AIモデルのメリット
ファッションセンター島村からAIモデルがデビューしたという話です。
結構前の話なんですが、なかなかポッドキャストを更新できなかったので、タイミングを逃した感じの情報発信になってしまいます。
島村がAIモデルを使いますということに対して、AIモデルはスキャンダルがない、不祥事がないのがメリットという声を結構見かけたんですが、私はちょっと違うだろうと思ってもやっとしました。
島村が出しているリリースによると、AIモデルを寄与することで従来よりもスピード感のある反則を実現し、10代から20代のファン層拡大につなげることを目的としています。
若年層に親しみやすいビジュアルとし、SNSを中心に情報を発信していきますということでした。
文面通り受け止めると、いちいちモデルを使って撮影するよりもAIモデルを使う方が早いと。そして直接書いてはないですが、コストも抑えられるということなんでしょうね。
AIモデルならば見た目をある程度は調整できるので、若年層に親しみやすい、望み通りのビジュアルを実現しやすいということでしょうね。
とはいえ、リリースに直接書かないけども、スキャンダルがないというのも裏側の事情としてあるんじゃないかと、そういうことを言っている人は思っているのかなと思います。
ただ、生身の人間のモデルが持っているタレント力みたいなメリットをAIモデルは当然持ってないですよね。
タレント力のある人をモデルに起用すれば、その人の知名度とかSNSでの発信力とかによる宣伝効果が期待できます。
そしてその人のタレントイメージとか人気を商品のイメージ付けに役立てることができますよね。
その人に憧れているから、その人と同じファッションをしたいとか着こなしを参考にしたいとかいうことにもつながりますよね。
もともとその人についているファンの人が興味を持ってくれる、買ってくれるということも期待できます。
そういったメリットとスキャンダル不祥事などがあるというデメリットを天秤にかけてタレントの人を起用するということになるわけなので、
そういうメリットが全くないAIモデルにスキャンダルがないというメリット面だけにスポットを当てるのは的外れな感じしかしないと私は思います。
AIモデルの利用
じゃあ知名度がもともとない人間のモデルならば、そういうタレント力みたいなメリットはないよねという反論もあるかもしれません。
でも、だったらその知名度のないモデルだったらスキャンダルのリスクも非常に低いはずですよね。
世間で話題にならないわけですから。
要するにスキャンダルのあるなしを語るようなモデル、タレントであればそれなりに知名度がある、人気のある人なはずなので、
タレントパワーによるメリットがとても大きいというところで、AIモデルとは土俵が違っているということかなと思います。
で、この島村のAIモデルはAIモデル株式会社が手がけています。
何度かこのポッドキャストでも取り上げた伊藤園の大井お茶のCMに登場したAIタレントを手がけたところですね。同じ会社です。
で、ここからは大井お茶のAIタレントの時に話した内容と重複する内容が多くなってしまうと思いますが、聞いてください。
AIモデル社がアパレルの商品撮影でやっているのは、モデルが服を着ている写真をAIの力で効率化するということがメインの要なんですね。
なので、モデルを撮影して顔をAIで別人に変える、またマネキンに着せて撮影した服をAIを利用したツールで合成するといったことをしているらしいです。
そしてこれはモデルにとってもメリットがあるらしいんですね。
モデルの谷間という言葉があって、30代中盤で仕事が減って、もう少し年齢が上がるとまたニーズが出てくるらしいんですが、そういう年齢にある程度縛られずに仕事ができるようになる。顔がAIで別人になるわけですからね。
そして競合の縛りを気にせず仕事ができる。こっちの会社のモデルの仕事をしたらライバルメーカーのこっちの広告には出られないというようなことがなくなるということです。
そしてクライアント企業側のメリットとして契約期間の縛りがなくなるということも大きいようです。
だいたい2年縛りというのが通常のパターンのようで、例えばECサイトの商品紹介でモデルを使うときに、2年間の権利が切れた後でも顔を切ったら使っていいと。
顔が映らないように画像を処理したら使っていいという契約で顔が出ない状態でモデルを掲載することをアパレル業界では顔切りモデルと呼ぶらしいです。
でもAIモデルならそういうことをする必要がなくなると。
なので島村のAIモデルも契約期間などなく専任のモデルとして長い間使い続けることができる。
で当然年も取らないという方がスキャンダル云々よりもよほど大きなメリットだと思います。
島村のAIモデルルナちゃんはインスタグラムにアカウントを持っていて、そこが発信の基盤になっているようです。
ニュースなどで取り上げられたこともあって、コメント欄では結構否定的なコメントも目につきました。
人間の仕事が奪われていくことに対する批判であったり見た目に対する違和感とかそういう声が多いようでした。
この人を応援して何になるのというコメントがあったんですが、これは結構考えさせられるテーマなのかなと思いました。
もちろん肯定的な声もありました。
島村の売りは商品の安さなんだから実在モデルに金使うよりこういうところで経費削るのはすごく良いと思います。みたいな声もありました。
ただこの辺のコメントはAIモデル誕生みたいな感じの最初の頃の投稿だけで、その後はアンチ的なコメントも減ってますし、
普通にモデルのルナちゃんに対する反応としてもそんなに盛り上がってない感じでした。
なお先ほど話したAIモデル株式会社のやってることの説明に関しては、ビデオサロン2024年2月号の特集
映像クリエイターと生成AIの中にある記事で読んだものです。
それを読んだ上での私の感じとしては、AIモデルとはいえみんなが思っているよりは手間も時間もかかっているんじゃないかと思っています。
結構泥臭い部分というか人力に頼っている部分もありそうに感じました。
AIで生成した画像をフォトショップで細かく加工して仕上げていくという作業を私やったことあるんですが、
そういう感じの地味な地道な画像処理などもやってるんじゃないかなと思います。
AIを使ったと言うとすごく簡単にできてしまっているみたいに思われるのも批判されがちな要因の一つなんでしょうね。
今回は以上です。アシカガコウジがお届けしました。
キャット足利。