BIBLIO JAM開始の経緯と原点
こんにちは、BIBLIO JAM始まりました。 プレゼンターの内藤順です。
今日はなんと、僕一人でマイクの前に座っております。 なぜかというと、まだ2回目配信したばかりにもかかわらず、
早くも番組のストックがなくなるという緊急事態に陥っております。 ただせっかくなんで、少しお時間いただいて、
なんで僕たちが今BIBLIO JAMを始めたのか、 その理由について一人でしゃべってみようかなと思っています。
何か新しいことを始めるときって、一つの理由だけじゃなくて、 いろいろなタイミングとか思いとかが重なるものですよね。
今日はその重なり合ったピースということについて 順を追ってお話していきます。
まず一つ目のピースは、やはり僕らにとっての原点である 書評サイトHONZのことですね。
2011年に始まって以来、サイエンス、歴史、社会問題まで 飛びっきり面白いノンフィクションを紹介し続けてきたサイトなんですが、
そのHONZが解散してから、早いもんでも1年半が経ちました。
解散してから当時のメンバーと頻繁に会っているのかというと、 実はそんなことはないんですね。むしろほとんどの人とは全く会っていません。
ただ、今でも年一回、年末に 合宿という名の温泉旅行をやっているんですけど、
不思議なもので、1年ぶりに会わせても、会った瞬間に まるで昨日まで一緒にいたかのような元の関係に戻るんですよね。
これって結構不思議なことだと思うんです。
普段は別々の場所にいて、バラバラの仕事をしていると。
でもひとたび集まれば、あの本読んだとか、 あれ面白かったよねみたいな共通言語で、
瞬時に以前の空気が蘇るという、 この繋がりの強さを再確認したときに、
改めて、本を通じて繋がった集団の力って すごいもんだなというふうに思ったんですね。
同時に、実は本図がなくなって一番困っているのは、 たぶん元メンバーの人たち自身なんですね。
以前だったら、それぞれのメンバーが掘り出してきた ヤバい本というのが次々に紹介されるという場があったんですけど、
今はそれがまとまった形としてはどこにもない。
正直、面白いノンフィクションを探すのに こんなに苦労するって、
僕自身も思わなかったというのが正直なところなんですね。
僕たち自身が一番の熱量を欲しているんじゃないかということで、
もう一度何かを始めてみようかなというふうな 大きな原動力の一つになりました。
書籍『会社は「本」で強くなる』からの学び
そんなことを考えているときに、 昨年末、ある一冊の本に出会いました。
マネーフォワード全社で取り組む読書経営 会社は本で強くなるという日経BPさんから出ている本で、
宮本恵理子さんという方が書かれた本です。 これ読まれた方いらっしゃいますかね。
この本が非常に興味深くて、 マネーフォワード会計ソフトの会社ですけども、
こちらの企業の中で本が単なる情報のインプットじゃなくて、
社内文化の醸成装置になっているという話なんですね。
経営の根幹に本があるということで、 社員同士が同じ本を読んで感想を語り合ったり
ということを通じて、価値観ですとか、 資座とかを共有していくということで、
つまり同じテキストを共有するということが、 組織を通貴して人と人を深くつなげるという
そういうケーススタディがそこには書かれておりました。
これを読んだときに、HONZのメンバーと会った瞬間に 元の関係に戻れるという感覚の
何か正体が分かったような気がしたんですね。
僕たちは単に仲が良かったとかそういうことじゃなくて、
数え切れないほどのテキストを 共有してきた集団であったということで、
それが特別な力でつながるということになっていたと。
これをマネーフォワードさんのように ビジネスに活用するというケースもあれば、
本図みたいにビジネス以外の分野で 活用していけるケースもあるということで、
だとしたらこのテキストの共有という観点から、 もう一度場を再構築するべきなんじゃないかということで、
何か強く背中を押してくれた一冊になりました。
生成AI時代における人間の役割と音声メディアの可能性
さらにもう一つ、これ今の時代を語る上で 避けて通れない話ですけれども、
生成AIの大統領というものも背景にあります。
ここ数年のAIの進化って凄まじいじゃないですか。
正直書評とか本の紹介文に関しても、
今AIがかなりのレベルのものを書いてしまうんですね。
僕も結構使い倒してるんですけれども、 かつて自分が苦労して書いたものに近いレベルの
整った文章があっという間に生成されてしまうと、
これには正直愕然とする思いだったんですね。
こういったものってどんどん活用していけば いいと思うんですけど、
情報として本の内容はこうですと伝えるだけだったら、
もうAIで十分かもしれないし、これからの時代ですね、
テキスト自体がもうじゃんじゃん生成されて、
ある種テキストメディアっていうものが 劣等者になっていくということも
間違いないんじゃないかなという中で、
人間にしかできないことって何なんだろうというふうに考えました。
そう考えた時にたどり着いたのが、
バイブスというものなんですね。
ちょっと最近のバズワードっぽくもなってますけども、
要は言語化できない熱量だったりとか、空気感だったりとか、
あとは会話の中に滲み出る感情みたいなものを指してます。
この本マジでやばいんだよみたいに喋る時の声のトーンだったり、
気遣いだったり、興奮して早口になるみたいな感じだったり、
あるいは著者へのリスペクトが滲み出るような静かな語り口という、
こういった言語化しきれないバイブスっていうのを、
会話を通じて生み出すことこそがAIには代替できない、
人間だけの領域なんじゃないかというふうに思って、
そう考えた時に真ん中に吸えるべきメディアは、
テキストっていうことじゃなくて、音声にしたほうがいいんじゃないかと、
その中でも対話という形にこだわっていきたいなというふうに思いました。
文字情報だけでは伝えられない熱量、これを音声にして届けたい、
これが僕たちがPodcastという形を選んだ最大の理由です。
今後の展望とBIBLIO JAMの目指すもの
メディアの形式をPodcastにしようと決めてから、さらにリサーチを進めました。
その中で参考にさせてもらったのが、プロ目線のPodcastの作り方という本で、
これクロスメディアパブリッシングさんから出ていて、野村貴文さんが書いている本です。
この本にはアメリカでのPodcast市場の外境だったり、
音声コンテンツがどう社会に浸透しているかということが詳細に書かれていたんですね。
これを読みつけ、始めるなら今じゃないかという確信を見えたものが沸き上がってきました。
アメリカの流れって数年遅れて日本に来るというふうにはよく言われますけども、
音声メディアの波って確実に大きくなっています。
今このタイミングで本気で本のPodcastを立ち上げたら、
何か面白いことになるんじゃないかという可能性を感じて、
そこにかけてみたいなというふうに思いました。
ビビルジアムは今メンバー5人でやってますけども、
ただ5人集まっての内輪の読書会みたいなことで終わらせるつもりは冒頭ございません。
僕たちが一方的にしゃべるだけじゃなくて、本の著者の皆さんだったり、
版元の編集者の方々だったり、最前線で本を届けている書店員の方々とか、
本に関わる全ての人というのをどんどん巻き込んでいきたいなというふうに思っています。
本を書いた人の熱量、作った人の熱量、売る人の熱量、
それら全部混ぜ合わせてJAMセッションのように新しいグルーブを生み出していきたいと思っています。
そんなわけで、本図の解散から感じたこと、
テキストの共有が集団に与える力に築いたこと、
AI 時代における人間の役割、そして音声メディアの可能性、
こういった一つ一つの点が線になってBIBLIO JAMという番組が始まりました。
設立の趣旨ですとか、今日お話した内容についてはノートにも記事をアップしております。
概要欄にリンクも貼っておきますので、もしよろしければそちらも併せて読んでいただけるとうれしいです。
これからどんな本と、あとはどんな人たちとの出会いが待っているのか、
僕たち自身が一番ワクワクしています。
どうぞこれからの展開を楽しみにしていてください。
それではまた次回の配信でお会いしましょう。