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2020-10-28 10:30

【第32夜】女同士、マウントとってる時間などないから

おすすめの読書入門法というお題から、今、文芸誌がポップでアツイ!!という話になり。最近の胸アツだった文芸誌『文藝』2020年秋号の「覚醒するシスターフッド」特集をご紹介。シスターフッドとはなんなのか? 元AKB48の秋元才加さんのエッセイがとても素敵だったのでご紹介します。

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ミモレ真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジン、ミモレ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて、明日が楽しみになる、をテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第32夜となりました。いかがお過ごしでしょうか。
今夜のお便りご紹介します。石川県にお住まいのみーちゃんさんからいただきました。
本を読む人になりたいのに、なかなか読む習慣がつきません。読みやすい本はありますか?とのリクエストありがとうございます。
本を読む人になりたいって、いいフレーズですね。タイトルにできそう。
本を読む人になる習慣にする、おすすめの入り方は、文芸紙を読んでみることです。
ちょっと意外なご提案でしょうか。文芸紙ってわかりますか?
小説スバルとか文芸とか、講談社だと群蔵とか小説現代があるんですけど、買ったことないっていう人が、もしかしたら多いかもしれないんですけど、
私自身もそんな昔から文芸紙を愛読してました、みたいなタイプではなくて、
最近、本当につい最近いろいろ買って読むようになって、そしたらすごく面白くて気軽に読めて、
つまみ食いっていうか、途中まで読んでやめてもいいし、どっから読んでもよくて気軽だなと思いました。
文芸紙って文芸の雑誌ですけど、敷居が高いイメージがあるじゃないですか。
入りにくい大縄跳びみたいなね、続きものだと小説が途中からだから入れないとか、
あとわかる人にしかわからない話ばっかり書いてあるんじゃないかとか、
そう私も思ってるところもあったんですけど、読むと結構長編は意外と多くなくて、
読み切りの短編がたくさん載ってるし、
今月はフェミニズム特集ですとか、韓国文学特集ですとか、特集があるタイプの文芸紙が多くて、
テーマにまつわる著名人やアーティスト、女優さんと作家さんの対談とかもあったりして、
コラムもたくさんあって、意外な人が書評を書いてたりするんですよね。
音楽で言うと、クラブミュージック最新ヒット100とか、K-POP NOWとか、
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アソートされたヒットのベスト版みたいな、今流行ってる曲とかグループはこういう感じなんだって、
初心者がざっくり知りたい時に聞くやつあるじゃないですか。
最近はあんまりアルバムでああいうの買わないけど、
スポーティファイとか音楽配信系だとそういうふうに最新ヒットがまとまってるやつがあるから、
そういうの私も聞きますけど、あんな感じに近いかもですね。今の文芸紙って。
今の文芸紙ってすごく表紙も含めてポップになってるから、
POPSのコンピレーションアルバムみたいなものに近いと思いますね。
その中から気に入った人がいれば他読んでみようかなとか、
とりあえず今イケてる人の名前を知れるっていうね、どこから読み始めてもいいし、
私も読んでも知らない名前の人も本当に多くて、
名前を覚えられるだけでも結構入り口としてはいいなと思ってますし、
途中でやめても単行本ほど罪悪感がないっていうか、捨てやすいですしね。
捨てやすいって入りとして重要ですよね。
最近文芸紙ですごく面白かったのが文芸っていう、文芸ってどこから出してるんだ。
文芸春秋じゃなくて、川出処方針社さんですね。
川出処方針社さんの文芸紙、文芸がお気に入りなんですけど、
2020年秋号が覚醒するシスターフットっていう特集だったんですよ。
最新号じゃなくて1個前かな。
こちらをみーちゃんさんへの今夜の勝手に貸し出しカードにしたいと思います。
前置きが長くなっちゃったんで後半に続きます。
この文芸2020年秋号の覚醒するシスターフットという特集タイトルがまずいいじゃないですか。
シスターフットって最近の私の気になるキーワードの一つなんですけど、
女同士の友情とか連携とか女のバディものとかね、
ブラザーフットに対抗するシスターフットなのかな。
フェミニズム流れのキーワードなんだと思うんですけど、
ブラザーフットと言えばビーズ好きの私としてはあまり対抗してほしくないなと思っちゃうけれど、
フェミニズム的な意味合いで対男性的な勢力に対抗するものっていうだけじゃなくて、
女同士手と手を取り合うって最強だよねみたいな女子高的な悪ノリもあって、
いい言葉だなと思っています。
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でこの文芸人は桐野夏夫さんとか、
あと柚木浅子さんとか、シスターフットと言えばこの人っていう人が短編小説を書き下ろしてたりするわけで、
豪華ですよね。
お二人はタワマンのママ友の争いとか、独身バーサスセレブ主婦の争いとか、
女が対決する話を書いている人というイメージもありますけれども、
桐野夏夫さんのアウトとかね、あれはシスターフットっちゃシスターフットですよね。
究極の連携して旦那さんを切り刻んじゃうみたいなね。
この中に元AKB48の秋元沙耶香さんがエッセイを寄せてらして、
それが素晴らしかったので、今日はこちらのエッセイから紙フレーズをご紹介したいと思います。
世間がアイドルや女性の集団に臨むドロドロとしたいざこざもほとんどなく、各自の夢を叶えるため、最短距離を導き出そうと多くの時間を費やした。
足を引っ張り合う時間なんてない。手を取り合い知恵を出し合ってどうしたら前進できるかを一生懸命考えた。
常にモチベーションを保ち、私たちはどこに向かって行かねばならないのか。
目標やゴールのすり合わせをたくさんした。
ミーティングは大抵15分。だらだら話し合わない。
夢も大事だが、遊びも大事。私たちはいつだって忙しい。
そう、女の人って女の子って時間がないですよね。
そう、いつだって忙しいんですよ、とこの文章を読んで思って。
男の人って朝起きて5分10分で家を出られるけど、そうはいかないから、
アイドルじゃなくったって女同士で争ってる時間なんかないんですよね。
秋元さやかさんにこのシスターフットをテーマにエッセイを書いてくださいと頼んだ人が、
アイドル時代に争ってた話を期待したのか、仲良しだった話を期待したのかわからないですけれども、
いや違うかな、やっぱり結束している強さを知ってるからお願いしたんでしょうね。
さらに仲良しだったっていうことよりもうちょっと奥の次元の話ですよね。
女の連携みたいな。秋元さんが言っている夢をつかむためには連携するのが近道っていう話は、
表面的に仲がいいか悪いかっていう話とは違うのかなと思いました。
連携した時のパワーも楽しさもきっと皆さんも体験したことがある。
それは女同士だけじゃなくて男同士だってそうだと思うんですけど、
そんな小説とか漫画とか映画が増えていくのは楽しいことだなぁと思っています。
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この号の関東には宇佐美凛さんの「推しもゆ」っていう小説が全文掲載されてまして、
それがすごく面白かったので、また次回ご紹介したいなと思っています。
推しもゆっていうタイトルの通り、自分の推しがファンを殴って炎上しちゃうっていう話なんですけどね、またすごく面白かったです。
さて今日はこんなところで最後までお付き合いいただきありがとうございました。
さてそろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室はこんな感じで皆さんからのお便りをもとにしながら、
いろいろなテーマでお話ししたり、本を紹介したりしています。
MIMOREのサイトからお便り募集しているので、ぜひご投稿ください。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。
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