2026-02-25 21:26

【再】#585. ウクライナ人がウクライナ語を学び始めてるってどういうこと? -

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/650f4aef0bc9d6e1d67d6767
00:00
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間に、おもっとうに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は1月6日金曜日です。いかがお過ごしでしょうか。本日、お届けする話題は、「ウクライナ人がウクライナ語を学び始めてるってどういうこと?」国家と言語の複雑な関係です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
本題に入る前に2点ほどお知らせ があります
まず1点目ですけれども 今月12日以降に発売予定の新著
について宣伝させてください 京都大学の家入陽子先生と私
堀田隆一が共著で文献学と英語 史研究という本を出版いたします
開拓者より出版される本でですね こちら開拓者のシリーズもの
最新英語学言語学シリーズという 全22巻もののシリーズの第21巻
となります まだ全部が出ているわけではないん
ですけれどもだいぶそろってきた 感じなんですよね
その中の第21巻ということで家入 陽子先生と私堀田隆一で文献学
と英語史研究こちらの本を今月 中旬に出すことになっております
内容としては英語史研究のガイド ブックハンドブックというそういう
趣旨の本なんですね 過去40年ほどの英語史研究の動向
を振り返り今後の英語史研究の 展望を示すといった内容となっています
すでに英語史研究に携わっている 方あるいはこれから本格的に勉強
してみようかな研究してみよう かなという方に手に取ってもらう
と良い本なんではないかと思います レファレンス的にも使えますし
それほど分厚い本でもありません ので通読していただくのが全体
をつかむにはいいのかなという ふうに思います
英語史の入門書ではないんですね 英語史研究の入門書というような
位置づけです 文献学と英語史研究 今月中旬以降に一般発売となります
すでにAmazon等では予約受付開始 となっておりますのでこのチャプター
03:04
に関連するリンクを貼り付けて おきますのでそちらから本書について
詳細を確認していただければと思います 以上一つ目のお知らせでした
二つ目のお知らせなんですけれども 1昨日1月4日から昨日1月5日にかけて
一人イベントだったんですけれども 私のTwitterアカウントにて英語史
小ネタを毎次ツイートするという 正月企画を進めておりました
実際にはヘログ英語史ブログが ちょうど5000回記念を迎えまして
それに引っ掛けてということだったん ですが正月ということもありまして
朝から晩まで毎次私が起きている 時間帯なんですけれども2日間で
既に24のツイートを投げてきました ヘログの過去記事にひも付ける
形でいわばためてきた英語史ネタ の蔵出しみたいな企画なんですけ
れども大変反響がありまして皆さん で盛り上がっていただきました
ハッシュタグとしては英語史小ネタ というのともう一つ英語史をお茶
の間にというこのヘルディオでも タイトルコールで毎朝唱えている
もっと掲げてTwitterに投稿してきました 大変多くのいいねやリツイート
をいただきましてもう少し続けて みようという気になりましたので
今日もできるだけ毎日何らかの 英語史小ネタを投げていきたい
と思いますさすがにこれずっと 続けられるものではないので特別
企画という位置づけではあります がこれをきっかけにして皆さん
に英語史の面白さを知っていただけ ればそしてこのヘルディオも聞き
始めていただければという趣旨 でもう少しだけ続けてみたいと思います
皆さんの応援をお待ちしております このチャプターにTwitterのアカウント
へのリンクを貼り付けておきます お聞きの皆さんがTwitterのアカウント
を持っている必要はありません リンクをクリックしていただける
だけで毎日の英語史小ネタ確認 できますのでぜひ今日も1日そちら
でもお付き合いお願いしたいと思います 今日の話題は少し重めのテーマ
06:03
ですウクライナ人がウクライナ語 を学び始めてるってどういうこと
国家と言語の複雑な関係です昨日 584回の放送で旧ユーゴの言語事情
と題しましてバルカン半島ですね 旧ユーゴスラビアの言語事情について
お話ししましたそこでは言語国家 戦争という生々しい現実が現在
でも展開しているということで インドヨーロッパ語族のスラブ
語派の中でも南のグループですね 南のスラブ語派これをスラブ語
で言うとユーゴスラブとまさに そのように言うわけなんですけれども
民族紛争そして戦争という重苦しい 話題でお届けしました昨日のその
放送は実際には今日の放送の前 振りという位置づけでして今日は
まさに私たち皆が関心を寄せている そして懸念しているウクライナ
におけるウクライナ語とロシア語 に関する話題なんですねこちら
も同じスラブ語派なんですけれども 東スラブですね先ほどの旧ユーゴ
の言葉というのはセルビア語とか クロアチア語とかこれは南スラブ
語派の話題なんですけれども今回 取り上げるウクライナ語ロシア語
は東スラブ語派の二つの言語見方 によれば二つともそこそこ似ている
言語なので方言というふうに第三者 からは見えるかもしれませんそういった
関係にある二つの言語ウクライナ 語とロシア語をめぐるまさにタイムリー
な話題ということになります先に 関係する過去放送の案内をしたい
と思うんですけれども271回の放送 でウクライナ語についてと題する
放送をお届けしていますリスナー の皆さんにはぜひこちらのチャプター
にその放送へのリンクを貼って おきますので271回の放送こちら
も併せて聞いていただければと思います さて今日このウクライナ語に関する
話を取り上げようと思ったのは ちょうど12月31日大晦日の日だったん
ですけれども朝日新聞長官の2 面そちらにある記事がありました
記事のタイトルはウクライナ語 学ぶウクライナ人という記事だったん
09:07
ですねこのタイトルを見て私は ピンときたんですけれどもどういうこと
かということですねこれ事情を ある程度知らないと何のことか
ということになるかと思います のでこの記事をざっと要約しつつ
続けて議論してみたいと思います この記事はキーウ市内の公民館
で老若男女のウクライナ人8人が 無料でウクライナ語の会話レッスン
を受けているというそういう記事 なんですこれどういうことかと
言いますとなかなかピンとこないん ではないかと思いますねいわば
老若男女8人の日本人が東京の公民館 で日本語会話のレッスンを受けている
というような言い方と同じだから ですですがウクライナでは言語
事情が日本とは異なりますどういうこと かと言いますと歴史的な事情で
ウクライナ共和国内部では国語 としてはウクライナ語が制定されて
いますけれどもロシア語も歴史的な 事情で非常に広く流通している
ということなんですねそして多 かれ少なかれウクライナ人は程度
の差はありますけれども両方の 言語を使いこなすことができる
というつまり方言関係にあるぐらい 近い言語ということなんで習得
そのものは大変ではないということ ですしかも歴史的文化的にロシア
との関わりが強いということで 公式には公用語がウクライナ語
ということになっているんです けれどもロシア語を話せる人も
多いし実際常用する人も多いということ です地域によっても差はあるよう
なんですけれども東のほういわゆる 今注目されている東部のドンバス
地方ドネツク州とルハンスク州 などではロシア語話者が非常に
多いということなんですね一方 西のほう例えば西端にあるポーランド
の国境に近い町のリビューでは 歴史もだいぶ異なるということ
でむしろポーランドの支配下に あったような町だったりする
ということもあってロシア語という よりはウクライナ語が支配的ということ
なんですね 実際ゼレンスキー大統領もロシア語
話者だったんですつまり多かれ 少なかれウクライナ人は程度の差
はあれウクライナ語とロシア語 のバイリンガル話者だということ
12:02
ですただしこの程度は地域によって もそして個人によってもだいぶ
差があるということではあります けれどもつまり普段はロシア語
を使っているそしてウクライナ語 はおそらく聞いたりすればわかる
んでしょうけれども自分では話さない というようなウクライナ人も一定
数いるということなんですね ところがここに戦争が起こりました
ロシアが1年前にウクライナに 侵攻してきたそこに炭を発する
戦争が今起きているわけですそう しますとロシア語を常用していた
ウクライナ人たちは祖国はウクライナ 語なわけですよねなのでウクライナ
という国を守りたいという考え の人が圧倒的に多いとしかし自分
はロシア語をしゃべっているウクライナ 語はしゃべっていない平時には
それでも特に違和感なく日常を 送っていたんだけれどもロシア
と交戦状態に入ったつまりロシア は敵国になったわけですね自分
は敵国の言葉をしゃべっている これは違和感がある内的にも外的
にもプレッシャーというものが あるのかもしれませんそこで国語
であるウクライナ語をしゃべれる ようになりたいそのような発想
になるというのも自然のことだ と思うんですねそこでウクライナ
語の会話教室に通っているという そういう次第なんですねこれは
言葉というものが人間にとって どういう存在であるかということ
を教えてくれる非常に示唆的な 現実だと思うんですね私たちが
例えば英語なりを勉強するとき っていうのはほとんどの場合ですね
国際コミュニケーションのツール として英語を勉強するっていうこと
ですよねしかしこのウクライナ 語会話教室に通っているウクライナ
人たちがウクライナ語を学ぶ動機 づけ目的というのは決してコミュニケーション
のためということが第一なわけ ではないんですよねそうではなく
自分はウクライナ人であるロシア 人ではないロシアに対抗するウクライナ
の国民であるということのいわば 証明のためこれは自分自身のため
かもしれませんが他のウクライナ 人の仲間たちのためかもしれません
ですがウクライナのためにウクライナ 語を勉強するんだということは
できるだろうと思います実際朝日新聞 の記事の中にセリフが引用されて
15:05
いましてあるその教室に来ていた 人ですねウクライナ人は侵略国
の言語であるロシア語で話すのは 私にとって受け入れがたくなりました
というふうに発言しているんですね どちらの言語を使ってもコミュニケーション
は取れるんですつまり多かれ少 なかれ皆バイリンガルですから
通じ合うことはできるただそことは 別のポイントウクライナのナショナル
アイデンティティを持つためという 目的ですねこれでウクライナ語
を勉強しているんだということ なんです近代の戦争というのは
ナショナリズムです国家のための 戦争ということですそしてその
国家の民である国民であるという 自覚これはすなわち国語への自覚
でもあるんですねエンディング です今日も最後まで放送を聞いて
いただきましてありがとうございました 昨日今日の放送は戦争国家言語
という抜き差しならないそして 少し重めの話題にはなりました
この話題はもちろんウクライナ での戦争を受けてタイムリーだ
ということで話題にしたということ もあるんですけれどもこの英語
の語源が身につくラジオ英語史 の話題をお届けするこのラジオ
においてなぜこういう話をする のかというのは決して無関係ではないん
ですね英語というのは世界一の 派遣言語ですバックについている
のはイギリスであるとかモッカ の派遣国家であるアメリカ合衆
国ですこの二つの国は結果として 今ある状態の良い悪いというのは
別としましてかつての植民地主義 そして帝国主義もっと言ってしまえば
戦争ということなんですが軍事力 であるとかウデプシによって力
をつけてきた国でありそして英語 というのはそのようにして力を
つけてきた言語であるということ なんですね英語はとてつもなく
大きな権力を持った言語なんです プラスの面に注目すればそれは
世界の非常に多くの地域で通用 するいわばリンガフランカになっている
つまり人類のコミュニケーション 共通の道具として非常に大きな
役割を果たしている貢献している というふうに見えますしかしマイナス
の側面を見ますと危険なほどに 強大な権力を持ってしまっている
18:04
ということなんですね私たちが 英語と付き合うときにはこの英語
が持っている二つの側面正と負 の側面常に両方バランスをとって
見ていく必要があるんだろうと思 っています片一方だけではだめ
なんです一つはコミュニケーション の道具として世界のコミュニケーション
に貢献するプラスの側ですねもう 一つは英語は今のところ絶対王者
であって極めて強い権力を持っている が故に極めて危険な言語でもある
という認識ですこの二つどちらか 一方だけではこの言語とうまく
付き合っていくことはできないん じゃないかというふうに思います
もしの話ですけれども私は望みません しその可能性は低いと思っています
がもしプーチンのロシアがこの 戦争に勝ったとした場合間違い
なく起こることはウクライナを 併合しそしてウクライナ語をロシア語
の一方言ロシア語の中のウクライナ 方言という位置づけに落としめる
だろうと思いますつまり国語の 地位をウクライナ語から奪うだろう
このような言語的戦略というのは 極めて大きな影響を持ちますので
おそらくその辺りを狙うだろう と思うんですね一方ウクライナ
が勝利した暁にはウクライナ語 を改めてロシア語と全く異なる
言語であるというふうに宣言する なり言語政策をとるなりして今まで
以上にロシア語との区別化差別 化を図っていくだろうということ
なんですね言語国家戦争この密接 で複雑な関係というのは私たち
が常に意識しておく必要がある ものだということなんですねそして
それは最も権力のある言語である 英語を考える際にはさらに強く
戦争状態にあるウクライナロシア よりももしかしたらもっと強く
意識しておく必要があるんではない かというふうに私は考えています
何しろ世界で最も強力な言語です からね極めて便利で極めて危ない
この二つのバランス感覚の中で 私たちも英語と付き合っていく
っていう必要があるのかなという ふうに私は考えていますエンディング
で長くなってしまいましたが昨日 今日の放送と合わせて言語国家
戦争この3者の関係について考えて みた次第ですこのチャンネル英語
21:04
の語源が身につくラジオヘルディオ ではあなたからのご質問ご意見
ご感想をお待ちしていますvoicの コメント機能を通じてお寄せいただけ
ますと嬉しいですツイッター等 でのシェアもお願いいたします
それでは今日も皆さんにとって 良い1日になりますようにほったり
うちがお届けしましたまた明日
21:26

コメント

スクロール