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連休にじっくり読みたい「波待ち本」5冊
2026-04-29 18:18

連休にじっくり読みたい「波待ち本」5冊

EP.246▶︎今夜のお話: 心がざわざわしているときに雑に読みたくない本 /積読ではなく「波待ち」と呼びたい理由/ 翻訳家が時間をかけて選んだ言葉の力 / 研ぎ澄まされた書き出し / 川上未映子さんの「りぼん通信」の満足感 /すばる文学賞を読むにはフレッシュさが足りない / フランス発のSFミステリー『異常・アノマリー』に挫折した / 心の「あわい」はどっちつかず /読んだことあるかもしれないミステリーを再読する

▶︎今夜の勝手に貸出カード

・岸本佐知子『あれは何だったんだろう』(筑摩書房)  https://amzn.to/4cDuseV

・更地郊『粉瘤息子都落ち択』(集英社)  https://amzn.to/3R7bGnH

・エルヴェ・ル・テリエ著、加藤かおり訳『異常・アノマリー』(早川書房) https://amzn.to/4w2L1sy

・宮地尚子『傷のあわい』(筑摩書房)  https://amzn.to/4eeEhkP

・中山七里『殺戮の狂詩曲』(講談社文庫) https://amzn.to/4eO2YVi


▶︎あわせて読みたい「連休や旅のお供」におすすめの本

・宮地尚子『傷を愛せるか』(筑摩書房)

・岸本佐知子『ねにもつタイプ』(筑摩書房)

・アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(早川書房)


▶︎番組概要

夜眠りにつく前の“聴くだけ読書会”。講談社のバタやんこと川端里恵がおすすめの本や心に響くフレーズをご紹介します。毎週水曜日の夜に、リスナーの方のお悩みや気分のリクエストにおこたえして、本を1冊、勝手に貸し出しいたします。読んでも、読まなくても、”あしたが楽しみになる”読書の時間を共有する図書室です。 ぜひフォローをお願いします。

▶︎本のリクエスト、番組へのメッセージはインスタのDMよりお送りください

https://www.instagram.com/batayomu/

▶︎番組ハッシュタグ: #真夜中の読書会

▶︎MC: バタやん(川端里恵・KODANSHA)

1979年生まれ。2002年に講談社に入社。広告営業、女性誌「with」「VOCE」「FRAU」「mi-mollet」編集部などを経て、今は人事・総務を担当しています。文芸編集者も漫画編集者も経験していないけど、本と漫画と雑誌を読むのが好きです。メンタルケア心理士。 ※講談社の出版物に限らず紹介します。発言や感想は、完全に個人の見解で会社を代表するものではありません。

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▶︎noteで紹介した本をまとめています| https://note.com/batayan_mi


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サマリー

このエピソードでは、パーソナリティのバタやんが、連休中にじっくり読みたい「波待ち本」として5冊の本を紹介します。積読ではなく「波待ち」と呼ぶ理由や、翻訳家が時間をかけて選んだ言葉の力、研ぎ澄まされた文章について語ります。また、川上未映子さんの有料メルマガ「リボン通信」の魅力や、SFミステリー『異常・アノマリー』に挫折した経験、そして「傷のあわい」という言葉のニュアンスについても触れ、リスナーに自身の「波待ち本」を問いかけます。

リスナーからのメッセージと「波待ち本」の定義
真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
今晩は第246夜を迎えました。今夜のお便りをご紹介します。
ペンネームメイカウさんからいただきました。
バタやんさん、こんにちは。こんにちは。
ポッドキャストを毎回楽しく拝聴しています。
番組で紹介された本の中で、自分でも読んで特に印象に残っているのは、
母という呪縛、娘という牢獄、それから真珠とダイヤモンド、黄色い家です。
ありがとうございます。パンチの強い三連ちゃんですね。
はい、ところでゴールデンウィークはどのように過ごされますか?
私はもっぱら断捨離と読書になりそうです。
そんな中、以前番組でツンドクのことを波待ちと表現されていたのを思い出し、
自分の波待ち本を手帳に書き出してみました。
そしてリストの一番上に波待ち本と書き、その下に青いペンで波線を引いてみたところ、
なんだか爽やかでワクワクした気持ちになりました。
あら、なんてかわいいエピソードでしょう。
波々引いてみたんですね。
私もノート書いたりしますよ。
読書の記録みたいなの、ちゃんとつけてはいないんですけど、
ちょっと気になった一文とか、これこの後読もうとかっていうのはメモしてあります。
今、バタヤンさんの波待ち本にはどんな本がありますか?
もしよろしければ教えていただけたら嬉しいです。
これからも番組を楽しみにしています。
バタヤンさんのペースで末永く続きますようにお祈りしています。
といただきました。ありがとうございます。
そうそう、そのツンドクっていう言葉があまり好きじゃないっていう話をどっかでしたかもですね。
なんでだろう、音がつんざくみたいだからですかね。
読まずにとってあるっていうこと自体は、なんかこう自重的に言うことじゃなくて、すごくいいことですよね。
読みたいなと思って買ったけど、まだ読まずに置いてあるっていうものは、幸せがとってあるみたいなことだから。
でも今じゃないってことはあって、買った時の気持ちと違ってたり、
忙しさとかによって読み始めてもどうも乗り切れなくてっていうのはあるので、
それを私は波待ち本と呼んでいます。
乗れる波が来ればきっと読みこなせるはずっていう意味ですね。
そんなわけで今日は今リアルにこれから連休に私がこれを読もうと思って、
とってある本を5冊紹介したいなと思ってます。
つまりまだどれも読み終わっていない本なので、
なんで面白そうって思ったのか、なんで買ったのかと、
なぜ今とってあるのかっていうことを話してみようかなと思います。
読み終えたらまた予測で貸し出しカードとして紹介するかもしれないので、
気になる本があれば予習的に一緒に読んでもらえたら嬉しいです。
岸本佐知子『あれは何だったんだろう』の魅力
さて最初の1冊目は岸本幸子さんの最新のエッセイ本、
あれは何だったんだろうっていう本です。
これは本当につい最近出たばかりで新刊買ったんですけど、
まだちょっとだけしか読まずに撮ってあります。
岸本さんはもちろん有名な機代の翻訳家でありながら、
機代のエッセイストでもあって、
1冊目の根に持つタイプは講談社エッセイ賞も受賞されているんですけど、
これは根に持つタイプから4冊目に当たるそうです。
翻訳家でもあられるんで、
ちょっと言うと一個一個の言葉を意味があって選んでるって感じが、
私にとってはすごくするんですよね。
例えばちょっと1個目、
一軸っていう一編があるんですけど、冒頭読みますね。
一軸が好きだ、あれば必ず買う。買って食べる。
とありまして、
普通に書けばですよ。
私は一軸が好きで見かけたら必ず買って帰って食べます。
っていう風になると思うんですけど、
一軸が好きだ、あれば必ず買う。買って食べる。
って3つの文章にわざわざ分けて、
しかも買うっていう言葉が重なってて、
タイトルの一軸は梨花果物の花っていう漢字で書いた一軸なのに、
1文目の一軸はカタカナで一軸って書いてあって、
梨花花って書いた漢字の、
これなんて読むんだっけって思った人の気持ちを救ってくれる一軸だったなっていうカタカナで書いてある。
この3つにわざわざ分けてるとか、漢字の一軸とカタカナの一軸を混在させてるとか、
とにかく一個一個すごく考えてそうしてんだろうなっていう、
それは作為的といえば作為的かもしれないんですけど、
これはAIには書けない文章だなと思いますし、
人が時間をかけて選んだ言葉、時間をかけて書いた文章を読むっていうのは、
やっぱりすごくいいなって思わされるのが岸本さんのエッセイです。
これはなんていうか安排って感じなんで、読んだら絶対面白いから、
いつ何時読んでも頭にスッと入ってくるから、
もったいないからとってあるっていう波待ち本ですね。
心がざわざわしてる時に雑に読んだら、なんかもったいない感じがするから、
ゆっくり読める時にとっとこう、一文字一文字なぞるように読める時にとっとこうと思ってるって感じですかね。
川上未映子さんの「リボン通信」と読書体験
ちょっと話がそれるんですけど、私すごく楽しみな読み物が一つあって、
川上美恵子さんのリボン通信っていう、なんていうといいのかな、
有料で読めるメルマガみたいなもんなんですけど、
メルマガって言うとちょっと軽い、軽すぎる気がするんで、
もっとなんか重たい毛質の風書が届くぐらいパワーのある文章が送られてくるんですね。
川上美恵子さんの最近の日記みたいな内容の時もあるし、
それは例えばこんな受賞式があってこんな服を着ていきましたとか、庭にこんな花が咲きましたみたいな日記みたいな内容と、
あるいはちょっとした昔話、昔のエピソードの切り取りみたいなものだったり、
今の文学界に思うことみたいな内容だったり、
有料払ってる読者向けっていうこともあって、結構本音で書かれている部分も面白いですし、
いいものを読んだ、読ませてもらったなっていう満足感がすごいあるんですよね。
これはなんですかね、文章が上手いとかそういうことじゃないんだと思う。
もちろん文章は上手いんですけど、
人が考えていることをこんなに表現できる、セキュララに書けるってすごいなっていう、
その才能に触れられる楽しさみたいなのを存分に味わえるメルマガです。
もしちょっと気になったらリボン通信チェックしてみてください。
お写真も可愛くて楽しみにしてますけど、
メールがリボン通信っていうタイトルのメールが来るとキュンってなって、
でも今読んだらちょっともったいないかなとか、
こんな帰りの化粧もドロドロで満員電車に揺られながら読んではいけないような、
綺麗にちゃんとメイクも落としてお風呂に入ってからゆっくり読もうかなと思って、
開けないで取っておいたりするくらいで、
でもそうすると忘れちゃったりして、
だからお金払ってるのにまだ読んでない何本かがあります。
さてさて本の紹介に戻りますね。
更地郊『粉瘤息子都落ち択』と挫折経験
2冊目はサラチコウさんの
「ふんりゅうむすこみやこうじたく」という小説です。
もう一回読みますね。
「ふんりゅうむすこみやこうじたく」というスバル文学賞受賞作だそうで、
フレッシュ、フレッシュって感じですかね、一言で言うと。
これは本当に波待ち本です。
一回波に乗れなくて途中で挫折をした、
タイトルからして意味がわからない、
ふんりゅうむすことは、みやこうじたくとは、
みたいなセンスが炸裂しています。
こういう純文学の神聖みたいな作品って、
すごい天才だってなる時と、
本当全然意味わかんないってなる時があって、
それは自分の状態にもよるので、
相性とかもあると思うんですけど、
こういう本はゆっくり時間のある時に、
自分の感度がちゃんと回復している連休の後半とかに、
向き合いたいなという気持ちです。
ちょっと簡単にどんな小説かご紹介しますと、
上司のパワハラで会社を辞めて、
今は無職で東京の西東京の方かな、
住んでいて格闘ゲーム好きっていう男の人が主人公でして、
少し不思議な事件、事件と呼べるのかな、に遭遇しながら、
東京での一人暮らしの日々を生産して、
実家に帰る過程が描かれています。
これと向き合うには、
自分のフレッシュさを取り戻す必要があるっていう、
意味の波待ち本でしょうか。
エルヴェ・ル・テリエ『異常・アノマリー』の紹介と挫折
さて続けてもう一冊も途中挫折した本です。
これはエルベール・テリエさん、
加藤香里さん役の美女アノマリという本になっています。
フランスで超ベストセラーになっているそうで、
SFミステリーですかね。
SNSで見かけて、わー面白そうと思って買って、
すぐ読み始めたんですけど、
インスタでもご紹介したかな。
そしてすごい面白かったんです。
初めから。
でも登場人物がめっちゃ多くて、
11人の乗客が描かれるのかな。
それでちょっと途中で中断したら、
誰が誰かわかんなくなっちゃって。
どういう設定かと言いますと、
ニューヨーク行きのエールフランス006便という
飛行機が乱気流に巻き込まれるんですね。
その3ヶ月後にまたその006便には同じ乗客が乗っている。
つまり同じ機体、同じ乗客で同じ記憶を持つ、
全く同じ便が3ヶ月後に再び現れるという異常現象、
アノマリが発生しまして、
その11人の乗客たちが描かれるんですけど、
彼らが自分自身をどうシェアし、
シェアしっていうのかな、
周囲と折り合いをつけるかっていう。
ちょっと何かをしゃべると全てネタバレになっちゃうから、
説明しがたいんですけど、
全く同じ人たちが同じ便で違う時間に現れるみたいな設定を、
どう描くかっていう知的な実験みたいな、
エンターテインメントです。
なんか新しいって感じがしました、とにかく。
ちょっとわけわかんないとこもあって、
11人それぞれの乗客は殺し屋だったり、
癌を告知された人とか、売れない作家とか、
そのニューヨーク行きのエールフランスに乗る背景があるわけですね。
それぞれが描かれて非常に面白いんですけど、
この11人が途中で中断すると覚えきれなくて、
この人が作家の人で、
この人が癌の人でっていうのがごちゃごちゃになって、
途中で挫折しちゃったんですけど、
連休に飛行機に乗る予定があるので、
そこで集中して最初から読み直してみようと思って撮ってあります。
飛行機で読んだら怖いかな。
文章が独特で魅力があるんですね。
フランスのミステリーって私もあまり読んだことがなかったんですけど、
端的に言うとちょっと気取ってる感じがしていいなと。
プロジェクトヘイルメアリーは皆さん読まれましたか?
あれはザ・アメリカって感じが私はしたんですけど、
プロジェクトヘイルメアリーを読んで、
SF意外と好きかも読めるかもってなった映画を見て、
面白いなっていう人は是非アノマリーもチェックしてみてください。
あれをプロジェクトヘイルメアリーをフランス人が書くとどうなるんでしょうね。
変わるのかな。
あまり国でくくるというのも乱暴ですけれども、
お国柄の違いがSFって、中国のSFも面白いですけどね、
現れて面白いなと思ったりします。
宮地尚子『傷のあわい』と「あわい」のニュアンス
さて続けて4冊目は宮地直子さんの傷の淡いという文庫本です。
宮地直子さんの傷を愛せるかっていう本をこの前読でもご紹介しました。
あの本はですね、私の中では何度も何度も時より読み返す数少ない本の一つであり、
バイブルとかって言うとちょっとこそばゆいですけれども、
読むと落ち着く本ではあります。
傷の淡いというのはそのご紹介した傷を愛せるかより前に書かれたようでして、
タイトルにある淡いっていうのは文庫の解説に淡いの説明が書いてあるんですけど、
2つのものが重なった間、交わっている領域のことで、
間と言ってしまえば、傷の間と言ってしまえばその通りだけど、
間より曖昧なのかな、淡いの方がどっちとも言えないみたいなニュアンスがありますよねっていう。
傷の淡いっていうタイトルだけで一晩のめちゃうような素敵な文章のぐっとくる、じわじわくるお話なんですけど、
どんなことが書かれている一冊かというと、精神科医でいらっしゃる宮地直子さん、
長者は若い頃にアメリカのボストンでカウンセリングをされていて、
ボストンにいらっしゃる日本人の心の健康についてを記録した本になっています。
海外で生活するっていう環境の変化で、いろいろ気持ちが揺れたり不安になったりする人たちの話を静かに聞き見守るっていうのが文章として綴られています。
これも旅に向かう飛行機とか電車、長距離電車の中で読みたいなと思って撮ってあります。
中山七里『殺戮の狂詩曲』と再読の楽しみ
最後、今日は今日ご紹介する最後の一冊です。
ガラッと変わってエンタメ小説、中山七里さんの殺戮のラプソディー。
これは高段車文庫でつい最近出たばかりですね。
三越場弁護士シリーズという人気シリーズの一つなんですけれども、
少年時代に殺人を犯して今は名前を変えて弁護士になっているっていう三越場玲司弁護士が主人公で、
何作目にあたるのかな、毎回面白いのでとても楽しみにしているんです。
今回の舞台は高級老人ホームで入所されている方を次々と殺した犯人を弁護することになった三越場弁護士が描かれています。
読み始めてあれ、もしかしてこれ単行本で読んだかもしれないと思っちゃったんですけど、
ちょっと焦っちゃったんでまた読んでみようと思ってます。
こういうあれ読んだ、読んだかもしれないっていうエンターベーション説をまた読むっていうのも連休の楽しみの一つでもありますね。
番組の締めとリスナーへの呼びかけ
さてさて皆さんの並待ち本は何でしょう。
メイカブさんは何をノートに書かれているんでしょうか。
連休の方もそうじゃない方もお好みに合いそうなものがあったら嬉しいです。
メイカブさんリクエストありがとうございました。
さてそろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では皆さんからのリクエストをもとにおすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介しています。
リクエストはインスタグラムのパタヤムーからお寄せください。
お届けしたのは講談社のパタヤンこと川端理恵でした。
また水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。
18:18

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