2026-03-04 13:18

【再】#592. 北西アマゾン文化圏の驚くべき多言語事情

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。 英語史をお茶の間におもっとうに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は1月13日金曜日です。いかがお過ごしでしょうか。 本日お届けする話題は、
【再】北西アマゾン文化圏の驚くべき多言語事情、です。 どうぞよろしくお願いいたします。
本編に入る前に、新著のお知らせをさせてください。 京都大学の家井龍子先生と私堀田隆一の教著、文献学と英語史研究が、昨日、1月12日に開拓者より発売されました。
英語史研究のガイドブックという内容の本です。 英語史を研究する方、研究を志す方に、過去40年ほどの研究の動向と、今後の展望を整理して示す、という趣旨の本です。
やや専門性が高い書籍ではありますが、ご関心のある方はぜひ手に取っていただければと思います。 文献学と英語史研究、開拓者より一般発売されています。
このチャプターに本章を紹介する記事へリンクを貼っておきますので、ぜひご参照ください。 以上、お知らせでした。
本題に入る前に、新著のお知らせをさせてください。 京都大学の家井龍子先生と私堀田隆一の教著、文献学と英語史研究が、昨日、1月12日、開拓者より発売されました。
英語史ブックという趣旨の本です。 英語史を研究する方、あるいは研究をこれから志す方に、過去40年ほどの研究の動向と、今後の展望を整理して示す、という趣旨の本です。
やや専門性が高い書籍ではありますが、この方面にご関心のある方は、ぜひ手に取っていただければと思います。
昨日1月12日に発売となった、ホヤホヤの本です。 文献学と英語史研究。
このチャプターに本書に関する記事へのリンクを貼っておきますので、そちらからご参照ください。 以上、お知らせでした。
今日の話題は、北西アマゾン文化圏の驚くべき多言語事情ということで、連日、言語多様性であるとか、多言語使用、英語でマルティリングアリズムと呼んでいる現象なわけですけれども、これについてお話ししてきました。
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今日もその続きなんですけれども、ほとんど知っている方はいないと思うんですね。 北西アマゾン文化圏ということで、これは数年前に関係する論文を読んだときに、本当にたまげました。驚きました。
言語的禁止性の高い日本に暮らしているとですね、そのある意味、本当の意味での対局にあるような文化圏、言語圏なんですけれども、この事情を皆さんにお知らせし、このような環境があるんだということをですね、一緒に改めて驚いていきたいというふうに思います。
北西アマゾン文化圏というのは、南米、ブラジルとコロンビアの国境にまたがる地域ですね。
アマゾンのまさに北西部の地域なんですけれども、ここに一つの文化圏があるんですね。
人口で言いますと1万人ほどという文化圏なんですけれども、この文化圏の内部では、異なる部族によって25以上の言語が話されているっていうことなんです。
25以上の言語があるということなんですが、いくつかの広域に通じる、いわばリンガフランカと呼ばれるような言語もあるんですが、その中でも最も広く通用する言語っていうのがありまして、それがトゥカーノと呼ばれている言語なんですね。
トゥカーノの通用する地理的範囲と、この文化圏の地理的範囲っていうのはほぼ一致しているということなんです。
この文化圏には様々な部族、そして様々な言語がですね、分布しているということになるんですが、全体としては一つの文化圏ということで、ここに属する個人は通常3言語以上を自由に操ることができるんです。
つまり、ここでは社会として、社会全体としてマルチリンガルであるだけでなく、その構成員である個々の人も言語以上を自由に操ることができるって意味で、社会的にも個人的にもマルチリンガルだっていうことなんですね。
そしてこれが当たり前、普通の状況であり、むしろ1言語、2言語くらいしか喋れないっていうことになると、こちらの方が例外ということになるわけですね。
まさにこの点、日本、典型的な日本の暮らしとか日本人から見るとですね、全く反対だというふうになりますね。
一言語生活している人が当たり前で、英語一つできるだけですごいというような話でしたね。
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北西アマゾン文化圏の人々はですね、このようにマルチリンガルであるっていうことは当たり前なんですね。個人の能力としても、そして環境としても当たり前なので、この状況を普段から強く意識することはない。
これが日常だというふうに思い込んでるわけですね。
しかも面白いのはですね、言語学者のフィールドワーカーがこの地域に入り込んで、いろいろと研究調査するわけなんですけれども、ある個人を捕まえて、いくつ言語できるのっていうふうに聞くとですね、必ずしも明確な答えが返ってこないんだそうです。
それはですね、そもそもいくつ話せるかなんということを意識したことがないということもそうですし、言語名のですね、リストを示されると初めてですね、これは知ってる、これは知らない、あれは知ってるとかこういう答えになるようなんですね。それくらい当たり前すぎるというようなことのようなんです。
また会話の中で複数の言語が混合する、いわばコードスイッチング、さらに程度が激しいとコードミクシングなんて言ったりしますけれども、これも日常茶飯事であるっていうことなんですね。そして、和社本人もほぼ無意識にそのようなことを行っているっていうことなんです。まさにマルチリンガルが日常というそんな文化圏なわけです。
この文化圏に特徴的なのはですね、異族結婚という慣習があるということなんですね。男性は自分が属する部族言語とは異なる部族言語の嫁として迎えるというのがルールなんですね。これを犯してしまうと、いわば近親相関的なタブーとなるわけです。
社会的に容認されないっていうことになるので、つまり定義上ですね、夫と妻っていうのは常に異なる母語を持つってことになります。そこでですね、我々だとこういう疑問が浮かぶと思うんですね。夫婦間コミュニケーションの問題は生じないのかっていうことですね。
ところがほとんど問題にならないようなんです。なぜかというと夫は嫁探しの過程で将来妻となる人の属する部族の言語を学び始めるという機会を持つことになるからです。
さらにその女性、嫁入りする女性もですね、夫の部族の言語を習得するということになるわけですよ。つまり状況に応じて新しい言語を学ぶということが自然なんですね。
さらにそれまでの人生で互いに第3の言語、第4の言語というのを習得しているので、そこで共通していればコミュニケーション取れるっていうことになりますよね。リンガフランカとしてのトゥカーノなども両者に理解される可能性が高いっていうことになりますし、全く理解不能、コミュニケーション不能っていうことにはならない。
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我々とも前提が違いますよね、この辺り。
そして結婚すると妻は夫の部族に入ることになるんですが、そこでですね、住むところはロングハウス、共同長屋みたいなものなんですね。多くの家族が住んでいるという家ですね。
そしてこのロングハウスというのがまさにマルチリンガルな空間なんです。
基本は夫の部族の言語が主ということになるんですね。
ですので妻は生まれた子供の養育っていうのはその夫の言語で行うっていうことになります。
ただですね、そこには夫の家族、例えば夫の兄の一家も一緒に暮らしてるんですよね。
そしてその夫の兄の妻というのはまた別の言語を母語としているわけですよね。
なので妻同士でおしゃべりする時にはですね、共通の夫の言語で喋るっていうこともあるのかもしれませんが、それぞれの言語でコードミックシングしながら話したりするわけですね。
そうすると妻Aは妻Bの母語についてある程度知ることになる。
妻Bも妻Aの母語について知ることになるということで、どんどんですね、使いこなせる言語っていうのが増えてくるわけですよ、この長屋ではですね。
このようなマルチリンガル空間で子供たちは育つわけですから、当然子供たちも物心ついたらいくつかの言語を少なくとも聞いてわかるという状態になってるわけですよね。
そしてかつては子供で似たような長屋暮らししてたわけですよ。
つまり全てがマルチリンガルで回ってるっていうことなんですね。
つまり遺族結婚の慣習とこのマルチリンガリズムというものがですね、お互いに持つもたれつということでぐるぐる文化が生活が営まれて回っているっていうことなんですね。
この文化圏内であれば、どこに行ってもですね、相手の言語のレパートリーの中から一つぐらいは自分も理解できるものがあることが多いし、逆に自分が話すことを相手も理解してくれる可能性が高い。
一人一人が複数の言語からなる言語のレパートリーというものを持っていて、どれか一つが相手と共有されていれば、それでコミュニケーション問題なしっていうことになるんですね。
12:03
このチャプターに関連するヘログ英語誌ブログへの記事へのリンクですね、貼り付けておきますが、この論文を読んだ時にですね、たまげましたね。
そして頭では状況を理解したつもりなんですが、逆に頭でしか理解していないですね。
どんな状況なんだろうかと。ものすごい言語共同体が存在するもんなんだなというふうに思いますね。
逆から日本の言語事情を見たらですね、どんなふうに感じるんでしょうかね。それこそ意味不明というふうになるのかもしれません。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
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ほったりうちがお届けしました。また明日。
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