おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間におもとに、英語の歴史の面白さを伝え、 裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は7月23日日曜日です。いかがお過ごしでしょうか。 本日の話題は、
後英史の傑作、ベオウルフ。 唐沢和友さん、和田忍さん、小川俊さんと飲みながらご紹介です。
日曜日ということでですね、ラフに飲みながらの回となります。 日曜日でなくても飲み会お届けしてしまっておりますが、今回はですが、必聴です。
後英語の史ですね、後英語文学の傑作とされているベオウルフという作品を紹介したいと思います。
これについてはですね、これまでの放送会で実はあえて取り上げてこなかったんですね。 これは考えがありまして、
私の周囲にこのベオウルフの作品や言語の専門家というのが複数名いるんですけれども、 その方をお呼びしたときにですね、ぜひこの主曲の話題を取っておきたいということで、
私一人でこのベオウルフについて語るということをですね、自粛してたんです。 そして今回ですね、3人の専門家が集まりまして、いよいよですね、
ベオウルフ解禁というような、そんな機会が訪れました。 その3人の専門家と言いますのは、まず1人目、
メインゲストなんですけれども、立教大学の唐沢和友先生です。 そしてお2人目、駿河大大学の和田忍先生。
すでにおなじみ、フェリス女学院大学ほか小川俊先生です。 メインゲストの唐沢さんはですね、
現在の日本でですね、ベオウルフ研究の第一人者と言って良いかと思います。 実はこのボイシーヘルディオ登場もですね、唐沢さんは初めてではありませんで、
少し前にはなるんですけれども、2022年4月9日ですね、 314回、唐沢和友先生との対談。
今なぜ世界英語への関心が高まっているのかということで、 世界英語の話題で対談したんですね。
世界英語に関する本もお書きです。 ワールドイングリッシーズと言いますと、20世紀、21世紀の話題と普通はですね、理解されていると思いますが、
実際には唐沢さんの研究の中心は英語史の中でも古英語です。 ベオウルフもズバリど真ん中ということでですね、
まさにベオウルフを紹介するにはこの人しかいないというところでですね、 唐沢さんがいるところで一気にこの収録してしまおうということでですね、
今回、ベオウルフ紹介の運びとなりました。すでにお酒は入っております。 ベオウルフという古英詩は、
アングロサクソン時代の宮廷で三酒をみんなが飲みながらですね、 吟遊詩人が歌うのを聞いたという、そういう詩ですので、我々もですね、
この話をするにはやはりですね、三酒とは言わずとも ビールぐらい入れながら話そうではないかということでですね、
すでにいい感じでお酒が入っておりますが、 ぜひ皆さんにはアングロサクソン時代の
宴会の様子を想像しながら、今日の4人でのガヤガヤとした話をお聞きいただければと思います。
ではお聞きください。 開きましたー! カンパーイ!
えっとですね、今日はここにですね、 4人集まっておりまして、
豪華ゲストと言っていいと思いますよね。 まずですね、立教大学唐沢和友先生です。
2回目の登場ということで、よろしくお願いします。
そして駿河大学の和田忍先生、よろしくお願いします。 先日アルフリッジの回で、
アルフリッジというのがですね、食べ物ではなくて、 小英語時代の人だと、作家だということでね、ご披露いただきました。
そしてフェリス女学院大学ほかということで、小川俊さんです。 よろしくお願いします。
小川さんはウルフさんという人物。 今日お話、4人集まって、小英語の専門家が集まってるんですよ。
私以外3人、まあそうですよね。 これまでの放送で話してきた小英語って普通、リスナーの皆さんはあまり知らないと思うんですよね。
小英語時代、アングロサクソン時代と言いますが、 知ってる名前って誰がいるかなっていうと、
アルフレッド大夫ギリギリかなっていう、知っている方でも。 で、このチャンネルをきっかけにウルフスターンという、
だいぶランクの低い人から、アルフリッジはちょっといいくらい? これに比べると。というのから導入したんですけど、
ちょっと大きなキャラがね、一人実はいるんですよ。 これはですね、ベオウルフという人物で、
これを知っていないとちょっとね、小英語的にはもぐりだろうというようなところで、 ウルフスターンとアルフリッジ先行っちゃったんですけど、
本当は順番逆で、ベオウルフ出していかなきゃいけないかなというところなんですが、
私もベオウルフは読みましたけども、小英語で。 ここに集まっている皆さんは、
まあグッと専門に近いんですよ。 特にカラサワさんは、
立教大学の先生ですけれども、今こうやって飲んでます。飲み友と言います。 これは専門にかなり限りなく近いと言っていい人だと思うんですけど、
日本の中でもですね。 そもそも初めて聞くって言う方いると思うんですよ。 ベオウルフって、何ですかそれ。
ウルフ、ウルフスターン。ウルフ、ウルフ、狼ですかとか。 ここからまずね、
話を聞きたいんですけれども、これはベオウルフっていうのは固有名詞だと思うんですけど、 これは何なんですか。
まあそれは色々な説があるけれど、 一般的というか一番よく知られている説は、
ベオとウルフからなっていて、ベオの方は現代語のビーのハチ。 ミツバチのハチ。
ウルフは狼。
それを合わせると、
それはハチのハチミツを食べに来る、
ハチの巣を荒らすものとして、 クマがそういうハチの巣を荒らすものとして知られていて、
つまりハチに対して狼は敵みたいなもので、 なのでハチの巣を荒らすものってことで、全体としては
クマのことを意味するんじゃないかという説がある。
しかもベオウルフの、特に話の前半は、
ヨーロッパに古くから伝わる民話の中で、 クマの子の話っていうのがあって、
クマの子が活躍する話なんだけれど、 その民話と似たような話の流れになっていて、
そこでもクマとこの話が通せるというか。
ちょっと待ってください、新情報が多すぎるので、 これもしかして物語についているタイトルみたいなことですか?
タイトル?タイトルはついてないんだけど、 オリジナルのものは全然何にもタイトルがついてなくて、
現代の学者がベオウルフという英雄が活躍するから、 これをベオウルフと名付けたのだけれど、
今言ったようにね、クマの子の民話みたいなものと よく似たプロットの話から成り立っていて、
しかもその名前もベオウルフが何かクマを 表しそうだっていうことで、
民話とベオウルフという英雄の名前が 何か関係し合っているような感じがすると言われている。
これだいぶ説明が前置き必要だと思うんですけど、 これは小川さんに説明していただければと思うんですが、
そもそもが、今、川瀬さん、先走ってかなり レベルの高い話になってたんですけど、
ベオウルフって何なんですか?というところから 遡りますか?
最初の前提ということですね。 ベオウルフは物語の中の登場人物の名前ですね。
ある物語があって、主人公で、 その物語には小英語で書かれたということですね。
タイトルは特に原文では書かれていない。 しょうがないから、主人公の名前を取ってベオウルフっていうタイトルにしてるっていう感じっていうことなんですかね。
その今、語源を川瀬さんに解説いただいたということで、 クマっぽいんですかね。
そういう説があるっていうかね。
なるほど。ただ小英語って言っても、よく言われるのは、 449年からね、ノルマン征服みたいな、すごい長いじゃないですか。
その中のどれくらいの時代に書かれた物語というか、 そもそもフィクションでいいんですよね。
ベオウルフさんは実在はしない。 クマっぽいくらいはわかってる。
そうすると、その小英語の長い時代の中でも、 どのあたりの時代っていうふうに考えられてるんですか。
書かれたっていうか、要するにオリジナルの作ですよね。 作がいつぐらいっていうのは。これはどうなんですか。
これはね、だいたい700年から725年ぐらいに。
それぐらいに絞られてるんですか、今。
僕は思う。いろんな説がある。もちろんね、 写本ができた頃に、つまり写本が書かれたのは1000年ぐらいなんだけれど、
1000年ぐらいにできたっていう説を唱えてる人もいるんだけど、 これは信憑性が低くて、
かなり早い時期にイングランドの中部から北部にかけてのどっかで作られたっていうのが妥当な説で、
多分8世紀、8世紀の前半、前半の前半というか、 つまり700年から725年ぐらいにできたというのが一番信憑性があると個人的には思います。
今の作っていう話と、写本に残ってるのは1000年。 700年ぐらいが作っていうに唐沢さんは考えている。
だけど残ってる写本は1000年っていう。 これってちょっとわかりにくいかもしれないんですけど、
お母さん説明していただけますかね。
現代の感覚からするとちょっと想像しにくいかもしれないんですけど、 今の人だと例えば自分作家がいて、その人が自分で文章を書いて、
それをそのまま直接出版社に渡して、すぐ次の年とかに出版されるっていうのが一般的だと思うんですけど、
当時はそんなシステムはもちろんなかったので、
その当時の人々の中で句伝というか、話の中で伝わっていた物語とかがあって、
それをもちろん最初に作った人はいたんですけど、その時にじゃあそのまま文字にその時に起こされたかっていうと、そういうわけがなかったということで、
それが改めて文字に起こされた時代までがちょっと開きがあるっていう。
あるいはそのコピーがたまたま最も古いのは残ってないとかで、
たまたま現存する最も古いのが1000年くらいっていうことで、300年くらい開きがある可能性が高いっていうことなんですかね。
なるほど。じゃあちょっとこの10分チャプターでわかったのは、ベオルフっていうのは登場人物の名前である。
それをつけた物語の名前にもそれは構成のね、採用していると。
それは700年くらい書かれたんじゃないかということですね。
ではベオルフというのはどのようなプロトなんでしょうか。
プロト?ベオルフというのはこの英雄ベオルフの活躍を描いた作品というふうに理解されていて、
話は大きく分けると前半と後半2つに分かれる。
前半はベオルフが若い頃の話。
ベオルフが20歳前くらい、10代の終わりくらいか20歳くらいか、そのくらいのすごく若い時の話で、
デンマークにいるフロースガール王っていう王様がいて、ベオルフはデンマークじゃなくてスウェーデンの南辺りに住んでるんだけれど、
その隣国のデンマークの王様の館をよなよな怪物が襲ってきて、人々を苦しめているという噂を聞きつけて、
その英雄的な精神のあるベオルフは、それじゃあそこに行って、自分が怪物を退治してやろうと。
で、手柄を立てようというね。そういうふうに考えて、
そのフロースガール王の館に行って、そして怪物と対決して、これをあっけなく退治しちゃって。
さすがベオルフ強い。で、強いと思って、みんなでやったやったって言って、怪物は死んだって言って、
宴会をしていて、その夜寝たところに、今度はさっき倒した怪物のお母さんが復讐にやってきて、
息子が殺されたというか、息子がひどい目に合わされて、それの復讐にお母さんがやってきて、
それでその重要な家臣を殺して、死体を持ってどっかに帰っちゃったと。
次の朝にみんな起きたら、血まみれの惨状があらわになって、
王様もまた悩んじゃう。また新しい敵が現れて。
で、その英雄ベオルフに、またもう一回どうにかしてくれってお願いして、
ベオルフは英雄だからね、よしじゃあわかったって言って、もう一回やっつけてやろうって言って、
で、その家というか住処を訪ねて行って、住処に入って行って、
さっき倒した怪物の母親と戦って、これも何とか倒して、
ベオルフはすごい英雄だっていう風に称えられるっていうのが前半の話。
ボスキャラを倒したっていうような、さすがベオルフみたいなね。
この一つ一つの戦いの描写とかもやっぱり非常に面白くてっていうか、見どころ、クライマックスの一つですよね。
で、そこで時は突然50年ぐらいが経過して、
50年経過する前にいろんな出来事が説明されるんだけど、
とにかく本当はベオルフが自分の国の王様になる立場ではなかったんだけれど、
いろいろ重なってベオルフが国の王様になることになりましたっていう説明があって、
王様になって50年が経過しました。
急に50年経っちゃう。50年の間何も説明なくてね。
50年経った後に、なぜだか恐ろしいドラゴンがベオルフの国を襲ってきました。
それにも理由があるんだけど、今ここでは細かいから言わないけど、
とにかくドラゴンがベオルフの国を襲ってきても、
その当時のドラゴンってどうやら火を吹くっていうことで、
火を吹いてあちこちの家を燃やしたりして、
街を破壊して回っているので、
王様としてベオルフはそのまま見て過ごすわけにいかないので、
それなら、自分がこのドラゴンと対決してあいつを倒してやるって言って、また戦いに行く。
もう結構おじいさんなんじゃないですか。
もう70歳ぐらい。最初20歳ぐらいから50年経ってる。
めちゃくちゃ強いですね。
その当時の70歳っていうのはほとんど、今だったら100歳ぐらいじゃないかっていうね。
そのぐらいの年代の、とにかくすごいおじいさんになったんだけれど、
でもベオルフは強くて、
ドラゴンを倒しに行くんだけど、
その時手勢を11人ぐらい連れて行って、
ドラゴンと戦うんだけど、ドラゴン強いからベオルフはかなり窮地に追いやられる。
その時に11人手勢がいて、
手勢はお前らそこで見てろって、俺が戦うからって言ってね。
森で見てろっていうふうに命令するんだけど、
命令されたから家来たちはみんな森の中にいて、一部始終見てるんだけど、
いよいよベオルフがもうやられそうだ危ないっていう時に、
一人だけ忠実な家臣が、
いやもうこれは見ていられないって言って、
助けに行く。
みんな他のあと10人も、
お館が危ないから行かないとって言うんだけど、
他の人は恐れを呑いて、
ドラゴンが怖いから動けないんだけど、
その一人だけは助けに行って、
そのおかげでなんとかベオルフは、
ドラゴンを倒すことに成功するんだけれど、
その戦いでドラゴンに噛みつかれて、
それが致命傷となって、その後すぐ死んじゃうんだけど、
それで王様は亡くなってしまいました。
ベオルフはどうやら子供もいなかったみたいで、後継ぎもいなくて、
この国はどうなってしまうんだろうっていう。
最後はお葬式の場面で、
素晴らしい王様だったっていうのと同時に、
この国は一体これからどうなってしまうんだろうっていう不安が混ざった、
そういう感じで話が終わるっていう、
そういう話。