基礎実験記録
本文書は、SCP-030-JPの性質解明及び収容のために仮収容を行った生物収容サイト8102にて行われた基礎研究記録です。
実験は、悪色博士の研究チームによって行われました。
なお、これらの実験は、特別収容サイト8161建造以前の初期収容時に実施されたものであり、現行の特別収容プロトコルに違反する記述が存在することに留意してください。
実験記録 030-JP-001 日付 1900年9月28日 対象 SCP-030-JP1体 実施方法 対象の捕食対象について その範囲を特定する
回収時の記録を基に、給仕する材質は樹脂を中心に選定された。
実験には、SCP-030-JP1体が使用され、実験後に物理的手段によって完全に終了された。
結果 以下の表の通りの結果が得られた。
給仕物 投油 結果 捕食された。
ポリエチレン 捕食された。
ポリプロピレン 捕食された。
アスファルト 捕食された。
重油 捕食された。
ナイロン6 捕食された。
セルロイド 捕食されなかった。
ロジン 捕食されなかった。
ナタネ油 捕食されなかった。
分析 試験範囲では石油由来の製品のみ捕食することが確認されました。
この変色が概念的なものであるのか否かの特定のため、石油を用いない手法で構成した石油製品での追加実験を行う必要があります。
悪色博士
石油由来製品の捕食
実験記録030JP002 日付1900年10月14日
対象 SCP-030-JP1体
実施方法 対象の捕食対象についてその範囲を特定する
実験記録030JP001を基に給仕する材質が選定された。
実験にはSCP-030-JP1体が使用され、実験後に物理的手段によって完全に終了された。
結果 以下の表の通りの結果が得られた。
給仕物 リンゴ由来のポリエチレン
結果 捕食された。
分析 製造経緯を判断する性質はない模様。
あらかじめプログラムされた特定の樹脂や油脂を捕食するように調整されている可能性が高いと思われます。
方針が決まりましたので、明日の実験でサイト8161建造計画のために使用できる樹脂を選定する予定です。
悪色博士
実験記録030JP003 日付1900年10月15日
対象 SCP030JP1体
実施方法 現在建造を計画中の特別収容サイト8161の建造に使用可能な樹脂素材の選定を行う。
結果 以下の表の通りの結果が得られた。
給仕物 ポリ乳酸
結果 捕食されなかった。
シリコンゴム 捕食されなかった。
グルコマンナンエステル 捕食されなかった。
天然ゴムA配合 捕食されなかった。
天然ゴムB配合 捕食された。
ウルシ 捕食されなかった。
ニカワ 捕食されなかった。
分析
基本的にはバイオマス由来の成分解成樹脂は捕食対象から除外されていることが確認されました。
しかし、主成分が成分解成樹脂であっても、配合剤に石油製品を使用したものは捕食されるようです。
サイト8161の建造に対する一切の石油製品の不使用及び石油製品持ち込み禁止を提案します。
石油製品以外の捕食除外
悪事期博士
日本支部理事会に報告し、承認を得ました。
悪事期博士は収容スペシャリストと協力し、サイト8161建造計画を作成してください。
サイト8102 サイト管理官
サイト8161建造計画
日付1900年10月21日
施設概要
基本構造
鉄骨鉄筋コンクリート像
外壁
液体ガラス処理コンクリート
内壁
液体ガラス処理コンクリート
床材
防滑加工セラミックタイル
上下水道ステンレス管理で配管
電気配線シリコンゴム被覆線
発電機
ZマシンKAI-28161
腐木
発電機にあたるZマシンKAI-28161は、
有事の際には内部に重水素燃料を過剰装填し、
自爆プロトコル実行用水素爆弾として使用可能なように設計。
筆記具としてガラスペンを採用。
インクには木銃を使用します。
木銃の腐食性から万年筆は非推奨です。
保存用紙媒体の印刷は自動化タイプライターにて実施。
タイプライター用インクには松柳と大豆油で調整した顔料インクが使用されます。
全ての電子機器には低温同時焼成セラミック基板を採用し、
フェノール基板は完全に排除します。
設計図
機密につき編集済み
実験記録030JP004
日付1900年3月6日
対象
SCP030JP
実施方法
SCP030JPの意外処理方法の考案
結果、焼却処分においてダイオキシン発生を確認。
焼却以外の処理では成分解、薬品による誘拐などを検討したが、非常に分解が遅く非実用的である。
すりつぶした意外を成分分析にかけたところ、
トリクロロエチレンやテトラクロロエタンを検出。
ある種の胃液のようなものと推測され、
石油製品を捕食する能力の一端である可能性が示唆される。
分析
焼却によるダイオキシンの抑制には最低で800℃、
理想的には1300℃以上での完全焼却が必要となります。
このため、候補としては余裕炉が有力です。
ですが、大量のコークスを必要とするため、ランニングコストがかさむのが難点です。
この点から、サイト内に処分施設を建造するのではなく、
フロント企業の堺エココンシャスプラスティックス株式会社で運用中の余裕炉を用いるのが妥当かと思われます。
また、ダイオキシン発生の原因と思われるSCP-030-JP体内の塩素化有機物は非常に有害なため、
収量方法にも注意が必要です。
収容時には物理的破壊を避け、有機リンケイ殺虫剤の使用を推奨します。
有機リンケイ殺虫剤の有効性は確認できたのですが、
抗議で言えばあれも石油製品です。
世代交代も早いので、薬剤抵抗性の獲得にも注意が必要でしょう。
さらに、大量散布は環境破壊も心配ですね。
ケテルクラスオブジェクトの収容が最優先とはいえ、
常により良い方法を探る必要があります。
悪事期博士
ほい、以下は2000年6月28日に悪事期博士により
サイト8102のサイト管理官に提出された
SCP-030-JPの処分方法改定案です。
高額な建造予算及び現在実用可能性検討中のため保留されています。
もはや部外者ですが、基礎実験時からの技術進歩を背景にした
SCP-030-JP処分方法の改定案を提出します。
耐圧イリジウムタンクを用いた超臨界水処理層によって
熱分解、化水分解、酸化分解処理を同時に行うことで
残骸を完全に二酸化炭素と塩酸にまで分解可能かと思います。
処理液から成分を抽出することで
意外の有効利用が可能と思われますので、ぜひ一度ご検討ください。
あくづき博士