殺人出産についての考察
子供を10人産めば人一人を殺す権利が獲得できる。 そんな世界を描いた殺人出産っていう小説があるんですけど。
この刺激的な設定を見て、まあこういうのはだいたい物語自体が安っぽいんだよなーって油断される方もいるかと思うんですが、
これね、読み終わる頃には体中から嫌な汗が吹き出すような、 心がザワザワして収まらないようなそんな強烈な魔力を感じることができるはずなんですよ。
テーマとしては、社会と個人の倫理観がずれている時、どれだけ苦しさを生むのかっていうことが描かれていて、
体ボロボロにして10人も産んでるんだから、一人ぐらい殺してもいいじゃんっていう気味の悪い空気が漂う社会の中で、いかにして周りと馴染んでいきやすい道を探そうかと。
殺人出産反対派の人間がモラルのない強人として描かれ、女子高生の間では昆虫スナックが大流行し、
姉は海人となり誰かを殺すために出産を続けている。 その中で自分が正常な人間として社会で機能するにはどうしたらいいのか。
そんな葛藤が書かれているすごい小説なんですけど。 これは殺人出産っていう極端な設定ですけど、
結婚しないとダメだとか、友人がいないのは寂しいことだとか、 仕事に誇りを持たなければならないだとか、
人によってはね、社会の倫理観と個人の倫理ってズレが生じることを往々にしてあるじゃないですか。
その時に苦しみながらも自分の中で折り合いをつけて正常を演じると言いますか。 その時の心の動きっていうのはどんなものなのか。
それが殺人出産では描かれているんですよ。 まあそういう極端な倫理のズレは辛いよっていう話をしたところで、
ハエによる受粉の手法
皆さん、ハエによって作られたフルーツ、これを受け入れられますかっていう話をしたいんですけど。
というのも近年、ビニールハウスの中にハエを放って、ハエによって受粉を促してフルーツを栽培する手法っていうのが割とポピュラーなものとなっているそうなんです。
農家の方が人工的に受粉をさせる手法はいろいろあるとは思うんですが、
今まで一般的に使用されていたのが受粉に特化した蜜蜂をハウスに放つっていうものなんですよ。
蜜蜂は花粉自体を餌とする習性があるため、せっせと花粉を集めてね。 たまにしてお腹にこしらえてまた別の花へ移って集めてと、もう受粉を引き起こすために
うってつけの性質があったんですけど、 蜂自体が生育にコストがかかるために現場で十分な数を確保できなかったり、
他にも花粉玉を作る習性っていうのが花にダメージを与えてしまうことにもなっちゃって、 栽培効率が低下してしまうとか、
そういう多くの問題点が今まであったんですよ。 そこで大体案としてこの花粉メッセンジャーを
ハエが担うことができるのではないかっていうふうに考えられたらしいんです。 ハエはイエバエって呼ばれるハエ以外基本的に
花の蜜とかそういう餌が確保されている状況下だったら清潔な虫で、 実際使用されている品種はヒロズキンバエ。
医療現場でも使われる無菌生育された綺麗なハエらしいんですよ。 医療現場で使われるシチュエーションとして餌食した組織を
ハエの幼虫に食べさせて治療を促すっていう、 そういう使われ方をしているハエがいるんですよね。
この時どうですか?皆さんこのハエが作ったフルーツを僕たちは美味しく食べられるのかなぁと思ってて。
可愛さの反転術式
多分ですけど、おそらくハエであれば抵抗がない人ってほとんどだと思うんですよ。 結局受粉をハエがやってるだけで、
ハエが真心込めて作ったみたいなそういう話じゃないんで、 全然オッケーって人の方が多いと思うんですが。
しかしですね、こういった一般的に害虫って認識されているものとか、 生理的に受け付けないっていうものたちの活躍の場が広がっていった時、
僕たちは一体どこまで許容できるのかっていうことを考えたくて、 先ほども少し話したハエの幼虫に自分の餌食を食べてもらう治療。
理屈だけで考えればこれを断る理由ってないはずなんですけど、 体にウジ虫を放つのって少し躊躇しませんかね。
でも今後社会が変化していって、この躊躇する気持ちすら他の人からしたらえっていうね、 そんな風に思うんだって異質なものとして扱われ始めて、
その延長線上にウジ虫だけじゃなくて、いろんな生物を使って治療することになったとしたら、
いろんな虫がいるわけじゃないですか、その様々な虫を体に放って治療するっていう、 そういう世界線が生まれていったら、
自分だけがダダをこねてね、周りからなんでそんなわがまま言ってんのみたいな、 呆れられる状況になっていったら、
こういう時に果たして自分の中でどこまで折り合いをつけられるかなーって、 そんなことを妄想してまして、ここ最近ずっと。
そこでですね、この生理的に無理だとか、見るのも嫌だっていうものを、 まあ好きにならずとも状況によっては許容するくらいの態度、
これを今のうちに身につけることができれば、ウジ虫による治療っていうふうに聞いた時も、 気持ち悪いっていう嫌悪感は確か抱くとは思うんですが、
まあでもどんな効果が出るんだろうとか、どんな効果があるんだろうっていうふうに、 施策を深めて判断することができるわけですよね。
というわけでね、今日は僕の考えた嫌いなものをギリギリ許容できるようになる方法、 反転術式をちょっと共有したいんですよ。
まずハエを例にとって話すんですけど、これハエが持つ要素、 まあいろいろあると思うんですけど、その中から可愛いを見つけて、
それを反転させた最悪のハエを誕生させれば、 ハエのことが可愛く見えてくるんじゃないかと思いまして、
ハエ。
詳しく説明しますと、ハエって気持ち悪い要素をたくさん持っていますけど、 唯一小さいって要素は可愛いじゃないですか。
小犬、ハムスター、ひよこ、マカロン、ミニチュアみたいな、 可愛いものってだいたい小さいわけですよ。
だからハエの小ささも可愛いって評価されるべきなのですが、 それを上回る気持ち悪さによって見過ごされてしまっていると。
なのでこの可愛さを再認識するために一度要素を反転させる必要があるなと。 つまり大きいハエを想像するんですね。
ゴールデンレトリバーくらいのハエを想像していただいて、 それも社会に迎合されてペットとして飼われ、リードをつけて散歩しているゴールデンレトリバーくらいのハエです。
これめちゃめちゃ気持ち悪くないですか。 手をこすり合わせたり、羽をはためかせたり、首をキョロキョロ動かしたり、
それがゴールデンレトリバーサイズなのキツすぎないですか。
ここで僕たちの世界にいる小さなハエを見てみると、 もう可愛いっすよね。
かわいい。
確かにフォルムは好きになれないかもしれませんが、 ちんまりした感じはちょっと可愛いですよね。
このように可愛い要素を一度反転させることで、逆に際立つようにさせる。 この反転術式を持って苦手を緩和させていくことができるんじゃないかと。
この可愛いの反転術式、次はね蛇を例に挙げて考えたいんですけども、 蛇も苦手な人って本当に苦手じゃないですか。
鱗とか目とか開いた口とか、何よりあの細長くニョロニョロした動き、 生理的に受け付けない人って多そうですけども、
蛇って唯一、鼻の穴は可愛くないですか。 蛇が嫌いな人も、蛇の鼻の穴がダメなんだよなって人あまりいないですよね。
動物の鼻を中心にね、魚眼レンズで撮影したカレンダーとかあるじゃないですか。 鼻の穴が綺麗に2つ並んでいる姿って、どこかコミカルで可愛さが潜んでいると思うんですよ。
となると、この蛇の鼻の穴も可愛いんじゃないかなって思って、 これを一度反転させるとしたら、蛇の鼻の穴が2つから7つぐらいになったことを想像すればいいんですね。
鼻の穴が7つある蛇、これとても気持ち悪いですね。 目の下に7つの鼻の穴がピッチリと並んでいる蛇。
それから改めて2つのね、鼻の穴がある蛇を見ると、まあなんて可愛いことなのでしょうと。 この方式、対人関係にも役立たせてみることができるんじゃないかなと。
生理的に受け付けない相手といえば、食べ物を食べる時にクチャクチャと音を立てて食べる、 クチャラーと呼ばれる人たちいますよね。
これ嫌ですよね。 しかし今後クチャラーの人と
クチャラーと食事のマナー
過ごす機会が訪れないとも限らないじゃないですか。 その時にこの反転術式をね、胸に携えておけば、その人のことを少なからずは良い人と可愛い人と思えるわけですよ。
じゃあでもクチャラーの人って どこに可愛い要素があるのかって自分を考えたんですけど
クチャクチャと音を立てることって、これ可愛い要素あるんじゃないかなって思ってて。 小さい子供がね部屋で遊んでいたとして、急に静かになったなぁと思って様子を見に行ったら
戸棚からお菓子を出してクチャクチャと食べていたと。 これ可愛いじゃないですか。
良い大人が周りのことを気にかけず音を立てて食べているのが不快なだけで、 クチャクチャっていう音自体は少し子供っぽい無邪気な可愛さが含まれているような気がしてるんですよね。
だからこれを反転させて、もうね下手なバイオリンに黒板を爪で引っ掻く音、 アルミホイルを噛んだ時の起死起死音など、それらが組み合わさった最悪の音が不定のリズムで鳴り続ける。
転勤でやってきて人はいいんだけど、ご飯を一緒に食べると最悪の音が奏でられ続ける。 夢にも出てくる。そんな最悪のクチャラーなわけです。
それに比べれば従来のクチャラーなんてクチャクチャ音がね可愛く聞こえてきて、 もっと聞かせてよってせがむぐらいになりますよね。
他にもね僕が生理的に受け付けない人って考えたんですけど、 ご飯粒めちゃくちゃ残す人。これ僕苦手で、そんな僕はあの貴重面な性格なわけじゃないんですけど、
たまに信じられない量のご飯粒残す人いるじゃないですか。 本当ちょっと残るのは全然いいんですよ。
親子丼とかあいった丼ぶり物のご飯粒とかって結構残りやすいし、 いろんな事情でねそういうふうになるのは仕方ないんですけど、
普通に食べて普通にごちそうさまでしたって言った時にもうビシーッとお茶碗にご飯粒残っている人、 集めたら一おにぎりできそうな人、これ苦手なんですけど、
そういう人って、でもちゃんと食べてはいるじゃないですか。 たくさんご飯食べている姿が可愛いとかよく言われていますし、ご飯を食べるのって可愛い要素だと思うんですよ。
ここにね反転術式を使えば、 一口食べて、これ安い米だねって吐き捨てて、茶碗ごとゴミ箱に捨てるやつ。
これ最悪のお米残す人じゃないですか。 それに比べれば基本的にちゃんと食べてるし、それ以外は普通だし、許せるゾーンには入ってくるのかなっていうね。
はい。
ということで皆さんも嫌なことがあったら、反転術式で一時しのぎをしていただければと思います。
リスナーのリクエスト
ちょっと最近変なことをやりすぎて飛ばしすぎだったんで、今日はちょっと普通な感じで終わるんですけど。
これリクエストというか、話題をいただきまして、シマさんからお便りをもらってですね、DMをもらって、
それもですね、いきなり蜂の代わりにハエが受粉に使われているっていう資料をDMで送ってくださって、
で、これについて僕だったらどういうふうに話すか気になりますっていうふうに言ってくれたんですけど、
いきなり受粉が蜂からハエになるみたいな画像を送ってこられたとき、
僕ね、なんでこの人は僕のことをわかってくれてるんだろうと思って、
嬉しくて仕方なかったですね。 本当この人絶対僕のラジオちゃんと聞いてくれてるみたいな、
めちゃめちゃ嬉しかったですね。
シマさんは二人お子さんがいる女性の方だと思われるんですけど、なんかツイート自体もね、かなり面白くて、
内容を見る限り確実にインターネットの民だなっていう、なんかそういう片鱗をね感じられる。
すごいユーモラスな人なんだなっていうのが伝わる、そんなシマさん。皆さんもですね、
なんかこれどうなんだみたいな、あの、Xの方にそのシマさんが送ってくれた画像を貼っておくんで、
でもこういう感じでいいんだみたいな、なんかちょっと変な面白いやつとか、心に感動を生んだものがあればですね、画像でもなんでも僕の方に送ってくれれば、
全部その話にできるかわかんないですけど、なんかちょっと会話するような感じでね、それをテーマに話したいと思うんで、
お気軽にぜひDMかGメールで、 画像かメッセージの方を送っていただければと思います。はい。
それでは今日はこんなところで、ご静聴ありがとうございました。田山でした。