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今を一生懸命生きてるから、過去の心残りを悔やんでしまう
2026-08-26 17:09

今を一生懸命生きてるから、過去の心残りを悔やんでしまう

「他人と自分を比較して羨ましくなったり、過去の選択を後悔してクヨクヨしてしまう」というお便りをご紹介します。


今夜ご紹介するのは、吉田修一さんの作家30周年記念作品『タイム・アフター・タイム』。 過去の甘酸っぱい思い出、大人になった現在の仕事のトラブルやままならない現実、そして主人公を取り巻く人々の抱える痛みや後悔までもが丁寧に描かれた超大作です。


あの頃に戻れたら、自分にどう声をかけてあげるか。「正解だったかどうかわからなくても、その時はその時なりに頑張ってきた」。そうやって自分自身を労わり、過去の瞬間、瞬間を愛おしく思えるような読書の時間をお届けします。


<今夜の勝手に貸出カード>

・吉田修一さん『タイム・アフター・タイム』(幻冬舎) https://www.gentosha.co.jp/s/tat/


<こちらもおすすめ(配信内で触れた吉田修一さんの作品)>

・吉田修一さん『横道世之介』(文春文庫) https://amzn.to/4wGFC9r

・吉田修一さん『太陽は動かない』(幻冬舎文庫)  https://amzn.to/4y4lzTD

・吉田修一さん『森は知っている』(幻冬舎文庫)  https://amzn.to/4hR9gFs 


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サマリー

今回の「真夜中の読書会」では、他人との比較や過去の後悔に悩むリスナーからの便りに応え、吉田修一氏の最新作『タイム・アフター・タイム』を紹介します。この作品は、現代の仕事のトラブルと過去の青春時代を行き来しながら、登場人物たちが抱える痛みや後悔を丁寧に描き出しており、過去の選択に悩む現代人に寄り添う物語です。

リスナーからの悩みと作品紹介
真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、第258夜を迎えました。 今夜のお便りをご紹介します。
ペンネームミヨンシーさんからいただきました。 はじめまして。
バタヤン様と同世代のミヨンシーと申します。 はじめまして。
2ヶ月前にスポティファイで真夜中の読書会と出会い、すっかり魅了され、既に2巡目であります。
2巡目、すごい。
私はいつも他人と比較しては、羨ましく、悔しく、葛藤してしまいます。
また、人生の節目や大切な進路などで、選択肢をいつも間違えては、くよくよと後悔してしまいます。
他人と比べず、今置かれた状況も楽しめるような作品があれば、伝授いただきたいです。
といただきました。 ありがとうございます。
そうですね、同世代ということなので、
あの時、ああしていれば、あっちを選んでいればっていう思い返す、
その前回お話ししたとこで言うと、阿弥陀くじの曲がり角みたいなのは、たくさんありますよね。
今日は、その自分の思い出話はちょっと交えずに、早速5本を紹介したいと思います。
『タイム・アフター・タイム』のあらすじと魅力
今夜の勝手に貸し出しカードは、吉田周一さんの最新作、タイム・アフタータイムという本にしました。
はい、すごく分厚いですね。
えっと、国宝がね、文学史に歴史を刻むような大ヒットとなりまして、
映画も日本映画史に名を残す大作だと思うんですけれども、
そんな吉田周一さんの作家30周年記念作品というふうに書かれています。
かなり分厚いんですね。重量感があります。
532ページありますね。
すごく綺麗な想定で、欲しいなって思って、本屋さんで買ったんですけど、
この分厚さにちょっと大野のいて、もしかしたら積読になるかな、しばらく並待ち本になるかなって思ってたんですけど、
読み始めてみたところ、すっと入り込んでしまって、3日4日で読み切ってしまいました。
なんでこの本をミヨンシーさんにお勧めしたいなと思ったかっていう話の前に、
どんな小説、どんなお話なのか、先にご紹介したいと思います。
主人公は建築会社に勤める40歳の尾崎駿、通称オッソーと呼ばれていますが、
土砂降りの雨の中でタクシーを探してですね、
取り合いみたいな形で、高校の同級生であり、かつての恋人だったクォン・アイという女性と偶然再会するんですね。
その2人は偶然にもまたさらに同じ新しい美術館建設のプロジェクトの担当者として再会をしまして、再び会話するようになるんですけれども、
コンペで起用された建築家の方がデザインを盗用してたんじゃないかという疑惑により、計画がちょっと暗転しまして、
さらに尾崎の家庭に関するスキャンダルとか、口音は口音で、ある子の心の傷というか、ある影を抱えているんですね。
一方で物語は2人の高校時代、かつて恋人関係だった恋人関係に至るまでの20数年前の話に遡りまして、
2人の地元故郷の長崎とか、一時期過ごした沖縄の離島の眩しい眩しい青春の夏の話へと引き戻されていくんですね。
そんな風に、今と過去と、それから東京の今、長崎の時、沖縄の時っていうようなところ、
ちょっと章を分けて行ったり来たりしながら、彼ら彼女らが手放したもの、守りたかったもの、残してきたもの、今も引きずっているものなんかを
丹念に描いた長編大作となっております。
ジャンルを一言で言うとすると、長編の恋愛小説ですかね。
恋愛小説というものをちょっと私としては久しぶりに読んだかもしれないなと思いましたが、
読めるかなっていう気持ちもあったんですけど、吉田さんもインタビューで恋愛小説描けるかなって最初ちょっと不安に思ったみたいなことを書かれていました。
冒頭がですね、急な大雨が降ってきて、どうしゃぶりになって、タクシーを探して濡れになっちゃって、傘もこんなにひっくり返っちゃって、ひっ曲がってしまって、やっと見つけたタクシー取り合いになるんですね。
駅まで行くんだったら、最寄りの駅まで行くんだったら一緒に乗ってきましょうよって言って、団長4人が相乗りになるんですけど、
そしたらその中の相手の一人が、かつての同級生かつ恋人だったっていう、その冒頭のシーンでググッと心をつかまれまして、
最近特にそういう急な土砂降りがあって襲ってくることも多いから、現実見回りつつ、そんなドラマチックさもあって、映像で頭に思い浮かんできました。
現代の仕事のトラブルと過去の青春
女性の方の九音愛は吉高由里子さんで、男性の方の尾崎駿ってオッソーは宝賢吾さんで、思い描きながら読んでたんですけど、
なんですぐそう思ったかっていうと、横道代之介っていう同じ吉田秀一さんの別の小説が映画になっていて、それも確か長崎から東京に上京してきたっていう設定で、
主人公の横道を宝賢吾さんがやっていて、恋人が吉高由里子さんで、そういうとなんか一瞬で頭の中で異色体になってしまって、吉高さんの声で自分の中で脳内再生されてたんですけど、
そんなドラマな冒頭でグッと引き込まれて、場面はパッと変わりまして、高校時代に映るんですね。海の家、団長、混合の演劇部だったかな。
オッソーってあだ名で呼ばれている男子とか、眩しいなって感じで、眩しい青春ですよね、キラキラしていて、
私にはそういう思いではなかったから、これちょっと私乗っていけるかな、この波に乗れるだろうかって一瞬また不安になったんですけれども、また一転して現代に戻ってきまして、
その一大プロジェクト、順調と思われた美術館プロジェクトの設計デザインの今をときめく建築家に決まりました。しかし彼は過去の作品も含めて、なんかこういろんなところからパクっていたかもしれない、海外の別なものをパクっていたかもしれない問題が湧き起こって、
そこから一気に面白くなったというと、なんか性格悪い感じではしますけれども、私は過去の高校時代のキラキラ胸キュンの恋愛の下りよりも、今のその仕事のトラブル、クライアントにどう説明するのか、疑惑があるからといって彼を今さら引きずり下ろすことはできるんだろうか、みたいな話の方に興味があって、
興味があるというか、身近だから、高校のそのじれったいところどうでもいいから早くこの仕事がどうなるのか知りたいなって思ったんですけど、読む方によっては逆かもしれないなと思いますね。
その今の仕事のゴタゴタとかどうでもいいから、句音とお咲きがどうなるのか早く知りたい、早く早くっていう気持ちで読む人もいるかもしれないと思いました。
登場人物への優しい視点とサブキャラクターの深掘り
私がこの小説すごくいいなって思った、吉田秀一さんというのは視点がとても優しいんだなって思ったのは、お咲きと句音っていうそのメインの2人がいるわけなんですけれども、
よくある書き方としては、お咲きの視点、句音の視点、お咲きの視点、句音の視点みたいにしてジグザグ書くやり方もできたと思うんですけど、そうではなくて、過去と今を行ったり来たりしながらではあるんですが、
2人以外のサブの人たちがいるわけですよね。その彼女たちを取り巻くいろんな人たちがもちろん出てきて、そのサブの人たちをサブのままにしないで、その人にも一生与えられているんですね。
句音とかお咲きが転機となるタイミングで、いろんな人に出会う、何人かがいるんですけど、その人にはその人の人生があって、転機があって、その時、今があるから、こういう価値観になっているっていうのが、そこにもちゃんとフォーカスが当てられているんですよ。
それが、今日ミヨンシーさんにいただいたお便りとリンクするところがあって、この本を読んでみてもらいたいなって思った理由でもあります。
後方来楽に見えたり、脳転機そうに見えたりする人でも、その人にはその人の痛みがあったり、後悔していることがあったりしていて、その痛みがあるからこそ、明らかんとした今があったり、脳転機そうな今のキャラクターになっている、たどり着いているってこともあるじゃないですか。
で、私がそのサブキャラたちの中で一番印象に残ったのは、サブキャラっていう言い方もあれなんですけれども、メインの2人ではない登場人物で、一番心に残ったのは、沖縄でその若い時の2人がお世話になるボクシングジムのオーナー兼コーチのヒガという男性が出てくるんですね。
元フライ級世界チャンピオンだったかな、沖縄出身のボクサーが出てくるんですけど、彼はこう怪異な兄貴って感じのキャラクターで、若いの2人うちにいていいぞって感じで、子供たちにもボクシングを教えて、吉高由里子のクオンにもボクシングを教えてくれたりするんですね。
元フライ級チャンピオン、世界チャンピオンという輝かしい過去がある人ではあるんですけど、42歳にして言ってしまうとピークが早めに来てしまった人でもあるわけですよ。
妹さんのことなんかもあったりして、彼には彼の影を抱えているんですよね。だから人から見れば輝かしい人生優れた人でもあるかもしれないけれども、そのヒガにはヒガの悲しみがあって、くよくよしているところもあるかもしれないというふうに読みました。
特に私は今ボクシングを習っているから、もうちょっとボクシングのシーンを見たかったなっていうのは正直なところで、ヒガの人生ももう少し深掘りして読んでみたかったなって思っちゃったくらいです。
吉田修一作品の紹介と番組の締め
吉田修一さんといえば、怒りも映画になりましたけれども、あれも確か沖縄が出てきたような気がしますし、私吉田さんですごく好きなのは太陽は動かないっていうのと森は知っているって、これはちょっとつながっているんですけど、スパイの話なんで、すごいハードボイルドな感じで、今回の作品とは全然作品風が違うんですが、
今は産業スパイになっている主人公の過去として南の島沖縄が出てきて、確かあれもちょっとハワイ恋とか青春と、なんで今スパイというか闇の仕事、危なっかし仕事についているかっていうような過去が書かれていて、すごく面白いので、よかったら読んでみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。ミヨンシーさんもお便りありがとうございました。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
また、水曜日の夜にお会いしましょう。おやすみなさい。おやすみー。
17:09

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