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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史、英語語源ハンドブック、言語学ですっきり解決英語のなぜの著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間に、おもっとに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は2026年4月10日金曜日。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今日の話題はですね、先日お届けしたある配信会につけていただきましたコメントでですね、少しやりとりした内容がありまして、その後きちんとお話ししておこうかなと思った次第で取り上げる話題なんですね。
とは言ってもですね、なかなか奥の深い話題なので、ちゃんとと言ってもですね、雑談風になってしまう可能性も高いんですけれども、こんな話題なんですね。
小英語ではSFTHは有声音に挟まれると有声化したという小英語の発音に関する規則、これについてお話ししたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
このところですね、シリーズ的にこのヘルディオでお届けしています、小英語、中英語初歩深層復環。こちらでですね、新年度、新学期にふさわしく初めて小英語であるとか古い英語を触れてみようかなという方にお届けしたいということで、
3月から始めていたシリーズなんですが、ちょうど2月25日に研究者より深層復環されました小英語、中英語初歩、これですね、春に向けて本当に英語史、具体的には古い英語の原文を読んでいくというですね、まさに春にふさわしいタイミングでこの深層復環出たので、私の方もですね、
この本を推すものとしてはですね、3月、4月といろいろと小英語、中英語初歩から話題を取り上げていきたいというふうに思っているんですね。シリーズで原文を1回、1文ずつ、1センテンスずつ読んでいくということをですね、数日に1遍行っているわけなんですが、
こちらですね、思いのほかと言いますか、大変嬉しいことなんですが、多く視聴していただく、聴取していただくシリーズとなっておりまして、ぜひですね、テキストの方を入手してですね、お付き合いいただければと思います。もう少ししっかりと続けていきたいと思いますね。
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この小英語の発音規則に関する今日は話題を取り上げたいんですけれども、これきっかけとなったのはですね、1765回の配信回なんですね。英語、つづり字におけるEの文字ですね、の役割ということで、3月30日にお届けした回なんですね。
こちら、英語のつづり字と発音の関係であるとか、いわゆるマジックEの問題であるとか、教育上のフォニックスの話題などが関わるということで、実はですね、平均以上によく聞いていただいている回なんですよね。
英語をつづり字のEという一文字なんですが、実はいろんな働き方をしているというところで、多くの方に注目されているようなんですね。そこでですね、リスナーのりりみさんよりコメントをいただきました。
そしてそのコメント欄でですね、何往復かやり取りさせていただいたんですが、そこにですね、Eの問題と関連して少し話がですね、展開していきながら、今回取り上げる話題ですね。
小英語では、S、F、THで表される音といいますかね、つまりス、フ、フっていうTHサウンドですね、最後のものは。この3つに関しては、小英語では文字としてS、F、そしてTHに代わってですね、THORNやEVと呼ばれる小英語特有の文字があったわけなんですが、
この音はですね、デフォルトは濁らない音、つまり無声音ですね。ス、フ、フとそれぞれなるんですが、有声音に挟まれると、これが、このシーン自体が有声化して、ズ、フ、フという風になるんだという、そんな話題があるんですね。
これは小英語ではよく知られている音の規則でですね、こちら、いろいろな折にこのHeldioでもお話ししてきたことはあるんですね。ただ、いろいろ断片的にお話ししてきたことが多くてですね、これについてまともにタイトルで取り上げたというものは、ざっと見る限りありませんでした。
いろんなところでちょこちょこと私お話ししていると思うんですけどもね。特に最近ではですね、これについてお話ししたのはですね、まさに小英語中英語書法の試し読み部分の解説シリーズパート3というところで、小英語の詩音、括弧後編、1716回ですね、これを2月9日にお届けしております。
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その中で、小英語中英語書法に記述のあるこの音の規則ですね、小英語でのす、ふ、ふについては、優勢音に挟まれると優勢化するんですよという、このあたりもですね、しっかりと触れて解説しているわけなんですね。教科書に従って解説しているわけなんですが、その辺もですね、ぜひお聞き返しいただきつつ、今日のお話聞いていただければと思うんですね。
リリミさんのコメントは、最初にEの話題のところでコメントをつけていただいたんでね、Vで終われないからEをつけるというルールは知りませんでしたというところから始まって、問題のS、F、TH、E、これは母音に挟まれると優勢音になるというこのルールと関連して、ではなぜ、
例えばBとかP、TとかDなど他の子音字では母音に挟まれたときに優勢音化するルールがないんでしょうかと、なぜS、F、THだけでこの母音に挟まれたときに優勢音化するというルールがあるんでしょうかという質問をいただいたんですね。
これがなかなか難しい質問でですね、なんでっていうのは結構難しいんですね。事実としては、この3つの音に関して周りが優勢音、典型的に母音というのは優勢音ですね。それから子音の中でも優勢シーンというのがありますので、それ合わせて優勢音というんですが、それが両脇にある場合ですね。
片一歩だけではこれにならないんですよ。そして単語境界を挟んではいけないので、つまりですね単語の内部で両脇を優勢音に挟まれた場合にその子音自体も優勢化するというこれが当てはまるのはS、F、THだけなんですね。
他の言語でも似たような現象はあるんですが、両脇じゃなくても良いと。手前に優勢音があればそのシーンは優勢化するんだとかですね。言語によってバリエーションがあったりするんですが、公英語の場合は両脇を挟まれて初めて優勢音化するということなんですね。
この3つの音については例外なく適用される強いルールなんですが、なぜP、B、T、D、K、Gの音もそうなんですが、それには起こらないのかということですね。
一つはですね、S、F、THという音は音声学的に摩擦音という音なんですね。それに対してなぜこれにはならないんですかっていうT、DとかK、GとかそれからP、B、これはですね今度は破裂音とか閉鎖音というまた異なるタイプの音なんですね。
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なぜ摩擦音だと規則が適用されて閉鎖音だと適用されないのかっていうのはなかなか究極の話題です。ただ音声学的な記述としてはですね、摩擦音にのみ公英語に関しては摩擦音にのみこれが起こるということなので、音声学的な原理と言いますかね、記述上はそういうことができる。
それがなぜかっていうのはなかなか難しいんですね。音韻論という観点から言うと、摩擦音というのはですね、無性と有性の音素的対立っていうのがないっていうことなんですね。それに対して閉鎖音は音素的対立があるという大きな違いがあるので、もちろんそこがですね、公英語の場合には聞いているということなんですが。
それはなんでなのというと、各言語の音素配列とか音素のインベントリ、いわば一覧ですね。一覧というのはその言語ごとに、そして時代によっても変わるのでね、ある時代のある言語ごとにも決まっているんですとしか言いようがなくてですね。
なぜそうなのかっていう説明は、本当に究極の質問になるので難しいわけなんですけれどもね。そんな事情があります。摩擦音においては、本来有性音、無性音の音韻的対立はないんですね。ないんだけれども、発音としては有性音に囲まれると有性化しますということですね。
このあたりは発音、音というものと音素というものは別次元の話なんだという、これまたですね、これだけで1回、2回時間をかけてですね、説明しなければいけないというような厄介な話題なんですけどもね。
今回のその小英語の規則に関する限り、s、f、thで始まると言いますか、表される、この文字で表されるものは、thの場合はthon、sですけれども、この文字で表される音は音韻的には、音素的には無性音、有性音の対立はないってことになっています。
ないんですが、ただルールにある通り、有性音に挟まれるとそれ自体も有性化しますよということなんですね。
このように、周りに有性音があると自分自身も有性化するというのは、これは広く言語に見られる現象で、広く言うとですね、声の同化というふうに言います。
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声というのは無性音か有性音か、濁るか濁らないかということですね。そして同化というのは同じに化ける、同じ方向に変化するということで、声の同化というふうに言われまして、非常に多くの言語で見られる現象なので、小英語のこのルールは決してですね、これ自体が珍しいわけではないということです。
ですので、これはですね、先ほど挙げた配信会ですね、過酷会で、1716回ですね、小英語・中英語省試し読み部分の解説シリーズパート3、小英語の詩音後編でお話したとおりなんですけれども、
例えば、北、南という方角を表す名詞ですね、North、Southというふうに最後にTHEが出ますけれども、これは現代でもですね、濁らない無性音のTHEの濁らないサウンドなんですよね。
ところが、これにですね、形容詞語尾をつけると、Northern, SouthernというふうにTHの部分が濁る、有性化するわけです。
これは、後ろにERNと綴られるERNという形容詞語尾がつくことにより、THの立場からするとですね、両サイドを有性音で囲まれることになるんですね。
Northの場合、Rですね、これは有性音なんですよ。それから後ろに回るのがERNという語尾ですよね。
さらに、Southの場合は、サウという母音がありますね、これ有性音ですね。そして語尾にERNがつくので、これEで始まる有性音。
つまり、THにとってみれば両サイドを有性音で挟まれるので、自分自身も有性化してNorthern、Southernとなるという、こんな理屈ですね。
これは、公英語の時の規則で、現代ではですね、この規則はもう境外化して働いていません。
ただ、公英語の時に出来上がった単語なので、その規則が適用された結果としてのNorth、Northern、South、Southernという音の分布が、現代にまで化石的にと言いますかね、境外化して残っているということで、
かつて公英語の時に働いていた、古に働いていた規則の結果が、今固まった状態で現代に続いているということです。
現代では、このようにS、F、THが母音に挟まれた時に必ず有性化するというような現役規則はありません。
公英語時代のみで止まっているという、こういう音の規則というのは、ある時代限定で働いて、次の時代になるとピタッとやんだりですね。
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次の時代になると、また別のですね、厳格な規則が、音の規則ができるんですよ。
というようなことを繰り返しで、何で各時代にそんな規則ができるの?というのは、音声学的にある程度こういう傾向はあるんですよ。
いろんな世界の言語を見渡すと、不思議ではないんですよ、ということは言えても、つまり確率論的、類型論的なことは言えても、
なぜその時代に英語においてその規則が急に始まったり、ある時代になるとですね、急に前あったものがなくなったりするのかっていうのは、これ究極の問いなんですよね。
難しいところがあるわけなんですけれども。
今回のEのつづり字という話題のところから発展してコメントいただいて、今日の話題ということになっているので、
基本的には発音とつづり字の問題というところから来てるんですね。
そこで、このS、F、THの小英語で働いていた規則の問題は、基本的に発音、音の問題なんですが、つづり字の観点から論じ続けると、面白いというか複雑で、面白くはなるんですね。
現代語を考えてみたいと思うんですが、S、F、TH、この3種類ですね。
まずですね、Sからいきましょうか。
Sはですね、「す」というのと、「ず」という無声音と有声音。
これはですね、当然音素として現在はですね、異なるわけですね。
ですが、つづり字上はこれ、いまだに書き分けないことも多いんですね。
例えばですね、ハウス、これは家ですよね。
この単語はH-O-U-S-Eというつづりで、Sを使っていますよね、文字としては。
これはですね、実は同じ形で動詞もあるんですよ。収容するとか、家に入れるとかね。
その場合には、ご存知の通り、ハウスと濁るんです。
これは小英語の時代の例の規則が効いているということなんですが、
ただ現代となってはですね、つづり字も変わりませんし、
つまりSの部分が別にZになるわけでもないんですよ。
つまり、S一つの文字で、「す」の場合もあれば、「ず」の場合にもなるという、
この状況はですね、小英語の時代から変わっていないんです。
もちろん、現代語にはZでつづる文字も、つづる単語もあったりしますが、
今回取り上げているハウス、ハウズに関しては、音が無声音、有声音と異なるにもかかわらず、
無声音の場合にはS、有声音の場合にはZを使う、みたいなことになってないんですよね。
せっかくZがあるのに、文字があるのに、それを活用していないっていうところが、
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現代語のちょっと痛いところなんですよね。
ただ、「ず」の音が合われるときに、Zの文字を使うというケースももちろん、現代語ではあるわけなので、
「す」と「ず」の分布はなかなか厄介ではありますが、一応、無声音にはS、有声音にはZという文字が、
一応用意されているというぐらいのところではあります。
ただ、運用上はうまく使い分けられていないといえど、準備はされているという状況が見えますよね。
それがSに関する話題なんですが、次にTH行きましょう。
かつては、ソーンとかエズという文字がありましたが、中英語期以降、エズは特になくなって、
ソーンはまだ使われていたんですが、そして近代以降に完全にTHという2文字で表すシステムになりました。
これも他のS、Fとは異なって、2文字で表すようになっちゃったというところがポイントなんですよね。
しかも、これ昔から変わっていないのが、有声音も無声音も、つまり「つ」も「ず」も両方ともTHサウンドと呼ばれますが、
濁ろうが濁るまいが、とにかくソーンなりエズなりTHなりで表して、無声音と有声音を書き分けるというシステムは、
今まで一度も英語史上出来上がった試しではないんですね。
なので、いまだにTHという2文字を使って、これはスなのかズなのか、両方表し得るという状態なんですね。
先ほどのNorth、Northern、South、Southernがいい例なんですけれども。
つまり、先ほどのSと異なって、Sは一応準備されている文字としてはZという有声音バージョンの文字も持っているんですが、THサウンドについてはそれすらないんですね。
とにかくTHという2文字一組のあれが万能選手としてあって、無声音にも使えるし有声音にも使えるということなんですね。こういう状況があります。
最後にFについてです。Fについては有声AバージョンがVという音です。
そしてVを表すには、実は現代英語では必ずVを使います。
Fと書いてVと読ませるのは、よっぽど変わった単語だけですね。
あまりに頻度の高いオブが例なんですが、OFと書いて、これはちょっとあまりに頻度が高いので除外しますとね。
そうすると基本的にFという無声音はFで書くんですよ、今。そしてVという有声音、濁った音は事実上必ずVで書くんですよ。
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これはきれいに有声音と無声音とで書き分けていますという例なんですね。
小英語ではVの文字はなかったのでF一つで全部やりくりしていましたが、今現代の話します。
現代の話をするとFとVという2つの文字がきっちり用意されていて、しかもSとZの関係と異なってですね、今回の場合は準備されているだけでなく、ちゃんと運用上も活用されているんですよ。
Fの音だったら絶対F、そしてVの音だったら絶対Vというふうにしっかりと書き分けられているんですね。
さあこの3つの摩擦音、小英語ではこの3つの摩擦音が同じ振る舞いをしていました。
つまり両脇を有声音に囲まれるとそれ自体も有声音になりますよという、ある意味同じ振る舞いをしていたんですね。
そして文字上もFだったらF一つしかないし、Sしかないし、つまりZというのはなかったしVもなかったんですね。
THに関してはTHORNとSと2種類あったとはいえですね、これが無声、有声で使い分けられていたわけではないという意味では、
この3つの音、そしてこの3つの音に対応する文字の振る舞いは、ある意味小英語で一貫していたと言えるんですが、
現代までにこの3つの各々の音から文字の関係がですね、異なる振る舞いをしてきたために、現代となってみるとですね、もう一度整理します。
F、V、これは常に音に従って、つまり声があるかないかに従ってしっかりと書き分けられているのが現代です。
そして次にSとZ、これはですね、中途半端にしか書き分けられていません。一応SとZという文字が、それぞれSとZに対応するよという建前っぽいものはありながら、
実際にはSと書いておきながら、Zと濁ったりするものもあったりという意味では中途半端です。
そしてTHに関しては、もう絶望的です。このTHという書き方一種類しかなく、しかもそれはFという無声音にも、Zという有声音にも対応し得るということで、
この3つがですね、それぞれ異なる振る舞いをするようになってしまったという面白い事情があるんですよね。
それに比べると日本語の仮名は基本的には無声音では点々はつかない、だけど有声音では点々がつく、濁点がつくというような一貫した振る舞いを示します。
波行音というのは、バーとかパーという反濁音があったりしてちょっと変なんですが、英語のこの3つの無声有声パターンを示すSの音、Fの音、THの音、これがもうバラバラなのに比べれば、
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日本語の仮名というのは点々があるかないかということで、一貫してスパッと切れるんですよね。
なぜこのように現代英語ではいびつな分布になってしまったのか。
後英語では良くも悪くもですね、この3つの音は同じ振る舞いをし、そして対応する文字も大体同じ振る舞いを示してきたにもかかわらず、
その後の歴史の中で英語はですね、S、F、TH、ヘンテコな文字使いが根付いてきてしまったということで、現代でもこの3つの音あるいはそれに対応する文字使いというのは要注意ですよという状況になっているんですね。
ちょっとお話しするのがですね、ややこしい難しい話題だったんですが、このあたり面白さのツボをわかっていただけましたでしょうか。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今回は後英語ではS、F、THは優勢音に挟まれると優勢化したというこのルールから始めまして、結局現代の通りと発音の問題、このSという文字、Fという文字、THという文字、そしてその派生版といってもいいZの文字、Vの文字、このあたりが絡むちょっと厄介な話題に入り込んでみました。
後英語ではもっとスッキリしていたという言い方ができるわけなんですけれどもね、今回の話題につながるコメント問題意識を出してくださいましたリーミさんに感謝いたします。
ぜひこれからもですね、リーミさん、そして全てのHeldioリスナーの皆さん、コメント等をお寄せいただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
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それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように、英語詞研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日。