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2022-01-12 15:17

苦手な他者に合わせる辛抱と、一人ですごす気楽さを繰り返してレベル上げ【第91夜】

感情の起伏の激しい上司と、感情を出さずに穏やかにすごしたい私。人の気分やペースに巻き込まれずにすごすには……? 今日の勝手に貸出カードは東畑開人さんの『心はどこへ消えた?』です。

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みもれ真夜中の読書会 おしゃべりな図書室へようこそ
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるをテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて第91夜を迎えました今夜のお便りご紹介します。ペンネームほっぺまんさんからいただきました。
バタやんさんこんばんは、いつも配信日の翌朝にメイクをしながら聞いています。バタバタした朝も少し気持ちが落ち着く時間です。
ありがとうございます。現在私は地元の企業で事務職をしています。普段はよほど気を許した相手以外には感情を表に出さない方です。
出した方がいい局面でも臨機応変には対応できないタイプです。
なるほどわかりますね私もそうです。直続の上司は気分の浮き沈みが激しい人です。
コロコロ変わる期限で職場の空気が乱れるので苦手です。いつも仕事の指示は口頭のみで、要件を手短に伝えようとしてきます。
こちらがメモをしながら要所要所で質問したり確認するとあからさまにイライラしています。
そういう怒ったような態度で接してくる人を相手にしていると動機が激しくなって冷静でいられなくなります。
わかりますねー。人のペースに巻き込まれずなるべく穏やかにいたいのですがいくつになっても変わりません。
簡単に性格は変わらないかもしれませんが自分の気持ちを保つヒントや参考になる本があれば紹介してくださいといただきました。
ありがとうございます。
すごいわかりますわー。私も一定に保ちたいタイプなので自分の気持ちを、そしてあんまり感情の起伏が表に出にくいタイプなので、
出る人は感情の起伏が激しくて表に出やすいタイプの人がちょっと苦手だったりしますね。
でもまあこんなまったりした欲望のないラジオを聴いてくださっている方はきっとそういう人が多いんじゃないかなと勝手に思ったりして仲間意識を持っています。
今日の勝手に貸し出しカードは臨床心理師の東波多海人さんによる心はどこへ消えたにしました。
こちらは週刊文春に連載されていた心はつらいよを歌詞してまとめられたもので心とは何かをめぐるお話を綴ったエッセイなんですね。
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東波多さんがどんな方でどんなエッセイか詳しくご紹介していきたいと思います。
まず東波多さんはバジー東波多と名乗っているんですね。
バジーっていうのはバジー豆腐から来ていてバジー豆腐のバジーなんですけどカウンセラー聞くのがお仕事なのにバジー豆腐右から左へ聞き流すみたいでおかしいですよねどういうこっちゃって感じなんですけど
でも読めば読むほどすごく優秀なカウンセラーさんってカウンセラーに限らず人の話を聞くお仕事をされている方っていうのは
どこかバジー豆腐その人自身っていうよりからは周りの意見や評判をあまり気にしないで目の前の人の話だけを聞いてくれて
そしてその人からの自分の評価もあまり気にしないでいられる人なのかなって思ったりしました。
必要以上に自分に引きつけて考えないってことですかね。
私とかは聞いていると聞いてあげてる私のことを相手はどう思ってるんだろうとかどういうふうに評価してるのかなってついつい考えてしまいますし
職場で誰かが例えば上司がフーとかため息ついたりチッて舌打ちしてたりするとすぐ自分のせいなのかなっていう自分がやっちゃったかなって思っちゃうタイプなんですよ
自分のせいじゃないってわかってたとしても自分の出した企画が何かの事情でとんざしたり
自分に関する悪いニュースなんじゃないかって思っちゃうわけなんですね。
たぶんほっぺまんさんとかこのポッドキャストを聞いてくださっている方も多くはそういうタイプなんじゃないかなぁと思ったりして
だからこの抑揚のないラジオだと感情が引っ張られなくていいでしょうなんつって
豆腐バジ
バジ豆腐か
バジ豆腐我関せずっていうのはそういう人の感情に引っ張られないっていうのもあって
遠畑先生のこの人へのスタンスというか距離の取り方結構羨ましいなって思いました
すごくいいなと思って勉強になった部分もすごくありましたね
このエッセイの中にはカウンセリングルームで起こるたくさんのやりとりだったりクライアントさんのエピソードが出てくるんですね
クライアントさんのプライバシーは機密情報なんでフェイクが入ってますとは後書きに書いてあったんですけど
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ある程度真実がミックスされて書かれているのかもしれませんが心の相談にいらっしゃるいろんな人たちのエピソードを読んで
この人の状況よりはマシとか私が苦手なあの人もこの人ほどエキセントリックじゃないなとか
こう言っちゃうんですけど比べてほっとしちゃうところがあってそういうちょっと意地悪な意味でも癒される本でした
2020年の5月から2021年の4月までの連載というふうに後書きにあったのでまさにコロナ禍の真っ只中にあった連載をまとめたものなんですよね
だからコロナが人々の心にどんな影響を及ぼしたのかっていう話があらゆるところに出てきて書いてあって
だから心を病んだりわかりやすく息づらさを感じていらっしゃる方もそうじゃない人でも誰しもに関わりがあって思い当たることのあるお話が多いんじゃないかなと思いました
そんな一説をちょっとご紹介したいと思います
心は変化に弱いよく知られた話だがストレスとは嫌なことに対する心の反応ではなく
あらゆる変化が心にかける負担のことを指す
だから現実が激変するとき私たちはできるだけ自分を変えないように必死に抵抗するとありました
ストレスっていいことでもストレスかかるって言いますもんね
結婚するとかそういうプラスのことでも環境が変わるって負担の大きいことだから心は変化に弱いって書いてあってなるほどなぁって思ったんですよ
だから多くの人たちっていうか全員にとってこのパンデミックはストレスだったわけでやっていいことと悪いことが激変する環境の中にいなきゃいけないってね
すごい負荷だったんだなって思いました
この本からこのまま引き続き今日は紙フレーズをご紹介してそしてほっぺまんさんのお話に戻したいと思います
今日の紙フレーズをお読みします
出会いを意味するエンカウンターという言葉の語源は敵と出くわすなのだそうだ
他者は潜在的に敵であり得て私たちを傷つける可能性を含んでいる
とありました
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このお話に出てくるカウンセラーに通っている女の人は割と完璧なタイプでコミュニケーションが上手な女性なんですね
話を聞きながら論理的に話を整理して受け止めてそうかもしれないです
って言って洞察して話を広げてくれるから
カウンセリングをしている自分がすごく優秀な人に思えてくるっていうふうな表現の仕方を
戸畑先生はされてましたがそういう人っていますよね
話を聞くのが上手でそうかもしれないです
それってこういうことですねって言って自分の話を広げてくれて
話しているこちらがすごい賢い人になったような気分になれる話の聞き方をしてくれる方って
でもこの彼女がどうして相談に来たかっていうと
そんな感じの良いコミュニケーション上手そうなのに定期的にすごいこう
人間関係とか職場とかをリセットしちゃうんですって
友達とかを一気に切っちゃったり
転職したくなっちゃうってことなんですけど
それが何故かっていうのをカウンセリングしながらこの物の中で掘り下げていっているわけなんですが
ちょっとはしょってお話しすると
そうやって人に上手に合わせてそうかもしれないですねって聞いている
そうかもしれないは否定なんだっていうことにご本人が途中で気づくんですけど
そうですねじゃなくてそうかもしれないっていうのは本人の中では認めてないっていうことだったんだっていうのに気づくんですよ
その辺結構面白いなって思ったんですけど
そういうふうに何だろう
ちょっとずつ否定を隠して合わせていることが
蓄積した結果ある一定まで限界に達すると
そうやってリセットしたくなっちゃうっていう感じなのかなって思ったりして
そこに気づいたっていうことで
人とぶつかったり
この先生とぶつかったりして
一歩踏み込んだ関係になるチャレンジができるようになったっていう話なんですよ
すごいなと思って
でこの後にね
他者は先ほど言ったようにエンカウンターって
他者と出会うって敵と出会うっていうことなんだなってそもそも
危険な他者は
だけど危険な他者は栄養でもあるってこの本には書いてあって
RPGではモンスターと戦わないとレベルは上がらず仲間も増えない
敵かもしれない他者と辛抱して付き合ってある時その人が友であり味方であると気づく
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少なくとも敵ではなかったと知る
そういうことの積み重ねが私たちの心を深くしてくれる
というふうにありました
コロナ禍で結構一人の時間を過ごせて
こっちの方が心地いいな嫌な人とあんまり毎日顔合わせなくていいなって思えた部分もあるけれども
嫌な人とか苦手な人と辛抱して会うっていうことも
逆に言うと自分らしさをキープするために必要なのかなっていうのを
この文章から感じました
自分の性格を変えてでも変えづらいところを変えてでも雰囲気をよく感じよく仕事をきちんとこなそうと思ってらっしゃる
ってことはもうそんなほっぺさんがすごいと思いましたしめちゃくちゃレベル上げさっきのある
PGゲームの話で言うとレベル上げしてるじゃないですか
イラつきがちな上司の方もねもしかしたら
ほっぺまんさんとの仕事をどうでもいいと思っているわけでもないし怒りっぽくしたいわけでもなくて
多分いい上司でいたくてかっこいい上司でいたいからスマートに
頼み事をしたくてなるべく簡潔に口頭で軽やかに伝えたくて
でも容量を得ない自分の説明の仕方にイラついちゃうっていうか
ほっぺまんさんからいい質問をされればされるほど自分がうまく説明できてないってことに気づいちゃってイライラするのかなと思ったりして
RPG仲間ができるって書いてありましたけど確かにあの人いつも感情的になって頼み方をもっとちゃんとしてよって
思っている人も他にもいらっしゃるかもしれないですよね
まあそんなことをこの本を読みながら思いました
完全に好きになったり肩あだき合う仲間になるみたいなことは
その上司の方とはないかもしれないけどまあそれはそれでいいんじゃないでしょうか
バジー党風な感じでいいのかなってこの戸畑先生の本を読んで思いました
他にももしかして気に入った文章があったらいいなと思います
今日は最後までお付き合いいただきありがとうございます
リクエストありがとうございました
さてそろそろお時間になってしまいました
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は皆様からのお便りをもとに
いろいろなテーマでお話したり本を紹介したりしております
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ミモレのサイトからお便り募集していますのでぜひご投稿ください
また水曜日の夜にお会いしましょう
おやすみなさいおやすみ
15:17

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