリア方言と言われる方言なんですけれども、英語のこの方言に大きな影響を与えたとされているんですね。その典型的な語の一つがこのブリッジという単語で、北欧語、古ノルド語ではブリッギアというふうにグの音を持っていた。
大元はですね、ゲルマン語ではグの音を持っていたんですが、南イングランドの方言ではこのグの音ですね、古来受け継いできたグの音が難音化する、柔らかい音になるという言い方をするんですが、これでジュッという音になったんですね。なので南ではジュッ、ところが北ではこの変化は起こらなかった、あるいは
起こっていた地方だとしてもその後ですね、たまたまこのグの音をしっかりと維持していた、保持していた北欧語、古ノルド語の影響が入ってきたということで、このブリッギアという北欧語の形ですね、これが影響を与えてグの音が北部方言では残り続けたと、こういうふうにされているんですね。
その結果、ある方言線と言うんですけれどもね、南方言と北方言を分けるこの線、国境線みたいなもんですよね。国境線の言語版というものがこれ方言線と呼ばれているんですけれども、この方言線がですね、綺麗にいわゆる南側の英語と北側の英語、ブリテン島における大きな
2つの区分、南の英語と北の英語、これを分ける線となっているということなんですよね。
これはですね、この線はイングランドの北部のトゥイード川からですね、西に走って、現在のブラックプール辺りですかね、アイルランド海に面する
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その辺りまでですね、通じる線ですね、これが方言線となって、その北側のブリック、南側のブリッジというふうに非常に綺麗にですね、この分布が分かれるという有名な方言線となっているんですよね。
こちらチャプターにですね、画像を貼っておりますので、この方言線を見ていただければと思うんですね。この画像はですね、方言線が引かれておりますけれども、こちらはですね、20世紀の半ばから後半ぐらいにかけて調査されたイギリスの方言地図に基づいたところなんですね。
これ現代、2026年現在はですね、この方言線がちょっとずれてきているかもしれません。もしかしたらこれがですね、少し北側に動いているという可能性はあるんですね。
なので少し時間差があるといえばあるんですけれども、数十年前の状態ということで、こちらご覧いただければと思うんですね。
さあ、極めて綺麗といえば綺麗な方言線、南北が分かれるということなんですが、こちら方言地図を見ていただけると、面白いコーナー、面白いポケットがあるのに、皆さんお気づきですね。
この方言線の北側なんですけれども、特に東海岸ですね。
ブリッジという、つまり北側はブリックのエリアのはずなのに、ブリッジという南側、そして標準英語と同じこの形が確認されるエリアが2つポンポンとあるんですね。
それから西のアイルランド海に浮かぶ満島をですね、アイルオフマンにおいても、これはブリッジとなっています。
満島におけるブリッジというのは、後に標準英語がこの地域に影響を与えたという、直接標準英語といいますか、南イングランドからの影響ということで、歴史的に説明がつくわけなんですけれども、
さあ、この北部に当たる地域で、特に東海岸、北海岸の南と北の方ですよね、この北部イングランドの中でも南と北の方で、ある一部だけですね、ポケットのようにブリッジという、あたかも南の方言が反映されている地域があるということなんですね。
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これはちょっと、このポケットぶりは不思議じゃないですかね、この地域、2つの地域なんですけれども、南側はですね、グリムズビーという都市があります、そして北側は主にニューカッソーと言われる地域ですね、その周辺ということなんですが、これはイングランドの東部、北部としては、まあ一つの都会、都市なんですよね。
なぜ、ここでのみブリッジがあるのかということなんですが、いわば、飛び地のような状況になってますよね、これはですね、非常に面白いことに、通常、方言の広がりというのは、次続きに、あるいは、あるところから出て、動神延長に広がっていくというのが、一般的な理解なんですね。
これ、日本の国内でも認められまして、これは柳田邦夫の方言集権論などといってですね、国語学、日本語学でもよく知られていることで、これはですね、世界各地に見られる分布の仕方、つまりですね、ある地を中心に、そこから動神延長に同じ方言が広がっていく、今回の場合、例えばですね、
ブリッジであれば、ブリッジが動神延長に広がっていくということで、次続きに伸びていくんですよ。
実際ですね、南部のロンドンなり、イングランドはですね、南部が主に中心地となるので、そこからですね、だんだん北にプレッシャーを与えて、方言が南のものが、北へと展開していくということはですね、
非常によくあるパターンなんですが、飛び地があるというのはどういうことか。これがですね、方言集権論的な、その波状をですね、波状に、こう波のように、だんだんと近くから遠くへ広がっていくというモデルではですね、この飛び地というのは、
説明できないんですね。 ですが、よく考えてください。
人の行き来というのは、確かに昔、古代中世は、次続きで、まあ、次続きは次続きなんですけれども、
隣村、そしてさらに隣村というふうに、動神延長にですね、広がっていく、徐々に広がっていくしかなかったんですが、今はですね、交通が発達しています。
例えば、鉄道、とりわけ新幹線のような特急、超特急を考えてください。
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日本でもですね、東海道線を考えますと、東京を出てですね、途中をすっ飛ばして名古屋に行くんですよ。
つまりですね、 神奈川県、静岡県をある意味、パスして名古屋に行く。
場合によってはですよ、望の号によってはですね、名古屋まですっ飛ばしてですね、東京からいきなり京都に行ってしまう。
こういうことがあるわけですよ。 鉄道ですとそういうことになるんですが、もっとわかりやすいのは飛行機ですよね。
これ、途中の経路ありません。東京からいきなり札幌に飛びます。 東京からいきなり沖縄、那覇に飛びます。
と言ったように、途中をすっ飛ばすということができるようになったのが、現代の交通機関なんですね。
それを考えてみてください。 今回のイギリスの
方言地図。 ロンドンから途中をすっ飛ばして、例えばグレームズビー。
さらにすっ飛ばして、ニューカスを。 そしてその途中の部分はですね、パスしてしまうというようなことが十分に考えられるわけですよね。
これは交通ですね。 現代の高度な交通、
鉄道であったり、あるいは航路、船であると、これはむしろですね、中世からあるわけなんですが、古代中世からあるわけなんですけれども、
そして飛行機ですよね。 このように飛び飛びにある言語現象であるとか、もっと広く言えば文化現象ですよね。
流行みたいなものが飛び飛びに伝わっていくということがあるんですね。
つまり東京で発した言語なり、その他の文化的流行、ファッションがですね、途中の地域を飛び越えて、いきなり名古屋に行ったり、いきなり京都、大阪に行ったり、いきなり福岡に行ったりっていうことがあり得るわけですよ。
そしてその名古屋なり、京都、大阪、広島、福岡なりの各地方での中心地、
そこに根付くと、今度はそこから伝統的な手法でですね、ゆっくりと近辺に広がっていくということがあり得るんですよね。
おそらく今回見ているブリッジ、こちら本来は南の方言なわけなんですが、まず全体的にですね、この方言線が北に押しやられているということはどうも凝っているようなんですね。
つまり南のロンドンの影響力により、ブリッジがどんどんと北に浸透していきているという、従来通りの広がり方はある一方で、もう一つの広がり方としてですね、
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飛び石のように、あるいは新幹線でその駅にですね、トントンと数百キロ離れた駅を中心として、飛び飛びにですね、広がっていくというモデル、これがですね、どうも現実のものとなっているというのが、このブリッジの分布なんですよね。
全体としてはこの北部のブリック、スコットラウンドを含めまして、ブリコドン、ブリコディーン、こちら紹介しましたけれども、これはですね、どうもコーナーに追い詰められているという側の方言が北なんですね。
南の方のブリッジが標準英語ということもあって、北にどんどん浸食している。ただ、それも地続きの浸食のみならず、テンテンという風に、飛び石のようにですね、石切りのように、跳ねるようにしてですね、地方の都市部、特に北部の都市部に拠点を持ち始め、
そこからまたですね、伝統的な地続きで、徐々に延伸上に広がっているというのが、この地図が表しているところなのだろうという読みなんですよね。
このように、方言の広がり方、あるいは各編集における発音であるとか、語彙であるとか、文法を含め、言語的な項目の伝播、地理的な広がり方というのは、必ずしも地続きなわけではなく、
飛び飛びに伝わっていくということもあり得るんだという、一つの典型的な、これも例としてですね、ブリッジ、ブリックの例があるんだということですね。つまりですね、この単語はですね、語形の方言的広がりという観点からですね、
2つの重要な意味で、典型といいますか、モデルを示しているんですね。まずは、北と南を分ける、極めて分かりやすい、この方言文法を成しているという例として、このブリッジ、ブリックというのが機能している。
もう一つは、非常に面白いことに、飛び飛びに方言語というのが広がり得るんだという証拠としてですね、このブリッジ、ブリックを見ることもできるという、とにかく大変面白い単語を今、我々は目にしているんだということなんですね。
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この状況を認識しつつですね、改めて先日のブリッコDなどの配信会、聞いていただければと思います。エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。いかがですか。
方言語の広がり方、これですね、いくつかの方法があり得るということなんですよ。本来的には、地続きで徐々に隣の地域、隣の地域に広がっていく。しかし、現在の交通事情を考えますと、
近現代の鉄道なりですね、車なり飛行機なりという、この交通の発達によってもたらされた新たな方言語の伝播の仕方ということで、これ極めて面白い。しかも社会的な話題だと思いませんか。
これが、英語史×社会学、社会言語学、この掛け合わせたところの面白さだと思うんですよね。ぜひ味わっていただければと思います。
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また明日。