【再】#741. なぜ all-time で「前代未聞の,空前の」の意味になるの
2026-07-31 14:03

【再】#741. なぜ all-time で「前代未聞の,空前の」の意味になるの

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
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サマリー

このエピソードでは、「all-time」が「前代未聞の」「空前の」という意味になる理由を解説します。元々は「史上最高の」という意味で、特にアメリカのスポーツ用語として使われ始めた複合形容詞です。それが転じて、記録やレベルが過去最高であることを示すようになり、現代では広く使われるようになりました。この表現の歴史は意外と新しく、約100年ほど前にアメリカのスポーツジャーナリズムから広まったことが明らかになります。

新刊のお知らせとリスナーからの質問紹介
おはようございます。英語の歴史の研究者、英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間におもっとうに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は6月11日日曜日です。いかがお過ごしでしょうか。 本日お届けする話題は、
なぜ all time で前代未聞の空前のの意味になるのです。 どうぞよろしくお願いいたします。
本題に入る前に5ヶ月ほど前に出ました本のお知らせです。 京都大学の家入陽子先生と私堀田隆一の教授、文献学と英語史研究が開拓者より発売されています。
こちら英語史研究の入門書ガイドブックという趣旨の本となっております。 英語史を研究している方、プロの研究者も大学院生もそして学部上級生もですけれども、
英語史研究に関心がある方はぜひ手に取っていただきたい一冊です。 過去40年ほど1980年以降の研究の動向、
そして今後の展望を整理して示しています。 電子コーパスや辞書といったツールの紹介から始まりまして、
音韻論、つづり字、形態論、統合論というふうに部門別に研究史を振り返っています。 そして最後にはですね、まとめの意味で
英語史研究における今後の展望に変えてという章が置かれています。 参考文献も非常に充実しておりますし、最後には作品も完備しております。
これまでこのヘルディオでも協助者である家入洋子先生と対談なども行ってきております。 他には井上一平氏と一緒に運営しています。
youtube チャンネルの方でもこの本を一度紹介したことがあります。 それらへのリンクをまとめたノート記事を書いております。
このチャプターにそのノート記事へのリンクを貼っておきますので、ぜひ訪れていただければと思います。以上、新著文献学と英語史研究のお知らせでした。
今日の本題いいですけれども、先日リスナーさんからいただいた疑問、素朴な疑問に迫ってみたいと思います。
「all-time」が「前代未聞」の意味になる理由
6月3日預けでですね、海塩さんからいただいています。 最近どうしても理解できなかったのが、alltime が記録的な偶然のという意味になることです。
関連語など含めて英語史的に意味があればいつか聞かせてください。 ということなんですけれども、確かにall time というと全時間とそのまま
訳せますけれども、これがなぜ記録的なとか偶然のとか偶然絶後のという意味になるのか、 なんとなくわかりそうでいてどう考えればいいんだろうというところだと思うんですね。
all time これ形容詞で all の後にハイフンがあって time これで複合形容詞、一語の形容詞になるわけなんですけれども、
典型的な使い方としては、例えばですね、
みたいな、これが典型的な文になりますね。
他には、例えば she is my all time favorite singer のような例もありますね。
それから interest rates are at an all time high のような使い方も割と典型的です。
いずれも前代未聞の偶然のということで、最上級的な意味であるとか、そもそもが極端を意味する単語と相性がいいっていうのはわかるかと思うんですね。
the all time best baseball player これはまさに最上級、ベストが使われていますし、
my all time favorite singer のように言うときには favorite というのは、形こそ最上級ではありませんが、絶対的な意味を持ってますね。
大好きなという意味です。
さて、この表現がどうしてこれで記録的なとか偶然のの意味になるのかということなんですよね。
複語形容詞として考える前に、文字通り all plus time という二語の組み合わせとして考えてみましょう。
all time ですね。すべての時間ということですけれども、
これはですね、コーパスなどを探るといろいろと例が出てくるんですけれども、一番典型的な言い回しは
the greatest small wrestler of all time のような言い方です。
それから the most successful team of all time
the most brilliant man of all time のような言い方ですね。
こうするとわかると思うんですね。
all time というのは全時間です。つまり歴史上の全時間、そしてこれからも未来も含むかもしれないんですが、とにかくですね、
宇宙のこの全時間です。宇宙開拓以来って言うんですかね。すべての時、時代を考慮しても、その中で最も優れたとか最も偉大なということですね。
このような the best 〇〇 of all time という言い方が元になって、
この all time が一人歩きした、複合形容詞として使われるようになって、一人歩きしたというのが今回問題になっている表現だろうということなんですね。
「all-time」の起源と発展
実際では、この複合形容詞としての all time ですね。 all にハイフンがあって time。
これがいつ現れたのかということを OED Oxford English Dictionary で調べてみますと意外と新しいです。
100年ぐらいの歴史なんですね。
この意味での、今回問題になっている空前の、この意味での書類は1910年のものになっています。
スポーツ用語として始まってるんですね。そして主にアメリカ英語で使われると。
次について、ノースアメリカンとあるんでアメリカカナダあたりだと思うんですけれども、
北米のスポーツ用語として、スポーツジャーゴンとして始まったと言って良さそうなんですね。
その記念すべき書類は1910年でですね、雑誌記事の見出しですね。
an all-time all-america football team という形で出ています。
それから1931年の例はベイブルースについて言われている文章で、
今挙げた2つの最初期の例ではですね、
all-time all-america のように all で合わせているフレーズが多いですね。
2つ目も his all-time all-star first baseman とあるように、
ある種のリズム音遊びということも関係しているのかもしれませんね。
このように元々はスポーツのチームであるとか個人ということですね。
を指すのに all-time 最高の史上最強のみたいな意味だったんですが、
それがやがて記録であるとかレベルというところへも波及していったということだと思うんですね。
all-time high records an all-time high とか an all-time peak という言い方で、
記録であるとかレベルが未だ破られていないという意味で使われるようになったということで、
これもアメリカ英語で始まったということなんですね。
ですのでアメリカのスポーツ jargon スポーツの俗語として始まって、
おそらくはジャーナリズム雑誌であるとか新聞のようなところで省略的な言い方として、
しかもゴロがいいということで使われるようになったのではないかということですね。
現在でもスポーツ用語として現れることが多いという文脈的には確かにそうですよね。
the greatest small wrestler of all time っていう例を一番最初に挙げましたけれども、
これも相撲という競技ですよね。つまり競争がある競技において最高のとか記録という意味合いでどうも流行ってきた、
人気を得てきた表現だということのようなんですね。
ですから歴史自体もそれほど古いわけではなく大衆スポーツが盛り上がってきた、
現代のスポーツ文化にふさわしい単語ということができそうです。
「of all time」フレーズの歴史と「all-timer」
さてこの複合形容詞の元となっていると思われる of all time というフレーズの方なんですが、
これ自体も調べてみるとそんなに古くはないようなんですね。
18世紀、19世紀のコーパスを見てもあまり出てきません。
そしてアメリカ英語の歴史コーパスを見てみますと、
ゼロではないんですが19世紀やはり少ないですね。
そして少し際立って多くなってくるのが1920年代からなんですね。
1910年代は19だったのが1920年代に37と倍増しています。
それからさらに10年刻みに追っかけていきますと58例、82例と続き、2010年代では163例ということで、
やはりですねこのフレーズからしてもやっぱり100年ぐらいの歴史、
本格的に使われた歴史としては100年ぐらいしかないっていうことだと思うんですね。
アメリカスポーツジャーナリズムこの辺りだろうとどうも想像されます。
もう一つ関連してやはりスポーツ用語でオールタイマーという言い方があります。
意味としてはオールタイムベストプレイヤーとかそれぐらいの意味ですね。
これがオールタイマーとなって1936年やっぱりだいたいですけれども20世紀の前半に初出しているっていうことなんです。
スポーツ文化が成熟してきて現代では非常に頻繁に用いられるようになった
語でありフレーズであるということになりそうです。
まとめとリスナーへの呼びかけ
なんてことないように見える単語だったんですけれどもこうして調べてみるとですね、なかなか時代を移す人気用語ではないかというふうなことがわかってきました。
ということで今日はリスナーさんからの質問にお答えする回でした。
このような素朴な疑問も受け付けておりますのでぜひコメント欄よりお寄せください。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
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また解説して2週目になっておりますがプレミアムリスナー限定配信チャンネル
英語指納は略してヘルワと呼んでいますがこちらも元気に配信中です。
毎週火曜日と金曜日の午後6時に配信されることになっています。
これまで3回金曜日火曜日金曜日と配信してきました。
通常回とはちょっとテイストが異なる感じでですね。
参加されているリスナーの皆さんとわきあいあいとやっております。
月額800円ということでアプリ経由そしてウェブ経由の決済があるんですが
アプリ経由は手数料が高くなりますのでぜひウェブ経由の方で参加を検討していただければと思います。
それでは今日も皆さんにとって良い1日良い日曜日になりますようにほったりうちがお届けしました。
また明日。
14:03

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