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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに応える初めての英語史、英語語源ハンドブック、言語学ですっきり解決英語のなぜの著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio、英語史をお茶の間におもっとうに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は2026年3月25日水曜日。みなさんいかがお過ごしでしょうか。 本日の話題は、
Furthermore、二重比較級を体現している語です。
昨日の配信会で、ERとEST、英語の比較級設備字と最上級設備字について、その起源を探りました。
それと間接的に関わってはくるのですが、同じく比較級絡みの話題として、面白いものを持ってきました。
Furthermore、これFurtherだけで、もうすでに比較級なわけなんですが、その後にですね、前ではなく後に設備字としてmoreがつくという、2回比較級を表現してしまっているというものなんですね。
なかなか面白い語だと思いませんか。
今日はこのFurthermoreとその仲間たちについてご紹介したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
今日の話題はFurthermoreという単語なんですが、これはさらにという意味で、少し固めの文章などでは出てくるかなということですね。
ある一文が終わった後に、and furthermore、さらにその上に付け加えて、みたいな使い方をするということですね。
この単語、3音節のちょっと長めの単語ではありますが、見てお分かりの通り、furtherということで、すでに比較級の形になっています。
こちらはですね、far、遠いですね、far awayのあのfarですけれども、不規則な比較級、最上級の作り方をしましてね。
通常であれば、farにそのまま、farer、far-estとなりそうなところなんですが、thが出てくるんですね。
これについてはですね、一度ヘルディオでお話ししたことはありましたがね、
少し込み入った事情があるんですけれども、farという単語と、もう一つですね、起源的には繋がってくる単語なんですが、
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forth、前にということですよね。前の方に向かって遠くにということで、接点がないわけではないということで、
この二つがですね、ごっちゃになったのではないかというふうに考えられたりしています。
また他の説もあるんですけれども、いずれにせよですね、farの比較級はfather、それからfarthestというふうになるんですね。
ただこれにもですね、2バージョンはあって、fartherというものとfurtherというものがあって、
厳密に言うとですね、基本的な使い分けとしてはfatherのARの方は文字通り物理的な距離が遠い。
それに対してURのfurtherの方は物理的というよりも比喩的にさらに付け加えてのような意味、それから程度が離れているということですね。
このようにfar系列とfur系列があるといった、いずれにせよですね、farの比較級、最上級というのはなかなかイレギュラーなことになっているわけなんですが、
今回さらにイレギュラーといいますか、さらに面白いことにですね、このfurther、f-u-r-t-h-e-r、これですでに比較級なのにもかかわらず、その後ろに設備字としてmoreがくるということなんですね。
単独の自立した単語としてのmoreというのは、比較級を学ぶときに長い音節の形容詞、副詞につくときはERをつけるとさらに長くなってしまうので、これはmoreをつけましょうというふうに習うわけなんですね。
このmoreをつけるときは、普通ですね、形容詞、副詞の前につけるわけですよ。morebeautiful、more intelligentのような形なんですが、これが形容詞、副詞の後ろに回って、しかもですね、独立した単語というよりは設備字のようにくっついていくというような、
こんなmoreが設備字化したものというのが、中英語ぐらいから現れてくるんですね。それ自体が非常に面白い現象だとは思うんですけれども、何もですね、furtherのようにもうすでに比較級である単語につく必要はないではないかと思われるわけですよね。
far moreだったら、まだわかると。moreが後ろに回っただけということなんですが、そうではなく、further moreという作り方ですね。これでもかというくらいにですね、二重に比較級であることを示している。まさにこれ、余剰的にですね、比較級であることを担保しているというか、保険をかけているかのようにですね、しっかりと比較級なんですよ。
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三音節の重厚な単語になりますし、further moreという発音になって、明らかに比較級であることが2回表示されるのでわかりやすいという利点はあるものの、余剰、無駄というような見方にもなりますよね。
さあ、このような単語がですね、中英語期くらい、それから初期近代英語期くらいにかけてですかね、一度生産性が増して、つまりこの手の造語が増えたんですね。
現代ではほとんど使われないものも含めてですね、いくつか手元にリストがあります。OEDから拾い出したものなんですが、読み上げてみたいと思います。
neither more, outer more, rather more, upper more,utter moreのような単語群ですね。
12語読み上げてみましたが、全体として共通点、意味上の共通点、おわかりでしょうか。
これは、場所や時間を表す単語、典型的には前置詞や副詞、それから場所、空間を表す名詞などが機体としてあって、それにERをつけている、そしてさらにmoreをつけているという形なんですね。
その意味上の共通点を念頭に、もう一度お聞きください。
backer more, downer more, farther more, furthermore, inner more, latter more, lower more, nethermore, outer more, rather more, upper more, uttermoreということなんですね。
あまり聞きなれないものが多いと思うんですね。
実際、現代でよく使われるのは、今回の表題に挙げております、further moreぐらいですかね。
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他には、neither more、このneitherというのは、ネザーランズのneitherですね。
低いという意味なんですが、より低いということですね。低い方のという意味になりますが、これくらいは使われるとの記述がありますが、私はあまり見かけたことがありませんね。
他のものは、中英語記に作り出されてちょこちょこっと使われたけれども、近現代にはほとんど使われずにきた、背語とか詞語という形で必ずしもOEDではマークされていないものの、事実上通常使われる語ではないかなというところなんですね。
この中で、現代、普通に使われるのが表題に挙げたfurther moreということなんですが、実はこの単語は一番最初にこの語群の中でも生まれたものだったんですよ。
つまり、ある意味、further moreが一つのモデルになって、その後、中英語記中に読み上げたようないくつかの単語が現れてきたということで、
類推の基盤になったモデルとなったのがこのfurther moreなんですね。
1175年くらい、初期中英語記ですね、オーミュラムという作品の中で初めて現れております。
それから現代まで現役ということで、一人である意味突っ走ってきたというところがありますね。
途中で仲間を呼び寄せたけれども、その仲間たちは大体脱落していったというところで、妙な単語が残ってしまったなというところではあるんですが、こんなことが起こるのも英語史、面白いところですね。
そして、他の仲間たちがどうして脱落したのかというのは、これまた別途考えていく必要がありますが、
近代英語記、特に後期になりますと規範主義の考え方が出まして、1回で済むところを2回、無駄、余剰に語尾をつけるなんていうのはもってのほかだというような理屈がまかり通ったといいますかね、そういう理屈が好きな時代、18世紀あったんですよね。
そのあたりに、二重ほにゃららというようなものは、かなり多く淘汰された、駄目出しされたということがあって、その辺がもしかしたら、先ほど読み上げた語群の多くに負の影響をもたらして、事実上の背後に追いやったということはあり得ますね。
だとしても、このfurthermoreはそれを乗り越えてきたということになりますので、やはり興味深い単語ということになります。
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皆さん、たまに使ってください。
furthermore、変な単語です。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
本日はfurthermore、二重比較級を体現している語ということでお話しいたしました。
この二重比較級の話題は、だいたい初期、近代、後期、シェイクスピアなどの時代ですけれども、moreworseとかworserのような話題があって、これは英語史ではよく知られた鉄板ネタなんですね。
二回も比較級を表現しちゃってるってやつなんですけれども、今回取り上げたfurthermoreというのはあまりご注目されていないということで、今回furthermoreとその仲間たちについてお話しいたしました。
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